ニューヨークとは、アメリカとは、そして日本とは。 マーケティングに関する話や人々の日常生活の中で思ったこと、考えたこと、驚いたことなどを書き留めていきます。
December 26, 2006
米国年末商戦
クリスマスも終了し 2006年もあと数日を残すだけとなりました。小売業の年間売上高の約4割が年末の1ヶ月程度に集約される言われる米国年末商戦も最後のカウントダウンを行っています。今年はオンライン販売は伸びたようですが、店舗小売は予想を下回ったようだ。との見方が今日発表されてました。
そんな中、写真のMacy's。今年は今まで以上に大胆なDM戦略かつ小売戦略を行ったと思います。その結果はまだ不明ですが、とにかく大胆でした。DMに関しては11月後半からほぼ毎日のようにカタログ、フライヤー、カードが届き、15%オフ、1 Day Saleなどと激しく攻めてきます。一方小売に関しては、ニューヨーク界隈の店舗においては、クリスマス前は朝7時から24時開店、直前では24時間営業とやる気まんまん。こうなると、採算度外視という言葉を超えて、「どうだ。気合をみたか!」といった感じで天晴れでした。
ダイレクトメールに関しては、推定ではありますが1年間で10億通以上は確実に送付しているはずです。(下着のVictoria's Secretのカタログ送付数でさえ4億通ですから)もっぱら、自然保護に関して世界的なモラルと逆行している米国ですが、最近ではこの無駄なDMによる自然破壊を取り上げ、自粛し始めた企業もようやくでてきました。そんな中、Macy'sはそんなコトはおかまいなし。ひたすら印刷物を送り続けてきます。
この企業、僕の感覚では食料品売場のない「イトーヨーカドー」と「一般百貨店」の中間だと思ってます。全米の大都市やモールに店舗が展開されてます。ニューヨーカーにとっては、夏の花火、感謝祭のパレードなどの重要イベントの冠スポンサーとして、ブランドは浸透してます。一旦は倒産し会社更生法を適用して再生したこの企業、果たして今年の「本気の」年末商戦の結果はどう転ぶのでしょうか?
今年の掲載は今日で一休みとさせていただき、来年は1月中旬から再開する予定でおります。それでは皆様よいお年をお迎えください。ムラマツ
December 21, 2006
オートバイとブランド・ロイヤルティ
先日ささやかなパーティーに参加した際、隣にいたアメリカ人女性と盛り上がった話がありました。題材は「オートバイ」。ヤマハ発動機の本社がある磐田市出身の僕としては、頑として日本製のオートバイ。特にヤマハの良さを主張しました。(日本に住んでいた頃にはTX650というバーチカルツィンの旧車を大事に乗ってました)彼女は徹底的にハーレーの良さを主張してます。
これは面白いな?と思って、ハーレーのどこが好きかと聞くと、「音、力強さ、自由」などなど、マーケティングの授業での模範解答のようなブランド因子を答えてくれました。では、ヤマハ、ホンダのどこが嫌いかと聞くと、「音が悪い、軽そう」など僕には納得できない点をいくつか指摘してくれました。結局、彼女は競合などどうでもよくて、とにかく「ハーレーが好き」なのです。そういえば、マーケティング関係のセミナーに出た時、スピーカーの一人が最もブランドロイヤリティの高い米国ブランドの一つがハーレーである。と具体例を挙げて説明してました。この女性のコメントからも納得できますね。ちなみに、ハーレー社の株価はいたって好調のようです。
さて、写真は通りがけにたまたま見つけた Moto Guzziです。緑と黒のカラーリングがちょっと珍しく、しばし立ち止まって眺めてました。幸いなことにニューヨークでは欧州の旧車を見かける機会が時折あります。Triumph, BSA, BMW, Ducati, Moto Guzziなど、いい感じにメンテナンスされた旧車が街角に駐車してあると、うっとり見とれてしまいます。オーナーはどんな人だろうと考えるだけでもわくわくします。これがハーレーですと、「ひげづら、刺青、でぶ」のオーナー像しか想像できない私はやっぱり偏見があるのでしょう。
P.S) 12月4日にポストしたWorld AIDS Dayのイベントに出展したオートバイの絵ですが、残念ながら作家の私宛に戻ってきました。つまり買い手がなかったということです。自分では「行けるか?」と思ってたのですが、さすがに競争の激しいニューヨーク。一夜漬けのにわかアーチストはあっさり見破られるわけですね。これに懲りずにまた挑戦します。
December 19, 2006
とても忙しい時期
クリスマス直前の1週間はニューヨークで(すなわち世界で)最も忙しい時期だと思います。仕事も押せ押せ、パーティーは連夜、ギフトショッピングもまだ半分残っていて等々、ただでさえ早足のニューヨーカーの歩く速度が倍になります。同時に街には観光客も増え、ショーウィンドウに立ち止まったりして歩行妨害。忙しいニューヨーカーとハッピー観光客との冷たいバトルが、心の中にはきっとあるはずです。
写真は今日の昼休み、グランドセントラル駅とつながっているオフィスビルのスペースで開かれた地元の高校生のコーラスイベントです。音楽の専門家ではないのですが、なかなかメリハリのある「ハレルヤ」を合唱していてとても好感が持てました。こうして、地元の子供達がその練習の成果を披露できる機会が気軽にあるコトはとてもよいことだと思います。
コーラスやイベントの良さとは別にそこで感じたことは。あまりにも忙しい人々のことです。ランチタイムということもありますが、①おっ、これは何だ。と一目見る。②面白そうだなと立ち止まる。③最長でも20秒聞いたら「こんなものか」と立ち去る。といった行動パターンが殆どでした。たまたま曲の終わりにこのサイクルがはまってしまった人は、歩きながら拍手をして立ち去ります。椅子が50脚程準備されてましたが、座って聞いてる人は5分の1程度で、そのほとんどが観光客のようでした。師走って言葉が日本でもありますが、師だけでなく「市」そのものが走り続ける場所なのでしょう。
December 12, 2006
WAL*MARTと広告業界
米国広告業界では、先週かなり大きなニュースが吹き荒れました。その中心となったのが、写真のWAL*MARTです。内容を簡単にまとめると、「WAL*MART社の1年間の広告全般の委託先として一旦決められた広告代理店が白紙に戻された」わけです。
このよくありそうな話が何故そんなに大きく広く伝えれらたのかと言えば、やはりその規模にあると思います。一代理店に託す予算がなんと「650億円強」だからです。米ドルで5億8千万ドル、117円換算でも約680億円の予算額はさすがに魅力的で、大手代理店数社による競合コンペの結果、Inter Public GroupのDraftFCB社がそのコンペの勝者でした。
DraftFCB社に決定した時には「おや?」と不思議に思いつつも、トラディショナルな代理店ではなく、ダイレクトマーケティングに強いDraft社とトラディショナルなFCB社が合併した新しい組織がきっと魅力的だったのだろうと感じました。しかしこの決定の背景にはちょっとしたスキャンダルがあったのです。
WAL*MARTで代理店選択の決定権を持っていた Julie Roehm氏が更迭されたことで、DraftFCB社採用は白紙撤回されたわけです。では何故Roehm氏が更迭されたかと言うと、WAL*MART社の「ベンダー、サプライヤーからのいかなる接待やギフトに応じてはいけない」という会社規約に背いたようです。その接待とはニューヨークでも高級日本食レストランとして位置づけられる「Nobu」でのバーティーに参加したことのようです。他にも、DraftFCB社の社長が所有するAston Martinに同乗した、部下との不倫等々スキャンダラスな話がこの更迭劇のその他の理由のようです。コトの真意は全くの不明なのですが、はたして「代理店からの食事の誘いを一切受けてはいけない」という規約がいいのか悪いのか、僕には判断できないのがホンネです。
December 07, 2006
さよなら!タワーレコード
ブログを始めた頃、iPodに関して経済的に与える影響の大きさを取り上げてみました。音楽産業、家電業界、エンターテイメント業界などへ与え続けている経済効果の大きさはかなりのものです。ところが、その躍進の影にかくれ、ひっそりと衰退していくものもあります。
サンドイッチマンという日本語があります。ここニューヨークでも、5番街などの目抜き通りでは時折見かけ、宣伝というよりも、しっかりと通行人の邪魔をしてくれます。マクドナルド、洋服屋などの看板が多い中、つい最近TowerRecordのサンドイッチマンを見かけ、閉店することを知ってしまいました。
TowerRecordは会社更生法を適用した結果、米国の全店舗をクローズし、オンライン専業ストアとして再生していくという結論に至ったようです。ニューヨークでは、Broadwayと東4丁目というリベラルかつ賑やかな場所に店舗を展開し、楽曲、ビデオ、書籍など多彩な品揃えがあるため、近くの大学院に通っていた時代から何度も立ち聴き、立ち読みに立ち寄ったことが懐かしい場所です。黄色地で赤字の鮮明な看板、最新の楽曲で賑やかな店内に何度も吸い込まれ、勉強で固まった頭をほぐしてくれたのです。
オンライン商店や大規模小売店が発達してくれたことは消費者としては大変便利でありがたい。しかしながら、駄菓子屋、文房具屋、自転車屋、時計屋などのお店がすでに殆ど見かけられなくなっているのも寂しいものです。このカテゴリーについに大手レコード店が加わる時代になったのか。とiPodを聴きながらふと寂しく思った夕方でした。
December 04, 2006
World AIDS Day
World AIDS Dayの12月1日は、ここニューヨークでも様々なイベントが繰り広げられました。AIDSという病気、そしてその発症率が高いといわれる同性愛者に対して、政治も経済もアートも正面から向き合うニューヨークにとっては大切な一日だと思います。
そして今年、僕もこのイベントに初参加しました。Visual AIDSという団体が主催しているイベント「Postcards From the Edge」に写真の絵画を出展したのです。アートとは直接関係のない仕事をし、子供の時以来真剣に絵も描いたこともない僕の絵が、チェルシーの有名ギャラリーに約1500点の作品の一つとして展示されたことは単純に嬉しいことです。
このイベントはチャリティーを目的としていて、その仕組みが面白いです。参加は自由。参加者はポストカードサイズの作品(絵画、写真、オブジェ等々)を締切までに事務局に送ります。そしてWorld AIDS Dayの期間中ギャラリーにて一般公開され、来場者は気に入った作品を購入することができます。購入金額は一律75ドルです。購入時には作家の名前がわからないので、たまたま購入した作品が超大物アーチストのものである可能性もあるわけです。(購入後に購入者にその作家の名前と連絡先が伝えられ、作家には購入者の情報が伝えられます)
生まれてはじめて有名ギャラリーに自分の作品が展示された僕にとって、誰かに購入して欲しい気持ちもあれば、せっかく描いた絵なので誰にも購入されずに戻ってきて欲しいという思いもある。結果が出るまでわくわくするイベントでした。
November 30, 2006
enviga - 炭酸茶ドリンク
ここ最近、ビルボードや地下鉄などの屋外広告で気になっていた商品がありました。それが、この写真のドリンク「enviga」です。缶上の表記「Sparkling Green Tea」という文字が私の興味をそそっていたのです。またまたアメリカの人達が日本の名品「緑茶」を勝手に変えて、お茶でもないのにTeaなんて言って。。。といつでも文句を言う準備はできてました。
そして今日お店で見つけることができ、早速飲んでみました。これが悪くない。確かに「緑茶」とはかなりかけ離れたモノになってしまってますが、飲料としては、あっさりさわやかでかなり好きな部類です。で、缶に書かれている説明を読むと、ローカロリー、ノーシュガー、メタボリズム効果あり等々書いてあります。さらに、構成成分には「epigallocatechin」というなんとも難しい物質が。調べてみればなんだ「カテキン」ではないですか。
僕の興味はさらに深まり、この製品がNestleとCoca-Colaの合弁事業にて生産・販売されている事実も発見しました。Nestleの食品科学やお茶に関するの専門知識と Coca-Colaのマーケティング/販売流通パワーの融合を目的としているようです。通常は競合とみなされる両社が協力して一つの製品を開発・販売する姿勢はなかなか面白いです。envigaの詳しい情報はこちら。
November 27, 2006
バルセロナ
感謝祭の休日を利用してバルセロナに旅行してきました。ガウディ、ダリ、ミロなどの天才芸術家の作品を鑑賞したり、本当に遅くまで開いているレストランでカタルーニャ料理やワインを堪能したりと、かなり忙しくも充実した旅行でした。
その中で帰米後の今でもシビレ続けているのが、FCバルセロナの試合をホームスタジアムCamp Nouにて観戦できたことです。コーナーキックに程近い5列目の席が入手でき、目の前であのロナウジーニョ(写真)やデコがプレイをしたのです。試合は4対0でバルサの圧勝。しかも4点目はロナウジーニョのオーバーヘッドシュートという超特典付きでした。10万人の観衆のロナウジーニョ・コールは今でも耳に焼き付いています。今まで見たことのないハイレベルなサッカーに加え、ホームチームを本気で愛する10万人の大観衆の真剣な態度には脱帽です。僕の故郷の磐田が、いつかこのレベルにこれるようひそかに願ってます。
さて、この5日間の旅行で改めて認識したことは、旅行で目立つ人達のコトです。日本を含めた韓国、中国などのアジア系グループは同じような格好をして大勢で移動しており、確かに大変目立ちます。しかし、それ以上に私が感じたコトは、アメリカ人のグループです。美術館や博物館のように静かに鑑賞すべき場所、駅、電車、空港などの公共施設、そしてレストランの中。こうした場所で大きな話し声や笑い声が聞こえる場合は十中八九アメリカ人です。他人のことを考えず、ユニバースの中心にいつでも自分を置く人たち。パリやベルリンなど他の欧州都市でも同じ体験をした私としては、「粗雑なアメリカ人」をここバルセロナでもまたまた感じた旅行です。
November 21, 2006
地下鉄シリーズ (3)
地下鉄シリーズ第三弾は「臭い」です。そして今回で地下鉄シリーズをひとまず切り上げたく思ってます。「臭い」ことを写真で表現するのは難しいです。この写真は極めて一般的な地下鉄の駅なのですが、この写真を撮った時とても臭かったのです。原因は私の後方にいたホームレスなのですが、こうした経験は頻繁にあります。
臭さは、地下鉄と地上を結ぶ階段、地下の改札前、ホーム、車内と4種類のスポットで利用者を襲います。そして、そのほとんどがホームレスにかかわる排泄物系です。そしてそれ以外の匂いとしては、ホームや線路に捨てられたゴミ、体臭、車内で食事している人の食べ物などがあります。この話、あまり気持ちいいものではないので、この辺で切り上げます。
さて、その他の不快感としては温度があるでしょう。特に夏は大変です。車内はエアコンが効くのですが、その熱を全力で車外に出します。当然、その熱が地下鉄構内にたまりそれはそれは灼熱地獄。そこに、軋み音、やかましいアナウンス、臭さなどが重なり「不快交響曲」が奏でられます。複数の線が重なるユニオンスクェアなどのターミナル駅は大変なのです。
しかし、世界の大都市でこのようなひどい公共交通機関は見たことがありません。これもアメリカの粗雑さの一つの姿なのでしょう。確かに、東京の地下鉄のように完璧なまでに整然と清潔にする必要はないのですが、ここまでひどいのはおかしいと思います。それでも、1回2ドル。30日券で76ドル(約9000円)で使い続けなければいけない。まさに"Let them suffer"の国なのでしょう。
November 17, 2006
地下鉄シリーズ (2)
ニューヨークの地下鉄シリーズ第二弾は、不快三大理由の2番目「うるさい」に関してです。ホームで待っている場合に最もうるさいのが「レールの軋み音 」です。金切り声のような大きな不快音が電車の往来の度に発生するとても迷惑な駅が多々あります。14丁目のユニオンスクエアの駅(写真)もその一つ。
この不快音の原因を素人なりに考えてみたのですが、電車が真っ直ぐな形でプラットフォームに停車しない場合。すなわちカーブしている状態でブレーキをかけて停車し、乗降を済ませた後再び発車する時に起こるのではないか?と推測してます。つまり「カーブ」がいけないのでしょう。それ故、電車に乗っている最中であっても、カーブにさしかかると必ずこの「ギィッ、キィ~~~~」という音がして、乗客の顔を引きつらせるのです。
そして、軋み音以外の「うるさい」は、下手なパフォーマーと物乞い達でしょう。ホーム、乗換え通路そして車内など、いたるところにパフォーマーがいます。その存在を否定するわけではないのですが、下手だと困るわけで、単なる騒音、雑音、迷惑音になります。さらに、最近ではポータブルプレイヤーのヘッドフォーンから漏れる「しゃりしゃり」音も気になります。周りの音が大きいため、自分のiPodの音量も上げないといけないわけですよね。そして、その音が漏れて新たな音公害を発生させるメカニズム。こうして、レールの軋み音、パフォーマーの音や声などの様々な音害が重なり合って多分「世界で一番うるさい」地下鉄ができあがるのでしょう。
November 14, 2006
地下鉄シリーズ (1)
地下鉄シリーズと言っても、ヤンキース対メッツの試合ではなく、ニューヨークの地下鉄に関して感じたことを何回かに分けて書こうと思っています。ニューヨークの地下鉄はMTAと呼ばれるニューヨーク周辺の鉄道、バス等の交通機関を管理運営している私企業の一部門です。つまり、市や州が運営している公共事業ではないことをまず最初にお伝えします。
さて、何故地下鉄に関して取り上げるのかご説明します。日々利用している大切な公共機関ですが、あまりにも不快なのです。不快さにもいろいろありますが、敢えて言えば、「汚い」、「うるさい」、「臭い」が三大理由でしょう。
今日は「汚い」を取り上げます。写真は私のオフィスがある最寄駅の壁です。外に出れば有名なMOMAのある一等地なのですが、地下鉄ではこの通り壁のペンキははがれて、黒いカビのようなすすがいたるところについてます。さらに、他の駅に行けば同じく、壁は汚く天井も同様でほぼ全駅において水漏れが発生してます。(雨が強い日には地下鉄の駅のホームで傘をさすこともあります)。プラットホームにはガムや食べ物のカス、汚物等々とても汚いです。そして線路。水、汚物、食べ物のカスなどの世の中の汚いものが集まり、それを目指すゴキブリとねずみのカーニバルが24時間続いてます。
こんな汚い話ばかりでごめんなさい。でも、これが現実でして、いつか誰かに聞いてもらいたく地下鉄シリーズの第一弾として今日実現しました。
November 06, 2006
NYCマラソン(2)
NYCマラソンが晴天の中無事終わりました。今年の結果のサマリーとしては、男性チャンビオンが常連のケニア勢から初の南米ブラジルの選手になったこと。女性チャンピオンが2年連続で小国ラトビアの選手であったこと。そして、ツール・ド・フランスで7年連続優勝という偉業を成し遂げたアメリカ人のランスアームストロングが、サブスリー(2時間59分36秒)という立派な記録でゴールしたこと。この3点につきると思います。
こうした華やかな記録の陰にも、NYCマラソンにはとても立派なストーリーがたくさんあります。この写真は一体何だと思いますか?カメラの性能が悪くてよく映っていないのですが、これは「車椅子」です。今日たまたま仕事でヒルトンホテルに出かけていた時、ロビーの片隅にこの2台を発見しました。このレース用の車椅子には、しっかりとNYCマラソンのゼッケンが張られていました。きっとこのホテルに選手が宿泊しているのでしょう。
NYCマラソンでは車椅子でのレースも同時開催しており、一般ランナーと同じコースを車椅子フルマラソンとしてタイムを競います。車椅子と普通のランでは選手の目線の位置が違うため、通常のランナーが車椅子に気づかないことも多いのです。その場合には必ずと言っていいほど、周りのランナーが大きな声で「Wheelchair!」と叫び、道を空けるように配慮します。
健常者の華やかな記録や自己達成感はとても素晴らしいです。が、車椅子にて日々鍛え自己の記録にチャレンジしていく姿勢はさらに尊いモノだと、余分な機能をそぎ落としレース用にしっかりと使い込んだ車椅子を見て改めて感じました。
November 03, 2006
NYCマラソンから学ぶスポーツマーケティング
11月最初の週のニューヨークは、世界中から集まるランナーとそのサポーターで賑やかになります。この写真は、NYCマラソンを二日後に控えた今日のMetro紙(無料で配布されている日刊新聞)の広告です。これ以外にも、ニューヨークのいたるところで、NYCマラソンをテーマとした広告、イベント、ニュースなどが繰り広げられます。
僕も8年前の98年に参加して、このイベントの素晴らしさを体験しました。普段のニューヨーカーは、わがままで、騒々しく、自己主張が強くて。。。と悪い面ばかりが目立つのですが、この大会を機に「ニューヨーカーもいいとこあるじゃん」と思った次第です。さらに、心を捉えたのがスポーツイベントに対するマーケティングアプローチでした。確かに米国でのスポーツマーケティングに関しては学ぶところが多く、仕事仲間のMさんとは日々様々な議論をしています。
その中で今日はスポーツイベントと都市に関して考えてみました。野球、アメフト、テニス等メジャーなイベントに加え、多くのローカルスポーツイベントにて市長や州知事が観戦している姿が出てきます。テレビやラジオを通じて「楽しもう!」と訴えます。時には「一杯買い物をして税金払ってください!」などと面白いことも平気で言います。NYCマラソンでもスタートの大砲は市長が点火します。
そうなのです。消費税が地方に還元される率が高いのが米国です。日本では5%の消費税のうち地方に還元されるのはわずか1%。米国での消費税は地方税になります。例えばニューヨーク市では8.5%程度の消費税のうち4%が州の取り分で、残りの4.5%が市に入ります。スポーツイベントを目的に多くの人が訪れ、入場料を払い、買い物をすることで地方税収入が増加し、それが交通規制や警官配備にかかるコストを上回ればそのイベントは市の財政としては成功であり、市長が休日に参加して、市民にメディアを通じて唱えた甲斐があるわけです。
November 01, 2006
ビルボードの味
たまたまタイムズスクエアの辺りを歩いていたら、ビルボードの差替えの最中でした。広告主はBertolliというイタリア食材で、ニューヨークのスーパーではよく見かけるブランドです。
ここタイムズスクエアはこの数年でそのパワーがより一層グレードアップされました。有名なビルボード群も鮮明な大型スクリーンによるデジタル・ビルボードが所狭しと並べられ、夜になるとまさに近未来エリア。Toys"R"Usなどの大型店舗、テレビ局のスタジオ、ハードロックカフェ等々、その様相はテーマパークそのものになってます。(Kellogg出身ToysRUs勤務の友人は、この店舗を暗に否定してましたが)
そんなきらびやかな環境下、撤去中のビルボードは大きさこそ最大級なものの、電飾がないためか質素に感じてしまいます。そして、人手による設営・撤去作業が、より一層その風情を強調しているかもしれません。僕個人としては、巨大スクリーンの眩しいばかりのビルボード広告も派手で好ましいのですが、食品などのアイテムの場合、こうしたアナログ的なモノが好みです。暖かさや匂いが感じられるからでしょうか。ハイテクとアナログ、その良し悪しを理解した上で、上手に使い分けることが必要な世の中だと思います。
October 27, 2006
再び銀行 - ATMの故障とカスタマーサービス
あるものがなくて焦ったレッカー移動の次は、出るものが出なくて焦った事件に遭遇しました。こうしたことが週に2度起こることはとても珍しいです。事件とは、銀行のATMでキャッシュを引き出そうとしたが、現金が出ないまま処理が終わってしまったのです。(写真は現在の該当ATM。クレームが多かったせいか利用させないようにしています)
26日の昼間、近くのDuane Reade(ニューヨークのドラッグストア)で60ドル引き出そうとし、店内設置のJPMorgan Chase銀行のATMを利用しました。最後の処理で60ドル出てくるはずが、機械の音がかすかに聞こえただけで現金は出ず処理は終了。びっくりしたのですが、後ろに人が並んでいたので"It seems to be broken. Cash doesn't come out"と告げて彼の操作を見てました。すると彼は問題なくキャッシュを出しました。???と思いで、再び同じ操作をしたところ、今回は問題なく60ドルが出てきました。
さてと、どのようにして空振りに終わった60ドルを取り返すか考えた挙句。店員に言っても埒があきそうにないので、ひとまずJPMorgan ChaseのWebサイトにてクレームのEメールを送付しました。それが当日できる唯一のことです。
翌日Webサイトで確認したところ、しっかり60ドル引き落とされてました。かなり頭に来たのですが、同時にメールに対する返事もありました。
Dear Naoki Muramatsu,
Although we attempt to handle every inquiry that we
receive, some inquiries must be handled by that
department's servicing area. In this manner, we ensure
that your inquiry is accurately addressed.
For further assistance with this inquiry, please contact
our Dispute Resolution Department directly by calling
866-xxx-xxxx. Representatives are available Monday
through Friday from 8 AM to 9 PM and Saturday from 8 AM to
5 PM Eastern time.
早速この電話番号に電話して状況を伝えたところ、何と一つ返事で60ドルがクレジットされました。昆k内のケースは自分の無実を証明する証拠がないので、長期戦を予想していたのですが何とも期待はずれです。が、逆に感謝の気持ちも若干芽生えたのも事実です。米国流カスタマーサービスというのはこういうことなのか。と、改めて思わされた事件でした。ちなみに、オペレーターに「こういうことはよくあるのか?」と聞くと、「よくはないけど、機械だからたまにある」と当然のように答えてました。
ミスが絶対に許されない日本の銀行。ATMが壊れていたり、ミスがあっても裁量の範囲内であればその場で解決できる米国の銀行。どちらが「カスタマー」にとってハッピーなのでしょう。
October 26, 2006
基本に忠実 - 銀行マーケティング戦略
日本では一段落した銀行の統廃合。米国でも一時のブームは過ぎたものの、地道な統廃合は続いています。さらに、統廃合後のメガバンクのマーケティング戦略がなかなか楽しい。先日は、HSBCの「移動アイスクリーム屋」マーケティングを紹介しましたが、今回はBank of Americaを取り上げます。
ここ数週間、ニューヨークの屋外広告(写真のような地下鉄車両内広告も含む)やオンライン広告にて、「0% online equity trade (オンライン株式取引手数料無料)」キャンペーンの露出度が大変高いのです。まさに今必要と思っていた僕は、早速この実体を調べてみました。制限事項として、「約300万円程の預金口座開設」と「月間での取り引数の上限」がありました。トリックとしては、預金口座での利息が一般より若干低く設定されており、その差額分を株式取引の手数料にて代替しよう。ということです。
結局僕は新しい口座を開設することをあきらめ、Prospect Customerとしてこのキャンペーンの意図に乗ったにすぎませんでした。しかし、感心したのは、「市場の状況をしっかり捉えたオファーを創造し、潜在顧客に分かり易くかつ的確なキャンペーンメッセージにおとして展開している」ことです。特に、Bank of Americaのようなニューヨーク参入の新規組にとっては、こうした地域の顧客属性に合ったアプローチも必須なのでしょう。
以前には、Citibankが新規口座開設者に対してiPod Miniを全員に無料で配布したり、キャンペーン期間中に口座を開設した場合には通常よりも高めの利息を設定するなど、旬で機能的なオファー+広告戦略を続ける米国の商業銀行です。これからも時折銀行Webサイトを熟読しつつ悩む夜があるかもしれません。
October 24, 2006
ペット アダプション
またまたユニオンスクエアの話です。先週末に行われていたのは、ペットのアダプション(飼い主のいないペットを『責任をもって』引き取る)フェアでした。ニューヨーク周辺には、ペットのアダプションに関連するNPO的な組織が多数あり、その中の5,6グループがユニオンスクエアにて犬・猫を中心としたアダプションを実施してました。
ニューヨークは飼い犬のある世帯率が世界一ではないかと思うぐらい、犬の散歩の風景を見かけます。その数と比例して、飼い主のないペットの数も増えるのかもしれません。血統書付きの高級ペット市場ももちろんありますが、こうしたアダプション市場もかなり活発です。写真の車は中でも大きな組織ASPCAのモノ。大きなバンを見事に改良し、さながら移動ペット屋状態です。これには驚きました。
僕も猫を飼おうとした時期があって、こうしたアダプションセンターを数箇所訪れたことがあります。結局飼えなかったのですが、今で機会があればこうしたセンターで猫を見つけて飼いたいと思ってます。はたから見れば、「さすが米国。ペットのケアもしっかりしている」と思いたいのですが、最近友人から聞いた悲しい話を思い出しました。
その友人は、こうしたセンター数箇所でボランティアをしていました。そこで見たのは「動物虐待」に近い扱いをする組織の職員が多いという事実です。組織はNPOである場合が多く、その運営はボランティアに依存していますが、コアとなる職員は給料制のはずです。そうした立場の人が動物を生き物として扱わず、モノとして考えがちといった雰囲気がどの組織にも共通してあるようです。純粋に動物が好きで集まったボランティア達も、そうした現状に悲観して離れていく。その友人もその一人という話を聞き、なんとも皮肉というか悲しいですね。
October 22, 2006
300ドルのストーリー
気温が下がり晴れ渡った土曜日の午後、ちょっとした映画のようなストーリーの事件に遭遇しました。僕の車がレッカー移動されたのです。いつもは遠い駐車場に置いておく車ですが、今回は近くの路上にたまたま止めておいたのです。気づいたのは土曜の午後3時。木曜の夜に路上の場所を見つけ駐車し、金曜はチェックせず、土曜の午後にプールに行く前に車がいたずらされていないか確認したところ、なんと車がありませんでした。
あるはずの車がない状態というのは、経験した人でないとわからないかもしれません。「夢を見ている」、「何かの間違い」等々と現実から乖離される瞬間でしょう。映画のプロットとして、日常生活のリズムが少し外れたところから端を発し、思いもよらないストーリーへと展開していく。まさに、そんな状況がこの瞬間から僕にも起こったわけです。
あわてる気持ちを押さえつつ、何が起こったかを冷静に考えようとしました。路上すぐ横にあるビザ屋に聞いたら、中で働くヒスパニックの兄さんが指差したのがこの写真の水道栓。これで疑問が解けました。つまり、「水道栓の近所に駐車してはいけないという駐車違反」が原因でレッカー移動された可能性が高いのです。となると、それを確認しに、近くの派出所へ出向きました。この時点では、レッカー移動8割、盗難2割かなという思いでした。盗難となると手続きその他が面倒で、かつ車もなくなるという最悪の状況になるため、レッカー移動でありますように。と祈る気持ち大だったのは明らかです。
15分ほど歩いて派出所。筋肉自慢のNYPD達がやる気なさそうにしている場所で、状況を話しレッカー移動されているのか、盗難にあったか調べてもらいました。およそ10分後に答えがわかり、無事?レッカー移動されているとのこと。「38丁目とWest Endの事務所に行け」との指示があり、書類をもらいそのまま地下鉄で直行。その場所にについたのが午後4時過ぎです。
写真で見るとわかるのですが、この水道栓はとにかくわかりにくい場所に立ってます。花壇の中にある水道栓なんて予想もしてなかったのです。が、それも後の祭り。今はとにかく車を返却してもらうことに精一杯でした。その引き取り場所では、同じような境遇の人たちが20名ほど待ち行列を作り、各々のストーリーを持参して金銭と引き換えに車の引き取りに来ています。最終的に僕が車を引き取れたのが5時過ぎ。そして、115ドルの駐車違反罰金に加え、レッカー移動費185ドルの合計300ドル(3万5千円)で2時間強のドラマの結果、無事車は戻ってきました。
ニューヨーク在住14年。レッカー移動された話は友人からたくさん聞いていたけども、自分がされたのは始めてでした。確かに高いドラマ代でしたが、盗難でなく、当日車で約束があったわけでもなかった分、不幸中の幸いかもしれません。こんな事件があっても路上駐車はこれからも続けます。
October 20, 2006
街角ブランディング - その2
先月のモノですが、地下鉄駅のポスターで面白いメッセージがありました。
広告主はTargetという、Walmartに代表される「ディスカウント・リテーラー」企業です。このTarget社のブランド戦略はとても興味深く、競合の巨人Walmartとは全く異なるアプローチを展開しています。安さを前面に押し出すWalmartに対して、「デザイン志向」をベースとしたブランド戦略で一線を画しています。
そのTargetが、この地下鉄広告で伝えているメッセージは「金曜日夕方のMOMAの入場料は無料です」といういたって簡単な内容です(5ヶ国語で表現してます)。興味深い点として、このポスターにはTargetという企業名は入ってないのです。その代わり、赤色二重丸のTargetロゴのみにて会社名を表現し、「MOMAの入場料はTargetが肩代わりしているよ」と無言で伝えています。見せ方以外でのポイントは2つ。
①MOMAのような大御所美術館でも無料サービスを提供する
②美術館の無料サービスを支援すること自体をブランディングに利用している
という点です。商品やサービスを取り上げることだけがブランディングではなく、このように間接的かつ社会的に評価され易い内容で企業イメージを押し上げるアプローチ、なかなか考えこんであります。
October 19, 2006
街角ブランディング - その1
ニューヨーク、マンハッタンはいろいろな意味で騒々しいです。騒音、パトカーのサイレン、携帯で大声で話す人達等々。こうした音の騒々しさに加えて、広告メッセージ、ブランドメッセージとの接触も騒々しさに拍車をかけていると信じているのが、職業柄私の持論でもあります。 (東京は別の意味で広告接触度が高いのですが…)
この写真は、今年の夏の終わりごろ5番街と40丁目あたりでランチの場所を探していた時に遭遇した、「銀行スポンサーのアイスクリーム屋」です。ここでのポイントは3点あります。
①アメリカ人のアイス消費量は世界一(あくまでも推定)
②極めて一般的な移動アイスクリーム屋
③銀行のブランディングにアイス屋まで登場
です。まず、米国は老若男女問わずアイスクリームが大好きです。とにかく、大人も子供も大口をあけて歩きながらぺろぺろしている姿が多いのです。そして、ミニバンを改良した移動アイス屋もとても盛んです。夏になれば、おきまりのメロディーを流したバンが街角いたるところに現れ、アイスを売ります。そして、この状況に目をつけた HSBC銀行が「HSBCブランドアイスを無料配布」してました。5番街のこのエリアはHSBC銀行のニューヨーク拠点に程近く、場所的にも意味のあるゲリラマーケティング戦略ともいえます。
日本と同じく、メガバンクの合併が盛んな米国でも、銀行の差別化ブランド戦略はかなりアツく繰り広げられています。利息による差別化、金融商品による差別化などの製品戦略に加え、アイス無料マーケティングのような消費者のココロを和ませる変化球も得意としているところが米国流なのかもしれません。
October 18, 2006
iPodの進化論
iPodに関するニュースは日々たくさんフィードされています。今日の米国証券市場でもAppleの今期利益が前年度比27%増加といった、クリスマスシーズン直前の四半期でもかなりの順調成長なのです。Appleの躍進の原動力はやiPodの成功にあるのは誰でも明快でしょう。ここ、ニューヨークではSOHOとミッドタウンの2箇所にAppleストアがあり、日々観光客や地元ニューヨーカーで混雑しています。
さて、すでに数世代進化してきているiPodですが、ビデオの扱いが今後の世の中に大きな影響を与えていくのは確実です。写真では、今日通勤途中に見かけた「テレビドラマを通勤電車で見るユーザー」の一例です。楽曲を聴いている人は各車両少なくとも5名はいるのですが、最近このようにビデオ・コンテンツを見るユーザーをいたるところで見ます。ニューヨークの地下鉄、スターバックス、空港、機内等々、「テレビ番組はリビングルームで」、「映画は映画館もしくはカウチで」といった今まで当然とされていた「場所」と映像コンテンツの接点が見事に崩れていきます。
同じコトを実現したのは、ソニーのWalkman。「音楽を聴く」行為を特定の場所から開放し、お財布同様自分と一緒に動けるコトとしました。iPodでは、「音楽」ではなく「映像」を実現しています。これは大きなステップだと思うのです。なぜならば、映像は「メディア」という大きなお財布と密接な関係があり、それ故日々議論されている「メディアを取り巻く環境」に大きな変化を生み出す力となりえるからだと思ってます。そんなコトをいつも考えながら、今年末に発売されるiPodの新モデルを早く入手したいと思う今日この頃です。
October 08, 2006
お祭り - その3
今年のお祭りは、天気に恵まれすぎたかもしれません。土日とも昼間は快晴。風が強く日向は暑いが日陰は涼しい。そして、夜は風のおかげかかなり寒かったです。温帯気候の日本にいながら、さながらアリゾナの砂漠にいるような気候だったのは興味深いかな。お祭りの特殊な雰囲気は、アリゾナのネイティブ・アメリカンの儀式にも似てるかな?と強引に考えたりしました。-かなり違ってますね。
ビデオで少しでも雰囲気が伝わるでしょうか?
ビデオで少しでも雰囲気が伝わるでしょうか?
Local Shinto Festival - Float and the People |
October 07, 2006
お祭り - その2
October 06, 2006
お祭り
10月の最初の週末は、故郷静岡にて毎年お祭りが開催されます。今年は、休暇を取って参加することにしました。
6日(金)の夕方に成田着後そのまま磐田に直行の予定だったのですが、そうはうまくいきませんでした。台風の影響で飛行機が札幌経由成田着となり、さらに成田エクスプレスが遅れ、結局新幹線に乗れなかった。という、今までで最も「遠い磐田」を体験することになりました。写真は千歳空港での機内の様子です。
「天候不良の時、飛行機は結構待っていてくれるけども、JRはさすがに待たないんだ」と思ったり、「成田エクスプレスは案外弱い」という事実も知ったかな。
成田エクスプレスの中では、たまたま乗り合わせたオーストラリアから来たご夫妻といろいろと話しました。僕よりも悲惨なご夫妻は、本当は名古屋空港に着く予定だったのですが、成田着に変更されたため、成田エクスプレス→新幹線で名古屋に行かなければいけなくなった。とのこと。利用したJALからは1万3千円渡されたけれども、多分足りないだろう。だって。一連の混乱で思ったのは、『現実を素直に受け止め、皆静かに辛抱している』ことです。ニューヨークでは、こういう場合の雰囲気は容易に想像できます。世の中の終わりのような大袈裟な表現を使って大声で文句を言い、航空会社に詰め寄り、自分だけでもよりよい状況へと導こうとするのが、残念ながらニューヨークのしきたりです。今回周りにいた、日本を含めたアジア人、そして大変な苦労をしたオーストラリアのご夫妻達の大人の対応は、僕にとっても安堵感が一杯でした。
October 04, 2006
ゴミといえば
10月なのに、8月のような気候の一日でした。 寒いより、暑い方が好きな僕としては気持ちが明るくなります。明日からの日本に備え、髪を切り自称「お祭り仕様」となりました。
さて、昨日のポストでアメリカ、特にニューヨークのゴミ事情にちらっと触れてみました。その後、頭から離れなくなったので、今日も続けてみます。この写真は夏のソーホーでよく見かける「ゴミ箱破裂」状態です。皆、思い思いに飲み物や食べ物を買い、歩きながら飲み食いし、ゴミ箱があったらそこに捨てる。というとてもシンプルな行動パターンが多数集まると、必ずこういう状況になる。という見本です。
日本では昔から、「公衆の面前でモノを食べるのははしたない」とか、「歩きながら飲み食いしてはいけません」といった、立派な教えがありました。今ではすっかり薄らいだようですが、私としてはこの立派な教えを、出来る限り守っていくべきだと思います。
ただ、このゴミ箱、別の意味のベネフィットもあります。ニューヨークでは(州によって異なりますが)、空き缶や空きボトルを所定の場所に返却すると、一つあたり5セントもらえるしくみになってます。(昔、駄菓子屋や酒屋でジュースを買って、空き瓶を返すと10円もらえる仕組みと同様)これにより、ホームレスの収入源になるというのも事実です。
食べ放題&捨て放題でホームレスの収入源確保のニューヨークがよいのか、ゴミ箱そのものを街から撤去した日本がよいのか、考えてみましょう。
October 03, 2006
リサイクルの日
はじめに
さすがにBlogぐらいは無いと。。。の思いで、ようやく重い腰と腕を動かすことにしました。これから先、ライフスタイルのこと、仕事のこと、食べ物のことを、その他気になることを記録していこうと思ってます。どんな内容になるかは、僕も楽しみ。
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