August 30, 2007

PGAゴルフの新しい取り組み


久々のラップ広告モノです。普段は白地にロゴだけのFedexの配送用トラックが、見事に「グリーン」の衣装を着て、PGAゴルフのFedExCupプレイオフの広告カーとして存在力を発揮してました。過去、FedExの配送トラックを広告に利用する試みは小さな規模ではありましたが、ここまですっぽり被ったのは珍しいと思います。

このFedExCup、実は今年から始まるPGAの新しい試みなのです。通常は週末の4日間、全米各地を転戦してPGAのツアーは実施されます。1月のハワイでのメルセデス・カップに始まり、9月中旬にシーズンは終了します。従来、毎回のツアー成績やメジャー大会でのそれぞれの結果が、PGAでの結果として考えられてきました。通年での指標といえば、賞金合計程度でした。

FedExCupは新しいタイトルとして、F1などに見られるポイント式を取り入れ、通年でのランキングを競うものです。今年が最初の実施となってます。この仕組みのスポンサーであるFedExは、そのPRに投資するわけですね。このようなOOH広告だけでなく、タイガーウッズなどをキャストしたテレビコマーシャルも実施してます。先週から4週にわたり「Playoff」と位置付け、ポイント加算の仕組み若干変更し、最終レースを演出する仕組みとなっています。と書いてみたものの、ファンの反応は今一歩だと思えます。ポイント形式が米国には合わないのか、それとも告知不足なのか、はたまた根本的なIssueがあるのか。来シーズンも続けられるか、そちらに興味がでています。

August 24, 2007

著作権 - 違法コピー


ここ数年、音楽業界ではNapsterを中心としたファイル交換サービスが。そして、映像業界ではYoutubeに見られるようなビデオ シェアリング サービスが世の中で話題になっています。ファイル交換サービスに関しては、Napsterが著作権に関して責任を取らされた形で一旦クローズされましたが、モデルを変更して再スタートしております。しかし、楽曲ファイル交換サービスは、今でも多数存在しており、Napsterの件で決着がついたとは誰一人思っていないはずです。同様にYoutubeで有名なビデオシェアリングサービスも、世の中には無数に存在しており、著作権管理団体としては大変頭の痛い問題であることは明確です。

この2点に共通して見られる状況は、NapsterもYoutubeもたまたま認知が高まり、Eyeballが増えたおかげで監視の対象になってしまったということでしょう。違う言い方をすれば、このようなサービスモデルはコピー可能であるため、たとえこの2社を規制したとしても、問題の根本解決には全くならないということです。つまり、消費者の立場からすれば、特定ブランドの豆腐を買う時、最も安いスーパーで買う傾向にあるのと同じ心理が働くからです。

『完全に』アナログからデジタルに移行した分野は、この「easy-to-copy service model」を謙虚に認めた上で著作権問題を議論する必要があると思います。音楽や映像コンテンツの制作には多額の費用と労力がかかっていて、それに対する権利や対価は、サービスの利用者が支払う義務がある。という根本原則には同意します。ただ、デジタル時代を迎えてそのあり方を根本から考え直すときが来ていると思うのです。米国では、非難や糾弾する以外の側面からも、この状況を見つめなおしている時が来ているようです。

写真はマンハッタンの歩道でDVDの違法コピーを販売しているシーンです。映画や音楽の新作を含め、一枚7ドル。交渉すればそれ以下で買えるわけです。その歩道では警官が巡回しているのですが、もちろん「著作権違反の疑いで逮捕する」というわけでもありません。時に、ディーラー一層を目的として職務質問をして、連行されるケースもありますが、罪状は異なるでしょう。なんだか、このアナログ世界のいたちごっこが、デジタル分野の法廷でも行われているように思えてしまいます。

August 17, 2007

スーパーカー


タイトルに「スーパーカー」と書いてみて、もしかしたらこの言葉は死語になっているかもしれない?と思ったことはさておき、とある真夏のマンハッタン。さりげなく停めてあったオレンジ色のスーパーカーに、往来の人々の目が奪われていました。僕もその一人、これがランボルギーニか?と思いながら、自然とその車の色と形に吸い寄せられました。

ダウンタウンでも比較的通行人や交通量の多いこの一角、ビルの修復中にテンポラリーに掲げられているビニールの広告には「SLEEPY'S」とあります。ニューヨークのみならず、米国生活経験者であればピンとくるこの店舗。実は全米展開のマットレス専門小売チェーンです。スーパーカーのオーナーがSLEEPY'Sでマットレスを買うという状況はなかなか想像しがたく、このコントラストがとても愉快でした。つまり決して高級とはいえないマットレス屋に、スーパーカーで乗りつけ、平気で路上駐車する人。きっとなかなかの人間なのでしょう。

車にさらに近づいたところ、もう一つ面白い発見がありました。写真では見えにくいのですが、フロントグラスとワイパーの間に、駐車違反のチケットがあったのです。きっとメーターにコインを入れてなかったのでしょう。車の周りには僕も含めて野次馬や見物人が数人いて、このチケットを見るや否や、それぞれが感想を言い合い、見知らぬもの同士が人の車を肴にあれやこれや、雑談に華が咲きました。こういう場合、ニューヨークは俄然愉快になります。いろいろな人が、いろいろなコトを言い、中には自分の発想を覆す考えがあったりするのです。近くのオフィスに用事があり一旦その場を離れ、しばらくたって戻ってきたところ、スーパーカーはすでになくなってました。もちろん人だかりも消えてます。僕が昔経験したような「レッカー移動」でもされていたら、またその場でいろいろなコトを言われるのだろうな?と思い、そうなって欲しいと意地悪な思いのままランチにでかけました。

August 15, 2007

地下鉄シリーズ(4)


久々に地下鉄の話題を取り上げてみようと思いました。かなりぼけた写真になってしまいましたが、今朝の通勤時の駅でのできことです。写真のボードと共に、MTAのシャツを着たスタッフが「Rider Report Card!」と言いながらアンケート用紙を配っていました。暑い夏にエアコンのない地下鉄構内で、仕事とは言えかなり大変な労働です。

「多分、路線ごとの評価を下すためのサーベイなんだろうな?」と思いながらその用紙を見ると、まさにその通り。地下鉄サービスそのものの質に関する質問が合計で22種類。自分が最も利用する路線を一つ選んでチェックし、後はポストに投函すればいいという仕組みです。さらに、オンラインでも参加できるようです。

このブログでは地下鉄の文句を続けてきましたが、改善する姿勢があるのか、はたまたいつものポーズだけなのか、相変わらず疑心暗鬼ではあるものの、やはり文句を言っている以上、1票入れなければと自分がいつも利用するEラインの評価を下し、ポストに投函してきました。

ニューヨークでは地下鉄の路線ごとのサービスレベルがかなり異なるようで、時にプライベートの団体による調査で、ワースト路線等々の発表が新聞やテレビなどでなされます。しかし、今回のように運営会社が直接主催する調査はかなり珍しく、「乗車賃の値上げを予定しておきながら、サービスが一向に改善されない最悪の地下鉄」のレッテルを少しははがしやすくしようとしているのか、その結果を楽しみにすることにしましょう。(とはいえ全く期待はしていないですけど)

August 11, 2007

ニューオリンズ


ここ数日仕事に休暇にと移動が多かったため、更新が遅れていました。一段落しそうなので、久々にポストしてみます。今回はニューオリンズです。個人的には2回目のこの都市、2005年8月のハリケーン・カトリーナにて一躍注目された街です。1回目の訪問は5年ほど前の災害前、そして今回は災害後。それなりに復興はされていてさすがと思う一方、初回の訪問時に感じた「貧困さ」はより一層強まった感があります。

真夏のこの時期、気温は35度近くまで上がり、湿度も日本と同様かなり高いこの場所で、災害後、電気・ガス・水道が止まったまま生活することは想像以上にタフでしょう。暑い夏を日々経験している人なら容易に想像がつくかもしれません。家を失った人たちが大挙してシンボルでもあったNFLチーム Saintsの本拠地でもあるスーパードームもすっかり改修が進み、今ではシーズン開催を待つだけとなっているようです。

さて、このニューオリンズ、歴史的な背景は詳しくないのですが、バーボン・ストリートに見るジャズ発祥の地、プランテーション経営による広大なサトウキビ畑、フランス風コロニアル建築等々のイメージがありました。災害の痛手は大きく、国家政府からも後回しにされたという疑念も多々あるのですが、どうにか復興されつつあり、そうしたプラスイメージも着実に戻ってきているようです。しかし、市街地中心でも災害以降放置されたままのハイライズ・ビルや貧困地区での朽ちた住宅を目の当たりにして、問題の深さも同時に感じさせられます。それでも、湿気の高い熱帯深夜に、バーボンストリートで続く喧騒のエネルギーはいったいどこから来るのか、アメリカの中でも独特な不思議な場所だと再認識した次第です。