ニューヨークとは、アメリカとは、そして日本とは。 マーケティングに関する話や人々の日常生活の中で思ったこと、考えたこと、驚いたことなどを書き留めていきます。
November 26, 2008
リーダーシップと荒業
こちらは、すっかり寒くなりました。明日は最も大きな祝日の一つでもある感謝祭です。かなりのスピードで不景気に突入している街にも、観光客が増えたような気がしてます。Macy'sのパレードでも見学し、翌日金曜に買い物でもしていくのでしょうか。
さて、写真はここ最近のマンハッタンでよく見かける光景です。数車線もある大きな通りに、写真のような突起物(障害物?)を作っているのです。何故このような工事が頻繁に行われているのか、いろいろな説がありますが、最も信憑性が高いのが、「マンハッタンを走る自動車の量を制限するため」という理由でしょう。
Bloomberg市長は、マンハッタンの車の交通量を少なくしたくて仕方がないようで、橋の有料化案や時間帯に応じた通行税案など、市の財源増プラス交通量削減のための案を何度となく通そうとしてきてます。様々なプレッシャーにより、どの案も実現されてはいないのですが、そうこうしているうちに、物理的に障害物を設置することで自然と交通量を減らそうという動きに出ているとの見方があるのです。
ここでも「さすが」と思いました。たばこが大嫌いな市長は、レストランの完全禁煙化に加え、思い切ったたばこ増税を行い、今ではニューヨーク市が全米一高いたばこを売っている都市となってます。
これら確かに「荒業」ではありますが、僕にとっては強いリーダーシップと思ってます。やはり人の上に立つ立場の人間は、こうした強くてフェアなメッセージとそれを推進するリーダーシップは必須でしょう。通常であれば任期が2期で満了とされるNY市長ですが、同市長はまだ解決できていないことがたくさんあるとして、3期目の出馬も可能になるように条例を調整し始めています。ここまで徹底した心構えは立派ですね。
November 19, 2008
寒くなってきました
今朝起きて気温をみたら26度でした。マイナス3度。いよいよ寒いニューヨークの冬が始まりました。つい数週間前までは、まだ半袖姿もちらほらでしたが、かなりのスピードで真冬に突入してます。写真は、通勤途中に見かけた近くの公園の噴水です。噴水の水はつらら状態で凍り、その周りの植物も凍りづいています。これをみてよけい寒くなりました。
寒いのは気温だけでなく、経済も同様です。ニュースでは、毎日のように、○△社が何千人レイオフ発表。ですとか、3大自動車メーカーがいよいよ危なく、政府に資金援助を求めているなどの寒いニュースが続きます。日本のバブル終焉期にニューヨークに来て、そのままインターネットバブル期にここにいた僕にとっては、これほどまで急激に寒くなる経済に身をおくのは初めてです。
何か暖かくて良い話でもないかな?と日々探したりしているのですが、このご時世、そうはなかなか見つからないものです。少なくとも食べ物だけでもと思い、昨晩はマレー料理のLaksaをチャイナタウンで食べてきました。熱くて辛くておいしかったです。
November 10, 2008
家電量販店の倒産
新大統領が決定し、絶望感から希望の光が少し見え始めてきた感があった先週です。が、株式市場というのはいたって皮肉で、経済の先行き間の不透明さや、アメリカを代表する自動車メーカーGM社の2500億円を超える赤字決算等々の知らせで、相変わらず厳しい経済環境となっています。
そんな中、家電量販店の業界2位である、Circuit Cityが会社更生法(Chapter 11)の管理下となりました。創業59年目、売上高1兆2千億円、社員数約4万人、700店舗以上を構えるこの大きな家電量販店の結論は、2000億円強の負債を抱えてのモノで他の選択肢はなかったのでしょう。
ニューヨークにも数店舗展開しており、写真のユニオン・スクェア店がマンハッタンでのフラグシップストアです。どんな様子かな?と早速見にいったのですが、予想通り何も変わらず普通に営業してました。さらに、「従業員募集中」の大きなバナーも店舗入り口に吊り下げられたままで、この辺の「ゆるさ」がアメリカそのものです。会社更生法を適用した企業が、新規に店員を採用するわけないですよね。僕にとってこのCircuit Cityの思い出としては、多分家電量販店ではじめて「オンラインのオーダーをオフラインにつなげた」企業でした。同社のWebサイトで購入した商品を、郵送させるのではなく、店舗にてピックアップするという仕組みです。一回試したのですが、予想通り店員までその話が浸透されてなく、商品を手にするまでに1時間以上かかってしまい、その間のハッスルを考えたらもう2度としない!と誓った店でもあります。
今まで多くの「会社更生法」適用企業を米国で見てきました。その中には、航空会社やK-Martなど見事に復活した企業もあり、復活に際しての債権者との調整はいったいどうしているのか?素人の僕でさえ興味がある分野でした。さて、この時期のChapter 11は果たしてどうなるのでしょう。銀行でさえ、資金が枯渇している今、不採算店舗のクローズ、従業員の削減、経営陣の入れ替え等々の脱Chapter 11常套手段を実施したとしても、それを支える融資が可能な体力が金融市場にあるのか、かなり疑問です。1年の3分の1の売り上げがあるといわれる年末商戦を前に、大きな倒産劇がありました。こういった話は今年年内、そして来年も続けて発生するのでしょう。
November 06, 2008
Change
おかげさまで、大統領選挙はオバマ氏の圧勝で終わりました。写真は選挙の翌々日、通勤途中のいつもの道に置かれていた自転車です。ハロウィーンは終わったのですが、紅葉色の飾りと青のオバマバナーがとてもマッチしていて、「あぁ、本当によかった」と思った次第です。
何がいいの?と聞かれても、政治評論家ではないので「これとあれ。そして、こことあそこ」としっかり言えなく残念なのです。比較論としては、この先もRepublican政治を続けること自体がとても怖いことなので、そうならなかっただけでも本当に良かったということです。
選挙日の夜中にオバマ氏の勝利が確定した直後、シカゴで行われたオバマ氏の演説も胸にしみました。マケイン氏の地元フェニックスでの残念演説では、聴衆者がほぼ白人。僕の苦手な「USAコール」さえ連発されてました。一方、シカゴではいろいろな人種が10万人以上も集まっていました。この違いも僕の眼にはとても輝いて映りました。とにかく、変わらなければいけない。変えなければいけない。やはりこの時代には必要でしょう。
この結果を本当に喜んでいるのは、ここニューヨーク、特に僕の住んでいるリベラルなダウンタウンにも多いはずです。当選確実になったその瞬間に、四方八方から歓声が沸きあがり、いたるところから賞賛する声や拍手が聞こえたのは、今までのニューヨーク生活の中でも忘れられないシーンの一つかもしれません。通勤途中にそっと置かれていた自転車のこのオブジェも、まさにリベラルなエリアを代表しているシーンの一つでしょう。
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