ニューヨークとは、アメリカとは、そして日本とは。 マーケティングに関する話や人々の日常生活の中で思ったこと、考えたこと、驚いたことなどを書き留めていきます。
December 21, 2009
大雪
いよいよ12月も大詰めを迎えました。気候もすっかりニューヨークらしく、かなり寒い日が続いていたと思いきや、ついにスノーストームが到来しました。前回ポストした時は寒いながらも晴天でしたが、この週末は写真のように大雪でした。この雪は米国北東部を直撃して、ワシントンDC、ボルチモア、フィラデルフィア、ニューヨーク、ボストンといった北東部の大都市の空港を大混乱させたわけです。
クリスマス前の週末ということで、多くの小売店で、最後の大売出しを予定していたところ、この大雪により見事にその期待を裏切られたことになります。さらに、休暇を早めに取得する人達が空港で足止めを食らうなど、不便なことだらけの週末でした。僕にとっては、重要な予定もなく、ちょっとした雪を楽しむぐらいの余裕があったのが救いです。ニュースでも空港で足止めされた人達のコメントが多く報道されてました。
今日は寒さも一段落し、道は解け始めた雪で歩きにくくなってます。この中を、ゆっくりと転ばないように歩くのもニューヨークの冬のシーンなのかもしれません。
December 15, 2009
買い物
今年の年末は、仕事が何かと忙しくなり、ブログポストもしばらく滞ってしまいました。先週末は、出張で東京から来た仕事仲間を連れて、郊外のアウトレットに出かけてきました。
12月の土曜日ということで、かなりの混雑を予想し、マンハッタンを7時半出発という強行スケジュール。おかげさまで混雑も回避でき、駐車場もがらがらのまま目的地にたどり着きました。気温は氷点下というかなり寒い日でしたが、その分空がきれいで気持ちがよかったです。
さて、買い物です。僕は買い物は嫌いではないので、こうしたアウトレットをぶらぶらすること自体は楽しめます。ただ、ブランドに対しては「わざと避けたい」ようなひねくれものなので、ブランド店を覗いては、どんなものがあってどんな人がいるのかを観察する程度です。今回驚いたのは、早々から行列ができているブランドが2つありました。一つはカバンのCoach。もう一つはブーツのUGGです。Coachは知っていたのですが、UGGというオーストラリアのブランドは読み方さえわからず「うぐぐ?」と読んでみたり。でも、かなりの長い行列だったのでその人気度がわかります。
朝9時に着いて、夕方3時頃までゆっくりいろいろと歩き、東京からの同僚達は為替のヘルプも手伝い、それぞれの買い物に満足されたようです。やっぱり、よい買い物をすると皆Happyになるようで、帰りの車の中も疲れ半分、興奮半分で楽しい土曜日を過ごすことができた次第です。
December 03, 2009
Wired Store
12月になったのですが、比較的暖かく感じる今年の冬です。今日は、Meatpacking Districtにある Wired Storeを見てきました。インターネットの黎明期から、雑誌を通じてテクノロジーやビジネスの一歩先をCoolに伝えてきた雑誌がWiredですが、そのショップということで、以前から行かねば!と思っていた場所です。
流行のMeatpacking Districtにあるのも何か面白いな。と、思いながら店の中を覗くと、なかなかこれが面白いワンダーランドでした。比較的ガジェットが好きな僕にとっては、置いてあるものがそれぞれ興味深かったです。電動オートバイからiPhone用の充電器、そしてレゴのブロックまで、欲しいなと思うものと、Coolだなと思う両方を上手に紐つけて展示(販売?)しています。
MOMAなどの美術館とは全くコンセプトが異なるのですが、これも一つの美術館や博物館の形なのかもしれないな。と思いました。簡単なワークショップなども非定期に開催しているようで、家からも近いのでこれからも時々顔を出しつつ、最新のガジェットトレンドをUpdateしていくには丁度良い場所になるでしょう。
December 01, 2009
変化の早い業界
2009年もいよいよ12月になりました。感謝祭からの米国の盛り上がりは、過去何度もこのブログで取り上げていますが、今年も変わらず賑やかになってきました。Black Fridayという言葉は、感謝祭の祝日直後の金曜日を意味し、早朝から大勢の買い物客であふれることで、小売業が黒字になる。と言う意味でBlackなのです。ところが、最近Cyber Mondayなどという言葉がでてきまいsた。これは、金曜の混雑を避け、アマゾンなどのEコマースサイトにて連休後に買い物をするという点で使われ始めました。
12月になって、僕の日々の暮らしが大きく変わったわけではないのですが、やはり忙しく感じるのは周りの雰囲気からでしょうか。この写真は地下鉄の駅の一コマなのですが、ふと目に留まったのがこの控えめな広告です。普段は「ちょっと狙った」広告が得意なABSOLUTですが、これはかなり地味です。目に留まったポイントは、派手さや地味さではなくURLの表記です。
数年前(今でも)は、企業やブランドのURLを広告表現に含むことは一般的に行われていました。が、今回の場合は facebook.com/absolutなんですね。3億人のユーザーを抱え、米国だけでも8500万人という巨大なコミュニケーションプラットフォームとなったFacebookは、今の米国デジタル広告業界では無視できない存在になってます。まさにその背景をさっそく取り入れているこの状況に、やはり変化は早いし、それについて行く事がこの業界では最低限必要なことだということを改めて感じた次第です。
November 26, 2009
感謝祭
今日26日は米国ではThanksgiving Holidayということで、大型連休の初日です。状況的には日本のお盆のように、実家に帰って家族・親族と共に過ごすのが主流ですが、僕のような移民にとっては全くすることのない、ゆっくりした祝日となります。
天気のサポートもあり、友人達とゴルフに出かけてきたのですが、この写真は友人を待っている時に見たバスの写真です。ラップ関連のOOH広告はすでに何回も取り上げていますが、この写真は一応僕の専門分野でもあるInteractiveの世界の話ということで、取り上げてみたいと思った次第です。
このYahoo!という会社。まさにインターネットの歴史を自ら作り、歩んできました。が、なぜか4分の1歩先を行ったり、遅れたりとふらふらしている間に、かなり難しい状況になってしまった。というのが僕の感想です。米国インターネットの歴史で、NetscapeとYahoo!という会社はある意味特別なポジションにあります。前者はインフラ(ブラウザーとWebサーバー)、後者はビジネス(コンテンツと広告)の出発点です。両社が芽生えて15年以上経った今、Yahoo!は既存のビジネスモデルを継承しつつも、環境の変化に対応すべく必死にStruggleしてます。そして、100億円かけた再生のキャンペーンのメッセージがこの「It's Y!ou」でした。
Yahoo!の新社長はIT業界からで、CMOもどちらかといえばTraditionalな会社の出身です。僕が見てきたYahoo!は少なくとも米国のインターネット業界をリードしてきた存在でもあり、こうした「ありきたり」なキャンペーンに興味のない会社だったはずです。が、時代は変ったのでしょう。何だか、元気のなくなった高校生みたいな印象を受けた屋外バス広告でした。この広告表現のレベルが、新マネジメント体制での結論だと思うと、GoogleやMicorsoftなどの業界争いからもすっかり取り残されてしまうのでしょう。Santa Claraの人たちも大変なんでしょう。
などと、ちょっと感傷的になってしまったのは、ニューヨークの秋のせいなのか、それともスコアが伸びないゴルフのせいなのか。そんな、2009年 Thanksgivingでした。
November 19, 2009
再びサンフランシスコ
またまたサンフランシスコに来ました。今、かなり勢いのあるテクノロジー企業主催のカンファレンス参加が目的です。カンファレンス自体は学ぶことがそこそこあり、世の中の進歩の速さを感じつつ、キャッチアップしていくことの難しさも痛感しました。
そして、街を歩けばUnion Squareでは、クリスマスツリーの準備をしていました。もう来週がThanksgivingなので、いよいよ年末商戦になるわけです。ニューヨークに帰ったら、きっと街の様子ががらっと変わっているのかもしれません。
今回の滞在で、米国に来て最も付き合いの長い友人と、久々にゆっくり話すことができました。彼は、ニューヨークで生まれ、育ち、5年ほど前にカリフォルニアに家族で引っ越した友人で、本音で話せる数少ない元ニューヨーカー。お互いの現状を報告し、後はビールをたくさんのみつつ様々な話をしました。彼自身、Edutainment事業を始めており、無事数億円の資金を得て順調そうな話に喜び、ビジネススクール時代に一緒にベンチャーのアイデアを練っていた時代を笑いながらあっという間の時間でした。
その中で失業率の話になりました。公表ではサンフランシスコを含めたBay Areaの失業率は11%と言われているのですが、彼の分析ではもっとひどいということです。つまり、Bay Areaは米国のなかでも最も「Self Employed」(=フリーランスや個人商店のこと)の比率が高く、11%の数字にはSelf Employedの数が含まれていない。とのことです。現在の経済状況で最も打撃を受けているのがこのSelf Employedらしく、その人達を含めると失業率は25%以上は確実。と分析してました。説得力のあるこの話を聞き、街の力が少々弱く見えている。と思ったことも納得できた次第です。
それでも、大きなツリーを準備し、その横のMacy'sも一所懸命ディスプレーを飾り、とにかく気持ちだけでも明るく、Holiday Seasonを迎えたいものですね。
November 13, 2009
大型店舗
ユニオン・スクェアを通った人なら見たことあるのが写真の風景です。昔は大型電気店があった場所で、現在は改築が行われており、工事現場をマスクするための板に大きなポスターが張られているわけです。
以前も取り上げましたが、ニューヨークではこうした工事現場の場を利用するのが結構上手かもしれません。通常は板で囲ってしまって、全くの殺風景になるものが、こうして広告ビルボードにしてみたり、コンサートや演劇のポスターを貼る場所にしてみたりと、妙に納得させられることが時々あります。
どうやら、ここにはNordstromができるようです。そう言えば、このシアトル生まれのデパート、ニューヨークにはなかったな。と改めて思いました。かつ、Nordstrom Rackと書いてあったので、コンテナストアのような棚や箱ばかり売るような店なんだ。と思ってました。どんな店か確認しようとWebを見たら、実はNordstrom本体にて扱う商品からワンランク安いアイテムを中心に扱う姉妹店のことでした。もちろんこれはニューヨークにないですし、今まで見たこともなかったです。(そもそもNordstrom自体にあまり興味はなかったのですが)
ここでも、廉価版量販店が出てくることがわかり、やはり世界中でブームとなっている「安いものを売る」ショップがここでも登場するのか。と思いました。「see you in spring 2010」というコピーも、いかにもアメリカらしく、月日でのコミットはできないわけですね。Springとぼかしているものの開店は6月にずれこんだりして、夏なんだけどね。となることでしょう。
November 06, 2009
優勝おめでとう
今年の野球は劇的な幕切れで終了しました。大好きなヤンキースが久々に優勝したことは、本当にうれしく、新球場1年目というおまけつきで、なんともいい気分でした。
写真は今日行われたパレードの一部です。さすがに徹夜して並んだわけでもないので、遠くからの参加だったのですが、パレードの最中はこうした大スクリーンが準備された公園にて雰囲気だけでも楽しむことができました。
ニューヨークに住んで以来のヤンキースファンなので、過去数回ワールドシリーズの優勝を見てきました。が、今回は特別な感覚です。それはMVPに松井選手が選ばれたからです。ヤンキースの優勝パレード経験者としては、伊良部選手が第一号で、今でも彼の「I Love Yankees!」と言った風景はよく覚えています。が、今年の松井選手の場合はMVPですし、かつ過去7年間ニューヨークのファンの想いと信頼を背負ってきた姿があります。
契約更新がされずに、Free Agentとなった状況で、最後の最後にて今まで以上の活躍をして、一躍注目の的となった姿にはかなり心を動かされました。今まで、多くの日本人MLBプレイヤーがいましたが、野茂選手のフロンティアとしての功績と松井選手のヤンキースという伝統チームに残した功績というのは、僕にとっては日本人として誇りに思えることでした。と、すっかり真面目な話になってしまいましたが、何はともあれ、Let's Go Yankees! ばんざい松井!ですね。
November 01, 2009
サンフランシスコ
今朝の飛行機でサンフランシスコに来ました。今回は、月曜夜の飛行機でニューヨークに帰るので、かなりめまぐるしいです。ニューヨークでは、ヤンキースが出場しているワールドシリーズ、ハロウィンパレード、市長選挙、ニューヨークシティマラソンなどでかなり賑やかなここ数日間でした。
そんなニューヨークを後に、今朝サンフランシスコに着き、ホテルにチェックイン後、街を散歩してみました。穏やか天気に恵まれているのですが、どうも人通りの少なさが気になります。確かに日曜の昼間ということで、ダウンタウンを歩いているのは、観光客や僕のような出張者くらいなのかもしれません。が、数年前によく来ていた頃に比べると、やはり人通りが少ないのでしょう。これも不また、通りに面した店が閉店しているのも目に付きます。ニューヨークも同じですが、ここはもう少し深刻なのかもしれません。
米国景気が少しずつ良くなってきたと、ウォール街では言われ始めてますが、実際の生活レベルがキャッチアップするまでには、まだまだかかりそうだな。と感じたサンフランシスコでした。
October 23, 2009
ギャラリー
気温の変化が激しいニューヨークです。ここ数日暖かでしたが、今日は寒くなりました。写真は、打ち合わせでチェルシーの少しはずれのエージェンシーに出かけた帰りにみたシーンです。何かのセールと思いきや、別にモノを売っているわけではなく、これもアートの一つでした。
何かが新しいわけでもなく、ただ普通にChelseaのギャラリー街の真ん中に出ていたものです。別に特別上手だと思ったわけでもなかったのですが、この作品に吸い込まれるようにギャラリーの中に入り、歩いただけで「すっ」と気持ちが楽になった気がしました。こうした感覚というのは、不思議なものですね。
マンハッタンの暮らしは日々騒々しいし、何かと面倒なことが起こることが常です。そんな中、こうした「ほっとできる」空間が身近にあることさえ忘れがちでした。アートに決して詳しいわけではない僕ですが、NYのギャラリーの雰囲気は心を落ち着かせてくれる作用があるんだな。と改めて思った一時でした。
October 16, 2009
ちょっとした事件
昨日の午後、CNNなどで生中継で追いかけたニュースがありました。コロラドで、気球が制御不可能になり、気流に乗って流されているその気球の中に、子供が乗っている(入っている)という話です。詳細はこのYoutubeで見られます。100kmあまりもの距離をコロラドの平原上空を漂流し、最終的に落下した場所で救助してみたところ、誰も乗っていなかった。というなんとも間の抜けた話でした。
当事者の父親は科学者であり、この物体の実験をしていた最中に、近くにいた6歳の息子がいなくなり。。。という話でした。結局その息子は屋根裏に隠れていたようで普通に元気だったのです。かわいいお子さんだな。と思ったらお母さんは日本の名前の女性でした。浮遊している時間、メディアの飛行機が撮影のため追いかけたり、一般の空港を閉鎖するなど、かなり緊迫感のある事件でしたが、けが人ゼロで人騒がせな事件として終わりました。
そんな中、このWebページで何を伝えたいのかと言いますと、Web広告の盲点に関してです。Contextual Targeting、日本語では文脈ターゲティングと呼んでいますが、ページ中の記事の内容に「合った」広告メッセージを表示する。という手法です。簡単に言えば、デジカメの評価サイトにて、Canonの機種を評価する記事があれば、そのページ中にCanonのバナーやテキスト広告が表示される。という手法です。代表的なものが、Googleが提供するAdSenseというサービスです。
で、ここでも事件が起こったわけです。今回の記事は、決して明るい話ではなく、子供が入ったまま漂流していて生死すらわからない。といったようなシリアスな事件なのです。そのような記事の隣に大々的にオートミールのQuaker社の広告「マウスを置いて浮遊しよう!」というデリカシーのないメッセージが「合った」広告として自動的に配信されてしまったわけです。
この業界に長い僕にとって、この手の話は悪い例として引用されますし、特に新聞や雑誌の広告においては「ad/edit conflict」として避けるべきことなのです。ところが、インターネット広告ではその配信から管理すべてが機械的に行われるため、今回のように微妙な判断に間違いが生じるケースが「必ず」発生するわけです。割合からすれば、微々たるものですが、広告主からすれば「困ったこと」になるわけです。また、この事件が最大手の一つAOL社のページにて発生したのも複雑です。というのも、このターゲティングの仕組みを提供している企業とは以前、提携を前提に交渉した相手でもあり、こうした「事件」は事前に回避できる。と言い切っていた人達でもあったわけなのでなおさらでした。テレビにて世を騒がせた事件が、違う形でインターネット広告においても小さな事件を引き起こしたわけでした。
October 15, 2009
変化は着々と進行中
すっかり寒くなってきたニューヨークです。これから週末にかけて冷たい雨となり、それからぐぐっと冷え込んでくるような気配です。
さて、今日は久々に真面目なテーマを取り上げてみます。米国を引き金として世界を巻き込んでいる不景気ですが、ようやく回復の兆しが、ほんのわずかですが見えてきた気がします。不景気の最中に、従来のビジネスモデルが破綻し、復活する段階で新しいビジネスモデルとして蘇生するケースもよく見かける。と耳にしますが、これに近いことを最近感じたりするものです。
昨晩、制作プロダクションを運営する友人主催の寄り合いに呼ばれました。写真はその時のシーンですが、ここではニューヨークのFilm Maker達が制作したショートフィルムの発表や、友人の最近のビジネスを紹介したりする、かなりフランクなGatheringです。昨晩は全部で4種類のショートフィルムを見たのですが、質がかなり高いことに驚かされました。
一話が10分以下のエピソードをシリーズで制作しているモノが主でしたが、コメディ、シティライフ、ドキュメンタリー等々それぞれのシナリオ、キャスティング、カメラワーク、編集技術等々、テレビ放映や映画館上映にすぐにでもなり得るデキに、とっても驚いたわけです。それらのコンテンツはYoutubeなどを中心としたWeb上にて、HD品質にて無料放映されています。ニューヨークという街柄、Flim Makerが集まるのは事実です。僕が驚いたのは、そのコンテンツを披露する手段や場が「かなり」身近、いや普通になった。という点です。
一昔前であれば、同様の内容のコンテンツを制作しても、披露する場が「Independent系シアター」などに限られ、聴衆にリーチすることがかなり難しかったはずです。しかし今では、オンラインビデオ配信技術やSNSの発展のおかげで簡単に世界中の聴衆を引き込むことが可能になったわけです。この変化は映像コンテンツの世界ではかなり大きな変化でしょう。ハリウッドのように何億円もかけて制作する映画と、昨日見た4種類のフィルム。もちろんその規模や質が根本的に異なり、スケールの大きなコンテンツがなくなるとは思いません。ただ、小回りが効いて、歯切れのいいショートコンテンツの評価が高まる気配があるということでしょう。景気が上昇するにつれ、このエリアでの新しいビジネスモデルは確実に訪れる。と感じた夜でした。
October 09, 2009
さりげなくグローバル
早いもので10月も3分の1が経過しました。先週末は実家の磐田市でのお祭りがあり、今年は帰ることができずに、遠くから「きっと今頃は宮入りでもしてるだろうな」とその場にいけないことを悔やんでおりました。
とっても月並みな言葉ですが、ニューヨークはグローバルな都市です。いまさら、何をと思うかもしれませんが、普通に生活しているとそれが当然すぎてすっかり忘れてしまいます。例えば、地下鉄やバスで見る風景。いろいろな人種、肌の色、容姿、服装。そのバリエーションは見事なぐらいです。人を見ているだけで、飽きないのも事実です。ニューヨーク歴15年+といえどもそうなのは驚くべきことです。日本に行って、電車の中で座っていてふと思う、「皆同じだ」。という感覚がここではゼロでしょう。
写真はノリータで突然見かけた、建築関係の小さなリサーチプロジェクトの入り口です。ブラウンストーンの建物の中に、すっきりとした白いボードが目立ったので、「アート関連のインスタレーション」なのか。と思って覗いてみました。アートとは若干異なるものの、スイスの建築家関連のものでした。このような形で、街全体にさりげなく、世界中の息吹がちりばめられているのは世界中でもニューヨークだけなのかな。と、改めて思いました。
September 30, 2009
ルイヴィトン
高級ブランドには縁も興味もない僕ですが、さすがにルイヴィトンというブランドは知っていて、あの有名なパターンは見ればわかります。(本物か偽者かを見極めることなどできないですが)ここニューヨークでは、有名ブランドの店はたくさんありますが、街を歩いているような一般の人が有名ブランドのアイテムを身に着けている確率はかなり低いと思います。ブランドで自分を表現しようという意識はゼロに近く、そこは僕も気に入っている点です。
そんな中、ソーホーを歩いていたら写真のオートバイを発見しました。本体はカワサキの水冷4気筒、通称Ninjaです。ヨシムラの集合管にも目を惹かれましたが、それ以上に驚いたのが、シートです。なんと「ルイヴィトン」ではないですか。世の中にミスマッチというのは多くありますが、日本製オートバイ、しかもレーサータイプに、フランス高級ブランドのシート。というびっくりの組み合わせに意表をつかれたわけです。
ハーレーのシートを、特製リベットや刻印などによってカスタムメイドしている事例は多々見てきた僕ですが、さすがにヴィトンのシートは初めてだし、それがNinjaとは。さすがニューヨーク、何があっても不思議ではないですね。でも、このオーナーがどんな気持ちでこの不思議な組み合わせに至ったか、とても興味があります。その場に居合わせたら質問していたのに、残念でした。
September 25, 2009
アテンション 2
バスねたをもう一つ紹介します。コントラストが見にくい写真ではありますが、これはニューヨークの公共バスにつけられた電飾ビルボード広告です。iPhoneのカメラの性能が悪いので、かなり見にくいのですが、実際もほぼ同じような見え方になります。
つまりとても眩しい。ということですね。普通のようにバス停で待っていて、この電飾を装備したバスが来るとその明るさですぐわかります。乗降口の近くにビルボードが掛けられているため、乗車時には列に並んでいた客が一斉に眩しがります。眩しすぎて列からではビルボードの広告内容が全くわからず、正直早く車内に入って目を落ち着けたくなるわけです。
ただこの眩しさは、バスに乗り降りする時と、近くでバスが信号待ちしているときだけに限られ、通常の走行中に遠くから見る分には明るくてしっかりとメッセージを伝えてはいます。これも別の意味でのアテンションとも考えていいかもしれません。冗談はさておき、果たしてこんな眩しい電飾にする意味があるのか?一方でこのバスは「hybrid-electric bus」と言われており、タービンディーゼルと電気によるハイブリッドで環境を意識しているらしいです。
September 22, 2009
アテンション
日本が「シルバーウィーク」というちょっと驚いた名前の連休の間、こちらニューヨークでは「Advertising Week」という毎年恒例、広告業界の大小様々なセッションがニューヨークで行われ、広告関係者が世界中から集まる週間でもあります。
僕もそれなりにセッションに顔を出しています。今日ちょっと記憶に残ったのが、R/GAというクリエイティブでは比較的有名なインタラクティブエージェンシーのクリエイティブの巨匠2名が話したことです。広告業界はかなり複雑な状況にシフトしつつあり、従来のマス広告からインターネットやSNSを多用したコミュニケーション/エンゲージメントプレースメントへと変わっていく過渡期にあります。
R/GA社では、その過渡期に自分達のサービスをわかりやすい大きな2つの種類にカテゴライズしているようです。それが「キャンペーン」と「プラットフォーム」です。「キャンペーン」は従来の広告会社が得意としていた「アテンション」を誘引するアプローチ。一方「プラットフォーム」では「リレーション」を軸に置いたプレースメントとのことです。クライアントによって、そのどちらかだったり、両方の配分が変わったりとしているとのこと。この言い方は、かなりわかり易いな。と久々に気持ちよく聞けた次第です。
そのセッションを終え、外に出ていきなり目に入ったのが、写真のバスでした。ニューヨークでは有名な2階建ての観光バスですが、見事なD&G(今回はCosmeticsのようですが)のラップバスです。このビジュアルはさすがに目に刺さりました。近くにいたビル工事のワーカー達も一斉に騒いでいた次第です。これこそ、「アテンション」部分を180%振り切っている事例なのでしょう。と、即座に復習できたのもニューヨークならではですね。
September 18, 2009
クルーズ パーティー
昨晩は前職の同僚から招待された、マンハッタン洋上パーティーに参加してきました。彼は、データ分析の会社を立ち上げ、インタラクティブエージェンシーを顧客としたビジネスにて成功しており、時折会っては情報交換などをしている仲で、今回もその経緯で招待されたわけです。
East River側にて午後6時に出発するこのクルーズは、3時間かけて島の南端から西側のHudson Riverまで回り自由の女神に近づいてEast Riverに戻るというコースでした。その途中、アルコール類は飲み放題、立食からバッフェ形式のテーブルディナーという内容にて、約60名程度が2階建ての船に乗ってのことでした。
マンハッタン島を回るクルーズは観光用に種々あって、僕も来た当時に一度だけ付き合いで乗ったことがあり、それ以来でそれなりに楽しめました。15年前のことはほとんど覚えていないのですが、船からマンハッタン島を見て、「昔この辺に住んでいたなぁ」とか「あっ、外からみるとこういう景色だったんだ」などと新しい発見があったりするものだな。と、夜風を浴びながら、初対面の招待客らと仕事の話などで楽しんでいました。が、お酒も進みトイレに行くと、そこはまた別世界でした。そうなんです「船酔い」チームがうつろな目をしながら行列をなしているわけですね。トイレは男性用と女性用とそれぞれ一つしかなく、男性も女性も「seasick」になった人達はかなりつらかったはずです。話しかけても、意識朦朧でマンハッタンのきれいな夜景どころではない状態の人達が多分2割はいたのでは?と思います。
クルーズパーティーは、気持ちがいいイベントだし、逃げ場のない船で時間を共有するため、知り合いを作る意味では効果的でしょう。ただ、こうして辛い人達もかならず出てくるため、気をつけないといけないでしょう。たまたま僕は船には強い方なので助かったのですが、揺れがもっとひどかったらかなり悲惨なパーティーになる可能性もありますね。まぁ、2割がぼろぼろになって、それがクライアントであっても、あまり後を引かないってのもアメリカらしいな。と思います。
September 11, 2009
見つめなおす日
今日は9月11日。8年前のこの日のことは、皆それぞれの記憶があると思います。僕も、普通のニューヨーカーと変わらず、普通に朝を向かえ、歯を磨き、家を出て、地下鉄に乗ろうとしました。そこで、ビルが燃えていることに気がつき。。。と、その日の出来事は朝から晩まで、今でもしっかりと覚えています。ひたすら青空がきれいだったのも印象的です。8年後の今日。空はどんよりしていて、9月にしては肌寒く、当時とは正反対の天気です。
この8年間を振り返ってみると、個人的には、コトの大きさは様々ですが、いいこと悪いこと様々あったような気がします。社会全体としては、経済的には世界的な不況の真っ只中ですし、あまりいい方向とは言えないのでしょう。と、少々暗い話にはなってしまいますが、唯一言える事は、こうして健康に生活できているコトには感謝すべき。なのです。8年前のこの日に、突然の犠牲になってしまった方も多くいます。また、日常の生活の中でも、交通事故などで突然の不幸に陥るケースも多々あります。
時々体のどこかが痛くなったり、仕事で嫌なことがあったり、大事にしていたカバンが壊れたりしても、こうして普通にブログなど書いていることができること自体、喜ばしいことなんですね。反省のない米国ではこの日を Patriot Dayなどという騒々しい名前をつけていますが、僕にとっては、自分を見つめなおし、今元気なことに感謝するような日になっています。
September 03, 2009
久々のオートバイ
9月に入りました。ニューヨークは、朝晩は肌寒いぐらいになってきましたが、晴れの日が続いて気持ちがいいです。毎日がまさに散歩日和となってます。そんなわけで、先日ふらふらとノリータ辺りを歩いていたら、写真のシーンに遭遇しました。
オートバイ好きの僕にとってはとても貴重な一瞬で、思わず写真を撮ってしまいました。この3台のモペット、デザインがそれぞれ異なっているのですが、オーストリアのPuchというメーカーのものです。モペットと言えば、先にも取り上げたべスパが有名ですが、この稀なPuchを同時に3台見ることができるとは。。。ラッキーですし、見れば見るほどデザインが気に入る代物です。
左のシルバータンクのレーサー仕様も味がありますが、真ん中の足置きがついた自転車のようなフレームもなかなかのものです。場所柄、欧州のしゃれた人が多いノリータなので、こうしたシーンに遭遇したのでしょう。背景のシャッター画も、ちょっとしたアートですね。見ているうちに、何だか欲しくなってきました。
August 31, 2009
容姿は重要?
いよいよ8月も終わりで、本格的な秋に向かってまっしぐらとなってきました。日本では政権が大きく変わり、期待と不安の両方が混じった状況なのでしょうか?
さて、今日はちょっと興味深かったテレビ番組の話をします。人気がなかったのか、すでに終わってしまったのですが、この「Dating in the Dark」というリアリティショーはいろいろと考えさせられました。内容はいたってシンプル。男女3名ずつの合計6名が、それぞれデートにて相手を絞っていき、最後にお互いOKかどうかのプロセスを楽しむものです。興味深い点が、デートは何も見えない「真っ暗な部屋」で行われ、会話と感触だけを頼りにグループデートから特定の個人に絞込み、最終的にお互いが全身像を見た上で、OKかどうかをそれぞれ決めるという点です。
リアリティショーなので、どこまでが本当なのかは若干不明ですが、会話の内容、テンポ、声の質に加え、匂いや体型など視覚以外の感覚にて吸収できる要素をひたすら探り、自分にとって相性がいいかどうかを判断し、カップルが生まれます。そして、最後の最後にそのカップル間だけでお互いの容姿を確認する。つまり「視覚」が最後の判断基準となるわけです。なので、容姿を見るまでは「話の内容も相性がいいし、声もセクシーだし、キスも上手だし(キスぐらいは暗闇の中でしてました)。。。」と相手にぞっこんだったのが、容姿をみた後、「やっぱり恋愛相手としては無理」と判断することもあったりします。
と、ある意味下衆な趣味といえばそれまでですが、結構人間の心理、特に恋愛や友情などのかなり個人的なリレーションにとってビジュアルの持つ意味は何だ!という深い次元をついたリアリティショーとして楽しむことができました。容姿をあきらめている僕にとっては、なおさら興味深かったのかもしれませんね。すでに終わってしまいましたが、次なるクールに続いてくれればな。と思ってます。
August 28, 2009
夏も終わり
すっかりご無沙汰していました。法事を兼ねて、日本に2週間ほど滞在して、今週戻ってきました。
早速、何か話題はないかな?と探していたものの、2週間のブランクは大きく、まだまだ本来のテーマ探しの感覚に戻れないでいます。それなりに仕事にも復帰しているのですが、休みの延長線上の感覚があったりと本調子ではなく、それ故、今日のテーマもたまたま居合わせた場所の写真となってしまいました。
ソーホーの入り口、Houston Streetからのシーンです。今回日本から帰国して、最初に感じたことが、「夏も終わりかな」ということです。この写真でも空の高さにそれが現れているかもしれません。毎年恒例ですが、このシーズンはかなりさびしいです。というもの、この先は長く厳しい冬が待っているからなんですね。
と、少々感傷的になりながら、徐々にリハビリをしていきたく思ってます。
August 04, 2009
新球場
8月に入りました。夏もすっかり後半となってしまいました。日本も雨が多いようですが、こちらも雨、とくに雷雨の多い夏です。
さて、今年はニューヨークの両球団が、それぞれ新球場を利用し始めた年です。新ヤンキースタジアムとメッツはCiti Fieldという名称にてオープンし、両方の球場を覗いてみました。写真は昨晩遊びに行ったメッツのCiti Fieldの風景です。
両新球場を訪れてみた結果、それぞれ好対照なコンセプトであることがわかりました。ヤンキースタジアムは、「伝統」のある旧ヤンキースタジアムの設計デザインを維持し、忠実に再現してます。一方Citi Fieldに関しては、近代的スタジアム建築のメリットを十分に反映した形です。
好みは人によって異なると思いますが、ヤンキースファンの僕にとっては、ヤンキースタジアムは少々がっかり。一方Citi Fieldは「上出来」と思ってます。ヤンキースタジアムに関しては、座席からの眺めは慣れ親しんだ旧球場とほぼ同じで、全く違和感がなくそれはそれでOKです。ただ、球場の外部やコンセッションのエリアでは、突貫工事のせいなのか、白作りのチープ感がとても感じられました。Citi Fieldに関しては、コンセッションエリアのスペースのとり方や店の充実度など、ファンのエクスペリエンスを第一に設計してます。過去訪れた近代的なスタジアム(ピッツバーグ、サンフランシスコ、フィラデルフィア等々)の流れをすっかりまっとうしてました。
と、球場比較をしてみたのですが、実際の試合に関してはやはりヤンキースです。何せ、メッツの選手はほとんど知らず、昨晩も試合の内容よりもスタジアムの内容ばかり気になって散歩が中心でした。でも、スタジアムに入った瞬間の眩しさは、子供の頃生まれて初めて静岡草薙球場に連れて行かれたモノと同じです。
July 22, 2009
タイムズスクエア
夏らしく暑い日が続いています。6月は雨と寒さに悩まされていた反動か、毎日とても気持ちよく感じています。
写真は有名なタイムズスクエアの風景です。ここは観光客が集まる場所で、いつも混雑しているために、なるべく近寄らないようにしているのですが、この日はたまたま仕事の用事があり、出かけた次第です。
夏の陽気に誘われるように、多くの観光客が歩いていました。その中で僕が驚いたのは、歩行者天国の風景でした。市長の政策の一つに、「マンハッタンの交通量を減らす」というのがあり、その一つの試みがこの歩行者天国なのです。タクシーやデリバリの運転手からは苦情が多く出ていたようですが、実際この風景を前にしたら、これはこれでいいものだな。と思いました。
観光では歩くことが中心になって、かなり足が疲れるだろうし、こうして道にたくさんの椅子があればゆっくり休めるし、都市のど真ん中に緑はないものの、少し休めるオアシス的な空間というのは面白いな。と思った次第です。広告の観点からしても、屋外広告の価値としての「アイボール」も確実に稼げるわけなので、間接的にも意味があることなのでしょう。
今は夏なので、余計にそう思ったのですが、果たして寒い冬はどう感じるのか。それはそれで興味深いです。
July 16, 2009
言葉だけのエコロジー
すっかりニューヨークの夏らしくなってきました。今日は湿度もあがり、余計に感じさせられます。写真の車は朝の通勤途中に見つけました。何らかの工事をしているようで、少々立ち止まってみていたのですが、いったい何をしているのか、したいのか、さっぱりわからなかったので、写真を撮っておきました。とにかく大きな特殊トラックが、水を吹き散らかしていたのです。
よく見ると巨大タンクには「National Water Main Cleaning Co. - Pipe Maintenance Contractors」とあります。なるほど。きっと、道の下に埋まっているパイプをきれいにしているのか。と好意的に思ったのは、この写真を後でじっくりみてからです。
タンクにはさらに、「Specializing in Today's Needs For Environment Protection」とも書いてあります。僕が見る限り、きれいな水を道にただひたすら撒き散らしているように見えたのですが、この言葉を信じれば、きっと環境によいことをしているのでしょうね。とはいえ、多分水を吸い出したり吐き出したりするために、ポンプを動かしていると思うのですが、この騒音と排気ガスがすごいのです。これでは、どこがEnvironment Protectionなのか。。。また言葉だけのアピールものか。と、すっかり慣れてしまった感覚です。オバマ新政権では環境問題を真剣に考えています。この思いが末端まで伝わるのに、どのくらいの期間がかかるのでしょうか。
July 09, 2009
身近なお菓子
独立記念日の花火も終わり、いよいよ夏本番となってきました。最近のニューヨークはようやく晴れの日が増えてきたのですが、気温は少し低めです。過ごしやすくとても気持ちいいと言えるでしょう。
さて、写真のトラックはニューヨークではそこそこ馴染みの深いポテトチップ会社のものです。商品の配送中だと思うのですが、四角いトラック全面に、少々レトロぽいロゴが、絶妙なカラーリングの中に配置されてました。四角トラックの形といい、このロゴやカラーリングといいミニチュアカーが出ていたらすぐ買いたくなるような代物です。
さて、このutzというポテトチップ。フリトレーなどの大手と比べれは弱小かもしれません。でも、ニューヨークでは地道に支援されていると思ってます。そういえば、ヤンキースタジアムにも大きな看板が出ていたことを思い出し、新球場でも見かけるのか気になった次第です。会社は近所のペンシルバニア州にあり、家族経営の企業らしく、ニューヨークを中心に販路をひろげているとのことです。
米国にてカジュアルなランチをとったことがある人ならわかると思いますが、こちらでは食事のアイテムの一つにポテトチップが普通に入っていることがよくあります。とくにランチの場合、サンドイッチやラップに必ずといっていいほど、チップがついてきます。そして、皆これをよく食べます。すっかり僕もその一人になってしまい、なるべく食べないようにしているものの、時折無性に食べたくなるのです。最近、カルビーとペプシコが提携したというニュースを聞きました。「かっぱえびせん」がランチに登場する日が楽しみです。
June 29, 2009
夏の風物詩
湿っぽかった天候も、この週末ぐらいからようやくニューヨークの夏らしくなってきました。そして、昨日の28日はLGBT Gay Parade(通称ゲイパレード)が実施されました。
毎年思うのが、ニューヨークの本当の夏の始まりが、このパレードからということです。確かに、夏至の辺りで実施されるイベントで、本来の意味での夏かもしれませんが、僕にとっては「ニューヨークの夏の風物詩」のメインとなるイベントです。
写真は近所のMarc Jacobsのウィンドウです。この時期は、Prideのテーマの下、虹色の旗をかざす店やレストランがとても多くなります。特に、僕の住んでいるビレッジ辺りには顕著かもしれません。毎年このイベントを見ていて思うのが、参加者やパレードのAudienceなどの数が増えていく点。そして、そこに集まる人達は、LGBT(Lesbian, Gay, Bisexual and Transgendered)のみならず、その立場をサポートする(俗に言う)普通の人もかなり多くなってきているのではないか。という点です。
昨日は、陽気に誘われてダウンタウンを散歩しながら、このパレードの雰囲気を楽しんできました。かなりの数の警官が、暑い中必死に交通整理をしており、その中を、忙しそうに救急車やパトカーが大きなサイレンをあげて走ったり。と、さながらにぎやかのお祭り気分ってところでしょう。しかし、どの地域でも同じなのが、そこに集められる警官達の土地勘のなさです。ツーリストも多い中交通整理をするわけで、「この通りはどこ?」という質問がよくされてます。が、ビレッジの細かな通りをしっかり把握している警官は本当に少なく、結構あいまいな返事をしているシーンも多かったですね。
June 25, 2009
ロースクール
夏至が過ぎ、これからは昼間の時間が短くなってくると思うと、少々寂しさがあります。さらに、ニューヨークは相変わらず天気の悪い日が多く、これも気分的にDepressingにさせる理由の一つなのかもしれません。
先週、オンライン ビデオに関するMeetupがあったので参加してきました。会場は過去何度も変わってきているのですが、今回はニューヨーク大学ロースクール内のホールでした。僕は隣のビジネススクールに通っていたのですが、このロースクールの前を通るたびに、「こっちの方が格式があって、かっこいいな」と思ってました。Ivyリーグとは色が異なり、「頭脳明晰でもリベラルな人が学んでいる」といった好印象を持ってました。今は亡きJ.F Kennedy Juniorもここの卒業生です。もちろん学校内に入ったことなどなかったので、今回のMeetupで中に入れただけでもよい経験でした。
Meetupの内容は毎回同様代わり映えなく、ビデオに関するスタートアップ企業のデモを中心に構成され、つつがなく終了しました。その内容はあまりどうでもよく、ホールの古めかしさ(外観はモダンに仕上がっている)には、ビジネススクールとは異なる「歴史観」を感じさせられました。もちろんIvyなどに比べたら歴史は浅いのですが、本来リベラルなカラーの学校なので、少々不思議に写ったわけです。きっと、このホールで勉強し、卒業して立派な弁護士になった人達は、今ここに集まっている人達(自分を含めて)とは異次元の空間で仕事をしているのだろうな?と思いながら、雨の降り出したWashington Square Parkを足早に駆け抜けて家に帰った夜でした。
June 18, 2009
100円ピザ
6月に入ったというのに、ここ最近のニューヨークは肌寒く、かつ雨がちな日が続いています。オフィスの中での会話や人と会うときに必ずといっていいほど「何でこんなに寒いのか?何で雨が多いのか?」と天気の話題が出てきます。6月になって、一日すっかり晴れていた日は数日しかなかったように思えます。この時期のニューヨークとしては、とても珍しい気候だと思ってます。
写真は、最近ミッドタウンに出かけた時に撮りました。この日も曇りがちだったようですね。さて、何の変哲もない写真ですが、一つだけ目をひいたのが、ピザ屋に出ていた99セントの看板です。米国の景気もかなり悪く、先日はオバマ大統領が、金融安定化に関する方針を発表したばかりですが、あまり即効性がないようにも思えます。様々な理由から所得全体が減っているこのご時世、出費を抑えるのはどの国も同じです。
そういう状況の中、ピザ1枚99セントというのはお得です。僕はニューヨークのピザが大好きで、よく食べます。街をあるけば、必ず数分以内に見つかる程、ピザ屋は多く、日本でたとえた場合には「そばや」だと思ってます。と、アメリカ人に説明したこともありました。不景気にて出費を抑える必要がある今、ここのピザ屋の1スライスが99セントというのはとてもありがたい価格です。通常では2ドルは確実にするので、半額ともいえるでしょう。早速1枚買って食べました。生地がちょっと厚めで、決しておいしいわけではなかったのですが、しっかり食べられます。この値段だったら我慢してもいいかな?と思わされるPricingでしょう。不景気かつ天候不調で、憂鬱ぎみな6月ですが、元気を出すためにもこの百円ピザを数枚一気に食べてみようかな?と思わされました。
June 11, 2009
地デジへの切替
最近のニューヨークは肌寒くて雨がちな日が多く、そろそろ夏至を迎えるような時期とはとうてい思えないような天候です。天候のせいか、経済のせいなのか、気持ちも今ひとつさえなく、日々淡々とした時間を過ごしているように感じてます。
写真は昨日、メディアエージェンシーの知り合いを尋ねていった時、オフィスの受付にあったカウンターです。壁にしっかりと取り付けられていたこのカウンターをみて、「さすがは大手メディアエージェンシー」と思った次第です。そうなのです。米国では明日12日に、地上波が一斉にデジタルに変更されます。本来の予定では、2月に実施するはずでしたが、準備不足ということでオバマ大統領の判断の元、明日に延期された経緯があります。
詳細はこのWebサイトに出ていますが、僕にとっては「さすが米国。強行突破するんだ」と思ってます。ケーブルや衛星の普及率が6割以上の米国では、地上波でテレビを見る人は、一般的に低所得者層と言われています。そういった人達が、この機会にデジタル対応テレビに買い換えられるわけでもなく、国としてはこのWebサイトにてどうすればデジタル放送を見ることができるか説明してあります。これで説明責任は果たした。ということなのでしょう。
実際問題、このWebサイトを読んで、できる限りの対応策を施す人達は何パーセントいるのでしょうか。ほとんどの人達が、未対応のまま地デジに切り替えられ、12日を境にテレビが見られなくなると容易に想像できます。この国の強みは、それでも実施するということでしょう。少数派の対応を逐一行うことで、技術革新が遅れるより、ばっさり切り捨てることで新陳代謝をよくする。といういかにもアメリカ的(僕は"let them suffer"という言葉が好きですが)な対応がこのテーマにおいてもはっきり見えました。
June 01, 2009
Google Mapの撮影車
週末からドライで快晴な日が続いてます。毎年繰り返しになるのですが、この時期のニューヨークは気持ちいいです。そんな中、今日マンハッタンの真ん中で、写真の車を発見しました。Google Mapの撮影車です。
Google Mapは普段からよく利用しており、とても重宝してます。米国のようにすべての道路に名前がついている場合には、より利用しやすいのかもしれません。(私の少ない知識の中では、先進国で道路に名前がついていないのは日本だけかもしれません。それはそれで名誉なことだと思ってますが)
この業界にいると、日々いろいろなニュースと触れる機会があり、このGoogle Mapの撮影車の話もいたるところで耳にします。ただ、僕自身一度も見かけたことがないので、とても興味がありました。その車を、今日発見したのです。写真では背景とちょうど重なってしまって見にくいのですが、キャリア上に大きな柱と支柱をつけ、その上には多分360度カバーするカメラがセットされてます。さらにキャリア後方には上向きのディッシュがあり、これはGPSのアンテナのようにも思えます。この装備で走行しながら通りの写真を撮り続けているわけですね。
マンハッタンのBusyな通りを何事もなく静かに通り抜け、ドアには控えめなGoogle Mapのステッカー。ドライバーはバイトなのでしょうか、黒人のお兄さんがソーダを飲みながら運転してました。社内にもきっと様々な装備があるのでしょう。いろいろと質問したかったのですが、こちらも忙しくただ写真に収めるだけでした。そんな車を撮影しながら、今日はGMがついに会社更生法を適用する日なんだな。とあまり関係のないことを思ったりしました。
May 28, 2009
3冠達成
昨日は終日しびれた一日でした。このブログにもよく出てくる、FC Barcelonaがスペインチームでは史上初の3冠を決めた日だったのです。最初に、日本ではスペイン国王杯と言われている Copa Del Reyに優勝。その次は、全38試合のスペインリーグのレギュラーシーズン優勝。そして最後が、昨日ローマで行われた欧州クラブチームの最高峰、チャンピオンズリーグ優勝です。試合内容はユナイテッド相手に2対0と、ほぼ完璧でした。
いつも通っていたバーは、試合開始3時間前には入場を断る程満員になり、かつ数的有利?のユナイテッドファンに占領されるような気がしていて、どうしようかと考えてました。すると、いつもの友人達が別のバーで見よう!と提案があり、ノリータにある小さなレストラン(写真)にいつものコアメンバーが集まった次第です。昼前からコアメンバー12人が次々に集まり始め、試合開始前や試合開始後には場所柄か欧州の人たちが数多く集まり、狭いレストランでかなりの人が皆バルセロナを応援。面白かったです。
見事に優勝した後は、これらコアメンバーらといつものバーに歩いて移動し、その道中もユナイテッドファンやバルサファンすれ違って、お互いにCheeringしたのも忘れられない思い出かな。そしてNevada Smithに到着したのですが、そこではすっかり荒れ模様。でももっと多くのバルサファンらと合流し、またまた大騒ぎ。サッカー人気のない米国にて、欧州のチームをここまで多くの人が応援しているのも、移民が多いニューヨークならではでしょう。とにかく、疲れたけども気持ちのいい一日で、なかなか忘れられない記念日になりそうです。
May 18, 2009
インフルエンザ
すっかり間を空けてしまいましたが、ここ2週間ほど東京に滞在しました。休暇と出張を兼ねた日本でしたが、新型インフルエンザの影響で予定が二転三転し、結局2週間程いました。写真は、東京に到着した時の機内での検査の様子です。このシーンが少々異常に思えたのは私だけでなく、アメリカン航空の乗務員たちも同様に写真に収めておりました。
純粋な休暇ではなく、出張も兼ねているということで、日本では会社のルールに従う必要がありました。自宅待機期間や、日々の健康状況の報告等々、いかにも日本らしいルールを守りつつ、日本での貴重な時間を費やしてきました。おかげさまで、日本ではNHKのニュースに敏感になり、特に体調に関しては人一倍気をつけていたと思います。(普通の風邪を引いても真っ先に疑われるので)
一方日本では、カナダから帰国した高校生が「水際対策」でひっかかり病院に隔離されたりしたのですが、結局今では100名以上の感染者を有する「感染大国」の仲間入りしたようです。これにより、日本では自治体含めて大騒動になっているようですね。ここニューヨークでは、ついに高校の教頭先生が死んでしまったりと、その被害は日本以上のものでしょう。しかし、その対策はかなり緩やかで、公立小学校の数校が休校になっている程度です。
問題の時期に両方の国にいて感じたことは、ルール作りとその扱い方の違いでしょう。日本では国ありき、そして自治体。米国では国よりも自治体が最初。ということです。もちろん大阪や兵庫では、自治体が先導して公立学校の休校などを決めていますが、その大前提に国の判断があることです。米国では何はともあれ自治体が判断します。そして、その扱い方とはメディアの対応です。日本ではどこにいても日本国中で起こった事象が把握できます。が、ここではニューヨークのことしかわかりません。米国のほかの地域で起こっていることなど、テレビを見ているだけでは全くわかりません。米国以外のコトなど全く知る由もないのです。
どちらの対応がいいのか、それは置かれている個人の状況で異なるとは思います。僕にとっては、「このインフルエンザは本当に危ないのか?」という本質的な立場にて判断し、動いている米国の方が心地いいと思った次第です。
April 27, 2009
やはり地球温暖化?
先週は、久々にサンフランシスコに滞在してきました。写真は、そこでのシーンです。下から見上げるベイブリッジも悪くないですね。
サンフランシスコに到着したのが日曜日。着いた日の夜に「暑いな」と感じたまま、そのまま月曜日となりなんと気温が30度以上。翌日の火曜日も同様で、思わず半そでのシャツを買ってしまいました。地元の放送局では「Record Breaking!」と話しながら、このヒートウェーブを説明していたのです。その後暑さは一段落し、水曜日以降は逆に肌寒ささえ感じ、霧と青空が頻繁に変わるサンフランらしい天候でした。
そして、土曜日にニューヨークに帰ってきました。JFK空港に夜到着し、自宅までのキャブにてまたまた暖かな風を感じました。どうやら、土曜日はかなり暑かったそうです。そして昨日の日曜日、気温はぐんぐん上昇し、セントラルパークで33度を記録しました。これも「Record Breaking!」のようで、昨晩のニュースでは騒いでいました。ということは、1週間で西と東でそれぞれ「記録的猛暑」を感じることができた不思議な1週間だったわけですね。
とまぁ、うれしいやら疲れたやらの1週間でした。が、やはりこうした気候の激しい変化は、地球温暖化といわれている現象の一つなのでしょうか?だとしたら、単純に喜んではいられないのでしょう。米国ではオバマ新政権になり、前大統領時代にすっかり無視されていた「環境問題」が脚光を浴びています。米国民のマインドセットと行動規範を変えるのはとても大変ですが、まずはメッセージとして掲げることからはじまるわけなので、冷ややかに見守っていきたいと思ってます。
April 16, 2009
何故、アメリカは。。。?
長い冬がようやく抜けそうな気配でしたが、まだまだ寒いニューヨーク。今年は例年になく寒さが長引いてます。写真右上には、マンハッタンによくみかける、桜に似た花が満開になってます。が、この日も寒かったです。
さて、時折テーマにでてくる、このバーに今日も立ち寄ってみました。欧州サッカーのチャンピオンズリーグの試合があったからです。試合開始前に、士気が高ぶる多くのファンがたむろしていると思いきや、予想以上に閑散としている(中は超満員+熱気でしたが)ことに加え、インタビュアーがおりました。このお店は、サッカー好きが集まるという意味で、時折各種メディアから取材対象になっているので、別に驚くこともなく写真をとって通り過ぎようとしたところ、捕まってしまいました。
ESPNというスポーツに特化したケーブル放送局の取材で、マイクを向けられた僕に最初に投げかけられた質問が、「ここにはよく来るのですか?」でした。「はい来ます。好きなチームの応援にほぼ毎週末」と優等生のような答えで対応。その後、2,3の質問があり、「何故アメリカではサッカーの人気がないのでしょうか?」という、ちょっと核心をつくような質問が来ました。一呼吸置いた後、「アメリカという国は、自分の国が1番になれないことを、意識的に好まない傾向にあるような気がする。特にスポーツでは顕著だと思う」と、普段思っていたことを答えました。僕はこの言い分が正しいのか自分でもわからないし、多分誰もジャッジできないと思うけど、根底には必ずあるはずだ。といつも思ってます。
多分、予想外の答えだったのか、それとも「このアジア人は何を言っているのだろうか?」と思ったのか、ちょっと空白があったあと、普通に「Thanks! Enjoy the game!」と言われ、インタビューは終了。中に入り、スペイン語に囲まれつつスペインのチームをばっちり応援してきました。これも、このバー。そして、ニューヨークの醍醐味でしょう。
April 08, 2009
謎のペスパ
ようやく春かな。と思いきや、またまた寒い日に戻ってしまったニューヨークです。とはいえ、気分はすっかり春です。朝の通勤も心地よくなってきました。「寒いな」と思いつつ、厚めのコートをはおって会社に向かう途中、写真のべスパと遭遇しました。べスパは以前のテーマでも取り上げましたが、ニューヨークではよく見かけます。が、こうしてトイレットペーパーでラップされたべスパは初めてでした。
後部座席後方の木の箱は、多分ワインのケースでしょう。トイレットペーパーの巻き具合も、結構エレガントなので、もしかしたら「しゃれたメッセージ」が隠されているのかもしれません。私の住んでいるこのエリアはアーチストやゲイ達も多く居住する、リベラルな地域でして、時折こうした不思議なメッセージに出会うこともあります。
この紙巻べスパを見て、僕の学生時代のおふざけを懐かしく思い出しました。友人達と旅館に泊まり、夜な夜なお酒に酔ってくると、トイレットペーパーを全身に巻いて「月光仮面!」なんて、はしゃいだりしてました。そういえば、月光仮面も白いオートバイに乗っていましたね。
April 02, 2009
春
どうやら、ようやく長い冬があけたような気がします。とても暖かくなってきました。その陽気に後押しされ、今日は、ランチタイムにミッドタウンに出かけました。久しぶりの昼間のミッドタウンは、妙に懐かしかったです。ただし、やっぱりここは自分が属するところではないのかも。とも思いました。
写真はPark Avenueの50丁目あたりから南の風景です。両側に整然とビルが並び、その奥にMetlifeビルがある景色は、ニューヨークのビジネスシーンを語るにはよい光景でしょう。近くは金融関係の本社やコンサルティング会社などがあるせいか、街を歩いている人々も、きっちりしたスーツが中心で巨額なお金を動かしている人たちの空気が伝わってきます。
一方、僕の勤めているオフィスはトライベッカとチャイナタウンの間にあり、かつ住まいはビレッジという、両者とも「ド・ダウンタウン」なわけです。普段、会社を往復しているだけでは、スーツ姿の人を見かける方が少ないかもしれません。もちろん自分も含め。果たして、どちらが居心地がいいのだろうか。これは当然ダウンタウンでしょう。リベラルな空気と開放感。やっぱり巨額なお金を動かすビジネスよりも、僕にとって合っているのでしょう。
March 24, 2009
壁画
先日SOHOとチャイナタウンの接点あたりを歩いていたら、写真のような光景にぶつかりました。マンハッタンによく見かける、ビル壁全体のビルボードです。今まで、さまざまな壁画ビルボードを見てきたのですが、ここまでビビッドに制作中のモノはなかったので、思わず写真を撮ってみた次第です。
これは、新しく発売されるゲームソフトの広告です。ゲームに全く疎い僕ですが、絵を見た瞬間に多分ゲームだろうと推測できたのは、やはり何かそう感じさせられるものがあったのでしょう。ちなみに、よく見てみると下の部分にNINTENDO DSと書いてありました。
確かに、この場所はチャイナタウンに程近い、SOHOの一角でしたが、見事にこのゲームのタイトルとリンクしている場所に描かれていたのが印象的です。さらに、この日もかなり寒かったのですが、このハイテクの時代、寒風に吹かれながら手作業で壁画ビルボードを少しずつ描いているアナログ感は気に入っています。もちろんこれだけの大きなキャンバスに正確な絵を描くので、投射などのテクノロジーは駆使しています。でも塗装は手作業なのですね。こうしたアナログな部分はいつでも持ち続けていきたいものです。
March 20, 2009
大統領 in the Tonight Show
テレビはあまり見ないのですが、ニュースや好きなスポーツを除いて、なるべく見ようと思っている番組に「トークショー」があります。特に、夜11時半過ぎからはじまる、CBSのDavid Letterman Showは時間ができれば見るようにしています。裏では有名なJay Lenoの番組もあるのですが、Lettermanのニューヨークらしさが僕は好きです。
でも昨晩は違いました。オバマ大統領がLenoの番組に出演すると聞いていたからです。残念ながら、夜中までLower East辺りで飲んでいたのでライブでは見られなかったのですが、今ではいろいろな方法で再視聴ができます。一晩明けた今日に、Huluを利用してじっくりみました。写真がその様子です。
25分間の対談、なかなか見ごたえがありました。時間の3分の2は、仕事の話を中心に、現在最も話題になっている、AIGのボーナス問題に関しての説明や、不景気を今後どう対処していいくのかを、Jayの軽快なトークと共に、わかりやすくかつ的確に説明しました。残りの3分の1では、プライベートに関してこれもJayのWitのある質問に対して、さわやかにかつクリアな答えを返しており、あっという間の25分間でした。ちなみに、ボーリングのスコアは129程度だそうです。
こうしたトークショー、もちろん台本はあるので、話す内容は事前に決まっているわけです。ただ、ホストが話題をわざと脱線させたりするテクニックが絶妙で、そのときにゲストが見せる態度や表情にて、そのゲストの人となりがわかってとても面白いのですね。日米しかテレビの番組のことは知らないのですが、こうした番組が日本にはゼロというのが残念です。まぁ今の日本のテレビ状況ではどうにもならないのであきらめてはいます。
March 18, 2009
みどりの日
昨日17日は、ニューヨークが緑色に染まる日でした。アイルランドでは国民の祝日にあたるこの日は、アイルランドを祖先とする住民が多い各地域では、祝日になったり、お祭りを行ったりする世界的な記念日「Saint Patrick's Day」なのです。米国でももちろん盛んで、ここニューヨークもバグパイプ隊が登場するパレードが5番街で派手に行われます。
写真はたまたま乗っていた地下鉄内の様子です。こうして、派手に「緑色」を強調しながら、「パレードモード」全開のグループもいれば、ワンポイントで緑色のアクセサリーや洋服を着て、地味にお祝いする人たちも多く、とにかくマンハッタンが緑色になる日ですね。もちろん、エンパイアのビルの灯りも緑です。夜は夜で、酒好きが繰り出し、普段から緑色っぽいアイリッシュパブにて大騒ぎする夜です。
静岡生まれで純アジア人の僕は、全くアイルランドには関係ないのですが、前に勤めた会社で世話になった社長がアイルランド系(O'Cornnor氏)だったし、NYに来たばかりの頃、無謀にもアイルランドから来た人たちと酒飲み大会をして「全敗」した経験からも敬意を表してお祝いしています。確かに、この酒飲み大会は無謀だったと今でも反省はしてますが。。。そんな僕は、普通に緑のパーカーを着て会社にでかけ、仕事仲間と地味に辛めの四川料理で酒を飲んだ一日でした。
March 13, 2009
うちわに付き取扱注意
広告業界にいるものの、ストーリーボードやコピーを書くようなクリエーターではない僕です。とはいえ、ビジネス開発という立場から、何か面白いことや「おおっ」と思うことはないのか?と日々考えていたりはしています。
そんな中、写真のダンボールを発見して思わず立ち止まってしまいました。多分、中身は普通の物品で、たまたま箱を使いまわしてFEDEXするのでしょうが、「うちわに付き取扱注意」とはいったい!?と絶句したわけです。そもそも「取扱注意」とは、中身が高級な精密顕微鏡だとか、割れやすい材質のものなどの時に使われていたはずなのに。。。今の日本では「うちわ」もそれと同様の扱いなのか?もしくは、天皇家に奉納するような超高級うちわなのか等々、いろいろ思いをはりめぐらせたのです。
結局答が出るわけでもなく、FEDEXのお兄さんに運ばれていく運命の箱ですが、僕の頭にはこの不思議なフレーズだけが残ってます。でも一歩進んで考えてみると、こうして「何気ないフレーズの中に、忘れられないメッセージが入っている」ってことは、広告やマーケティングの世界ではとっても重要なことでしょう。特に、「うちわ」と「取扱注意」という関係が全くないような普通の単語を組み合わせることで、メッセージ力が急に付いたわけですね。これは、完全にクリエーターの分野と言えるフレーズでしょう。
と、たまたま目に入った段ボール箱ですが、結構楽しませてもらいました。しかも、適度に力が抜けているフォントもなかなかすばらしく、すべての拍子抜け度合いがたくみでした。
March 10, 2009
リブランディング
理由を聞かれても、全く持ってしっかりした答えがないのですが、僕はPepsiの方がCokeよりも好きです。2番手の悲哀に同情しているのか、もしくはロゴや響きが単純に好きなのか自分でもよくわからないのです。
最近、そのPepsiがブランドの再構築を行いました。写真はそのキャンペーンの一つで、NYの地下鉄車両買い切りです。シンプルでわかりやすく、明るいカラー。リブランディングの王道でしょう。世界中に知られているブランドなので、そのロゴの変化に気づいた人も少なくはないはずです。
このリブランディングですが、広告業界ではちょっとしたニュースになってました。一つには、過去50年間にわたりPepsiを担当していた大手広告会社BBDOから、その担当がAORがTBWA/Chiat/Dayに移ったのです。数百億円のディールが動いたこと自体、大きな話ですが、50年以上の歴史に区切りをつけたわけで、これも「Change」ブームの一つだったのでしょうか。とはいえ、一つ上のレベルではOmnicom Groupという広告会社グループ傘下にいる両社というのが何とも救いというか、腑に落ちない感じもあります。
もう一つの話とは、この「リブランディング」の中でも特に重要となるロゴ部分のブループリントやコンセプトシートなどがインターネット上で漏れてしまったことです。これを担当したのがOmnicomグループのブランドエージェンシーArnell Groupです。この27ページにわたるコンセプトシートを元に写真のロゴが生まれたわけで、エージェンシーとしては「手の内がばれた」ことになります。が、当のエージェンシーはこの状況に比較的クールな態度であり、「逆に喜ばしいこと」などとコメントしているところがニューヨークらしいです。
一説には、オバマ大統領キャンペーンのロゴと「似ている」という噂もあったので、その噂を全否定する意味でリークさせたかもしれません。詳細は不明ですが。。。
March 05, 2009
街角の小売業
3月に入ったと思ったら大雪が降ったりと、まだまだ寒いニューヨークです。世の中、いい話があるわけでもなく、全体的に相変わらず停滞感だらけなので、早く暖かくなってほしいと思う毎日です。
さて、日本とニューヨーク。いろいろな違いはあるけれども、街角の小売業にもその性格が出ています。写真の店は「プラスティック ランド」。とてもわかりやすい名前のとおり、店内には大小、丸、三角、四角などのプラスチックのケース、さまざまな厚さや色のアクリルの板、色々な太さの丸い棒等々、プラスティックの製品ばかりが所狭しと並べられています。似たような店をマンハッタンでは何件も見かけました。
果たしてこの種の店が日本にはあったのだろうか?ふと疑問に思うわけですね。僕の記憶だと、東急ハンズに行けば、そこそこは揃うのですが、種類の多さにはかないません。いったいどれほどのニューヨーカーがこの「プラスティック屋」を必要としているのか、どうにも理解できかねるわけです。そういえば、ニューヨークに来たばかりの頃、こちらの友人に「何で時計屋がないの?」と聞いたことを思い出しました。最近では見かけなくなったのかもしれませんが、僕の生まれた町の商店街はもちろん、隣町にも必ず数件の時計屋があったものです。置時計から、腕時計がいっぱい置かれている店はなかなかスリリングで楽しかったことを覚えてます。
「マンハッタンにはこうした街の時計屋がない(もちろん高級腕時計を扱う専門店はありますが)」とふと気づき、友人にその質問をしたところ、「だってビジネスとして成り立たないじゃん」というような返事が返ってきて、妙に納得したようなふりをしました。時計屋とプラスティック屋、深い意味があるわけでもないけども、ふと何故?と思って写真にとった夕方でした。
February 23, 2009
ユタ州
ばたばたとしている間に、2月も最終週になってしまいました。月日は普通に過ぎるのですが、明るいニュースがあるわけでもなく、Recessionというのはこういうものなのか。と、たまたま日米両バブルを歩いてきた僕にとっては、なんとも気の晴れない日々です。
そんな中、先週は久々の出張で、ユタ州ソルトレイクシティに行ってきました。到着日は雪がしんしんと降っていて、かなり暗い感じでしたが、その後滞在中はきれいな青空が広がり、モルモン教徒の街というべきか、オリンピックを開いた街というべきか、ソルトレイクシティの空気を楽しんできました。
滞在中はいろいろと忙しかったのですが、ニューヨークとは全く異なった風景に身をおいたのはよい体験でした。そもそもが標高1000メートルに位置している都市なので、若干空気が薄い。そして、周りが標高3000メートル強の山々に囲まれている盆地。ということで、360度見渡す限り山なのです。ユタと言えば、全米屈指のスキーエリアでもあるため、空港や街にはスキー客らしき人だらけに見えました。それでも例年より人は少ない。とホテルの人は言ってました。これも不景気の影響なんでしょう。
結局スキーもできずにニューヨークに帰ってきました。が、こうして異なる場所に身をおくことが、かなりのリフレッシュになったことは、今回とても感じました。
February 09, 2009
倦労感
厳しい寒さが続く今年のニューヨークですが、最近どうも元気がないのです。バルセロナに行った時は、とても楽しかったのですが、ニューヨークに帰ってきても、何かパッとしません。「倦労感」という言葉が正しいかどうかはわからないのですが、漢字としては今の感覚にマッチしていると思います。
写真はニューヨーク界隈を拠点にしている、小売電気チェーン店です。Circuit Cityの倒産後、次はどこの小売になるか?と思うともしかしたらこのローカルな小売チェーン店かもしれません。なんて、どうでもいいことを考えたりしてしまいます。
スーパーボールは、歴史の残る名勝負だったそうです。あまりアメフトを知らない私にとっては、ニューヨークのチームがでていない分、余計遠い存在になってました。唯一、仕事の関係上、コマーシャルの話題はチェックしているのですが、この不景気です。枠費用はRecession前に捻出し、製作もそこそこ済ませた今年のコマーシャルは、僕にとっては何か「後の祭り」感が拭えないのが正直な感想でした。
かなり、暗いポストになってしまいましたが、Recessionというのは、こうしたモノなのかもしれません。新大統領は希望です。が、数ヶ月で世の中がよくなるわけではなく、やはり時間がかかるものです。Yankeesの元監督で、今はドジャーズにいる、Joe Torre氏の最近のインタビューで、「オバマ新大統領になったからといって、すぐに経済がよくなるわけではなく、それを理解してじっと我慢できる国民であってほしい」と言っていたことが、とても印象的でした。
January 30, 2009
バルセロナ Again
週末にかけて、またまたバルセロナに行ってきました。目的は2つ。FCバルセロナの試合観戦とカタルーニャ料理を楽しむ。といったシンプルなものでした。よって、機中1泊、バルセロナ2泊という強行軍でしたが、それはそれで効率的で気に入っているスタイルです。
写真はホームスタジアムの外にある即席土産店です。土産にはあまり興味がないのですが、バルサ色が強いこうした店には脱帽です。この日はレギュラーシーズンの試合で、対Numancia戦でした。Numanciaは今年から1部に上がった弱いチームですが、シーズン初戦のバルサ戦にホームで勝利したチームなのです。今年のバルサはかなり強く、シーズン後半になった今でも、敗戦はこのAwayでの1敗だけなのです。
そして唯一負けを喫したNumanciaを今度はホームに向かえて、試合が行われました。結果は4対1の快勝。風がとても強く寒い夜でしたが、想像以上の攻撃的なサッカーに、かなりしびれた夜でした。
とまぁ、今回はすっかりバルセロナ話で終わってしまいました。が、こうして時折米国を離れ、おいしい食べ物とエンターテイメント化されていないスポーツを楽しむことも必要だな。と、またまた感じたバルセロナでした。
January 21, 2009
オバマ大統領誕生
懸念視されていた大きな混乱や事故もなく、無事にオバマ大統領の就任演説が執り行われました。正直ほっとしました。
写真は昨日20日のニューヨーク デイリー・ニューズ誌の表紙です。この記念すべき日を記念に残そうと、米国のメディアというメディアは紙、電波、デジタルすべてオバマ大統領一色でした。しかし300万人近くも集結するイベントなど、今までもちろん見たことも感じたこともなかったのですが、その大規模さぶりには圧倒される一方でした。
就任演説は、選挙戦の勝利演説に比べ、優等生的であったと個人的には思いました。が、「就任演説」という類のものである以上仕方ないわけですね。前任者とは比較にならない程、心に染み渡りました。ひとえに、主語が「America」ではなく「We」であったことに起因すると思います。それ故、世界中の人達の興味と同意を得ることができたのでしょう。世界から一般的には嫌われているアメリカを、根本から変えて行こうとするような強い姿勢を感じた演説は、僕のような移民+マイノリティーの心を確実に捉えたはずです。
確かに経済は厳しく、現実の生活面では悪い話ばかりなのが現状です。しかし、こうして希望の灯をともしてくれることが、実際に起こったという事実がある点、まだまだ神様、仏様から見放されているわけではないのですね。
January 19, 2009
家電量販店No2の倒産
12日の週のニューヨークではいろいろな事件がありました。冷たいハドソン川に、被害者ゼロで奇跡的に不時着に成功した、明るい話があれば、以前ブログでも取り上げた、家電量販店業界2位のCircuit Cityが、会社更生法適用の努力もむなしく、金曜日に倒産することに決まりました。さらに、Bank of AmericaやCitibankのような米国の大手銀行の経営状態もより一層険しくなってます。
破産を宣言したCircuit Cityの近くを、土曜日に通りかかったところ、目を見張る群集の多さに僕も思わず引き込まれてしまいました。つまり、「在庫一層処分。店じまいセールス。」をしていたわけです。何か、掘り出し物があるかどうかを探しに、僕も群集の一人となり、店内に突入してみました。ラッキーにも店外に行列はなく、スムーズに入れたのですが、店内は写真のようにごったがえしていました。店員に聞いたら、朝7時から開店したようで、中には4時過ぎから行列をなしていた客がいたようです。
掘り出し物は、寒い中、早朝から並んでいるガッツあるショッパーに取られてしまったのでしょう。中では、DVD、デジカメ、PCなどまさに在庫一層処分市。でも、割引額は思ったよりもすくなく、どうでもいいものは30%オフ程度ですが、定番アイテムは10%程度であり、これならAmazonで買っても同じだな。と思った次第です。
僕自身、ひやかし半分で入ったので、値段感覚はどうでもよく、それよりも、この群集の嗅覚の鋭さには驚きました。「年明け後、ニューヨーク界隈のモールやアウトレットががらがらで、どこに消費者がいるのかわからない」と丁度友人と話していた矢先に、この騒ぎ。確かに、小売でモノが一気に売れなくなったと聞いていたのですが、こうして「じっと」タイミングを見ていたわけですね。たいしたものです。
さて、今週はいよいよオバマ新大統領の就任演説があります。新しい時代に向けて、「Change」がいよいよ始まるその一瞬が今からとても楽しみです。
January 13, 2009
テレビのデジタル化 - 日米事情
すっかり遅くなりましたが、新年おめでとうございます。今年も正月は静岡の実家で過ごしたのですが、比較的暖かだったような気がします。さて、いよいよ2009年が始まりました。世界中どこを歩いても「不景気」の言葉がついて回る「今」ですが、明るく前向きな気持ちだけでも維持していきたいと強く思っております。
こちら米国では、来週に予定されている、オバマ次期大統領の就任演説に向けてざわざわと忙しくなってきたような気がします。ニューヨークの街角でも、オバマグッズを並べる露店が多々出現し、お祭り感を後押ししております。そんな中、今年最初の記事は、ちょっとクールに「米国のデジタルテレビ化」に着目してみました。
写真のポスターは郵便局の一角にひっそりと貼られていたものです。米国では2月17日に一斉にデジタルテレビ化に踏み切ります。つまり、17日以降、アナログテレビだけを所有している人達はテレビが全く見られなくなるわけです。当初は買い替えができない人達のために、コンバーター購入費用を政府が負担するといったアイデアがあったのですが、その案もすっかり却下され、「切り捨て」モードでの強行切り替えが実施されます。つまり、デジタルテレビを保有していない人達がテレビを見るためには、数千円のコンバーターを買ったり、アンテナを調整しなければならないわけです。
一方、日本では画面右上に「アナログ」という表記を出してみたり、サイマル放送期間を延長してみたりと、様々な「役人や関係者による意味不明な微調整」が行われているように思われます。世界の歴史を顧みても、何万人もの人々を調整して皆が満足のいく解を出すことは不可能な中、一歩引いて考えると無駄な努力と投資が行われているのが実体なのでしょう。
「イノベーション」を本気で推進したいのであれば、少々乱暴と言われようが、米国流にばっさりと割り切る考えがまずありき。と、このデジタル化の対応一つとっても思わせられました。Recessionの2009年。本当の「イノベーション」に踏み切らなければ、泥沼から抜け出せられなくなる。と自分にも言い聞かせつつ、2009年最初のポストといたします。
Subscribe to:
Posts (Atom)