ニューヨークとは、アメリカとは、そして日本とは。 マーケティングに関する話や人々の日常生活の中で思ったこと、考えたこと、驚いたことなどを書き留めていきます。
December 28, 2007
ありがとう 2007年
クリスマスも終わり、今はカウントダウンに向けて一段落のニューヨークです。2007年も終わりを迎える今、この一年を振り返ってみると様々なことがありました。泣いたり笑ったりの一年でしたが、今思うことは元気で居られたことが一番の幸せかもしれません。
ニューヨークのような場所に住んでいると、何かとストレスが多いのは当然です。そのストレスに負けないためにも、体の健康が一番だと最近特に思う次第です。とは思いながらも、好きなお酒は続けているのが現状です。2007年最後のテーマは、この写真の地下鉄車両内広告です。
ニューヨークの地下鉄で「S」ラインという短距離路線があります。「S」はShuttleのSの意味で、マンハッタンとブルックリンに走ってます。マンハッタンではグランドセントラル駅とタイムズスクエアを結ぶ短い3両編成の車両ですが、時折派手なプロモーションが展開されてます。
写真はその一つで、とあるウィスキーの広告です(ブランド名は忘れてしまいました)。以前、バスや車をラップする屋外広告はテーマにしましたが、今回は車内ラップ広告です。「車両枠買いきり」というパターンは日米よくあるのですが、「車両内全面ラップ」というのはさすがに大胆で、かなりエンゲージメント感があります。特に今回はウィスキーでして、写真で居眠りしているお兄さんは酔っ払っているのかと勘違いするように、どこかウィスキー臭が漂う感があります。感心したのは、ポスターすら満足に貼れない人達が、よくこの窓ガラスや扉のくぼみなどをしっかりカットして、このラップ広告を車両内に貼れたということです。
天晴れ感のあった広告を2007年の締めくくりとさせていただき、皆様の来年の幸せを願います。もちろん、僕も体に気をつけ、元気な2008年を迎えたく思ってます。
この一年、お付き合いいただきありがとうございました。
December 18, 2007
2 Way Communication
今年も残りわずかとなりました。ニューヨークも寒さが厳しくなり、街の賑やかさに加えて年末ムードを一層盛り上げています。
昼間でもマイナス気温のこの日に、HBOビルの1階入口にて写真の女性たちがクリスマスソングを上手にコーラスしながら、販促活動をしておりました。HBOとは、Sex and the CityやThe Sopranosなどで有名な、映画専門ケーブル放送局です。ニューヨークのミッドタウンにこの放送局の本社があり、その1階では、HBOグッズを販売する小さなショップがあります。
このビル自体、名前がついているわけではないのですが、その影響力の大きさか、人気の高さからか人々はHBOビルと呼びます。といっても、メディアや広告関連の人々だけかもしれませんが。さて、HBOサンタの彼女達、とても寒そうです。実際に氷点下なのでかなり寒いはずですが、とても楽しそうに合唱し、往来に語りかけつつ、HBOショップのチラシを配っていました。
東京でも、ティッシュやちらしを配る姿を頻繁に見かけます。必ず無表情か、もしくは不明瞭な日本語で何かを言いつつ配っています。こうした場合、受け取る方も同じく無表情もしくは少々暗くなってしまうのは私だけでしょうか。米国にいて思うのは、始まりは2 Way Communicationです。その先はいろいろと複雑なのですが、まずは対話から。日本の昔もきっとそうだったと思います。
December 04, 2007
Free New York Post!
12月になりました。寒さがぐっと厳しくなったニューヨークの街中で、「フリー ニューヨーク ポスト!」というきれのいい声が聞こえてきました。写真の女性がその声の主で、昼間でもマイナス気温の中、無料の新聞をきびきび配っていたのです。
ニューヨーク ポストの無料配布は実際よく行われています。タブロイド版のこの新聞、Daily News紙と共に、ニューヨーカーにはかなり馴染みの新聞です。普通はKioskや街のデリなどで25セントで販売していますが、週に1,2日、Promotional Copyとして無料配布される版もあります。紙面は25セントのものと全く同じですが、外側に一枚スポンサーの広告でくるむような形にて無料配布されるのです。
米国メディア業界において、新聞を中心とする紙媒体は、インターネットの普及や消費者の紙面離れなどの影響からビジネス的に厳しい状況だと一般的に言われています。これは世界的な現象であるはずで、特に日本でも新聞業界は厳しい状況におかれていると思われます。特に、日本の新聞の場合、購読料による収入の割合が高い点、人口の自然減や紙面離れという環境の変化とともに、かなり危険な状況かもしれません。一方米国では、もともと広告収入に重きを置いたビジネスモデルにて新聞社が経営されてきました。それゆえ、こうした「無料配布」などが思い切って行うことができるのでしょう。日米両方で「厳しい」といわれている環境ですが、こう考えるとどちらが本当に厳しいのかは明確です。
さて、無料でもらった新聞でしたが、スポンサーは携帯事業者のT Mobile。新規契約すればキャッシュバックというキャンペーンのメッセージでした。
November 28, 2007
FCB
感謝祭も終わり、寒さも厳しくなり、ニューヨークはクリスマス商戦にすっかり火がつき始めました。テレビを見ていても、コマーシャルの質がすっかり変わっていたのも1週間ぶりにNYに帰ってきて気がつきました。今年も感謝祭の休暇を利用して、バルセロナに行ってきたのです。
このタイトルにあるFCBと料理が旅行の当然の目的でした。FCBは広告業界にいると「DraftFCB」というシカゴ拠点のIPG系大手広告代理店を想像しがちですが、僕にとってのFCBはもちろん、Futbol Club Barcelonaです。昨年同時期に観戦して以来一年ぶりのCamp Nouで今年の相手はDeportivoでした。試合は3対0の圧勝。Deco, Ronnyなどの主役は怪我でプレイしなかったけれど、Messi, Bojanなどの若手の大活躍に加え、Puyol, Xavi, Iniestaのスペイン代表トリオのSureでかつ攻撃的なサッカーで、ファンを十分楽しませてくれました。
このFCB。歴史は100年以上にもなります。スペインは悲惨な内戦を経験したのですが、カタルーニャ地域の首都としてフランコ軍に最後まで抵抗した場所です。とくにフランコはレアルマドリッドファンだったようで、マドリッド征圧後、FCBの中心でもあり、各種トロフィーを保管してあるこのCamp Nouを徹底的に攻撃してきたという話を本で読みました。このような様々な歴史を乗り越え、カタルーニャの人々の心をしっかりと捉えたまま、攻撃的なサッカーの代名詞といわれているバルサスタイルを守り続けるこの場所は、アメリカの商業的なスタジアムとは一線を画したものとして、僕の心にも深く刻まれています。
残念ながら、昨年はタイトルに恵まれなかったFCBですが、今年のメンバーで、是非ともタイトルを手に入れて欲しいと願っています。さらに、サッカーのスタイル以外にも、米国の商業主義に振り回されないような独自のマーケティングスタイルを今後も継続し続けて欲しいと思ってます。
November 21, 2007
ゴミ箱のメッセージ
米国では明日から感謝祭の連休が始まります。日本で働いていたころ、クライアントであった米系保険会社が「Thanks Givingだから仕事しないよ」と言い切っていたことを思い出します。そうなんです。この連休は日本で言うお盆のようなモノなので、実家で家族・親族と共にすごす重要な祝日なのです。ただ、僕のような家族のない移民は暇になり、人の少なくなったマンハッタンを楽しむこともできます。
さて、こうした年末行事を迎えたグランドセントラル駅も人の往来が激しくなってきた気がします。その中で、写真のゴミ箱を発見しました。黒・赤・白とシャープにデザインされたこのゴミ箱。メッセージは Glida's Clubという北米でのがん患者、経験者、そしてその家族を支える組織のものです。米国ではこのようなNPO的な組織が様々なレベルで存在し、共通のテーマを持った人たちのために情報共有や交換、さまざまなアプローチを紹介する場所を提供しています。
ゴミ箱とGilda's Club。全く何の関連性もないのですが、こうしてトラフィックの大きな場所に、公共性のある組織が公共性の高いオブジェクトに対してメッセージを添えておくというアイデアはすっきりしていて心地よいと思います。残念ながら、日本では公共のゴミ箱が少ないため、ゴミ箱は利用できないのですが、公共物を有効にメッセージング・ビークルとして利用するという発想は面白いと思います。ゴミ箱に関して言えば、「ゴミも自分の持ち物」という発想に変わりつつある日本の姿勢も、世界に誇れるモノだと思っています。
November 14, 2007
しゃべるスタンド
出張が続いていて、なかなかこのブログを更新できないのが少々残念です。が、こうして米国の都市を移動していると、新しい発見があったりして楽しませてもらうこともあります。
今回は、オハイオ州で出会ったガソリンスタンドです。写真は一見したところ、ニューヨークでも見る普通のBPのスタンドです。いつもどおり、レギュラーを選択し、ノズルを差込み、レバーを引いて給油しました。すると、写真内数字の2番の左横の場所から「BPのクレジットカードを作ろう!今だったら10ドル分無料ガス進呈!」機械的な声が聞こえました。
これもアメリカ式マーケティングのひとつなのですね。ユーザーからしてみれば、給油中に機械的な声でマーケッターからの「オファー」があっても、ピントくるはずないと思います。以前、クレジットカード会員のデータを元に、広告メッセージやクーポンをディスプレーに表示させる仕組みを考えたことがありますが、音声までは無駄だと思ったことを思い出します。米国流の競合状態を常に念頭に置き、他人と変わったことをする精神には「イノベーション」の原動力を感じます。が、時にこの精神が「だめアイデア」をも生み出すこともあります。余裕なのでしょう。
スタンドで言えば、以前米国の友人を連れて日本のガソリンスタンドに入ったことを思い出しました。数名の定員がいっせいに大声で駆けつけて、車を取り囲むその流儀に、友人は腰がすくんでしまったらしいです。確かに、何もしらないと怖いかもしれませんね。機械の声 vs 人間の声。僕は人間の方が好きです。
November 03, 2007
進化したイエローキャブ
大きなコトから小さな部分にいたるまで、ニューヨークは様々な進化を遂げていると思います。特に、Bloomberg市長に変わってからは、「なるほど」と思わせるような出来事がたくさん起こっています。ビジネスで大成功を収めた億万長者が、パブリック・セクターの中でも最もタフと言われるニューヨーク市長を的確にこなしている姿は感嘆に値します。
と、いきなりの市長礼賛でしたが、写真は最近発見した小さな部分での進化です。イエローキャブの座席に組み込まれたディスプレイとクレジットカード機器を搭載したタクシーを最近よく見かけます。巷では、タクシーへのGPS義務付け等々での反対デモが行われていましたが、実際に客として乗車してみると、これはこれで便利なのです。
まずはディスプレイ。左側には詳細な地図が表示され、車の進行状況が地図上にて一目でわかります。これが問題となっていたGPSなのかと思いつつも、乗客にとっては安心感があり便利です。右側はABCニュースのビデオが放映されてます。ESPNなどのスポーツチャンネル、NY観光案内などのビデオコンテンツもタッチパネル操作で見ることができます。タクシーの中で暇なときには役に立つ仕掛けでしょう。電気を余分に消費するためバッテリーに気をつける必要がある。と運転手が言ってたのは少し可愛そうです。
そして、左上はクレジットカードリーダーです。ようやくついたのか。というのが本音です。というのも、カード社会の米国ではあまり現金を持ち歩かないため、タクシーに長時間乗った場合、20ドルの現金が払えず近くのATMまで余分に乗ったことが何度かあったからです。そんな事がこの機器が装着されたことで、回避されるわけですね。空港から市内への移動もこれで一安心です。
とまぁ、便利になったタクシーです。が、相変わらず夕方のラッシュアワーの空車は少ないし、くさくてぼろぼろの車もまだ見かけるし、ハイテクになったのはいいですが、まだまだ根本的に改善すべきことはたくさんあると言えるでしょう。
October 20, 2007
カンファレンス・ビジネス
こちらに来てから数多くのカンファレンスに足を運んできました。今週もシカゴで開催された、ダイレクト関係のカンファレンスに参加してきました。写真はその会場風景で、新設されて間もないMcCormick Place Westにて実施されました。タクシーの運転手によれば、West会場でのカンファレンスは今回が2回目のようです。
新しい会場にて行われたカンファレンスは、運営上の小さなトラブルもありましたが、無事終了しました。米国にてカンファレンスに出るといつも思うことが、慣れた運営です。カンファレンス運営の専門会社がイニシアチブを取っているはずですが、どの業種のカンファレンスにおいても流れやプロセスは同様で、不測の事態を除いては混乱のおきない段取りになっていることが見事です。内容の良し悪しは別として、運営面では見習うこともとても多いと思います。今回もこの広く新しい会場にて、多くのスタッフを動員してテキパキとプログラムをこなしていたのは見事でした。
米国型カンファレンスにおいて、一般的に講師→聴講者のOne Way Communicationに慣れているアジア人としては、言葉の問題も含め、米国流の「インタラクティブ型」や「ネットワーキング」には身を引きがちですが、その考えを180度転換し、笑顔で気さくに話してみればそのコミュニケーションは広がることになるでしょう。
さて、私自身、今週から多くの出張が控えていてこのBlogの更新がもたつくかもしれませんが、ご了承お願いします!
October 11, 2007
アイボール
車の駐車場近くにて、シンプルな屋外広告を久々に見かけました。屋外広告はその性質上シンプルな表現やクリエィテイブが多いのですが、これは「目が大きなかえるの写真」+「Eyballs? のタグライン」というこれ以上の意味がなくかつべたなモノでした。
広告主は実際にこのOOH枠を販売する媒体社 Van Wagner社です。つまり在庫として自社広告をあてていたわけですね。米国にて空港から高速道路を経由して都市部に入った方ならほとんど気づくと思われますが、巨大な看板が連続して登場してきます。総額8000億円市場の米国OOH広告業界の中で、大手VW社もこの混乱が続く広告業界で生き残りをかけて必死なのでしょう。
テレビ、新聞、雑誌などの既存メディアから、インタラクティブやモバイルなどへ進化していく過程の中、OOH業界も店舗メディアやデジタル看板などの新しいコンセプトをもたらしています。そんな激しい状況で、何が最も大切なのか?という問いかけに「さっ」と答えているのが、この看板なのでしょう。「アイボール」この言葉は、今の米国広告業界にてどの分野にいる人でも考えていることです。決して新しいコンセプトではないこの用語ですが、混沌としている状況ゆえ必要なのかもしれません。どんなに技術が進歩しても、かえるも人間も目玉は2つより多くならないわけですし。
October 03, 2007
スポーツバーでのサプライズ
10月に入りました。「リサイクル」のテーマではじめたこのnmuraブログもおかげさまで1周年です。ポストする頻度が若干スローになっているものの、ここまで続けられたことも読んでいただいている皆さんのおかげです。これからも続けていく予定ですので、おつきあいください。
さて、MLBはプレイオフが始まります。ヤンキースも10何年連続で出場することになりました。1球毎の真剣勝負は見ごたえがあるので、今年こそはワールドシリーズまで進んで欲しいものです。大西洋の向こう側では、サッカーシーズンがすっかり始まってます。チャンピオンズリーグや欧州選手権予選等、とても忙しいスケジュールの中、着々とレギュラーシーズンの試合がこなされています。
そして僕は、FCバルセロナの試合を見るため、以前のテーマでも取り上げたニューヨークきってのサッカースポーツバーに今年も普通に通っています。先週末のLevante戦を見に行ったところ、試合開始前にただならない雰囲気でBarcelona Anthemがバー内でかかりました。で、遠くの方からゆっくりと紳士が歩いてくるではないですか。それが、写真中央の Joan Laporta会長なのでした。最初は誰なのかわからず、近くのファンに聞いたところ、バルサの会長だとの返事があり、ファンは試合開始そっちのけでLaporta氏を取り囲み、握手やサインを求めてそれに笑顔で応えるLaporta氏でした。
ビジネスの用事でニューヨークに来た空き時間に、バルセロナファンクラブのニューヨーク支部でもある、このスポーツバーに足を運んでくれたようです。会長自ら異国のファンが集まる安バーに足を運んでくれるとは、なんだか僕もいたく感動たのは自然です。ある意味ステレオタイプ的な米国流スポーツマーケティング理論でははかりきれない、欧州スポーツとファンとの接点=底力を目の当たりにした思いです。これで、より一層バルセロナ熱が増してしまいました。
September 28, 2007
落書きでリバイブ
9月も末ですが、蒸し暑い日が続くニューヨークです。不快なホームで地下鉄を待ちながら、何気なく広告を見ていると、何とも心地よい落書きを発見しました。
本来であれば、広告に落書きがなされると広告主も代理店も「心地よい」などと言っていられないものです。が、この写真の場合、もしかしたら落書きがコピーと一体化していてもいいのでは?言い換えれば、落書きのように見せて、実は広告コピーなのでは?そうであれば、かなり辣腕なクリエイターかも。と思わせるような内容でした。
広告主は Palmで、Yahoo!とのタイアップであるのは一目見てわかります。私もPalm Treoの利用者で、Yahoo!をTreo携帯からアクセスするヘビーユーザーでもあり、この便利さには満足してます。さて、注目の落書きですが、「GO HOME, GET A LIFE, AND STOP CHECKING YOUR EMAIL! ハート」となってます。なかなかいい言葉ですね。シンプルでかつ言いたいコトがすっきり伝わってきます。ここまで携帯やメールが進化してしまうと、メールや携帯がない時間を持つことは、逆に大変重要なのかもしれません。忙しくて暑いニューヨークの地下鉄ホームで、久々に見つけたヒットでした。
September 20, 2007
不思議なオートバイ
出張でスペインはマドリッドに滞在しました。仕事面ではそこそこ収穫もあり、3泊と短すぎる滞在でしたが充実感はありました。米国に長ければ長いほど、欧州には頻繁に出かける必要があると、最近は特に強く感じます。欧州の国はそれぞれに、長年の歴史があり、それ故人々の生活に誇りとアイデンティがあります。米国にもあるのですが、どうも作られた意識という感じがしてしまいます。まぁ、難しい話は忘れることにして、今回の滞在で最も驚かされたのが、写真のオートバイです。
今まで見た3輪の車両は必ず前輪1つ、後輪2つという構成でして、それに目が慣れてしまってました。今回マドリッドの街路で発見したオートバイはなんとその逆だったのです。思わず写真を撮ってしまいました。これが米国なら得意の待ち伏せを敢行し、持ち主に質問するのですが、何せここはスペイン。スペイン語ではビール一本頼むくらいしかできない僕には、質問などもってのほかです。写真だけで後はそれを元にリサーチしたわけです。
リサーチの結果、このオートバイはイタリアPiaggio社製MP3というモデルのようです。写真で判断する限り、かなり新しいモデルのようです。なんだかゼットンのような顔をして手が二本あるような、とてもとても不思議なデザインだと思いました。是非とも走っている姿が見たいものですね。
September 14, 2007
移動体広告?
テニスのUSオープンも終わり、日もぐっと短くなりました。いよいよニューヨークの秋が始まります。今回の発見はまたまた車にまつわる広告メディアです。写真のトラック、その狙いが一目でわかります。トラックに大型スクリーンを搭載した移動体メディアということなのでしょう。
とてもわかりやすいこの仕組み、いかにもアメリカらしいと思いました。ただ、冷静に考えた場合、果たしてこのスクリーンを何に使うのが最適なのか、これがわかりにくいのです。車が走行中に動画が再生されるとしたら、通行人がその動画の内容を理解することは不可能だと思います。メッセージが伝えれらないので意味がありません。となると、停車中だけがこのサービスを最大化する唯一の機会ということになるのでしょうか?停車中に、動画(もちろんスチルでもOK)の広告を流すことが、どれだけの Eyeballを獲得できるのか。動画である必要があるのかなどなど疑問は増えるばかりです。
広告ではなく、楽曲のPRなどに利用するのはいけるかもしれません。ただ、最近のニューヨークは停車中の車がスピーカーで音を出すことは禁じられているため映像だけの仕掛けになってしまいます。などなど、発想はシンプルで理解しやすいけれど、実利用にはあまり向かない典型モデルのような気がします。こうした「あれっ」と思わせるビジネスモデルに遭遇すると、愉快になるのは僕だけでしょうか。
September 06, 2007
がんばれ、ラジオ
ニューヨークでは夏の終わりを告げる風物詩「US Open Tennis」が開催され、同時期に New York Fashion Weekがミッドタウンにて行われ、そのまま秋突入という時期を迎えています。街には秋の気配が漂いつつも、まだ暑い日が続いているのは夏が好きな僕にはうれしい限りです。
そんな中、前回取り上げた「広告ラップ車」の中でも「熱いラテン系FM局」を見かけました。ベース車は高級四駆ランド・ローバーですが、そんなことはおかまいなく「赤・緑・白」のメキシコカラーに濃いめのお兄さんの笑顔、「イカす!」感じが妙に新鮮で気に入りました。
米国マーケティングにおいて、ヒスパニック市場は大きく、ラジオ局はもちろんのこと、スペイン語専用テレビ局(地上波含む)、雑誌、新聞等々、米国内でのヒスパニック人口率の増加に伴い、メディアも成長しています。そしてこうしてラジオ局のベタなプロモーションを見ていると、同時に「ラジオがんばれ!」と言いたくなります。インターネットの成長に伴い、新聞や雑誌などの紙媒体の広告収入は苦戦していると言われています。しかし、ラジオはその影響を受けていません。逆に、Podcastやインターネットラジオ等の新しいDistributionが生まれているため、ビジネスチャンスは拡大しているという見方すらできます。
僕はラジオが好きです。視覚によって邪魔されない、語りの深さや語っている人の心の本質など、忙しい日々では忘れてしまいがちなことを改めて気づかせてくれるメディアだと思っています。目を閉じて、ラジオやPodcastのストーリーに耳を傾けると、そこには無限の世界があり、想像力やクリエイティビティを拡げてくれるはずです。写真の「アツい」ラジオ局では、音楽中心であり言葉も理解できないため、こうした期待はないのですが、これはこれでわかりやすさが気に入ってます。とにかく、ラジオにはこれからもがんばって欲しいのです。
August 30, 2007
PGAゴルフの新しい取り組み
久々のラップ広告モノです。普段は白地にロゴだけのFedexの配送用トラックが、見事に「グリーン」の衣装を着て、PGAゴルフのFedExCupプレイオフの広告カーとして存在力を発揮してました。過去、FedExの配送トラックを広告に利用する試みは小さな規模ではありましたが、ここまですっぽり被ったのは珍しいと思います。
このFedExCup、実は今年から始まるPGAの新しい試みなのです。通常は週末の4日間、全米各地を転戦してPGAのツアーは実施されます。1月のハワイでのメルセデス・カップに始まり、9月中旬にシーズンは終了します。従来、毎回のツアー成績やメジャー大会でのそれぞれの結果が、PGAでの結果として考えられてきました。通年での指標といえば、賞金合計程度でした。
FedExCupは新しいタイトルとして、F1などに見られるポイント式を取り入れ、通年でのランキングを競うものです。今年が最初の実施となってます。この仕組みのスポンサーであるFedExは、そのPRに投資するわけですね。このようなOOH広告だけでなく、タイガーウッズなどをキャストしたテレビコマーシャルも実施してます。先週から4週にわたり「Playoff」と位置付け、ポイント加算の仕組み若干変更し、最終レースを演出する仕組みとなっています。と書いてみたものの、ファンの反応は今一歩だと思えます。ポイント形式が米国には合わないのか、それとも告知不足なのか、はたまた根本的なIssueがあるのか。来シーズンも続けられるか、そちらに興味がでています。
August 24, 2007
著作権 - 違法コピー
ここ数年、音楽業界ではNapsterを中心としたファイル交換サービスが。そして、映像業界ではYoutubeに見られるようなビデオ シェアリング サービスが世の中で話題になっています。ファイル交換サービスに関しては、Napsterが著作権に関して責任を取らされた形で一旦クローズされましたが、モデルを変更して再スタートしております。しかし、楽曲ファイル交換サービスは、今でも多数存在しており、Napsterの件で決着がついたとは誰一人思っていないはずです。同様にYoutubeで有名なビデオシェアリングサービスも、世の中には無数に存在しており、著作権管理団体としては大変頭の痛い問題であることは明確です。
この2点に共通して見られる状況は、NapsterもYoutubeもたまたま認知が高まり、Eyeballが増えたおかげで監視の対象になってしまったということでしょう。違う言い方をすれば、このようなサービスモデルはコピー可能であるため、たとえこの2社を規制したとしても、問題の根本解決には全くならないということです。つまり、消費者の立場からすれば、特定ブランドの豆腐を買う時、最も安いスーパーで買う傾向にあるのと同じ心理が働くからです。
『完全に』アナログからデジタルに移行した分野は、この「easy-to-copy service model」を謙虚に認めた上で著作権問題を議論する必要があると思います。音楽や映像コンテンツの制作には多額の費用と労力がかかっていて、それに対する権利や対価は、サービスの利用者が支払う義務がある。という根本原則には同意します。ただ、デジタル時代を迎えてそのあり方を根本から考え直すときが来ていると思うのです。米国では、非難や糾弾する以外の側面からも、この状況を見つめなおしている時が来ているようです。
写真はマンハッタンの歩道でDVDの違法コピーを販売しているシーンです。映画や音楽の新作を含め、一枚7ドル。交渉すればそれ以下で買えるわけです。その歩道では警官が巡回しているのですが、もちろん「著作権違反の疑いで逮捕する」というわけでもありません。時に、ディーラー一層を目的として職務質問をして、連行されるケースもありますが、罪状は異なるでしょう。なんだか、このアナログ世界のいたちごっこが、デジタル分野の法廷でも行われているように思えてしまいます。
August 17, 2007
スーパーカー
タイトルに「スーパーカー」と書いてみて、もしかしたらこの言葉は死語になっているかもしれない?と思ったことはさておき、とある真夏のマンハッタン。さりげなく停めてあったオレンジ色のスーパーカーに、往来の人々の目が奪われていました。僕もその一人、これがランボルギーニか?と思いながら、自然とその車の色と形に吸い寄せられました。
ダウンタウンでも比較的通行人や交通量の多いこの一角、ビルの修復中にテンポラリーに掲げられているビニールの広告には「SLEEPY'S」とあります。ニューヨークのみならず、米国生活経験者であればピンとくるこの店舗。実は全米展開のマットレス専門小売チェーンです。スーパーカーのオーナーがSLEEPY'Sでマットレスを買うという状況はなかなか想像しがたく、このコントラストがとても愉快でした。つまり決して高級とはいえないマットレス屋に、スーパーカーで乗りつけ、平気で路上駐車する人。きっとなかなかの人間なのでしょう。
車にさらに近づいたところ、もう一つ面白い発見がありました。写真では見えにくいのですが、フロントグラスとワイパーの間に、駐車違反のチケットがあったのです。きっとメーターにコインを入れてなかったのでしょう。車の周りには僕も含めて野次馬や見物人が数人いて、このチケットを見るや否や、それぞれが感想を言い合い、見知らぬもの同士が人の車を肴にあれやこれや、雑談に華が咲きました。こういう場合、ニューヨークは俄然愉快になります。いろいろな人が、いろいろなコトを言い、中には自分の発想を覆す考えがあったりするのです。近くのオフィスに用事があり一旦その場を離れ、しばらくたって戻ってきたところ、スーパーカーはすでになくなってました。もちろん人だかりも消えてます。僕が昔経験したような「レッカー移動」でもされていたら、またその場でいろいろなコトを言われるのだろうな?と思い、そうなって欲しいと意地悪な思いのままランチにでかけました。
August 15, 2007
地下鉄シリーズ(4)
久々に地下鉄の話題を取り上げてみようと思いました。かなりぼけた写真になってしまいましたが、今朝の通勤時の駅でのできことです。写真のボードと共に、MTAのシャツを着たスタッフが「Rider Report Card!」と言いながらアンケート用紙を配っていました。暑い夏にエアコンのない地下鉄構内で、仕事とは言えかなり大変な労働です。
「多分、路線ごとの評価を下すためのサーベイなんだろうな?」と思いながらその用紙を見ると、まさにその通り。地下鉄サービスそのものの質に関する質問が合計で22種類。自分が最も利用する路線を一つ選んでチェックし、後はポストに投函すればいいという仕組みです。さらに、オンラインでも参加できるようです。
このブログでは地下鉄の文句を続けてきましたが、改善する姿勢があるのか、はたまたいつものポーズだけなのか、相変わらず疑心暗鬼ではあるものの、やはり文句を言っている以上、1票入れなければと自分がいつも利用するEラインの評価を下し、ポストに投函してきました。
ニューヨークでは地下鉄の路線ごとのサービスレベルがかなり異なるようで、時にプライベートの団体による調査で、ワースト路線等々の発表が新聞やテレビなどでなされます。しかし、今回のように運営会社が直接主催する調査はかなり珍しく、「乗車賃の値上げを予定しておきながら、サービスが一向に改善されない最悪の地下鉄」のレッテルを少しははがしやすくしようとしているのか、その結果を楽しみにすることにしましょう。(とはいえ全く期待はしていないですけど)
August 11, 2007
ニューオリンズ
ここ数日仕事に休暇にと移動が多かったため、更新が遅れていました。一段落しそうなので、久々にポストしてみます。今回はニューオリンズです。個人的には2回目のこの都市、2005年8月のハリケーン・カトリーナにて一躍注目された街です。1回目の訪問は5年ほど前の災害前、そして今回は災害後。それなりに復興はされていてさすがと思う一方、初回の訪問時に感じた「貧困さ」はより一層強まった感があります。
真夏のこの時期、気温は35度近くまで上がり、湿度も日本と同様かなり高いこの場所で、災害後、電気・ガス・水道が止まったまま生活することは想像以上にタフでしょう。暑い夏を日々経験している人なら容易に想像がつくかもしれません。家を失った人たちが大挙してシンボルでもあったNFLチーム Saintsの本拠地でもあるスーパードームもすっかり改修が進み、今ではシーズン開催を待つだけとなっているようです。
さて、このニューオリンズ、歴史的な背景は詳しくないのですが、バーボン・ストリートに見るジャズ発祥の地、プランテーション経営による広大なサトウキビ畑、フランス風コロニアル建築等々のイメージがありました。災害の痛手は大きく、国家政府からも後回しにされたという疑念も多々あるのですが、どうにか復興されつつあり、そうしたプラスイメージも着実に戻ってきているようです。しかし、市街地中心でも災害以降放置されたままのハイライズ・ビルや貧困地区での朽ちた住宅を目の当たりにして、問題の深さも同時に感じさせられます。それでも、湿気の高い熱帯深夜に、バーボンストリートで続く喧騒のエネルギーはいったいどこから来るのか、アメリカの中でも独特な不思議な場所だと再認識した次第です。
July 30, 2007
口コミの力を信じよう
続けてオートバイの話をします。写真はビレッジで見かけた乗り物です。シンプルなデザインに加え、素朴で巧みなカラーリングが僕の目をひきつけました。よーく見ると、ペダルとチェーンがあるため立派な「自転車」と考えるのが正しいでしょう。ところが前輪部分を見るといかにもモーターらしき物体が前面に取り付けられてます。これはいったいどういう役割なのか、さらに興味がわいてきます。
ブレーキレバーのつき方、主張感のあるサドル、右側後方のケース、細いけどもバランスがよさそうなスタンド等々、興味のあるアイテムがたくさんちりばめられているこの乗り物、とても気に入ってしまいました。レストランの歩道に停めてあり、オーナーの帰りをしばらく待っていたのですが、残念ながら持ち主は現れず、話が聞けませんでした。
メーカー名やモデル名などの「証拠」がどこにも見つけられず、つまり、写真に収めただけで、この乗り物の実態を調べるつては全くないということです。インターネット時代。モノ調べることが何百倍もラクになった今、ここまで無力感を味わったことは久しぶりです。画像ファイルのパターン・マッチングを得意とする検索エンジンもありますが、さすがにこの写真では結果はでません。敗北感に浸りながら、最後の手段に頼るときがきたようです。そうです「口コミ」です。もし読者の中で、もしこの乗り物の正体をご存知な方がいればぜひとも教えてください!
July 23, 2007
中国製オートバイ
最近、中国に関するニュースをたびたび耳にするようになりました。当然経済成長の話も多いのですが、同時に米国に輸入される食品や電化製品類に関する安全基準の緩さが問題になっているのも事実です。テレビニュースでは、魚類、甲殻類、野菜などが米国食品基準外の抗生物質を含んでいるケースが多いようで、輸入時の検査で入国不可となり、そのまま本国へ送り返されるケースが後を絶たないようです。ニュースではさらに、一旦送り返した物品がそのままUターンする形で再び米国の税関に入ってくるケースもあるようです。
オートバイ好きな僕は、ニューヨークで見かけるオートバイにはとても敏感です。この写真は、近所に停めてあったモノで、人工的なカウルの色、安っぽいメタル塗装等、電気なのかガスなのかわからないエンジン等々、おもちゃのようで今まで見たことのないオートバイでした。持ち主がいれば質問したのですが、残念ながらどこにも見かけなかったので、ひとまず写真にとっておいたのです。
なんと、中国メーカーによるオートバイということが後でわかり、ちょっとした驚きでした。かなり昔、日本のオートバイメーカーが中国でのコピー製品に手を焼いているというニュースを聞き、驚きと同時に失笑させられました。そして経済力がついた今、ついにここまでこれたわけなんでしょう。しかし、このデザイン、なんというか妙だと思いませんか?エンジンはどんな音なのか、乗り心地はいかなるものか、とても興味があります。
July 16, 2007
ガソリンの値段と「グリーン」
夏本番になってきました。そのせいなのか、本来のテーマでもあるニューヨークにみる広告やマーケティングのテーマが若干少なくなっているような気がしています。もしくは、暑さで僕の感覚が麻痺しはじめたのでしょうか。。。
ということで、今回のテーマは高騰しているガソリン代に関してなんとなく取り上げてみようと思いました。写真は近くのガソリンスタンドです。マンハッタン内はガソリンスタンドが少なく、かつ高いのですが、個々は比較的良心的な値段ということで、タクシー運転手が多く利用しています。Lukoil社とは、ここ数年でニューヨーク界隈で急激に伸びているロシア系非メジャー石油会社です。米国でも以前はメジャー系石油会社のシェアは高かったのですが、ここ数年このような非アメリカ石油会社が急速に成長しています。専門ではないので理由は不明ですが、やはり需要供給の関係からなのでしょうか?
さて、この日のガソリンの値段はガロンあたり3ドル23セントでした。日本的に計算しなおすとリッターあたり103.4円ということです。かなり高くなりました。昔の僕の記憶では米国のガソリン代は日本の4分の1程度という記憶がありました。さらに、9/11以前でもガロンあたり1ドルを割っていた時代をよく覚えています。この国でこれだけガソリンが上がると、問題がたくさんでてきます。ニューヨーク以外は通勤で車を利用するのが一般的で、片道1時間以上の通勤時間者も少なくないです。プリウスが売れるわけですね。さらに、輸送代がかかるということで、食品その他小売品がじりじり値上げします。さらには、代替エネルギーのエタノールを生成するために多量のとうもろこしを利用するため、とうもろこし代も高騰しています。
このエタノール。今では「グリーンアメリカ」の代表アイテムとして政治家が必死にアピールしています。確かに、最近のガソリンスタンドではエタノール10%混合ガソリンを普通に見かけるようになりました。果たして、この動きは本当に正しいのでしょうか?とあるテレビ番組では、エタノールを生成するためにより多くの石油燃料を使わなければいけない。というふざけた矛盾を公表していたりします。この国は「グリーン」を本気で考えているのか、僕にはそう思えないのです。
July 09, 2007
ファッション誌での発見
久々にファッション誌を楽しみました。数あるファッション誌の中で、写真の質、テーマの選び方など総合的に優れていると思うのが写真のGQです。魅力的な女性のカバーに惹きつけられたのも事実ですが、今回はその中の特集に驚かされました。
FALL PREVIEW GQ10というテーマにて、10ページにわたる秋ファッションの特集がありました。不思議なことに、この特集では、GQでも稀なアジア人のモデルが使われていたことに驚きました。そして、よく見ると知った顔で、「中田英寿」ではありませんか。これにはさすがにびっくりして思わず購入しじっくり読むことにしました。
米国では欧州のサッカーはほとんど放映されないのですが、以前、イタリア語チャンネルで週に1試合だけセリエAの試合が放映されていました。ラッキーにも中田選手がプレイするチームの試合が放映されると必死に見たことを思い出しました。イタリア語の実況解説は何を言っているのかわからなかったのですが、「Nakata, Nakata」と頻繁に呼ばれる放送をみつつ、その活躍を感じたものでした。英国への移籍時にも立派な英語で記者会見を受けている姿を見て、たいしたスポーツ選手だ!と思っていたのです。
そして、引退。今では世界を旅しているようで、こうした発想がコスモポリタンとして世界的にも受け入れられているのでしょう。ちなみに、この10ページのファッション特集では、中田氏をこう説明していました。We know what you're thinking: This guy doesn't look like a typical model. And you're right - he's not He's Hidetoshi Nakata, and he lives the kind of life a male model wishes he did. Nakata played professional soccer for a decade (primarily in Italy), appearing on three World Cup teams for Japan. Now, at the grizzled old age of 30, after retiring this past year, he travels the world. Sydney one week, New York the next - with plenty of stops in between to drop in at fashion shows in, say, Milan or Paris. All the designers seem to know him and are happy to accommodate him with a front-row seat. No more wind sprints, no more hooligans, no more locker rooms. Just the good life. クールですね。
July 02, 2007
日本は携帯先進国?
先週、米国ではiPhoneが発売されました。実際手にとってみると、携帯新時代を感じさせるデバイスでした。米国で携帯電話を持ち始めて、すでに10年が経ちました。仕事柄、今まで数え切れないくらい「日本の携帯は進んでいる」と語り続けてきました。しかし最近、僕の中では「近い将来、もしくはすでに米国の方が優れている」という思いがしてなりません。
過去日米両方の市場にて携帯電話の成長状況を見てきましたが、現在の日本の状況はグローバルな視点からは「健全な成長」とはどうしても思えません。お財布携帯などのような機能は、携帯電話事業者、小売店、金融機関が一体となって提供した素晴らしいサービスと思います。しかし、こうした日本独自の付加価値的サービス開発に躍起となっているうちに、日本以外の世界市場は全く異なった動きをしています。つまり、日本が携帯先進国としてその品質を国内だけで高めようと、多くの大手企業が人材や資産を集中的に投入した結果、全員が地球の離れ小島に島ごと移動してしまったというような感じなのです。
通話では、米国や欧州の携帯は日本では利用できません。欧米や中国で主流となっている方式に日本のキャリアが対応していないからです。僕の携帯は欧州や中国でも問題なく使えます。もちろんローミング代は請求されますが、それはそれで携帯事業者からすれば新たな収益源なわけです。データ通信では、日本では携帯メールが一般ですが、日本以外ではSMSというテキストメッセージが主流です。メールに比べて「絵文字」などの表現が足りないという声もありますが、日本以外ではそのような子供のような機能を必要としていません。それ以上に大切なこととして、SMSはGatewayや決済機関などの課金システムを経由するため、スパムが少なく、かつ企業としても別収入源としてマーケティング活動に利用できる仕組みなのです。さらに、携帯機器メーカーに関して言えば、日本製機器は日本での過酷な開発競争に全労力を注いでいる間にすっかり欧米の市場から消えました。つまり、Nokia, モトローラ、Samsung, LGなどと比較しても国際競争力が全くなくなったと言っていいでしょう。
今回はかなり辛口に書きましたが、読者の皆様には是非現実問題として心のどこかに留めておいて欲しく思ってます。米国ではワンセグ同様のサービスが着々と開始されています。そして、携帯利用者数も日本の3倍の市場です。日本での親指携帯世代と同様のSMS世代もこちらではしっかり育っています。さらに脅威なのは、日本独自の規格に固執するが故、携帯サービス周りのエンジニアが日本以外では活躍できない点です。せっかく「携帯先進国」の王冠を過去冠ってきた人材がその経験を世界で活用できないのはやはり残念ですね。そろそろ、日本の携帯関係者も「日本が一番、それ以外は数年ビハインド」という驕りを捨てて、世界市場を冷静に見てみてはいかがでしょうか?
June 26, 2007
プライド
今年も「プライド」のシーズンがやってきて、無事終了しました。ニューヨークの夏の風物詩でもある「プライド」は、セクシャル・マイノリティやリリジャス・マイノリティのための、市をあげてのイベントです。つまりは、ゲイやレズビアン達が一同に会して、ミーティングを行い、そして最終日の日曜日にはダウンタウンの5番街を華麗かつ賑やかなパレードで締めくくります。
写真は近所のバーの状況です。普段からゲイを中心とした顧客層のバーですが、プライド当日はご覧のように多くの人であふれてました。あいにく天候もよく、男同士、女同士(このバーは比較的女同士が多いのですが)のカップルがのびのびと楽しんでいる姿は、普段には見られない開放感がありました。
やはり僕はアジア人だし、ここで生まれたわけではないから、アメリカではマイノリティに属します。プライド当日に集まる人たちは、質の違いはあるもののやはり「マイノリティ」感があるのでしょう。このようなイベント時に、開放感に加え一般社会へ送るメッセージを強く感じます。最近とくに派手になってきたこのイベントですが、なんと50年以上の歴史があるということにも驚かされました。僕が生まれる以前からこうした集いがあったとは、なかなかたいしたものです。
June 18, 2007
新スタジアム
夏場に入りNBAやNHLのシーズンが終了し、米国のプロスポーツではMLBの試合が淡々と行われる時期となりました。(もちろんベッカムが加入するMLSというサッカーリーグも進んでいます)ここニューヨークでは、様々なフランチャイズ球団の新スタジアム建設がアツい話題になっています。
中でも最も話題となっているのが、MLBの両チーム、NY YankeesとNY Metsの新スタジアム建設です。両方とも、現在の球場のすぐ近くに建設予定ですでに工事が始まっています。NY Metsの球場は現在 Shea Stadiumと呼ばれていますが、新スタジアムでは Citi Fieldという名のスタジアムとなり金融のCitiGroupが命名権を獲得してます。一方ヤンキースタジアムはその伝統を重んじる性格からか、「ヤンキースタジアム」を引き続き利用します。
そして、お隣のニュージャージー州では、NBAのチーム「NJ Nets」が引越しを予定しています。引っ越す先はニューヨーク市ブルックリン。MLBに詳しい人であれば、LA Dodgersの発祥の地としてご存知かもしれません。さて、このブルックリンへの引越しですが、若干問題が発生しました。それは、新スタジアムの建設用地買収に関してです。写真はその予定地の壁に書かれた「抗議メッセージ」です。引越しの発表があって以来、住民による反対集会が数多く開かれており、その地域に住んでいる友人に誘われ何回か参加したことがありました。そこから1年以上経過し、買収は着々と進んでいるようですが、全員賛成というのは不可能なのでしょう。
NBAに特別の感情があるわけでもなく、予定地に住んでいるわけでもない僕にとって、この話はすっかり第三者的な立場になっています。もし自分がその場所に住んでいて、あまりNBAに興味がなければ、ただでさえ騒々しいニューヨークの住環境です。通行量が増えることで、よりやかましくなると思うとやっぱり反対するのでしょう。それが一般的な住民感情なのかもしれません。
June 12, 2007
ビールを買って鞄をもらう?
すっかり暑くなってきたニューヨークで、不思議なキャンペーンを見つけました。オーストラリア発祥で、ファンキーな鞄を製造販売しているCRUMPLERのものです。写真にある「看板を自転車で引っ張ってニューヨーカーに認知させるアイデア」は昨今のグリーンブームにもマッチし、お金をかけないSMBのキャンペーン事例としては面白いな!と思いました。鞄好きなら、ロゴの認知度もそこそこあるわけなので、バーゲンの告知としては悪くないはずです。
ところが看板に書かれているタグライン"Beer for Bags"を読むと、「むむっ」これはいったいどういうことか?と自然と興味がわいてきました。WebサイトをチェックするとポップなWebサイトの中に、このキャンペーンのマイクロサイトを見つけその趣旨を理解しました。つまり、指定されたビールを店舗に持参すれば、その引き換えに指定された鞄がもらえるということです。クレイジーなアイデア好きな米国ではありますが、これもその一例でしょう。もちろんYouTubeなども巧みに利用し、「低予算で高インパクト」というSMBキャンペーンの王道を見せてくれてます。
さて、本当にワークするのか確認するため、アサヒビール2ケースとラーメン一袋を買って店にのこのこ出向きました。笑顔で迎えてくれた店員のお姉さんは、まったく普通に「この組み合わせだとこの鞄です」と対象の鞄を出してきました。うーむ。鞄の価格はビール+ラーメンの値段よりも高いので確かにお得です。すかさず僕は、店内に積み重ねられているビールケースの山を指差し、「このビールどうするの?どこかに売り飛ばすの?」と聞くと、「暑いからみんなで飲むよ!」と笑顔で応えるお姉さんを見て、「そうだよね」と何故か納得してしまいました。
June 07, 2007
VODKA人気
どうやらウォッカが流行っているようです。ニューヨークのバーでも、Vodkaベースのカクテルに人気が集中していると、テレビや雑誌で最近取り上げていました。お酒好きの僕も、以前住んでいたブルックリンのWilliamsburg(ポーランド系移民が多く居住)では、酒屋に並ぶたくさんの種類のVodkaを楽しんだものでした。店員に勧められるまま数多くのウォッカを試してみたのですが、正直なところ違いがわからなかった思い出があります。
テレビ番組で最近のウォッカブームを取り上げていました。米国で一般の酒屋に流通しているウォッカを数種類選択し、バーやクラブ好きな若者に対して、ブラインドテストを試みたものです。試飲の前にテスターに対し「好きなVodkaブランドは?」と聞いたところ、その多くが「Grey Goose」と答えたことにまずは驚きました。「味が本当にわかるのか?」というのが僕の疑問でして、「好きな=おいしい」ではなく、きっと「好きな=好きなブランド」なんだろうと勝手に思い込み、ブラインドテストの結果を楽しみにしてました。結果は予想通り。Grey Gooseが好きと答えた人の多くが、ブラインドティスティング後「嫌いなVodka」と答えたことに静かに満足しました。
そんな状況を反映してか、屋外広告にもVodkaブランドを頻繁に見かけるようになりました。その中で久々に僕の目を引いたのが写真の広告です。Stolichnayaというロシア産ブランドです。広告表現に1920年代に盛んであった僕の好きな「Russian Avant-Garde/Constructivism」の要素が盛り込まれていたからです。その時代のソビエトに対して政治的な興味はないのですが、ポスターなどのアートに発展したこの分野はその当時の力強さや主張が出ていて好きでした。それ故、この広告が目に飛び込んで来たのでしょう。最近、米ロ関係が少々複雑になってきていますが、それを吹き消すかのようなこの配色やデザイン。早速このウォッカを買って飲んでみようと思ってます。
June 05, 2007
Stand-up Comedy (漫才)
ニューヨークは、ブロードウェイのミュージカル、リンカーンセンターのバレーやクラシック音楽などに代表されるように、劇場&芸術型のエンターテイメントがとても有名です。ところがその影で、ニューヨーカーやツーリスト達に地道に人気があるエンターテイメントが Stand-up Comedyと言えるでしょう。一言で説明すれば「漫才」です。一人話芸がメインですが、日本の漫才コンビのように2人もしくはそれ以上という場合もあります。
写真はダウンタウンにあるシアターです。数年前に設立されたこのシアターは、ライブ上映も可能とする設備が整えられ、この種の施設としては最上級の場所として人気があります。Stand-up Comedy会場は一般的にとても小さな間取りで、すぐそばで出演者が話すような一体感がありました。ここはそういった雰囲気はなく、新しい「漫才」会場として位置づけられます。
かつて友人に誘われ、何度か小さなコメディシアターに行ったことがあります。英語が第二外国語であり、大人になって米国に移ってきた僕にとって、理解できないジョークも多々あります。が、雰囲気は日本の漫才であり「話術」をもって、観客を引き込むその姿は、日米変わらないと思いました。人気テレビショーとなった Seinfeldなども、このコメディの出身です。ケーブルでは専門の放送局もあるこの分野。どの国にとっても笑いは必要なのでしょう。
May 30, 2007
食文化
大食いで早食いの僕は、食べることが大好きです。(食べることが嫌いな人はいないと思うのですが)アメリカの食事は大きくてまずいと一般的に言われてますが、ほぼ正解と言えるでしょう。「食は文化」とはよく言ったもので、欧州や日本などのアジア諸国に比べて、こちらの食事はかなり「あさい」と思います。以前読んだ本, The Culture Codeにて、フランス出身の学者が米国での食事を「Fuel」と言ってました。まさに言い得て妙です。
そんな米国ですが、ここニューヨークは若干状況が異なります。「人種のるつぼ=食事のるつぼ」でもあるわけで、日本食をはじめ世界各国の料理がその国のオリジナル性を維持したまま楽しめる環境にあります。さらに○△料理という選択肢だけでなく、レストランでも食材店でも、ベジタリアン、宗教による食材の制限、アレルギー体質などの個々の状況に応じてさまざまな選択肢やオプションが用意されているのが普通となっています。
日本の「食」と比べた場合、日本は確実においしいです。ただし、実は選択肢が限られていると思ったこともあります。たとえばベジタリアン用のメニューがない。とか、料理素材の情報がわからない等です。ニューヨークで食事をする際、メニューの中で使われている素材を一つ一つ確認することがあります。こうすることでアレルギー体質や宗教的制限を確認するわけですね。食べる側と作る側のインタラクションが、日本では若干欠けていると思います。
さて、写真はとあるサラダバーでのランチ時のものです。ニューヨーカーがランチで普段食べているものの一つの例と言えるでしょう。彼が食べているのはイチゴです。イチゴをスーパーで1パック買って、それをそのまま洗わずに食べています。依然勤めていた米系企業では、同僚がスライスされたスイカを食べながら会議室に入ってきて会議をしたことも思い出しました。フルーツだけのランチ、スープだけのランチ等々、それぞれの好みで忙しくFuelをRefillする感覚なんですね。
May 25, 2007
Made in Japanへの期待
先日、ニューヨークのJapan Societyにて開催された、石原東京都知事の講演を聞いてきました。「日米関係」を主題として、軍事、技術力、経済の3分野からの話は、マイノリティとして米国に住む僕にとっては心地の良いものでした。日米間の様々な事柄が「米国→日本」の一方通行になっている状態に懸念し嫌悪していた僕にとって、都知事の「日本だってすごい」話は爽快かつ深く心に響きました。
興味深かった話の一つに、日本の優れた技術力の話がありました。車やデジカメなど、目に見える部分での日本製の製品力は世界規模で評価されてます。都知事は、異なった視点にて、軍事にも利用可能なマイクロチップやLCDなどの要素技術や部品の優位性を強調してました。たとえばボーイング社の新機種787では、半分以上が日本製の部品や技術を利用しているようです。
気温が30度を超え夏の気配を感じた今日、都知事の講演を思い出しつつ、目に見える製品で日本製が優れていると思えるモノを改めて考えてみました。やはり家電は強く、薄型テレビ、DVDプレイヤーなどのAV製品などがその代表です。さらに米国では流通してない製品で確実に日本製が強いモノもあります。写真は部屋用のエアコンですが、こちらで売っているモノは重い、やかましい、電力消費が大きいの3重苦です。日本製はその逆でしょう。さらに、掃除機、洗濯機なども同じ分野になるはずです。ところが、いい話ばかりだけではなく、悪い話としては携帯電話機がその代表と言えるでしょう。米国の携帯は確実に発展しています。米国での携帯機器では、日本製はすっかり取り残されました。世界規模で考えた場合、日本の携帯電話業界はグローバルな流れからすっかり取り残された状況と思えるのが残念です。
May 22, 2007
グリーン (1) - スーパーの試み
ここ数ヶ月、米国のテレビ・新聞・雑誌などのメディアでよく話題になったり、広告にも扱われるテーマが「グリーン」です。原油の高騰からガソリン代を含め物価全体が上昇しているからなのか、それともこのテーマが選挙にとって都合がよいのか、自然や環境保護をテーマとした「グリーン」コンセプトが大人気です。このブログを開始した当初に取り上げた話題でもありますが、今後も不定期にグリーン特集を展開していこうと思いました。
大きな理由として、島国で育った私にとって「グリーン」は当然のテーマであり、今の米国の現状を見るとどうしても「本気なのか?」と首を傾げたくなるからです。むしろ「どうせポーズなんだろう」と思い込んでます。京都議定書に経済大国として唯一参画していない米国が、どうして今「グリーン」ブームとなっているか、僕自身も疑問でもあるため、街を歩きながら気になった事柄を取り上げて考えてみます。
写真は私の好きなスーパーの一つ Whole Foodsにあった「仕分けゴミ箱」です。ニューヨーク市では、実は5年以上前からゴミのリサイクルを市民に訴え続けてきました。青や緑などのゴミ箱の色にてゴミの分別を実施してましたが、内容がわかりにくくかつ徹底してないため、「本気なのか?」と当然思ってました。そんな中、このWhole Foodsのゴミ箱を見かけ、やはりこうでないと。と思った次第です。実際のサンプルを展示するだけで、すかっとわかりやすくなるのですね。ゴミの投入口の形を変えていることにあまり意味があるとは思いませんが、スペースを割いて実際のサンプルを提示させるだけで理解度が確実にアップします。
人種や生活水準の幅がかなり大きなニューヨークだからこそ、こうしたわかりやすいアイデアは貴重だと思います。僕の静岡の実家ではペットボトルは4種類くらいの分別ゴミに分けられます。これをアメリカで実施しようとしたら間違いなく失敗するでしょう。まずはこの写真のレベルから始めることが必要なんですね。電車で30分ほどのコネチカット州のとある都市では、スーパーのビニール袋利用を禁止したところもあり、スーパーを取り巻くレベルでは「グリーン」は徐々に実践されているかもしれません。
May 19, 2007
買収合戦
今週の米国インタラクティブ業界は、大きな企業買収劇が続きました。ニューヨーク拠点のインタラクティブ・エージェンシー 24/7 Real Media社が広告会社グループのWPPに700億円強にて、そしてシアトル拠点のインタラクティブ・コングロマリットのaQuantive社がマイクロソフト社に7000億円強にて買収されました。それ以前にも図(資料提供:wsj.com)に示されているように、DoubleClick社がGoogle社に、RightMedia社がYahoo!社にと業界の大手企業のM&Aがここ数ヶ月で起こってます。
これら渦中の企業にて以前働き、今でも深くこの業界に関係している僕にとっては、とても興味深い週とも言えたでしょう。買収額の妥当性といった話はウォール街の人たちに任せ、買収のメリットやその結末予想はディーるの詳細がわからないことには何とも言えません。かつてWeb1.0と呼ばれる時代に買収した側の企業で働いていた経験から、買収後のインテグレーションで重要となるポイントをちょっと考えてみました。
①事業(コアビジネス)のインテグレーション
事業内容でのシナジーは最も重要なIssueと思われます。その点で「MS-AQNT」は他に比べて弱いでしょう。以前、MSがゲーム内広告配信企業のMassive社を買収しました。コアビジネスが全く異なる2社でしたが、MSのコントロールが強まった結果、Massiveにいた友人達が少しずつ辞めていったことを思い出します。巨大ソフトウェア企業と広告関連技術会社、一見シナジーを見出せそうな関係ですが、実際は異なると思ってます。
②企業文化のインテグレーション
次に重要なのは企業文化などに見る人的な側面でしょう。事業統合に意味がある他3例では、「GOOG-DCLK」と「YHOO-RM」が良いのではないでしょうか。Google、Yahoo!両社とも企業文化の構築・維持に対する努力と投資を積極的に行っています。さらに、GOOG-DCLKはお互いのビジネスの補完関係が強くかつNYオフィスが同じビル内、YHOO-RMではすでに業務関係と資本関係が築かれていた等の要素があります。
以上、過去の経験から勝手な推測をしてみました。あと、こうした買収時に必ず話題となるのが雇用調整(レイオフ)です。私が思うに、今回はどの例においても派手なレイオフはないはずです。この業界は成長路線にありとにかく人材が不足してます。完全なマージではなく、独立ブランドとして共存させる形態をとる場合、余剰人的リソースを抱える買収側が買収先に流入させる逆のシナリオが発生するかもしれないでしょう。
May 15, 2007
Upfront でのキーワード
マディソン街はいつも忙しいのですが、特にメディア/広告業界関係者にとって5月のこの時期と11月のAdweek週は特別に活気が出てきます。まさに今週「Upfront」と呼ばれる、秋にかけてのの番組編成と方針に関して、米国のネットワーク放送局がマーケッターや広告代理店に対して発表するイベントがいたるところで開かれます。そこで発表される内容は、例えば「NBCはドラマの本数を減らし、リアリティショーやクイズを増やす」等々といったところです。
この週に関連してなのか、テレビスポット枠での自局ハウス広告やネットワーク放送局の屋外広告を数多く見かけます。写真もその例で、業界最大手の一つNBCのモノです。この広告、何の工夫もないPPTのプレゼンのように見えますが、このキーワードに僕はとても興味を持ちました。target, lead, innovate, engage, measure。今まではおよそ放送局とは縁遠かった単語でしょう。この業界にいた人はすでに気づかれたと思いますが、これらはダイレクトレスポンス型広告に頻繁に利用されていた言葉であって、いわゆるマス媒体に対して当てはめることはナンセンスだったはずです。
ここ1,2年間のメディアを取り巻くマルチチャネル化、マルチデバイス化は目を見張るものがあります。そして、米国放送業界もこの大きな流れに本腰を入れて投資や舵取りをはじめていることを様々な局面で認識してきました。そして今年のUpfront。ついに大手放送局も、ダイレクトレスポンス的な発想を「マス」と言われ続けてきた媒体に対して取り入れようとしているのでしょう。たとえそれがまだ先の話であっても、着手することに大きな意味があります。消費者のメディアに対する接し方が変化してきた昨今、ケーブル局含め全米総広告費の45%を占める放送媒体。この大きな母艦の行方を今後もしっかりと追っていきたいと思ってます。
May 10, 2007
MLBの中のアメリカ
僕は野球も好きだし、もちろんヤンキースのファンでもあります。MLBシーズンが始まると、ヤンキースの試合結果をトラックする日々となります。米国に来てMLBが身近になってはじめて、スタジアム観戦の楽しさを知ったのかも知れません。米国内の出張先でもMLBの試合があれば、知らないチームであっても足を運ぶようにしてます。
スポーツエンターテイメント自体とてもアメリカっぽいのですが、中でも毎試合必ず2回、アメリカを感じさせられる瞬間があります。最初は試合開始時の国歌斉唱。次が7回表終了後のGod Bless America斉唱です。試合開始時の国家斉唱は「野球を国技」的に扱う米国では当然のことで、他のプロフェッショナルスポーツ、それ以外の様々なスポーツイベントでも行わる儀式であり、米国に住む以上違和感はありません。困ることが、7回表終了後のGod Bless America斉唱です。
2001年9/11のテロ事件後数週間の間、MLBの試合は全米で中止されました。再開後ニューヨークでの最初の試合は、新庄選手が左翼を守るNY Metsでのホームゲームで、幸運にもチケットが入手できました。超満員のShea Stadiumはある種異様な雰囲気で、軍隊の入場行進から始まり、アメリカ国旗が乱れ咲く中、野球が行われたことを思い出します。そして、この時から7回表終了後にこの歌を流し始めたのです。歌が終わった後、「USA, USA, USA...」というコールが球場全体に響く中に身を置きながら、寒気と不快さを感じたことは今でも覚えてます。
歌詞も「神はアメリカを、そしてその大地を祝福し...」という内容で、一神教の環境で育っていない私にとっては、なかなか理解しがたいもの。さらに、「戦争に出かけた兵士のために...」などと前置きをされてしまうと、より???となってしまうのが本音です。いつまでこの儀式が続くのか、早く終わって欲しいのが本音です。まぁ、こんな難しいことを考えなくても、Wang投手や松井選手などのアジア出身選手が活躍してくれれば、それでHappyなんですが。
May 07, 2007
Rockefeller Center パブリック ゴルフ コース
5月の陽気がとても心地よいニューヨークのミッドタウン。あの有名なロッカフェラーセンター広場に突如出現したのがこのゴルフコース。今週末にフロリダで開催されるPGAツアーのTPC(THE PLAYERS Championship)のプロモーションイベントとして設営されました。写真の会場はTPCの名物17番ホールを再現し、一般の参加者が自由に挑戦できる仕掛けとなっています。
冠スポンサーは投資銀行のUBS。メディアパートナーであるNBCのお膝元ロッカフェラーセンターで、その他の協賛も含めた形でこのイベントは月曜の今日からツアー最終日の13日まで開かれます。昨年は開催地のフロリダで同様のイベントを実施したところ、約5万人の参加者があり、そのうちグリーンに1オンできた確率は15%程度とのことです。ニューヨーク初開催での結果が楽しみです。
早速僕もチャレンジしてみたのですが結果はショート、池ポチャでした。グリーンに乗せればスポンサー(Callaway)のボールセットが賞品です。はずしたとしても、実際のショットのビデオ(写真手前のスタッフがPCカメラにて撮影)を、後でレビューできるようなWebサイトを準備してます。僕の場合、プレーした30分後には登録したEメールアドレスにログイン情報が届けられ、自分のスイングのビデオと共にUBSのPre-Rollビデオ広告が流れます。
こうした仕掛けがあればEメールアドレスや住所などの情報を登録した価値があるでしょう。オフラインとオンラインを結ぶ「エンゲージメント」という点では手本となる仕掛けと言えます。つまり、半歩進んで「エンゲージメント」を考え、実施していかないと、マーケッターとして合格点とはならない時代になってきているようです。
April 30, 2007
ちょっとだけ見たいモノ
遠くでの戦争で多くの一般市民や、仕掛けた側の米軍も犠牲になっている一方、株価が連日上昇している米国市場に少し違和感を感じてしまいます。さらに、ニューヨークではここ数年、住居・オフィスビルともに建設ラッシュと言えるぐらい、街角での建設工事が目に付きます。これも好景気の象徴なのでしょうか?
当然、騒音問題や交通規制などの面倒なことが増えて、その都度住民は不便さや不快さを我慢することになります。そんな中、僕がこちらに引っ越した十数年前から変らない、ちょっとした「街のナイスな仕掛け」があります。それがこの写真です。わかりにくいと思いますが、これは工事現場(特にオフィスビルなどの大きな建築現場)の囲いの塀です。歩行者に瓦礫やほこりが届かないようにと、ぐるっと塀で囲うのは日本もニューヨークも同じでしょう。
ちょっと違うのが真ん中に空けられている小窓です。見事に人間の好奇心をくすぐるこの小窓。忙しいニューヨーカーも時折立ち止まって、中の工事の様子をちらっと見るシーンをよく見かけます。中を見たからといって、万華鏡のような特別な世界が展開されるわけでもなく、単に地面を掘り起こし、鉄筋を組み立てている通常の工事現場なのです。さらに、人間の目線の小窓とともに、犬の目線の小窓をあけているとても「ナイス」な現場も過去何回もみています。
商品やサービス。機能や利便性だけ追求しがちな最近の世の中だけに、このようにちょっと視点を変え、普通の人が普通に「ホッ」とする小さな仕掛けを見つけることは大切なのかもしれません。
April 26, 2007
ラップ車
10年以上も前のことです。ニューヨークに突如出現したラップバス(広告グラフィックで包まれたバス)を見てびっくりさせられました。その後このラップバスは世界中に普及し、日本でも長野オリンピックを皮切りに、今では公共のバスにも利用されているという話を聞いてます。
先日街を歩いていて遭遇したのが写真の「ラップ車」です。ベースとなる車がホンダのElementで、これは僕が乗っている車でもありその利便性に満足しているのですが、乗用車が「ラップ」されているのははじめて見ました。バス以外にここまでしっかりとラップしてある一般車を見て10年前とは異なった驚きと趣きがありました。
肝心のラップの内容が、ニューヨークの郊外に店を構える小さなクリーニング屋の広告であったことがその理由です。今までの概念では、このラップものはバスなどの公共交通機関を広告媒体とする大企業向け広告ベニューの一つとして考えられてました。したがって広告主も大手企業が中心です。ところが、乗用車やバンなどを上手にラップすることで、この写真のように商用車がそのまま広告ビークルとして活用できるわけです。
フィルムに特殊印刷を施し車を包むこの手法。技術が進んでかなり安価に実施できることになったのでしょう。そうなったことで、大企業だけが相手であったこのニッチな分野も中小、個人商店の範囲まで降りてきたように思えます。こんな所にも「ロングテール化」が垣間見える時代になっています。
April 23, 2007
ROIそれともブランディング?
肌寒かった西海岸から1週間ぶりにニューヨークに帰ってきました。昨夜空港から家に急いで帰ってレッドソックス戦を見たのですが、結果はあえなく3連敗。故障者続出のヤンキースには厳しい開幕ですが、弱いヤンキースは見たくないので早く復活して欲しいものです。
さて、ニューヨークの月曜。寒かった西海岸とは正反対に気温は30度に届きそうな勢いです。春を飛び越え夏に近づいた喜びからか、太陽を一杯あびながらユニオンスクエアの階段でランチを食べました。そこに、セグウェイに乗ったキャンペーン軍団が近づいてきました。全米屈指の商業銀行でニューヨークが拠点のChaseです。(正確には商業銀行だけでなく複合的な機能の銀行ですが難しいことは省きます)仕事柄興味が沸いたので、写真の運転者に質問してみました。
キャンペーンの目的は「新規口座開設」で、開設してくれた人にはもれなくTシャツプレゼントというオファー付きです。「Tシャツはいらないからセグウェイをください」との質問の答えはもちろん「だめ」。「じゃぁ今日は天気がいいから、運転だけさせて欲しいな」と聞くとこれももちろん「だめ」。そりゃそうですよね。でも、運転手とのジョークを中心としたやり取りはとても愉快なもので、ランチを食べながら暖かな陽気の下の暇つぶしにはとても楽しい出来事でした。
このキャンペーン。Chaseは何を期待しているのでしょうか?「新規口座数○○件獲得目標!」であれば少々的はずれだと思います。想像してみてください。晴天の公園にて銀行口座を開設する人が何人いるのでしょうか?しかも、たったTシャツ1枚というオファーでです。Chaseという銀行はニューヨーカーならほぼすべての人が知っている銀行なので、認知のためのゲリラマーケティングでもありません。ですので、セグウェイを利用した今回の目標は「リターン」でも「認知」なく、あくまでも「柔らかい銀行」というメッセージのブランディングに主眼を置いたゆるやかなものなのでしょう。
April 17, 2007
マイナーリーグ ベースボール
雨で大荒れのニューヨークから、またまた西海岸のシリコンバレーに来ています。仕事の合間を見つけて、今日は写真の球場で San Jose Giants対Modesto Nutsの試合を見ました。両方とも聞いたことがないチームなのは当然で、日本流に言えばプロの3軍あたりの組織に位置するチームなのです。
西海岸への出張が決まると同時にSJ Giantsの予定を調べ、今日の日を楽しみにしていました。3軍の試合がそんなに楽しみだった理由は、その球団で日本人の友人が働いているからです。仕事仲間のMさんを通じて知り合いになった、20代の若者S 君の球団職員としての働きぶりを一目見たいと思っていたのです。
球場に着き、Walkie Talkie(トランシーバー)を片手に現地のスタッフと一緒に試合前の球場を走り回って、立派に活躍しているS君の姿を見てとても嬉しく思いました。契約金含め総額百何十億円プラス ベビーシッター費用や通訳費用など生活上の経費まで球団が支払うという、日本人大リーガーが出現している一方、地方都市のマイナーリーグの球団職員として毎日泥まみれ・汗まみれになって働く日本人。共にアメリカの野球を舞台とした職業人のストーリーですが、庶民の僕にとっては後者のS君の活躍の方ががより眩しく美しく思います。
そして、写真の星条旗が半旗になっているのがわかりますか?バージニア州で悲しい事件があった翌日、現場から4000km以上も離れているマイナーリーグの試合開始時にも黙祷を全員が捧げることにしていました。ニューヨークに住みヤンキースを応援し続けている僕も、バージニア州の事件と共に、先日急逝した野球を愛し続けたスポーツ新聞デスクの宮川達也君への想いもそっと捧げました。
April 12, 2007
グラフィティ
ニューヨーク名物の一つでもあるグラフィティ。果たしてこれはアートなのでしょうか?歴史をさかのぼれば、古代ギリシャ時代の壁画もグラフィティの一つとして考えられ、それは、アートでもあり歴史を語る立派な証拠としても貴重な存在です。さらに、粋なグラフィティを廃墟などで見かけると、なるほどこれもアートなんだ。と思わせられることもあるのは事実です。さらに、「ニューヨークらしさ」を演出する大事な要素でもあることには同意です。
でも、やっぱりこれはいけないことでしょう。自分の家や車に対するグラフィティであれば思いきり派手に表現すればよいですが、他人のプロパティや公共のモノに対しては犯罪と考えられるのは当然です。近代グラフィティ発祥の地であるニューヨーク市でも、Anti-Graffiti Initiativesの名の下条例を整え、立派な犯罪として罰金の対象としてます。自分の住んでいるアパートの壁に落書きをされていたら、たとえそれが「アート」らしくても毎日見るたびに不機嫌になるでしょう。
ニューヨーク発のこの悪い行為が世界中に拡散しているようです。日本でも問題になっているという話を聞きました。パリ、バルセロナ、ベルリンなどの美しい欧州の都市でも、必ずやこのグラフィティを見かけてがっかりします。ニューヨークという200歳そこそこの青年都市の悪い行為が、その数倍の歴史を持つ日本や欧州の美しい都市を汚している事実に対して、時に腹が立つこともあります。
April 09, 2007
American Idol - その3
気温が上がらずダウンが離せないような珍しい4月を迎えているニューヨークです。お休みしていたBlogも元気に復活し、今回のテーマは人気番組 American Idol(AI)をまたまた取り上げてみます。
決勝ラウンドに進んだこの番組、先週まででベスト8まで絞り込まれております。このBlogでは、予選の面白さ、Melindaというシンガーの存在と2つのテーマを取り上げてきました。今回は、テレビ番組としてのAIを考えてみます。毎回15%以上という相変わらずの高視聴率を維持していますが、この影には「歌唱力コンペティション」と「大衆娯楽番組」との2つの異質な番組特性を巧みに編集/コントロールしている努力があると思います。
「歌唱力コンペティション」としては、現在のトップ3 女性シンガーのようにすぐにでもプロに転向できる実力を持った出演者を抱え、次なるパフォーマンスを期待させる仕組み。これはこれで素晴らしいのですが、この特性だけに着目していると番組が「固く」なるだけでプライムタイムで高視聴率を維持するのは厳しいのでしょう。そこでFoxは「大衆娯楽番組」の要素を決勝ラウンドから見事に取り込んでいます。「一般聴衆による投票」という地味な仕掛けが、娯楽番組性を引き出す「てこ」の役となっていることに気づきました。視聴者からの課金投票にて広告収入以外の収益を番組として確立したと思われがちなこの仕組み。実は、AIの高視聴率を維持するための影の立役者であり、新収益源以上の意味があるはずです。
歌唱力は最悪ですが、そのユニークなルックスと髪型で今でもベスト8に残っているSanjaya君。
最悪な人に投票しよう!というWebサイトでも取り上げられているように、今では10代を中心として、この17歳のインド系の少年Sanjaya君に投票することが一つのブームとなってます。ここまで来ると、優勝者はMelindaのような素晴らしい歌唱力を持ったシンガーではなく、組織票を獲得できた人となる可能性もでてきて、より娯楽性が高まるわけです。一般聴衆による投票制度が「一人の個人が複数回投票できてしまう仕組みなのでアンフェアだ」と、当初僕も思ってました。しかし、番組が真剣なコンペティションではなく娯楽番組として考えれば、複数票、組織票なんでもよいわけで予想とは全く異なる結果の可能性もあるといったスリル感も芽生えます。もし番組制作者が初めからこの2種の要素をミックスさせて狙っていたとしたら、それはかなり優秀な集団といえるのではないでしょうか?
March 29, 2007
訃報のため一時休止します
昨晩、大学時代からの親友が急逝したという訃報が突然私を襲いました。学生時代のコト、彼がNYに駐在していた時代のコト、東京で飲み歩いたコトなどいろいろな話が思い出されます。こういう状況ですので、新しいトピックスの掲載は一旦休止し、落ち着きを取り戻してからまた開始させてください。
March 26, 2007
Just a small accident
ニューヨークでの久々の週末をゆっくりしました。気温も少しずつ上がり春らしくなってきたので、散歩をしていたところ、ちょっとした事件に遭遇しました。写真がその現場ですが、赤いフェラーリの周りで警官と数人の野次馬が集まってました。散歩中で暇だった僕も興味津々で野次馬の一人となり、一通り状況を把握してみました。
赤いフェラーリが交差点の近くで軽く「おかまを掘った」ということがわかりました。写真でどうにか見える程度ですが、車の前方横全体に白く塗装がかぶっており、この部分が白いレガシーの車体後部にささったようです。この現場での関係者は3種。フェラーリのドライバー(写真後姿の白人)、レガシーの乗員(ドライバーを含めユダヤ系の女性3名)、白人警官2名です。近くで見ていた僕にレガシー乗員の1人が「It's just a small accident.」とささやきながら、忙しそうにレガシーと警官との間をいったり来たりしている一方、レガシーの他の乗員は警官に対し「修理代が余裕で100万円を超えそうな車ってことを懸念している」、「私達は普通に停車していただけなのに、後ろから。。。」といろいろと話してました。その横では、警官はフェラーリの運転手に「キーをはずしてよこせ!」と怒鳴ったりしており、確かにsmall accidentではありますが、コトがフェラーリだけにその後の展開がどうなるのか野次馬好奇心が一杯でした。
実はこの状況、自分に置き換えて考えて見ると、若干雲行きが変ります。もし自分がレガシーの運転手で、自分以外の当事者が警官含めて白人の場合、例えフェラーリの持ち主が100%悪くても僕の状況は不利になる可能性が高くなるでしょう。僕は過去の様々な経験から白人のNY市警は好きではなく、このような状況下では確実に自分に不利に作用することが経験上簡単に想像できるからです。この事件では、レガシー側は3名の聡明そうなユダヤ系女性であったため、白人市警もレガシーの立場になってフェラーリの運転手を怒鳴ったりしていたのですが、レガシー運転手が僕やマイノリティであった場合は対応が確実に異なるでしょう。彼女はジョークも兼ねて「small accident」と言ったのでしょうが、もし僕であれば確実に「big accident」となるわけです。などなどと考えながら、ホントに修理代は100万以上かかるかな?とも思ったりした週末でした。
March 20, 2007
カリフォルニア
カンファレンスの出席と打合せを兼ねて、カリフォルニア州のMontereyとMountain Viewに来ています。ニューヨークが寒波と積雪に見舞われている中、ラッキーにも暖かな陽気と青い空と海に囲まれた数日を過ごしています。
写真はMontereyでの一こま。この地はゴルフ好きではぺブルビーチゴルフリンクス。ジャズ好きにはジャズフェスティバルで知られています。今回はそのどちらも楽しめなかったのですが、ロケハンとしては成功です。そんな中、セミプロゴルファー→投資銀行家→ソフトウェア起業家という経歴にて、今はゴルフのティータイムの予約システム会社を経営している実業家Isaacとカンファレンスで仲良くなりました。ぺブルビーチのような誰もがプレーしたいゴルフコースではその予約にリバースオークションが裏では大活躍しているとのことです。さらに、週末では予約だけで150万円以上払ってでもプレーしたい富裕層はざくざくいる。と、彼は言ってました。「確かにいるだろうな」と思う反面、それじゃ僕のような一般ピープルがプレーできる機会はゼロに近いんだ。と思うとちょっと残念ですね。
その後Mountain View市に移動してきました。実はこの市は僕にとってとても懐かしい響きがあります。というのも、僕の生まれ育った磐田市はこのMoutain View市と姉妹都市関係にある(あった?)のです。30年も前に磐田中部小学校に通っていた時、鼓笛隊で笛を吹きながら、Mountain View市のスタッフを学校に迎えたことをはっきりと覚えています。というのも白人を近くで見て、握手したこともすべてがはじめてだったからかもしれません。それから30年、このMountain View市はシリコンバレーの都市として様々なハイテク企業を誘致し、今となってはあのGoogle社が本社を構える都市としてその存在感を示しています。日本の自治体の姉妹都市というものがどのような定義で、いかなる背景で結ばれるのかは知りませんが、姉の立派な成長を遠くで眺めるちょっと寂しい妹が僕のホームタウンなんですね。
March 16, 2007
誕生日の祝い方
レストランで食事をしていると、急に照明が落とされ暗くなり、奥の方から列を成した店員がろうそくつきのケーキを運び、着飾ったカップルの前で「Happy birthday to you~」と唄い出す。自分を含めた周りの客も、全く知らない人の誕生日をお祝いする。そんな風景によく出会います。僕は正直なところ、このセレモニーは嫌いです。いつ、どこからこの意味のないイベントが始まったのかは知りませんが、多分アメリカ発だろうと思ってます。
365日の中の1日という貴重な記念日である誕生日を祝うことは素晴らしいことです。でも、全く関係のないレストランの従業員、自分達以外の客を巻き込んで何が楽しいのか?僕には理解できません。僕にとって、家族、親族、友人、職場の人たち等々、自分にとって大切な人からの言葉や気持ちさえあれば十分Happyで、他人から何と言われようが安っぽい社交辞令に聞こえてしまうのはひねくれてるからでしょうか。
今日は仕事関係のカンファレンスに出席していました。参加者で近々誕生日を迎える人がいるようで、その人の前祝を皆の前で堂々としていて、いかにもアメリカらしいなと思いつつも、定番の銀色の風船が出てこなくて残念でした。風船と同じく、ニューヨークでは「花」を売っている場所が多いです。写真もその一例でして、どんなに寒さが厳しい日でも花の需要は絶えません。オレンジ色のチューリップや、ピンクのガーベラなど派手な花も取り揃え、誕生日や記念日をそれぞれお祝いするからなのでしょう。
カンファレンスで遭遇したように、例えば今日の3月16日。誕生日を迎える人は世界中にはたくさんいます。きっとそれぞれ特別な日として迎えているわけですね。どんな立場であれ、個々にとって特別な日として影ながら祝福したいと思ってます。
March 14, 2007
Melinda Doolittle
仕事でもプライベートでも、日々いろいろなコトが起こって、その都度喜んだり、悔しがったり、怒ったり。人って忙しいモノだと思います。ここニューヨークが10年以上住んでいる場所であっても、移民である以上、小さなことから大きなことまで、様々な事柄で揺り動かされることは仕方ないことなのでしょう。
そんな中、ここ数週間の間に僕の心を別の意味で大きく揺るがすシンガーがでてきました。写真のMelinda Doolittleです。以前のトピックスにてAmerican Idol(AI)を取り上げましたが、現在6回目のクールが進行中で、今日現在ではトップ12に絞り込まれており、Melndaはその中の一人です。ちょっと恥ずかしいのですが、彼女の歌を聴くと涙が出てくるぐらい気に入っています。
何故そこまで思い入れてしまったか。大きな理由は3つあります。一つは、彼女の職業が Background Vocal (バックコーラス)で仕事としてはいつも裏方であったこと。二つ目には、容姿が一般受けしないであろうこと。そして、最後はインタビューでの受け答えから垣間見る人柄と「歌唱力」というHuman Skill。この3点が見事に僕の全身に響いてしまいました。ようは「本質」なのです。どんなジャンルであっても、容姿やレトリックではなく「本質」だけが人々の心に強く訴えることができるモノであることを確信させてくれました。AIに関連するBlogをSkimしても、Melindaを中傷するようなコメントは皆無で、その「本質」を視聴者ほぼ全員が認めていると言っていいでしょう。
昨日のAIトップ12ライブ放送でのMelindaのパフォーマンスでは、審査員のPaulaが涙、Melindaも涙。そしてテレビの前の僕も涙。というはたから見ればとてもヘンな状況でした。辛口審査員のSimonは、あの大御所Gladys Knightに例えたり、とにかく僕はすっかりやられてます。以下のYouTubeでその内容を見れますので、時間があったら音量を上げて本人の言葉と審査員のコメント、そして歌を聴いてみてください。そして、AIが「米国版スター誕生」なのか、それとも全く別物なのか考えてみてはいかがでしょう。
地域オーディション
ハリウッド第一回
ハリウッド第二回
ハリウッド第三回
March 13, 2007
ニューヨーク・ヨガ
最近ヨガを始めてみました。笑えるぐらい体の固い僕にとって、始めるまでの第一歩がとても大きな決心だったことは言うまでもありません。つまり、先入観としてありえないへんてこなポーズができるまで、ぎしぎし絞られるのではないか。という恐怖があったからです。
ニューヨークにはヨガ教室がたくさんあります。昔から少し興味があり、ヨガのインストラクターが知り合いにいたりして、実は身近に感じてました。が、あのポーズが目に浮かぶたび「自分とは縁のない世界」と思うようにしてました。ところがどうした理由か、好奇心が恐怖心に勝ってしまい、思い足取りではありますが写真のヨガ教室の扉をノックしました。
もちろん初心者コースでしたが、「なんだ簡単ではないか。何を恐れていたのか」というのが第一印象です。細かなテクニカルな話はさておき、Hatha式の基本形をインストラクターに従って真似すればよいのです。インストラクターは時折「no competition, no winner」とソフトなタッチで呼びかけるのですが、このセリフがニューヨーカーにはとても心地いいのです。競技ではないので、できなくても誰にもとがめられないわけです。いつも忙しく、仕事や生活に追われるニューヨーク・ライフではこうした一時はとても重要ってことを改めて知りました。
お香をたいたり、インストラクターと一緒に唄を歌ったりと、雰囲気を盛り上げるためなのか怪しい演出もありますが、そこは深く考えず、ストレッチ+リラックスという目的で手ごろに楽しめ、続ける価値があるものだと思います。歴史をたどれば15世紀のインドから誕生したようですが、すっかりニューヨーク化された「ニューヨーク・ヨガ」としての存在感があると僕は思いました。
March 09, 2007
マーチ・マッドネス
1月にはスーパーボール、2月にはオスカー賞と、米国テレビ業界は年初の2ヶ月で番組あたりの総広告費第1位と2位の大物番組が連続しました。3月になるとその勢いは一段落し、スポーツ分野においても4月開幕のMLBを静かに待つ状態です。と思いきや、実は根強い人気のアマチュアスポーツがあります。
それは「マーチ・マッドネス」と呼ばれる、NCAA(全米大学)バスケットボール選手権大会です。地域リーグを好成績で勝ち抜いた全米64の大学が、トーナメント方式にて全米一を目指すこのイベントは、その地域の住民のみならずOBやOGをもアツくさせます。さらに、オフィスなどではトトカルチョも行われ、自分のひいきのチーム+賭けたチームの勝敗に一喜一憂したことを思い出しました。テレビ放映だけでなく、昨年からはオンラインでの放送も盛んに行われるようになってます。
大学バスケといってもこのトーナメントに出てくる選手のレベルはかなり高く、ここでの活躍がその後のNBAドラフトに直結するとあって、選手も母校のため、そして自分の将来のために一試合一試合が真剣勝負です。プロとは異なり、後のないトーナメント形式。その真剣さが根強い人気の源なのでしょう。ところで、写真は僕が卒業した学校のジムでの一コマです。ニューヨークのダウンタウンにあってスーパー・リベラルな学校であるため運動は苦手。バスケット部はNCAAのレベルには程遠く、ダンクシュートができる選手がいるのを見て少しホッとしました。僕の出身高校が甲子園に出られないのと同じように、この大学もトーナメントには全く縁がないと思うと、やっぱり残念です。
March 06, 2007
NY版 オンライン・グローサリー
ニューヨーカーにとって馴染みの深い宅配トラックには FedexやUPSなどの一般宅配サービスのほかに、写真のFreshdirectがあります。Freshdirectを一言で表現すると、「ニューヨークのオンライン・スーパーマーケット」です。インターネットの仕事が長い人にとっては、WebvanやPeapodの失敗に見られるように、このようなビジネスモデルは「失敗例」として簡単に片付けられてしまいます。しかし、僕にとってニューヨークでのFreshdirectに対しては若干異なった印象があります。
確かにFreshdirectの企業経営は2002年設立以降、赤字続きかもしれません。宅配対象エリアをニューヨーク近郊以内に制限し、登録顧客数25万、社員数300名、宅配ドライバー1000名以上にて、たとえ500万オーダーを処理してきたとしても、薄利多売のビジネスモデルでは赤字が続いても仕方ないでしょう。
でも何故か僕はこの会社が好きです。ニュースでは一時期「Freshdirectに対する駐車違反の罰金が大変な額になっている」と伝えていた程、ニューヨークの至るところで日々必死に食物を配達しているトラックを見ると、何故か応援したくなってきます。僕は一度も使ったことがないのですが、忙しいニューヨーカーのこと、重宝している友人達の話はよく耳にします。前に住んでいたブルックリンでも、「Freshdirectの配送対象エリアになった」というニュースにビルの住人が大喜びしたこともありました。
その土地のライフスタイルや消費パターンをしっかり研究し、真のユーザーにとって重宝がられているサービスを、日々黙々とこなしているこの会社。単に「企業経営の成功or失敗」だけでは片付けたくない別の軸にて今後も着目していきたいと思ってます。
March 02, 2007
ゲイ・チャンネル
「ついに来た!」という気持ちで、地下鉄のホームに掲載されていた屋外広告を見ました。here!というケーブル放送での「ゲイ」チャンネルです。僕の住んでいる場所がとてもリベラルなエリアですので、多くのゲイ・カップルを日々見てすごしてます。すでに日常の風景に同化してるので違和感はゼロ。専門チャンネルができて当然でしょう。
自宅では、Hi Definition、オンデマンド、楽曲配信含めて数百チャンネルに及ぶケーブルを月額8000円弱にて楽しんでいます。地上波ネットワーク局以外に、ニュース、スポーツ、料理、子供番組等々様々なカテゴリーに特化した多数のチャンネルがある中、ついにゲイチャンネルもそのラインアップに加わりました。今の僕の購読オプションではこのhere!チャンネルは含まれてなく、コンテンツを視聴することができないので、この先内容に関しては評価しかねます。
こちらでは、同性愛の結婚が合法か否か。子供のアダプションは是か非か。雇用や入学などの人権は。等々、真剣に多くの議論が日々なされています。隣のニュージャージー州では、現役州知事が「私はゲイ」と告白し自らその地位を退いたり、はたまた私の前職ではボスを含め、多くの男性同士、女性同士のカップル達に囲まれ仕事をするなど、まさに日常の一部となってます。そんな中、やっぱりケーブルでも専門局があったんだ。と改めて認識させられた朝の通勤途中の一瞬でした。
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