January 13, 2009

テレビのデジタル化 - 日米事情


すっかり遅くなりましたが、新年おめでとうございます。今年も正月は静岡の実家で過ごしたのですが、比較的暖かだったような気がします。さて、いよいよ2009年が始まりました。世界中どこを歩いても「不景気」の言葉がついて回る「今」ですが、明るく前向きな気持ちだけでも維持していきたいと強く思っております。

こちら米国では、来週に予定されている、オバマ次期大統領の就任演説に向けてざわざわと忙しくなってきたような気がします。ニューヨークの街角でも、オバマグッズを並べる露店が多々出現し、お祭り感を後押ししております。そんな中、今年最初の記事は、ちょっとクールに「米国のデジタルテレビ化」に着目してみました。

写真のポスターは郵便局の一角にひっそりと貼られていたものです。米国では2月17日に一斉にデジタルテレビ化に踏み切ります。つまり、17日以降、アナログテレビだけを所有している人達はテレビが全く見られなくなるわけです。当初は買い替えができない人達のために、コンバーター購入費用を政府が負担するといったアイデアがあったのですが、その案もすっかり却下され、「切り捨て」モードでの強行切り替えが実施されます。つまり、デジタルテレビを保有していない人達がテレビを見るためには、数千円のコンバーターを買ったり、アンテナを調整しなければならないわけです。

一方、日本では画面右上に「アナログ」という表記を出してみたり、サイマル放送期間を延長してみたりと、様々な「役人や関係者による意味不明な微調整」が行われているように思われます。世界の歴史を顧みても、何万人もの人々を調整して皆が満足のいく解を出すことは不可能な中、一歩引いて考えると無駄な努力と投資が行われているのが実体なのでしょう。

「イノベーション」を本気で推進したいのであれば、少々乱暴と言われようが、米国流にばっさりと割り切る考えがまずありき。と、このデジタル化の対応一つとっても思わせられました。Recessionの2009年。本当の「イノベーション」に踏み切らなければ、泥沼から抜け出せられなくなる。と自分にも言い聞かせつつ、2009年最初のポストといたします。

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