February 26, 2010

オリンピック


本来であれば、話題として取り上げなければと思っていた冬季オリンピックですが、つい忙しさを理由に後回しにしてました。もうすでに大会も終盤になり、予想以上の米国のメダルラッシュとなってます。スポーツイベントとしての米国てのマクロ的な収支としては、独占放映権をもったNBC Universalが200億円超の赤字。ということとなっています。「IOCから購入した独占放映権額-広告/スポンサー収入=200億円以上の赤字」ということです。

このご時世、こうした暗い話はわざと忘れることにして、この写真の説明をしてみます。ニューヨークの地下鉄で、グランドセントラル駅とタイムズスクェア駅を結ぶShuttleと呼ばれる3両編成の電車が走る線があります。その通路に、今回のオリンピックのPROMOとして巨大3Dスクリーンを設置し、人々に3D対応めがねを配り、3Dを体感する。というシナリオです。何回か通ってみたのですが、1回だけしかトライできなかったのが残念。かつ、イベントとしてのあまりのやる気のなさに、「あぁまたか」と思った次第です。本来であれば、写真で3Dを表現したかったのですが、その脇に何枚か掲載されているVISAの3D看板で簡便してください。といった気持ちです。

さて、ビジネスはどうであろうが、オリンピック。競技は様々な形で白熱してます。昨晩は久々にスケートを見たのですが、Kim Yunaのパフォーマンスにはさすがに圧倒されました。NBCの解説者もこれ以上の言葉がないように褒めていたのも当然のような演技でした。Mao Asadaももちろん応援したのですが、やはり直前にあれだけの完璧なパフォーマンスを見せられると、勝負の世界は厳しく勝てるとは全く思えなかったです。個人競技、団体競技と、それぞれいろいろなドラマのあるスポーツは、やはり楽しいものですね。

February 21, 2010

チャイナタウンの最近


しぶとい冬が、徐々に緩んできたようなようなニューヨークです。早く暖かくなって欲しいという、期待もあっての感覚ですが、もう雪は勘弁です。さて、先週は春節でした。日本では旧正月という言い方も聞きますが、中国の方々からすればこちらこそが本当の新年です。ここニューヨークも多くの広東系中国人が春節を祝ってました。私も友人宅に呼ばれ、飲めや食えやの楽しい正月を過ごしてきました。

そんな中、最近のニューヨークチャイナタウンでは、少々変化が起こっています。SOHOから南に下って、Chinatownとの境ともなるCanal Streetには、多くの「ぱっちモノ屋」が軒を並べていました。ある意味、観光名所にもなっており、ただでさえ通りの多いストリートにて、店の呼び込み、ガイドブックを片手に「安いブランド品」目的の観光客達で、通りはいつも溢れてます。とても歩きにくいという印象しかありませんでした。

ところが、昨年の後半から写真のような「強制立退き勧告」が、ニューヨーク市によって実施され、「ぱっちモノ屋」の多くが閉店しているのです。歩きやすくなったことには感謝してるのですが、また一つの風物詩がなくなるような気がして少々残念な思いもあります。この強制立退ですが、「ニセモノを販売しているのが違法にて強制退去」という法的な効力を利用して、チャイナタウンの再開発が関係している匂いがあります。つまり、再開発するために、既存のビルをScratch & Buildしたいが、なかなかテナントが出ないため、法の力にて強制的に。。。というシナリオがあるのでしょう。

前にも書きましたが、ニューヨークは市長を中心とした自治体努力で、安全かつ健全になってきました。それはそれで評価すべきですが、「ちょっとDirty、何か怪しい」ニューヨークの方を好む人も多いのではないでしょうか。僕もその一人です。

February 12, 2010

SOHOのKing's Road


今週は大雪に見舞われたニューヨークですが、天候も回復し、道の雪も少しずつとけはじめ歩きやすくはなってきました。ただ、油断は禁物です。気温はあいかわらず低く、ちょっと気を抜くと滑って転んで怪我することもありえます。数年前にも友人が大怪我しましたし。

先日の昼間、気分転換にSOHOを何気なく散歩してみました。写真のように雪も少し残ってますが、さすがにこのエリアは歩きやすいように整備されてはいました。Wooster Streetにて、写真の中にあるのぼりのような紅白の旗が目に入り、何だろうと思いきや、そこはKing's Roadという名の家具屋でした。殺風景なScaffoldのパイプをうまく利用して、気の利いたアクセントに目が惹かれたのでしょう。

また、その店の名前やロゴがなんとも懐かしく感じました。King's Roadと言えば、子供の時に好きだったパンクロックのメッカではないですか。中高生の思い出なので、それが果たして本当なのかどうかは不明ですが、Punk Rock = London = King's Roadという想いが駆け巡りました。数年前仕事でロンドンに行ったときも、この響きに誘われてKing's Roadに行ってみたのですが、想像(期待?)していたのとはちょっと違った感じがあり、何とも複雑な気持ちだったことを覚えてます。

ここはNew YorkのSOHOだし、ロンドンとは異なるのですが、なぜか一瞬にして懐かしさを覚えた一時でした。実際に店を覗いてみると、セレブリティ達だけが買えるような高価な家具が贅沢に並べてあり、仕事途中で抜け出した僕などは、全くお呼びではないような雰囲気ということをつけ加えておきます。

February 05, 2010

ヘンな機械


まだまだ寒いニューヨークです。マンハッタンの巨大バスターミナル近くにて、ちょっとした集まりがあったので、そこに向かう途中にこの機械と出会いました。一目で、この機械の果たす役割がわかるようなものですが、デザインというか造りというかがかなり大胆です。

その用途は、道のアスファルトを切断するものだとは思いますが、この大きなのこぎりの歯には驚きました。思った以上に鋭くなく、逆にかなり鈍い印象があったのですが、一度高速で回転すると、両隣に砲身のように装備されているタンクから水がでるのでしょう。今日は時間がなくて、稼動している姿が見られなかったのですが、ちょっと見てみたい気になりました。

さてこの機械、Vermeerという会社が製造しているようです。さすがに業界が違うため、このメーカーの存在すら知らなかったのですが、アイオワ州が本社らしいです。きっとかなりの田舎なのでしょう。テストするのも大変ですし。

話は変わり、今、トヨタが大変なことになっています。僕はトヨタの車は今一好きになれなかったのですが、今回の米国での「仕打ち」を見ているとどうしても応援したくなりました。確かに日本は写真のようなヘンな機械を作るのは苦手かもしれないのですが、乗用車としては完璧な品質を作る技術と精神はあります。それを、今のような形で国とメディアが一体となって攻撃する様子をみて、とても胸苦しくなりました。米国は写真のような不思議な機械やデザインを創出するには優れているので、そこに集中すればいいのに。と思ってます。

February 01, 2010

ハイチ地震とTwitter


2月になりました。今週のニューヨークでは「Social Media Week」という名前にて、この業界関連でのちょっとしたカンファレンスがあります。複数の団体や企業が複合で主催するこのイベントに、僕もちょっと顔出してみようと思ってます。

今日参加したのは、「Social Media & the Haiti Disaster」というタイトルで、New York Times社が主催したパネルディスカッションです。どんな話になるのか、興味津々で会場に出かけると、パネリストの一人に、NBCのアンカーの一人 Ann Curryがいるのと、Doctors without borders (国境なき医師団)のコミュニケーションディレクターが出るのでちょっと興味が出ました。

Ann Curryは母が日本人のハーフで、NBCの中でもトップクラスのアンカーウーマン。特にジャーナリスティックな番組にて本領を発揮する、僕も好感を持っている人です。彼女は、ハイチ地震でも真っ先に現場に駆けつけ、朝のToday Showでそのフットワークの軽さを示し、報道としての使命を果たしていました。そんな彼女が、国境なき医師団のチームとどのようなやり取りが現地であったのか。かなり興味深かったのです。

が、話を聞いていて、自分の興味が徐々に薄らいできました。論点が、「Twitterがいかにすばらしく、Game Changerなのか」という方向に染まってしまい、citizen mediaの落とし穴や、事実と作り話が混同して拡散してしまう状況の怖さなどに展開しきれなかった点です。さらに、個人的には地震などの災害時に、携帯も通じず、ランドラインも遮断された状態で、現地からどうしてTwitterができるのか?等々、素朴な疑問もありました。

と、個人的にはどこかフラストレーションがあったものの、こうして大手新聞社による、時の話題を、時の人に話させる機会を作る姿勢に関しては、賞賛できることと思います。