ニューヨークとは、アメリカとは、そして日本とは。 マーケティングに関する話や人々の日常生活の中で思ったこと、考えたこと、驚いたことなどを書き留めていきます。
October 16, 2009
ちょっとした事件
昨日の午後、CNNなどで生中継で追いかけたニュースがありました。コロラドで、気球が制御不可能になり、気流に乗って流されているその気球の中に、子供が乗っている(入っている)という話です。詳細はこのYoutubeで見られます。100kmあまりもの距離をコロラドの平原上空を漂流し、最終的に落下した場所で救助してみたところ、誰も乗っていなかった。というなんとも間の抜けた話でした。
当事者の父親は科学者であり、この物体の実験をしていた最中に、近くにいた6歳の息子がいなくなり。。。という話でした。結局その息子は屋根裏に隠れていたようで普通に元気だったのです。かわいいお子さんだな。と思ったらお母さんは日本の名前の女性でした。浮遊している時間、メディアの飛行機が撮影のため追いかけたり、一般の空港を閉鎖するなど、かなり緊迫感のある事件でしたが、けが人ゼロで人騒がせな事件として終わりました。
そんな中、このWebページで何を伝えたいのかと言いますと、Web広告の盲点に関してです。Contextual Targeting、日本語では文脈ターゲティングと呼んでいますが、ページ中の記事の内容に「合った」広告メッセージを表示する。という手法です。簡単に言えば、デジカメの評価サイトにて、Canonの機種を評価する記事があれば、そのページ中にCanonのバナーやテキスト広告が表示される。という手法です。代表的なものが、Googleが提供するAdSenseというサービスです。
で、ここでも事件が起こったわけです。今回の記事は、決して明るい話ではなく、子供が入ったまま漂流していて生死すらわからない。といったようなシリアスな事件なのです。そのような記事の隣に大々的にオートミールのQuaker社の広告「マウスを置いて浮遊しよう!」というデリカシーのないメッセージが「合った」広告として自動的に配信されてしまったわけです。
この業界に長い僕にとって、この手の話は悪い例として引用されますし、特に新聞や雑誌の広告においては「ad/edit conflict」として避けるべきことなのです。ところが、インターネット広告ではその配信から管理すべてが機械的に行われるため、今回のように微妙な判断に間違いが生じるケースが「必ず」発生するわけです。割合からすれば、微々たるものですが、広告主からすれば「困ったこと」になるわけです。また、この事件が最大手の一つAOL社のページにて発生したのも複雑です。というのも、このターゲティングの仕組みを提供している企業とは以前、提携を前提に交渉した相手でもあり、こうした「事件」は事前に回避できる。と言い切っていた人達でもあったわけなのでなおさらでした。テレビにて世を騒がせた事件が、違う形でインターネット広告においても小さな事件を引き起こしたわけでした。
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