January 22, 2007

スーパーが面白い


ニューヨークのスーパーにはそれぞれの顔があって、なかなか面白いと常々楽しんでます。セグメント化することが趣味にもなってきている僕は、早速以下の3つのセグメントに分けてみました。

①「庶民派ローカル」スーパー
②「全米チェーン・クオリティ」スーパー
③「ニューヨーク・ハイエンド」スーパー

写真は③に属する Balducci'sでして、演奏会でも行われそうな建物の中に高級食材やお惣菜が所狭しと並べられている店です。

この3つのセグメント、それぞれにマーケティング戦略が異なります。
①の「庶民派ローカル」は、D'AGOSTINOA&Pなどに代表されるマンハッタン内でも多くの店舗を見かけます。これらは特売品をクーポンと共にちらしにて積極的に展開します。この点では、日本のスーパーの戦略とほぼ同じでしょう。
②の「全米チェーン・クオリティ」は、Whole FoodsTrader Joe'sのように、オーガニック系食材や、独自ブランドによる健康的な食材の流通を主とし、ストアブランド系の低価格商品から健康的な素材にて若干の高価なアイテムまで幅広く揃えるスーパーです。店舗デザイン、厳選された商品とその配置、従業員の教育を含めた一貫したブランディング戦略を徹底しています。そしてチラシは見たことがありません。
③の「ニューヨーク・ハイエンド」では、写真のBalducci'sZaber'sなどの高級食材、お惣菜を中心とする店であり、チラシは利用せず、DMなどの1to1ツールにて高いデザイン・クオリティを維持したクリエイティブ勝負のオファーを提供してます。

消費者として、このように選択肢が多いことは好ましいと思ってます。チラシのクーポンを握りしめつつ安い水を買いにA&Pを訪れ、オーガニックのホールグレインパンを探しにWhole Foodsをうろうろし、時にキャビアの入ったサンドイッチをDMのクーポンを利用してBalducci'sで買ったりと、目的に応じて3種類のスーパーを使い分けることが可能だからです。

個人的には②のスーパーに出かける頻度が一番高いのです。同じ食材でも①に行けば安く入手可能なのですが、店の持つ全体的なブランド・イメージ、店員から伝わるエンゲージメント感、しっかり研究された品揃え等々、消費者の欲求や心理をしっかり把握し、価格以外の部分にて企業戦略として実施している店には、顧客に対して安心感を同時に植え付け、その結果ロイヤル層に育てていくのでしょう。私はそのターゲットにすっかりなってしまってます。

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