ニューヨークとは、アメリカとは、そして日本とは。 マーケティングに関する話や人々の日常生活の中で思ったこと、考えたこと、驚いたことなどを書き留めていきます。
July 31, 2008
真夏のストリートミュージシャン
ニューヨークも夏本番で、気温も高い日が続いています。昼間で一番暑くなる午後4時ごろ、打ち合わせのためPark Aveの28丁目あたりを歩いていたところ、どこからかギターの音が聞こえてきました。地下鉄のホームなどではよくあるのですが、ビジネスピープルで忙しいPark Aveではちょっと珍しい出来事です。
思わず視線を向けると写真のおじさんがギターをセッティングしていたところです。「暑いね」と声をかけると、「Yeah!」と渋い声で答えたこのおじさん。ギターをちらっと見るとギブソンのセミアコかな?で、どんな音楽なんだろう。と楽しみにしていると、ブルースでがゆっくりとしたテンポで流れてきました。そして、かなりイケてました。
30度を超える気温の中、交通量の激しいPark Aveにてこのおじさんの奏でるゆっくりなブルースは、かなり印象深かったです。待ち合わせもありゆっくり楽しむことはできず残念でしたが、なんだかすっきりとしたひとときでした。
July 28, 2008
パンのおいしさ
食いしん坊の僕は、出張などで別の土地を訪れる機会があると、宿泊先近辺でのよさそうなレストランを真っ先に探すくせがあります。食べ物がまずいという悪評高い米国ですが、ニューヨークはまだまだましな方で、一旦ニューヨーク市の外に出ると確かに困ります。食の選択肢がかなり少なくなるからです。
そんな中、日米を比較して比較的米国に勝ち目がありそうな食材をピックアップしてみました。「野菜」:ほとんどどの野菜は、土がついていたまま売っている場合が多く、野菜本来の味がある気がします。「牛肉」:赤み中心の肉なので、脂がくどくなってきた年頃の僕にとっては食べやすい。これら2つはまだ差は僅差かもしれません。が、最も明らかなのが「パン」です。
食べ物の好みというのは、いたって主観的なものなので自由に言いますが、日本のパンはまずいと思います。いや、「おいしいパンが少ない」と言った方が正解かもしれません。日本から訪れる人達がよく「日本のパンは、ふっくらしてやわらかくておいしい」と言っています。残念ながら、僕は全く逆で、「変に白くて柔らかすぎて気持ち悪い」とさえ思います。写真はマーケットに出てくるパン屋さんですが、こういう場所で売られているパンは、「白くないけど、噛み応えがあって、味がある」のです。欧州でももちろん「噛み応えのある」パンが中心で、やっぱりおいしいと思いました。もちろん、米国でも安売りスーパーで大量販売されているパンはひどいのですが、探せば必ずよいパンに出会えます。
味覚というものは不思議なもので、一体「白くて柔らかい」のがおいしいパンだというのは、どの時点で誰が決めたものなんでしょうか。あの白さは漂白剤が入っていないと無理だと思うし、長持ちする柔らかさも何かケミカル物質がそうさせているのでしょう。さもなければ、パンはすぐに固くなるわけですから。白いパンの流行を作ったのがもしも広告会社の仕業であれば、そろそろ「硬いパン」に回帰するようにしてみるのもいいかもしれません。あごの発達が促されて三船敏郎フェースが増えるかもしれないですし。
July 24, 2008
その後の iPhone 3G
iPhone 3Gの購入から約2週間がたちました。米国では賛否両論いろいろと言われていますが、3日間で世界中で100万台を売ったという実績は、この不景気のご時世、かなりのことだと思います。3Gの評価は、いろいろなサイトでまとめられていますが、今日は僕が個人的に抱いている感想を中心にまとめてみます。
不満な点からはじめてみます。
1.3Gの速度が遅くネットワークが不安定。
そもそも、「これが3Gの速度です」という基準を知っているわけではないのですが、体感的にはやはり遅いと感じてます。期待値が高すぎたのかもしれませんが、WebアクセスやメールのRetrieve含めがっかりしてます。さらに、3Gでカバーされているはずのニューヨークですが、時に一歩格下げのEDGEに自動的に切り替わったりすることも頻繁です。この問題は、全米中の人が体験しており、大きな問題として挙げられています。
2.バッテリーが短い
電話、メール、SMS以外の機能(YouTubeなどの動画視聴やGPSなど)はほとんど利用しないのですが、やはりバッテリーの持続時間は少なく感じます。出張などで、飛行機で移動しつつ、時折SMSやメールの返信や通話などをしているうちに、バッテリーがなくなる可能性が高いです。これはかなりいただけないです。Bluetoothなどのほとんど使わない機能をオフにしていても、抜本的な対策にはなりません。3G機能をオフにすると長持ちする。と言われてますが、それでは3Gの意味がないよな。とも思います。
3.Copy & Pasteができない
とても小さなことかもしれませんが、実はとても不便なのです。例えば、電話をかけようとして、Contactリストから選択した相手が米国外に居住している場合、国際電話の発信番号+国番号を最初に入力する必要があります。Copy&Pasteができないことで、こうした単純でも重要なアクションがとてもしにくいのです。メールもしかりで、これは初期型から言われていたことですが、改良されてなく残念です。
とまぁ、普通のレビューどおりの不満が、僕の中にもあるわけです。一方、いいこともあるわけでして、
1.日本語入力
今までは読めただけでしたが、今ではメール含め入力が可能になりました。これは僕のような立場にいる人にはとても便利なことです。
2.Apps
iTunesからダウンロードできる各種アプリケーションには、便利なユーティリティもあれば、息抜きのゲームもあります。とても簡単に購入&ダウンロードができます。
以上が僕にとっての評価です。どんなモノやコトでも、100%満足することはないわけで、このiPhoneもしかりです。不満点も多いのですが、Appsなどに見る「機能」の将来性、グローバル端末という観点からの「インフラ」としての将来性を考えると、とっても価値のあるデバイスがたった200ドルで買えるわけです。今では400ドルを超えるAppsも販売されているようで、iPhone自体の今後のいろいろな展開にはちょっと着目しておくべきだと思ってます。ちなみに、写真のApple Store SOHO店に昼でかけてみたところ、iPhoneは売り切れていました。
July 16, 2008
MLBオールスターゲーム
夏も本番。日々多くの観光客を見かける中、最近際立って多かったのが、野球のジャージを着た人達でした。昨晩、ヤンキースタジアムで行われたオールスターゲームを一目見ようと集まってきたことと思われます。
マンハッタンの街中では、いたるところで等身大以上の「自由の女神」のオブジェを見かけました。自由の女神がそれぞれ各球団のロゴなどやそのいわれなどにペイントされており、お祭り気分を引き立ててます。さらに、マンハッタン島西側にある大きな展示会場では、子供を対象にしたフェスタが催されたり。と、市としても観光による税収入が期待できるとあって、完全な協力体制でした。
いざ当日。僕はコネチカット州の会社と打ち合わせがあったので昼間の喧騒は知らなかったのですが、6番街に赤いじゅうたん(Red Carpet)を引いて、その上を参加選手やその家族を乗せたオープンカーがパレードしてました。さすが派手ですね。今回のオールスターそして、プレイオフなどのポストシーズンゲームはFOXチャンネルが独占で放映するようで、Foxの親会社 News Corpが本社を構える6番街を選んだのは当然の結果なんでしょう。実際の試合というと、夜中2時過ぎまでの延長戦でした。1時くらいまではだらだら見ていたのですが、さすがに寝てしまいました。お祭りとはいえ、長いレギュラーシーズンの最中、選手も大変だったでしょう。
今のヤンキースタジアムは今年で終了し、その横で建設中の新生ヤンキースタジアムが来年から利用されます。ニューヨークに来て以来、100回以上は通ったこのスタジアムです。センチメンタルな気分になるかと思いきや、結構さばさばしてます。なくなってしまうわけでなく、すぐ隣に同様のデザインでできるからなのでしょうか。。。
July 14, 2008
買えた 3G iPhone
3G iPhone金曜日、7時間に渡る我慢にもかかわらず買えなかった iPhone。週末にもその疲れを取り、悔しさも手伝いながら、本日改めてトライしました。その結果、ようやく手に入れることができました。写真がその実物です。
今日はランチを早めに終え、事前にチェックしていたAT&T店舗に出かけました。最初は17丁目とBroadway。店員に聞くとすぐさま「Sold Out」の返事。明日には入荷するとのことでした。すぐにあきらめ、今度は17丁目と6番街に移動です。ここでは、約20人ほどが並んでおり、列の最後尾に着いたのが12時15分。列の前後の人達と「あ~だこ~だ」話しながら、少しずつ順番が近づいてくるので、今回はいけそうな気配が高まりました。
僕らの後ろにも数十人の列ができたところで、店員がそれぞれの希望機種を確認しはじめました。ようは店舗にある在庫数と希望機種の数を比べ始めたのです。で、列後尾のある地点から人々が帰されたので、多分今日の在庫分まで達したのでしょう。待つこと 2時間弱、店内に入り、早速金曜日の事件を説明しました。「CRUというアカウントで、7時間待って断られた。後でカスタマーサービスに電話をしたら、これはCRUアカウントではない」と説明し、店員がLet me checkといい調べたところ、すぐに「You are normal. You can get right away.」と言います。そうでしたか、やはりApple Storeに詰めていたAT&Tスタッフの落ち度だったということです。
まぁ、経緯はどうであれ、ようやく手に入れた 3G iPhone。世界中で利用可能なこのデバイスは、今後の携帯市場の構造を変える可能性がたくさんあります。まずはユーザーとしてその価値を楽しんで見ようと思ってます。
July 11, 2008
買えなかった 3G iPhone
3G iPhoneの発売を心待ちにしていた僕は、朝6時過ぎに近くのApple Storeに出かけて8時からの開店に備えました。写真は6時の写真です。すでに列はできていたものの、思ったよりも短かったのでホッとしながら、この写真の一番左側に並びました。7時間後の結論は、予想とは全く異なり、何と買えなかったのです。
- 6:10 列に並びました。私の前には約100人くらいの人達がいて、最前線の人達は夜を過ごしたことと思われます。
- 8:00 開店。開店前にアップルストアの店員達が、水を皆に配ったり、質問を聞いたりしてました。開店しても数人ずつしか店に入れません。
- 9:30 開店後1時間半後に店中に入れました。1Fでは、拍手で迎えるストア店員達の中、そのまま2階へと進みます。2Fに行くとまた、そこに行列ができてます。
- 12:00 店内で待つこと2時間半、最初からだと約6時間後、ストア店員に3Fに連れて行かれiPhoneの購入です。
- 12:40 ここでは買えないことが判明。しぶしぶ店をでました。
6時間以上も待って買えなかったとは、何が起こったのでしょうか?今、僕が使っている携帯電話はAT&Tです。会社が一括契約しているわけでもなく、個人の口座となってます。前日にはAT&Tのサイトで「Upgrade可能度チェック」を実施したところOKだったので、何も疑問視してなかったのです。ところが、アップルストア内に詰めていたAT&Tスタッフが言うには、僕の携帯がCRUという特殊な企業口座になっているとのこと。全く身に覚えがないので、ありとあらゆる質問や抵抗をしたのですが結局NG。僕の周りにはその他の理由でNGといわれた待ち時間6時間組みが大声で悪態をついていたりしてました。
疲れたのとがっかりしたのとの両方でとぼとぼストアを出て、AT&Tスタッフの指示に従い、口座ステータス変更の目的にてAT&Tのカスタマーサポートに電話をしました。すると、「CRUではなくノーマルだ」と言うわけです。だんだんあきれてきたので、「どうすれば買えるのか?」と聞くと、「Apple Storeではなく、ATTの店に行け」ということでした。あ~、はまってしまった。と思いつつ、とっても疲れたので今日はこれでやめにした次第です。
一連の経験で感じたのは、アップルストアの店員は皆、しっかりと教育されていて、かつとても態度がよろしいです。悪い例ばかり見ている米国ではとても稀な体験でした。これに比べ、Apple Store内に詰めていたAT&Tは今一いただけなかったです。確かに、アウェイでもあるし情報へのアクセスが悪いし、さらに合併を繰り返し複雑な料金プランなども管理しているので難しいとは思いますが、アップルとAT&Tではかなり格差はあった気がします。まぁ、こんな比較はどうでもよく、iPhoneが手元にないことがとても残念で、長い一日でした。
July 10, 2008
テレビドラマの広告
グランドセントラル駅とタイムズスクエアを結ぶ地下鉄はShuttleと呼ばれ、日々通勤やその他大勢のニューヨーカーに親しまれてます。以前、取り上げたのですが、この車両内全面に展開させるラップ広告が面白いのです。
今回は、比較的マイナーなケーブル放送局のAMCが提供するテレビドラマの広告です。このMAD MENというドラマは60年代のニューヨーク広告代理店に勤務するCDが主人公で、その仕事ぶり、クライアントとの関係、家族との話等々、同様の業界にいる僕にとってはとても興味深く見てました。1年ほど前に登場したこのドラマですが、一部視聴者に人気があったようで、第2作目が今月末から始まります。そして、その番宣の一つにこの交通広告があったわけです。
興味深い点はいろいろあるのですが、登場人物のファッションやスタイル、オフィスやレストランなどに置かれている家具類など、60年代の米国のいい部分を上手に表現している点。さらに気を引いたのは、そのワークスタイルです。勤務中のたばこ、お酒はあたりまえ。ピッチに勝った場合など、その場でオフィスで乾杯(スコッチが多いです)。クライアントへの接待もあらゆる手段を利用したり、そして職場内での色恋ごとも茶飯事という次第です。米国といえども、当時はまだまだ男尊女卑や人種差別が堂々と行われていた時代でもあり、その描写も臆することなく表現されてます。こうした点にすっかり弾かれたのかもしれません。同じドラマを、地上波ネットワークで放映することはありえないでしょう。
というわけで、7月後半からスタートする MAD MENの第2弾、今から楽しみしています。追加ではありますが、明日3G iPhoneに切り替える予定です。写真の解像度が少しよくなることを期待してます。
July 07, 2008
ケベック市
7月4日は米国では独立記念日の祝日で、ニューヨークをはじめいたるところでお祝いの花火イベントがあります。この日の米国でのイベントにはすっかり飽きている僕なので、毎年なるべく米国にいないようにしていました。今年も同様でカナダはケベック州ケベック市に車で往復してきました。
驚いたことは、7月3日が、ケベック市設立400周年記念だったということでした。米国の独立記念日騒ぎはせいぜい200年強の歴史ですが、ケベックはなんと400年を祝っていたという事実です。また、宿泊した場所の近辺にはLaval大学という、北米最古の大学(ハーバード大学よりも1年前に設立)もありました。つまり、歴史という観点ではかなり奥の深い都市ということです。城壁に囲まれた街並みも北米唯一らしく、北米大陸にありながら欧州の都市を思い出させる場所になるわけですね。
さてこのケベック旅行、車による2泊3日の強行スケジュールでした。一日の運転距離としては今まで最長記録でしょう。片道で516マイル、約830km。往復ですと1660kmです。せっかくのロングドライブ記念でもあるので、日米比較をしてみました。片道830kmという距離は、東京から広島までの距離とほぼ同等のようなので、それをベンチマークに、そして1ドルを107円換算してます。僕の車がホンダのエレメント(日本では販売中止になってしまったようです)で、燃費が高速で 9.4km/litre。ガソリン代が米国、日本それぞれで、125円/litre, 170円/litre。ガソリン代合計が米国22,074円。日本30,022円です。以前に比べて、日米間のガソリン代の差がかなり少なくなってます。そして高速代。米国では往復で橋と高速の通行料の合計が 1,669円。日本では高速利用料として32,900円。ガソリン代+高速代を合計すると、米国 23,743円。日本 62,922円という結果になりました。
まぁ予想通りの結果といえばそれまでですが、改めて日本の高速料金の高さが目に付きます。この料金シミュレーションで、ちょっと誤魔化した部分は、カナダでのガソリン代です。上の計算ではガソリン代はすべて米国平均にて換算してるのですが、カナダのガソリン代は160円/litre程度で丁度日本と米国の中間程度です。それでも、高速利用料はただで、これは欧州にも共通して言えることです。「地方のため」と大義名分で整備している日本の高速道路が、その高い料金のせいで、逆に地方の発展を阻害しているとも思えるのは僕だけではないでしょう。
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