ニューヨークとは、アメリカとは、そして日本とは。 マーケティングに関する話や人々の日常生活の中で思ったこと、考えたこと、驚いたことなどを書き留めていきます。
December 12, 2006
WAL*MARTと広告業界
米国広告業界では、先週かなり大きなニュースが吹き荒れました。その中心となったのが、写真のWAL*MARTです。内容を簡単にまとめると、「WAL*MART社の1年間の広告全般の委託先として一旦決められた広告代理店が白紙に戻された」わけです。
このよくありそうな話が何故そんなに大きく広く伝えれらたのかと言えば、やはりその規模にあると思います。一代理店に託す予算がなんと「650億円強」だからです。米ドルで5億8千万ドル、117円換算でも約680億円の予算額はさすがに魅力的で、大手代理店数社による競合コンペの結果、Inter Public GroupのDraftFCB社がそのコンペの勝者でした。
DraftFCB社に決定した時には「おや?」と不思議に思いつつも、トラディショナルな代理店ではなく、ダイレクトマーケティングに強いDraft社とトラディショナルなFCB社が合併した新しい組織がきっと魅力的だったのだろうと感じました。しかしこの決定の背景にはちょっとしたスキャンダルがあったのです。
WAL*MARTで代理店選択の決定権を持っていた Julie Roehm氏が更迭されたことで、DraftFCB社採用は白紙撤回されたわけです。では何故Roehm氏が更迭されたかと言うと、WAL*MART社の「ベンダー、サプライヤーからのいかなる接待やギフトに応じてはいけない」という会社規約に背いたようです。その接待とはニューヨークでも高級日本食レストランとして位置づけられる「Nobu」でのバーティーに参加したことのようです。他にも、DraftFCB社の社長が所有するAston Martinに同乗した、部下との不倫等々スキャンダラスな話がこの更迭劇のその他の理由のようです。コトの真意は全くの不明なのですが、はたして「代理店からの食事の誘いを一切受けてはいけない」という規約がいいのか悪いのか、僕には判断できないのがホンネです。
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