March 29, 2010

先入観


暖かくなったり寒くなったりと、洋服の選択に何かと忙しい最近のニューヨークです。週末は久々に車で郊外に出かけてきました。郊外に出る場合は、普段マンハッタンでできないことを優先的にするのですが、今回は生活用品の買い物でWalmartが目的地の一つです。

ご存知のようにWalmartは、都市部から少し離れた郊外の広大な敷地に、小売と駐車場のスペースを兼ねて作られています。徹底的なコスト管理(調達からロジスティックス含め)の代名詞としてビジネススクールを含め、様々な状況にて引用されます。マンハッタンの小さな店に慣れている一消費者としては、たまにWalmartを訪れることは、ちょっとしたテーマパークに来たようでつい楽しんでしまいます。

今回訪れたWalmartはNJ州でもマンハッタンに近い場所に最近開店した新しい店でした。そこでは、野菜、果物、肉類などの生鮮食料品まで販売していて、それは驚きでした。過去、地方出張にて、Walmart+スーパーを何箇所かで見てきましたが、こんなに近くにあったのは発見です。さて、写真はその食料品コーナーの一部の棚です。ピントが弱くて見にくいのですが、これは実は「シリアル」でした。アメリカ人はシリアルが大好きで、大きな箱のモノはよく見かけてましたが、この写真のような「ドッグフード」の袋に入ったシリアルは初めてです。

量を増やして単価を下げる。という戦略に対しては何も文句はありません。が、最初に見て驚いたのは、、、これはドッグフードではないか?ということです。先入観とは恐ろしいもので、「このような袋の形態」+「こうして縦積みにされている」=「ドッグフード」という先入観ができてしまうということです。まぁ、こうした先入観など、正直どうでもよいわけで、消費者としてはよいモノを安く買えればいいわけですし、供給者としては消費者が満足してお金を使ってくれればいいといういたってシンプルな話です。

March 19, 2010

風車


ここ数日間のニューヨークは、晴天に恵まれ気温もあがり、とても気持ちのいい毎日です。長かった冬がすべて嘘のように、街中が明るくなってきました。5番街の南の方を仕事の途中に歩いていたとき、写真のKate Spadeのブティックを見かけました。

多くの風車がガラスに張り付いているだけのシンプルな装飾なのですが、これだけの数を春らしい色で並べられると、一つのアートワークとして見ることもできるな。と、思いました。この日はとても忙しく、数社での打ち合わせの間に出会った光景ですが、春の息吹を、このたくさんの風車が祝っているような不思議な雰囲気を見て、一瞬でも気持ちが楽になったような気がしました。以前、ギャラリーのシーンにおいても書いたのですが、こうしたちょっとした「仕掛け」が、人の心をホッとさせることに気づくのがニューヨークなのでしょうか。

風車の弥七も好きですが、春のKate Spadeの風車の方が今は心地いいですね。

March 12, 2010

アトランタ


中国から戻ってきた次は、アトランタへ一泊の出張でした。ホテルからの写真ですが、あいにくの雨模様。ただ、上海の「冷たい雨」とは異なり、アトランタは比較的「暖かな雨」でした。とはいえ、2日間ずっと降り続いていた雨には、少々うんざりしました。仕事の目的は順調に達成できたので一安心ですが、さすがに体は疲れました。上海の雨のおかげで風邪気味だった上に、飛行機で2時間強という比較的近い距離でしたが、Awayでもあるし、何かと気苦労もありでした。

さて、写真が暗くて少々見にくいと思うのですが、このアトランタという都市にはまだまだ馴染んではいないのです。これから先、時折訪れることになりそうですし、南部の代表的な大都市で魅力はあるのでしょうが、この写真の右側にあるような「凱旋門もどき」のチープな建造物を見てしまい、ちょっと引いてしまっているのでしょう。比較しても仕方ないのですが、先週の北京や上海と比べてみても、中途半端な感じがしてしまうわけです。ただ、気に入っている点もあります。それは人が暖かい。という点でしょうか。ニューヨークの殺伐としたあたりとは全くことなり、ホテルやレストラン、どこでもアトランタの人には暖かさを感じてます。

今でも先週訪れた北京&上海ショックを引きずりつつ、今週末はこちらニューヨークも雨なので、読書やDVD鑑賞などにて、ゆっくり過ごそうと思ってます。

March 07, 2010

中国


先週中国に行ってきました。同じ会社の中国支社との打合わせが主目的で、北京と上海の両都市を訪れる1週間の出張でした。実は、中国のメインランドは初体験ということで、出発前からかなり期待していたのですが、結果はそれ以上のものでした。

北京、上海の両大都市は、それぞれの質は全く異なるものの、世界に類をみない大都市でした。ニューヨークはもとより、米国の大都市にすっかり慣れた僕ですが、この両都市をみて、米国の大都市なぞ小さなものだ。そして、こんなに巨大でエネルギーが溢れている街は他にはない!と断言します。15年以上前に初めてマンハッタンに足を踏み入れた時の高揚感と似ているものの、僕自身が年を重ねてきたせいか、その時の感覚とは若干異なる内なる興奮を覚えました。

写真は北京にある、芸術エリア「798」の風景です。ここでは、北京のアートシーンが見られます。どの国でもそうですが、アートはその土地の特質やエネルギー力を知る上で、大きなヒントやきっかけを与えてくれます。この798のもたらすエネルギーは相当なもので、今後の激しい成長を予感させてくれました。上海は、欧州疎開時代の古い洋館ビルと最新の高層ビルが乱立し、商業的にも成功を収めているメガロポリスです。また、人々も北京に比べて社交的でモダンな感じを受けました。

米国に住を移し、すでに15年以上経ち、米国の巨大さや影響力の強さを長い間感じてきました。しかし、今回の中国で、もう一つの巨大国家が「東」にあったという事実をしっかり認識しました。多分、その影響力や強さは米国以上になる可能性もかなり高いでしょう。ニューヨークから東京を飛び越え、直接中国に訪問した今回の出張というのは、まさにこれからの国際政治・経済の宿命、すなわち「日本Passing」は、かなり現実的なんだな。と帰りの上海発の機内で本州上空を通過している時に強く感じました。