March 02, 2007

ゲイ・チャンネル


「ついに来た!」という気持ちで、地下鉄のホームに掲載されていた屋外広告を見ました。here!というケーブル放送での「ゲイ」チャンネルです。僕の住んでいる場所がとてもリベラルなエリアですので、多くのゲイ・カップルを日々見てすごしてます。すでに日常の風景に同化してるので違和感はゼロ。専門チャンネルができて当然でしょう。

自宅では、Hi Definition、オンデマンド、楽曲配信含めて数百チャンネルに及ぶケーブルを月額8000円弱にて楽しんでいます。地上波ネットワーク局以外に、ニュース、スポーツ、料理、子供番組等々様々なカテゴリーに特化した多数のチャンネルがある中、ついにゲイチャンネルもそのラインアップに加わりました。今の僕の購読オプションではこのhere!チャンネルは含まれてなく、コンテンツを視聴することができないので、この先内容に関しては評価しかねます。

こちらでは、同性愛の結婚が合法か否か。子供のアダプションは是か非か。雇用や入学などの人権は。等々、真剣に多くの議論が日々なされています。隣のニュージャージー州では、現役州知事が「私はゲイ」と告白し自らその地位を退いたり、はたまた私の前職ではボスを含め、多くの男性同士、女性同士のカップル達に囲まれ仕事をするなど、まさに日常の一部となってます。そんな中、やっぱりケーブルでも専門局があったんだ。と改めて認識させられた朝の通勤途中の一瞬でした。

February 27, 2007

ストリート・ミュージシャン


冬の寒さが一段落し、少しずつ暖かになってきました。ランチの後、ぶらりと散歩していたところ、久々にナイスなストリート・ミュージシャンを見つけました。以前に書いたテーマ「不快な地下鉄」の中で軽く触れたストリート・ミュージシャン。通常は嫌いな部類に入ります。というのもパフォーマンス自体「凄い!」と思わせてくれないのにお金を要求するからです。

しかし、写真の今日のミュージシャンは違いました。まずセンスがよい。肌の色、服の色、ベースの色、帽子がすべてマッチしていてカカオマスチョコレートみたいで二重丸でした。次にベース。写真のような6弦ベースを弾いている人をはじめてみました。見ているとギターと同じような左手の使い方で、ベースの旋律を弾いていて、とても不思議。そして最後はテクニック。ファンク、Acid Jazzっぽいベースソロはなかなかのものでした。とにかく一目で気に入ったこのミュージシャンを応援すべく、白いバケツにおひねりを置いてきました。

正直、ニューヨークのストリート・ミュージシャンのパフォーマンスは過去ほとんど無視してきました。が、今日は久々に「当たり」と遭遇でき、暖かくなった気候も重なって少しハッピーになったアフターランチでした。

February 24, 2007

アリゾナ州フェニックス


ボストンでの仕事を終えた翌日、今度は飛行機で5時間の場所アリゾナ州フェニックスへの出張となりました。グランドキャニオンに程近いフェニックスは車で少し走ると、砂漠+岩肌+サボテン+台地+大地といった大自然を目の当たりにすることになります。日々数千人規模で増加していく人口を支えるために、公共交通機関、建物、スポーツ施設、住宅、モールなどの社会基盤の充実が急ピッチで行われている景観は、ニューヨークとは種の異なる勢いを感じ、リアルなSim Cityを体験した気がしました。ちなみに人口は150万人強でして、全米で第6位の都市のようです。

仕事では地元の放送局と情報共有を目的とした打ち合わせが中心でした。急成長中の都市を代表する独立系放送メディアとして、肩肘はらずに様々なチャレンジを実行している姿に学ぶべきものは多かったです。地域貢献に主題を置きつつ、メディア企業としての体質強化、マルチチャネル環境変化への積極的な対応等、シンプルなことをしっかりと積み重ねている姿は日本のメディアも学ぶべきことがあると思いました。

冬でも20度位の暖かさ、夏場には40度近くにもなるこの地で、プロスポーツのほぼすべての種類の球団が存在していることも興味深いです。野球では、ワールドシリーズで優勝経験のあるダイアモンドバックスがあり、真夏の試合では暑くて大変だろうと思っていたところ、巨大なドーム式のスタジアムは当然冷房完備でした。アメリカンフットボールでは、University of Phoenix Stadiumという命名権のついたドーム型スタジアムも驚くような大きさで平原の中に建てられてます。ちなみにこの大学はオンライン授業を真っ先に取り入れた業界ではとても有名な大学なのです。

東海岸、そしてサンフランシスコやLAなどのすでに大都市として成熟してしまった場所では見られない、急成長していく米国都市のダイナミズムを簡単に味わえる場所として、このフェニックスが少し気に入ってしまいました。

February 19, 2007

ボストン


今日19日はPresident Dayという祝日でした。相変わらず寒い3連休だったのですが、火曜日の午前中にボストン郊外にある会社との打合せのため、前泊すべく昼過ぎに車で出発し、今は郊外(Waltham)にあるホテルからです。写真は3時間半のドライブ途中に試しに撮影してみた写真です。(思ったより良く撮れていたので掲載してみました)

アメリカに来てから10年以上ニューヨークにいる僕にとって、ボストンは少々ややこしい場所です。古い街並みや路地、ハーバードやMITなどのアカデミア等々、ニューヨークにはない特色がある米国では稀な都市だと思ってはいます。ただし、心から「ボストンは素晴らしい!」と言えない理由を少なくとも2つ抱えています。

まず最初は野球。Joe Torre監督就任前にニューヨークに来てそのまま、ヤンキースファンになってしまった僕にとって、ボストン・レッドソックスというのはいつも気になる存在なのです。数年前のボストンは、ペデロ、マニー・ラミレス、ディビッド・オーティス、ジョニー・デーモンなどなかなか味のあるプレイヤーを抱えていて、ライバルながらあっぱれな球団でした。今はメンバーが変ってしまい、ライバルとしての面白みがかけたのは事実です。でも、ファンは相当なアツさでして、ボストンの会社と仕事で打合せがあると必ずや野球の話になり、レッドソックスの帽子を無理やり持ち帰らされたりします。

次は「白さ」です。ボストンを中心としたマサチューセッツ州は米国でもニュー・イングランドと呼ばれ、英国の影響を最も受けている地域として考えられています。それ故、英語のアクセントも少々イギリス風になっていたりするのが、この土地の人の自慢です。下手な英語でも構わないニューヨークとは異なり、アクセントの違いや英語のおかしさを過去何度か指摘された場所です。(英国人からすればおかしな「米語」なのに困ったものです)同時に、白さを感じさせる場所です。今日はこの郊外の商店街のバーで夕食を食べたのですが、私以外の客、店員も含めてみな白人でした。アジア人も黒人もいない店は、ニューヨークではいたって特別な場所なので、やはり居心地の悪さを感じてしまいました。

まぁ、こうした感情はニューヨーク在住者には当然なわけであって、今日のように郊外に来ても、実はあまり気にしないのもホンネです。というのも、ニューヨークに比べ人々が素朴であたりが柔らかと言った、いい面もたくさんあるわけですから。

February 14, 2007

バレンタイン デー


今日は2月14日。バレンタイン・デーです。小学校の頃、「下駄箱にチョコレートが入ってないかな?」「机の中に置かれてないかな」など、ありもしないことを想像しながら一日中わくわくしていたコトを思い出します。

このバレンタインデー、歴史をさかのぼると西暦500年ごろに法王がすでに命名しているそうで、米国には1850年頃に輸入されているようです。どこそこの代理店がクライアントとつるんで勝手に造った記念日だと思っていたのですが、実はしっかりとした歴史があったのですね。

こちらに住んでから、バレンタインデーの定義が日本と若干異なることを知りました。多分日本が少々ねじれているのかもしれません。こちらでは仲良し同士がロマンチックに過ごす日とみなされ、カップルであれば男女、男同士、女同士かまわず花やカード、プレゼントの交換をし、ディナーを楽しむ。そんな日となってます。特別メニューを用意しているレストランも多く見かけます。いたって分かりやすい記念日だと思います。

今年のバレンタインデー。ニューヨークでは雪に見舞われました。「きっとレストランのキャンセル多いんだろうな?」などと、余分なことを考えながら、滑りやすい雪嵐の5番街を歩いているとH&Mのウィンドウディスプレイ(写真)を発見しました。外の天気を全く無視したマネキン女性の下着姿、なんだかやる気がなさそうですね。

February 12, 2007

謎のスポーツバー


お酒が大好きな僕は、ニューヨークでゆっくりお酒を楽しめる場所を過去探してきました。探し方が甘いのか、僕の望んでいる店が本当にないのか、好みのバーがなかったのは残念なことでした。ところが最近、妙に気になるバーを見つけ、そこに通い続けています。

写真のNevada Smithsがそのバーなのです。ダンディな雑誌に出てくるような「奥深く、気心の高いバーテンがマンハッタン最高のカクテルを作るその至福の時云々」などとは180度異なる単なるスポーツバーなのです。アメリカのスポーツバーすべてに対してアレルギー的に嫌っていた自分にとって、何故これほどまで通うようになったのか?

すべてバルセロナ旅行が原因です。FCバルセロナの試合を間近で見て以来その熱病は続いていて、ニューヨークでもバルサの試合をライブで見られないか画策してました。そんな折このバーを発見したのです。ここはバルサ応援団のNY支部らしいのですが、中に入るとバルサ以外に、「アーセナル」と「チェルシー」の大きな旗が飾られており、それぞれのファンが集まる場所となっていました。週末は、熱心なファンが一杯5ドルのビールを片手にマイチームを応援する「欧州サッカー狂御用達スポーツバー」なのです。

時差の関係上、欧州現地にて夜の試合はNYでは昼間や午後のキックオフです。1階と地下にて合計10台以上のスクリーンを配置し、アーセナル、チェルシー、バルサなどの有名チームのファンがその試合の時間に合わせて集まり、楽しみ、そして帰っていきます。英国アクセントの本当の英語、カタラン訛りのスペイン語が飛び交うその空間に、これからもしばらく通うことになりそうです。

February 08, 2007

電話会社の名前


日本では携帯MNPの騒ぎが一段落した頃でしょうか。ここ米国は、携帯電話技術や機器の進化は日本に比べ完全に遅れています。ですが、MNP(こちらではLNP)はすでに3年以上前に実施されていたり、かつ携帯電話-固定電話間でのMNPも実施されていたりと、消費者が本当に望むサービスは実はかなり早くから行われていました。

この10年間、インターネットや携帯電話のおかげで世の中いろいろ変りました。同時に商品やサービスを提供している会社や企業も大きな変化を続けています。面白いのが電話(携帯電話)会社の変遷です。僕が利用している固定電話会社の場合、全く同じサービスなのに10年程の間に3回会社名が変ってます。当初は「New York Telephone」、その後「NYNEX」、そして現在は「Verizon」という名称となりました。

携帯電話に関しては、LNPにて携帯電話会社を変えて以来この4年間で「AT&T Wireless」、「Cingular」、そして「at&t」という具合です。写真はCingularの小売店ですが、ポスターやPOPなどでじわじわ新「at&t」へのブランド・トランジションを仕掛けています。この「Cingular - at&t」話は、M&Aが盛んな米国なので納得できますが、理解できないことが一つあります。それは、名前です。そもそもCingular社の方が会社の規模が大きく、ディールとしてはCingular社がat&tブランドを買収した形でした。が、存続ブランド名はat&tとなるのです。今まで、こうした事例は珍しいはずです。これは、アメリカ人のat&tというブランドへの憧憬なのでしょうか?企業名を変えることは、CIの観点、ブランディングの観点、さらにNaming Rightsとして球場名などに利用されていたりすると何かと大変なんですけども。

February 05, 2007

スーパーボール


この国でこの業界にいる以上、今日はスーパーボールを話題にしなければ。といった義務感があります。個人的な興味はさほどありませんが、10年以上も前、僕がまだNYに来て間もない頃、ニューヨーク生まれの友人から「スーパーボール・パーティーするから来れば?」と誘われたのが始まりでした。夕方からその友人の自宅に集合し、ビールを片手にピザを食べ、試合前のショーまでにすっかり酔いが回り、最後まで試合を見たかどうかすら覚えていない、謎のパーティーだったってことは覚えてます。

Anyway,今年はインディアナポリスが優勝し、黒人監督が率いるチームとしては史上初というめでたいストーリー付きでした。試合結果と同時に(もしくはそれ以上)話題となるのが、その時間帯に流されるコマーシャルです。今年も常連のバドワイザーをはじめとして、飲料、車などなど多くの広告主からのコマーシャルが放映されました。

翌日のニュースでは、コマーシャルについて「好ましかった広告」、「好ましくなかった広告」などの評価が話題となります。ちなみに今年は、バドワイザーの評価が全体的に高いようです。話題性という点では、フリトレー社のDoritosが試みた素人制作コマーシャルに注目が集まりました。昨年秋から始まったこのキャンペーンでは、素人が広告を制作し、一般投票による厳しい選考会を経て最終的な勝者の広告がスーパーボールにてオンエアされるというアイデアでした。その他、GMのシボレーなども同様の試みをしてました。

CGMやCGCなどと呼ばれ、日本では消費者参加型○△という言葉が頻繁に聞かれる今日この頃、その本場米国にてついにコマーシャル界の桧舞台「スーパーボール」にたどりついたのはとても興味深いです。何せ、30秒コマーシャルの広告枠コストが約3億円。つまり1秒当たり1千万円の投資に利用してしまうという潔さですから。とはいえ同時期に、MTVなどのメディア企業がYouTubeに対して、自社のコンテンツを無断使用しているビデオを10万本以上強制削除させたというニュースもあり、この先一般消費者を取り巻く動画環境は二転三転していくのでしょう。

February 02, 2007

American Idol の楽しみ方


素人が自慢の歌を披露し、厳しい審査を経てメジャーデビューするという人気番組「American Idol」は、すでに6回目を迎えています。初回から現在に至るまで、番組のスタイルや審査員に全く手を加えなくとも依然として平均20パーセント程度の高視聴率を維持しているのは大変驚くべきことだと思います。

この番組は、審査員のテーブルの目立つ位置にCokeのカップを置くといった、トラディショナルな「ブランデッド・エンターテイメント(プロダクトプレースメント)」や携帯電話会社のCingular(現在AT&Tにリブランディング中)と提携し、視聴者にSMSにて勝者を投票させ、視聴者投票の結果も最終審査結果にリアルタイムに反映させるといった試みで、マディソン街の話題となっていました。

僕はこの番組は好きな部類であり楽しんでます。ライブではなくTivoにためておいたモノを後でまとめてみるのに最適なコンテンツなのでしょう。特に気に入っているのが本選に入る前の予選オーディションです。全米の数都市にて予選会を開き、そこで勝ち残った人たちがハリウッドの本選に出るしくみとなってます。合格した人、落選した人、それぞれのパフォーマンスや審査員とのやりとりを早いテンポでまとめている編集はなかなかウマいです。そして予選参加者それぞれに、開催地ならではの特色が表れている点がとても興味深いのです。

ニューヨーク大会ではさすが競争社会。あたりが強い!つまり、自己主張が激しく、落選しても審査員に食って掛かる魂。なかなか見事でした。一方、アラバマ州での予選では、不合格と言われてもあっさい笑顔でThank you!といえる人たち。英語のアクセントもここNYとは異なってます。そして、どんな地域でも共通して言えることは、歌の上手下手にかかわらず、素人一人一人の中に「個」の輝きと強さが宿っているいることでしょう。同じことを日本で行うと、皆、口を揃えて「よろしくお願いしま~す。がんばりま~す!」のオンパレードとなるのは簡単に予想できてしまいます。

January 30, 2007

クイック・ランチ


以前にも触れましたが、ニューヨーカーは何故か忙しいです。寒さがいよいよ厳しくなってきた真冬でも忙しそうに早足で歩いています。そして、その忙しさはランチの取り方にも表れるでしょう。

写真にある、改造トラックを利用した移動式食べ物屋はニューヨークではいたる所に見られ、「フード・ベンダー」と呼ばれて親しまれてます。この写真はMudtruckと言いイーストビレッジではちょっと有名なコーヒーベンダーです。オレンジ色の車体に目を奪われ、寒さも手伝いついコーヒーを買ってしまいました。その他にも、ビザ屋、タコス屋、西アジアのカレー屋等々、様々な種類のフードベンダーがあり、行列が出来るほど有名になったり、年に一回のコンテストが開かれその味や手際わのよさを競ったりと、すっかり街の人気者となってます。

ニューヨーカーはこうしたベンダーやサラダバーなどでランチを購入し、自分の席に持ち帰って食べたり、暖かい日には公園やパブリックスペースで食べるのが主流といっていいでしょう。さらに忙しい人達(もしくは怠け者達)は電話やWebサイト経由で思い思いの品を注文し出前してもらうことも多々あります。知り合いや仕事関係の人と会うときは、しっかりとレストランを予約し逆にゆったりとランチを取ることで仕事の一部として考えています。急ぎの場合そしてその逆の場合も、ランチに対するこの考え方に僕はすっかり共感しています。今となっては、きまった時間に同僚達と一緒にランチに出かける日本のパターンには違和感だらけとなってしまいました。

January 25, 2007

足場に注意!


高いビルや古いビルがひしめき合うマンハッタンでは、Scaffoldingと呼ばれる「足場」がいたるところに見られます。煉瓦の外壁の修復やビル全体のメンテナンスなどの作業に必須となるからです。通りを歩けば、この足場の下をくぐる機会は必ずあります。

友人からは、「この下を通っていたら上の板が外れて落ちてきて危なかった」、「ペンキが降ってきて洋服を汚された」といったような迷惑ごと、時には訴訟問題にまで発展しそうな被害を受けた話をたまに聞く、マンハッタンに住み、働く人にとっては厄介者の感もあります。

しかしこの「悪者な足場」。若干目線を変えれば、立派なビルボードとしてマネタイズされるのが当然と解釈されているのが昨今のニューヨーク、もしくは米国OOH広告事情と言えます。ビルの建設やメンテが終了すれば、自動的に撤去されるため期限も決めやすく、視線に近い分アイボールを捉えやすい。媒体としては扱いやすい部類に入るのでしょう。

写真はダウンタウンのPuma Store(Sohoの次にオープンされた2件目)です。開店したものの、ビルのメンテナンスで足場が組まれたため、目立たせるよう店舗の存在をビビッドな赤色で表しています。こうした「広告足場」をマンハッタンではたくさん見ることができます。しかし最近、調子に乗りすぎた広告主(代理店)が、交通信号の部分まで張り出している足場に広告を展開し、その結果信号機が見難くなったということで交通法違反として罰金+撤去を命じられたケースも出てしまいました。何でもござれのニューヨークですが、調子に乗りすぎはご法度なのですね。

January 22, 2007

スーパーが面白い


ニューヨークのスーパーにはそれぞれの顔があって、なかなか面白いと常々楽しんでます。セグメント化することが趣味にもなってきている僕は、早速以下の3つのセグメントに分けてみました。

①「庶民派ローカル」スーパー
②「全米チェーン・クオリティ」スーパー
③「ニューヨーク・ハイエンド」スーパー

写真は③に属する Balducci'sでして、演奏会でも行われそうな建物の中に高級食材やお惣菜が所狭しと並べられている店です。

この3つのセグメント、それぞれにマーケティング戦略が異なります。
①の「庶民派ローカル」は、D'AGOSTINOA&Pなどに代表されるマンハッタン内でも多くの店舗を見かけます。これらは特売品をクーポンと共にちらしにて積極的に展開します。この点では、日本のスーパーの戦略とほぼ同じでしょう。
②の「全米チェーン・クオリティ」は、Whole FoodsTrader Joe'sのように、オーガニック系食材や、独自ブランドによる健康的な食材の流通を主とし、ストアブランド系の低価格商品から健康的な素材にて若干の高価なアイテムまで幅広く揃えるスーパーです。店舗デザイン、厳選された商品とその配置、従業員の教育を含めた一貫したブランディング戦略を徹底しています。そしてチラシは見たことがありません。
③の「ニューヨーク・ハイエンド」では、写真のBalducci'sZaber'sなどの高級食材、お惣菜を中心とする店であり、チラシは利用せず、DMなどの1to1ツールにて高いデザイン・クオリティを維持したクリエイティブ勝負のオファーを提供してます。

消費者として、このように選択肢が多いことは好ましいと思ってます。チラシのクーポンを握りしめつつ安い水を買いにA&Pを訪れ、オーガニックのホールグレインパンを探しにWhole Foodsをうろうろし、時にキャビアの入ったサンドイッチをDMのクーポンを利用してBalducci'sで買ったりと、目的に応じて3種類のスーパーを使い分けることが可能だからです。

個人的には②のスーパーに出かける頻度が一番高いのです。同じ食材でも①に行けば安く入手可能なのですが、店の持つ全体的なブランド・イメージ、店員から伝わるエンゲージメント感、しっかり研究された品揃え等々、消費者の欲求や心理をしっかり把握し、価格以外の部分にて企業戦略として実施している店には、顧客に対して安心感を同時に植え付け、その結果ロイヤル層に育てていくのでしょう。私はそのターゲットにすっかりなってしまってます。

January 16, 2007

理解できないのに印象に残った不思議広告


地下鉄の駅構内で本日ひときわ目を引いたのが、写真のポスターでした。カメラの質が悪く残念ですが、明るい色使いと花模様のポスターに、不快な地下鉄のホームでホッと一息させられたのは事実です。

よく見ると、コピーはすべてスペイン語。何を言っているのか全くわかりません。ニューヨークに限らず米国では、スペイン語を話すヒスパニック層は消費者セグメントとしては無視できない存在であり、専門のメディア、コンテンツ、広告等と日々何のためらいもなく接しているのが普通です。スペイン語の広告の場合、そのコンテキスト、クリエイティブ、ロゴ等から広告主は誰で何を対象としているかはおおよそ判別可能なのが普通でした。しかし、このポスターだけはさっぱり予想もつかず、それ故僕の好奇心を十分くすぐってくれたのです。

結果からお話しすると、この広告では「HIVの検査をしましょう」というメッセージということが、Googleを駆使した結果わかりました。たとえ公共広告というカテゴリーとはいえ、商品やロゴもないクリエイティブにて、しかも母国語(この場合は英語)でない言語で堂々と掲載してしまう。この大胆さには驚きました。とはいえ、言葉を理解できない僕の興味を引き出したのもクリエイティブの力だということも、改めて認識させらました。デジタル一色の最近、とかくROIやメディアミックス等々の新しモノコトを追っかけていた自分にとって、久々に原点に立ち返った一瞬は実は貴重なのかもしれません。

January 11, 2007

「美しい国」を造るのは誰?


年末年始は日本に滞在しました。家族や親族達と会えたことは大変よかったのですが、テレビなどのメディアと接しながら次第に居心地が悪くなりつつニューヨークに帰ってきました。さて、何があったのか。

安倍首相が掲げる「美しい国」というテーマは単純に好きです。正月名物の富士山や歴史建造物などの美しさ、歴史と伝統を伝えていこうという心の美しさ等々、世界の中でも誇れる点は多くあると思ってます。ところが日本で耳にした様々な悲しい出来事は、「美しい国」とはかけ離れた現状をさらけだしていたと感じました。

夕張市を代表する自治体の破綻、教育現場の混沌、蔓延するいじめなど、哀しみ、怒り、時にあきらめを感じさせらる話をメディアを通じて知りました。特定テーマを取り上げ数名のコメンテーターによって評論する形式が日本では流行っているようですが、僕にとってこの形式そのものが「いじめ」を象徴しているように思えたのです。つまりテーマの当事者を非難・批評しているだけで、「なぜ」こうなるのかといった根本的な議論が欠けているからでしょう。

日本で騒がれているこれらの問題の根っこには、官僚が頂点にある「いじめ」構造にあると僕には思えてなりません。「日本を造り動かしているのは私達です。私達は日本で最も頭脳明晰で日本のことを一番考え、日々激務をこなしています。よって皆さんは私達の言うことに従うだけでいいのです」という官僚の姿勢。そして「ご指導を忠実にこなすよう励ませていただきます」という自治体や民間企業の逃げ場のない立場。この一方通行的なリレーションが日本社会の歯車を狂わせているのでは?と思い始めたら妙に居心地が悪くなってきたわけです。

生活者の視点において、米国ではこうした不快感はありません。まず、優秀といわれる学校の卒業生で官僚志望はほぼ皆無。日々の生活においても民間、自治体、生活者の影響力が強く、官僚によるパワーハラスメントを垣間見て嫌な気分になることも滅多にありません。国家レベルでは大統領主導の「イラク戦争」は大変頭の痛いことなのですが。。。そして日本。「美しい国」を造るのは一体誰なのか。それは一部の官僚ではなく、やはり国民一人一人ではないでしょうか。

December 26, 2006

米国年末商戦


クリスマスも終了し 2006年もあと数日を残すだけとなりました。小売業の年間売上高の約4割が年末の1ヶ月程度に集約される言われる米国年末商戦も最後のカウントダウンを行っています。今年はオンライン販売は伸びたようですが、店舗小売は予想を下回ったようだ。との見方が今日発表されてました。

そんな中、写真のMacy's。今年は今まで以上に大胆なDM戦略かつ小売戦略を行ったと思います。その結果はまだ不明ですが、とにかく大胆でした。DMに関しては11月後半からほぼ毎日のようにカタログ、フライヤー、カードが届き、15%オフ、1 Day Saleなどと激しく攻めてきます。一方小売に関しては、ニューヨーク界隈の店舗においては、クリスマス前は朝7時から24時開店、直前では24時間営業とやる気まんまん。こうなると、採算度外視という言葉を超えて、「どうだ。気合をみたか!」といった感じで天晴れでした。

ダイレクトメールに関しては、推定ではありますが1年間で10億通以上は確実に送付しているはずです。(下着のVictoria's Secretのカタログ送付数でさえ4億通ですから)もっぱら、自然保護に関して世界的なモラルと逆行している米国ですが、最近ではこの無駄なDMによる自然破壊を取り上げ、自粛し始めた企業もようやくでてきました。そんな中、Macy'sはそんなコトはおかまいなし。ひたすら印刷物を送り続けてきます。

この企業、僕の感覚では食料品売場のない「イトーヨーカドー」と「一般百貨店」の中間だと思ってます。全米の大都市やモールに店舗が展開されてます。ニューヨーカーにとっては、夏の花火、感謝祭のパレードなどの重要イベントの冠スポンサーとして、ブランドは浸透してます。一旦は倒産し会社更生法を適用して再生したこの企業、果たして今年の「本気の」年末商戦の結果はどう転ぶのでしょうか?

今年の掲載は今日で一休みとさせていただき、来年は1月中旬から再開する予定でおります。それでは皆様よいお年をお迎えください。ムラマツ

December 21, 2006

オートバイとブランド・ロイヤルティ


先日ささやかなパーティーに参加した際、隣にいたアメリカ人女性と盛り上がった話がありました。題材は「オートバイ」。ヤマハ発動機の本社がある磐田市出身の僕としては、頑として日本製のオートバイ。特にヤマハの良さを主張しました。(日本に住んでいた頃にはTX650というバーチカルツィンの旧車を大事に乗ってました)彼女は徹底的にハーレーの良さを主張してます。

これは面白いな?と思って、ハーレーのどこが好きかと聞くと、「音、力強さ、自由」などなど、マーケティングの授業での模範解答のようなブランド因子を答えてくれました。では、ヤマハ、ホンダのどこが嫌いかと聞くと、「音が悪い、軽そう」など僕には納得できない点をいくつか指摘してくれました。結局、彼女は競合などどうでもよくて、とにかく「ハーレーが好き」なのです。そういえば、マーケティング関係のセミナーに出た時、スピーカーの一人が最もブランドロイヤリティの高い米国ブランドの一つがハーレーである。と具体例を挙げて説明してました。この女性のコメントからも納得できますね。ちなみに、ハーレー社の株価はいたって好調のようです。

さて、写真は通りがけにたまたま見つけた Moto Guzziです。緑と黒のカラーリングがちょっと珍しく、しばし立ち止まって眺めてました。幸いなことにニューヨークでは欧州の旧車を見かける機会が時折あります。Triumph, BSA, BMW, Ducati, Moto Guzziなど、いい感じにメンテナンスされた旧車が街角に駐車してあると、うっとり見とれてしまいます。オーナーはどんな人だろうと考えるだけでもわくわくします。これがハーレーですと、「ひげづら、刺青、でぶ」のオーナー像しか想像できない私はやっぱり偏見があるのでしょう。

P.S) 12月4日にポストしたWorld AIDS Dayのイベントに出展したオートバイの絵ですが、残念ながら作家の私宛に戻ってきました。つまり買い手がなかったということです。自分では「行けるか?」と思ってたのですが、さすがに競争の激しいニューヨーク。一夜漬けのにわかアーチストはあっさり見破られるわけですね。これに懲りずにまた挑戦します。

December 19, 2006

とても忙しい時期


クリスマス直前の1週間はニューヨークで(すなわち世界で)最も忙しい時期だと思います。仕事も押せ押せ、パーティーは連夜、ギフトショッピングもまだ半分残っていて等々、ただでさえ早足のニューヨーカーの歩く速度が倍になります。同時に街には観光客も増え、ショーウィンドウに立ち止まったりして歩行妨害。忙しいニューヨーカーとハッピー観光客との冷たいバトルが、心の中にはきっとあるはずです。

写真は今日の昼休み、グランドセントラル駅とつながっているオフィスビルのスペースで開かれた地元の高校生のコーラスイベントです。音楽の専門家ではないのですが、なかなかメリハリのある「ハレルヤ」を合唱していてとても好感が持てました。こうして、地元の子供達がその練習の成果を披露できる機会が気軽にあるコトはとてもよいことだと思います。

コーラスやイベントの良さとは別にそこで感じたことは。あまりにも忙しい人々のことです。ランチタイムということもありますが、①おっ、これは何だ。と一目見る。②面白そうだなと立ち止まる。③最長でも20秒聞いたら「こんなものか」と立ち去る。といった行動パターンが殆どでした。たまたま曲の終わりにこのサイクルがはまってしまった人は、歩きながら拍手をして立ち去ります。椅子が50脚程準備されてましたが、座って聞いてる人は5分の1程度で、そのほとんどが観光客のようでした。師走って言葉が日本でもありますが、師だけでなく「市」そのものが走り続ける場所なのでしょう。

December 12, 2006

WAL*MARTと広告業界


米国広告業界では、先週かなり大きなニュースが吹き荒れました。その中心となったのが、写真のWAL*MARTです。内容を簡単にまとめると、「WAL*MART社の1年間の広告全般の委託先として一旦決められた広告代理店が白紙に戻された」わけです。

このよくありそうな話が何故そんなに大きく広く伝えれらたのかと言えば、やはりその規模にあると思います。一代理店に託す予算がなんと「650億円強」だからです。米ドルで5億8千万ドル、117円換算でも約680億円の予算額はさすがに魅力的で、大手代理店数社による競合コンペの結果、Inter Public GroupのDraftFCB社がそのコンペの勝者でした。

DraftFCB社に決定した時には「おや?」と不思議に思いつつも、トラディショナルな代理店ではなく、ダイレクトマーケティングに強いDraft社とトラディショナルなFCB社が合併した新しい組織がきっと魅力的だったのだろうと感じました。しかしこの決定の背景にはちょっとしたスキャンダルがあったのです。

WAL*MARTで代理店選択の決定権を持っていた Julie Roehm氏が更迭されたことで、DraftFCB社採用は白紙撤回されたわけです。では何故Roehm氏が更迭されたかと言うと、WAL*MART社の「ベンダー、サプライヤーからのいかなる接待やギフトに応じてはいけない」という会社規約に背いたようです。その接待とはニューヨークでも高級日本食レストランとして位置づけられる「Nobu」でのバーティーに参加したことのようです。他にも、DraftFCB社の社長が所有するAston Martinに同乗した、部下との不倫等々スキャンダラスな話がこの更迭劇のその他の理由のようです。コトの真意は全くの不明なのですが、はたして「代理店からの食事の誘いを一切受けてはいけない」という規約がいいのか悪いのか、僕には判断できないのがホンネです。

December 07, 2006

さよなら!タワーレコード


ブログを始めた頃、iPodに関して経済的に与える影響の大きさを取り上げてみました。音楽産業、家電業界、エンターテイメント業界などへ与え続けている経済効果の大きさはかなりのものです。ところが、その躍進の影にかくれ、ひっそりと衰退していくものもあります。

サンドイッチマンという日本語があります。ここニューヨークでも、5番街などの目抜き通りでは時折見かけ、宣伝というよりも、しっかりと通行人の邪魔をしてくれます。マクドナルド、洋服屋などの看板が多い中、つい最近TowerRecordのサンドイッチマンを見かけ、閉店することを知ってしまいました。

TowerRecordは会社更生法を適用した結果、米国の全店舗をクローズし、オンライン専業ストアとして再生していくという結論に至ったようです。ニューヨークでは、Broadwayと東4丁目というリベラルかつ賑やかな場所に店舗を展開し、楽曲、ビデオ、書籍など多彩な品揃えがあるため、近くの大学院に通っていた時代から何度も立ち聴き、立ち読みに立ち寄ったことが懐かしい場所です。黄色地で赤字の鮮明な看板、最新の楽曲で賑やかな店内に何度も吸い込まれ、勉強で固まった頭をほぐしてくれたのです。

オンライン商店や大規模小売店が発達してくれたことは消費者としては大変便利でありがたい。しかしながら、駄菓子屋、文房具屋、自転車屋、時計屋などのお店がすでに殆ど見かけられなくなっているのも寂しいものです。このカテゴリーについに大手レコード店が加わる時代になったのか。とiPodを聴きながらふと寂しく思った夕方でした。

December 04, 2006

World AIDS Day


World AIDS Dayの12月1日は、ここニューヨークでも様々なイベントが繰り広げられました。AIDSという病気、そしてその発症率が高いといわれる同性愛者に対して、政治も経済もアートも正面から向き合うニューヨークにとっては大切な一日だと思います。

そして今年、僕もこのイベントに初参加しました。Visual AIDSという団体が主催しているイベント「Postcards From the Edge」に写真の絵画を出展したのです。アートとは直接関係のない仕事をし、子供の時以来真剣に絵も描いたこともない僕の絵が、チェルシーの有名ギャラリーに約1500点の作品の一つとして展示されたことは単純に嬉しいことです。

このイベントはチャリティーを目的としていて、その仕組みが面白いです。参加は自由。参加者はポストカードサイズの作品(絵画、写真、オブジェ等々)を締切までに事務局に送ります。そしてWorld AIDS Dayの期間中ギャラリーにて一般公開され、来場者は気に入った作品を購入することができます。購入金額は一律75ドルです。購入時には作家の名前がわからないので、たまたま購入した作品が超大物アーチストのものである可能性もあるわけです。(購入後に購入者にその作家の名前と連絡先が伝えられ、作家には購入者の情報が伝えられます)

生まれてはじめて有名ギャラリーに自分の作品が展示された僕にとって、誰かに購入して欲しい気持ちもあれば、せっかく描いた絵なので誰にも購入されずに戻ってきて欲しいという思いもある。結果が出るまでわくわくするイベントでした。