ニューヨークとは、アメリカとは、そして日本とは。 マーケティングに関する話や人々の日常生活の中で思ったこと、考えたこと、驚いたことなどを書き留めていきます。
August 27, 2008
カー シェアリング
出張していたため、少々ブランクが空いてしまいました。さて、ニューヨークはすっかり秋の気配となっています。日が短くなり、テニスの全米オープンが始まるこの時期は、夏が終わる寂しさに日々包まれるときです。
写真は、街角でのあまり「やる気」のないキャンペーンです。これだけだと、何のキャンペーンなのか想像しがたいと思います。が、このZipcar。米国で地道に人気が出ているサービスです。
「カーシェアリング」と言われるこのサービス。車を所有せずに「借りて」使うという点では、レンタカーと同じです。レンタカーといわず、カーシェアリングと呼ばれるのは、その発想が異なるからです。Zipcarを利用するためには、年間会費を支払う会員になります。その年間会費には最低限の利用料が含まれていて(月に数時間程度)それを超える場合には、利用時間と車の種類に応じた金額を支払います。現在、米国の大都市に展開されているこのサービス、例えばニューヨークの場合には街中の多くの有料駐車場にZipcarが数台ずつ置かれていて、家の近くの駐車場に利用可能なZipcarの台数がリアルタイムにWebサイトで確認できます。空きがあれば、Webで予約してそのまま駐車場に行き、車をピックアップ。そして利用後は別の駐車場に返却することもOKです。
「ガソリンの補給のタイミング」や「車内をきれいに使う」などと言ったルールが充実しており、ユーザー間での参画意識に基づいた品質維持をポリシーとして掲げています。果たしてこのモデルがわがままで傲慢なニューヨーカーに守られるか?という疑問はあるのですが、利用者に聞くと、今のところは問題ないようです。
原油価格が高騰した今、こうした発想はエコロジーにもつながり、かつビジネス的にも成功しているようです。こうした「シェアリング」サービスは欧州が進んでいると聞いてます。確かに、自転車のシェアリング・サービスなど欧州各国の都市にも展開してました。品質維持が個人のモラルに依存されるこのモデル。ユーザーベースが拡大した時に、この米国にて維持されるのか、少々見ものです。
August 12, 2008
北京オリンピック
オリンピックが始まりました。中国での初めての開催で、いろいろなIssueがあったのですがすでに日々アツい競技が続いているようです。ニューヨークではあまり熱狂的な様子は伺えないのですが、NBCのあるロッカフェラーセンター界隈に出向くと、それなりにオリンピックを肌で感じることができるのかもしれません。
そうなんです。米国では3大ネットワークの一つ、NBCがオリンピックの独占放映権を所有し、自社のプロパティを駆使して地球の反対側で行われている競技を全米に伝送しています。この独占放映権に関するビジネスの規模を簡単に説明しますと、
独占放映権取得費用:$894Mil (約940億円)
広告収入目標額:$1Bil (約1,050億円)
テレビ放映総時間:3,600時間
オンライン総時間:2,200時間
というかなりの規模になっていることがわかります。広告販売に関してはほぼ完売したようなので、当初の目的は達成といっていいのでしょう。あとは、視聴率がどう評価されるのかという点が注目されます。
NBCによるオリンピックのカバレッジはかなり前から注目されており、オンラインを含めた様々なタッチポイントを効果的に活用し、最後はテレビ放映に聴衆を引き付けるというわかりやすい戦略でした。実際開始してみると、その戦略の意図がしっかりと機能していることがわかります。写真はオンラインの様子ですが、テレビと同時にオンラインでも同じコンテンツを配信することを堂々と行っています。メディアのチャネルの選択肢は視聴者に預ける一方、メディアのブランド力も同時に伝え、視聴者を囲い込む手法は、今後のメディア企業の方向性を示唆していると感じます。
こうしたビジネスの側面も楽しみながら、本来の目的であるスポーツを楽しんで行こうと思ってます。
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