June 26, 2007

プライド


今年も「プライド」のシーズンがやってきて、無事終了しました。ニューヨークの夏の風物詩でもある「プライド」は、セクシャル・マイノリティやリリジャス・マイノリティのための、市をあげてのイベントです。つまりは、ゲイやレズビアン達が一同に会して、ミーティングを行い、そして最終日の日曜日にはダウンタウンの5番街を華麗かつ賑やかなパレードで締めくくります。

写真は近所のバーの状況です。普段からゲイを中心とした顧客層のバーですが、プライド当日はご覧のように多くの人であふれてました。あいにく天候もよく、男同士、女同士(このバーは比較的女同士が多いのですが)のカップルがのびのびと楽しんでいる姿は、普段には見られない開放感がありました。

やはり僕はアジア人だし、ここで生まれたわけではないから、アメリカではマイノリティに属します。プライド当日に集まる人たちは、質の違いはあるもののやはり「マイノリティ」感があるのでしょう。このようなイベント時に、開放感に加え一般社会へ送るメッセージを強く感じます。最近とくに派手になってきたこのイベントですが、なんと50年以上の歴史があるということにも驚かされました。僕が生まれる以前からこうした集いがあったとは、なかなかたいしたものです。

June 18, 2007

新スタジアム


夏場に入りNBAやNHLのシーズンが終了し、米国のプロスポーツではMLBの試合が淡々と行われる時期となりました。(もちろんベッカムが加入するMLSというサッカーリーグも進んでいます)ここニューヨークでは、様々なフランチャイズ球団の新スタジアム建設がアツい話題になっています。

中でも最も話題となっているのが、MLBの両チーム、NY YankeesとNY Metsの新スタジアム建設です。両方とも、現在の球場のすぐ近くに建設予定ですでに工事が始まっています。NY Metsの球場は現在 Shea Stadiumと呼ばれていますが、新スタジアムでは Citi Fieldという名のスタジアムとなり金融のCitiGroupが命名権を獲得してます。一方ヤンキースタジアムはその伝統を重んじる性格からか、「ヤンキースタジアム」を引き続き利用します。

そして、お隣のニュージャージー州では、NBAのチーム「NJ Nets」が引越しを予定しています。引っ越す先はニューヨーク市ブルックリン。MLBに詳しい人であれば、LA Dodgersの発祥の地としてご存知かもしれません。さて、このブルックリンへの引越しですが、若干問題が発生しました。それは、新スタジアムの建設用地買収に関してです。写真はその予定地の壁に書かれた「抗議メッセージ」です。引越しの発表があって以来、住民による反対集会が数多く開かれており、その地域に住んでいる友人に誘われ何回か参加したことがありました。そこから1年以上経過し、買収は着々と進んでいるようですが、全員賛成というのは不可能なのでしょう。

NBAに特別の感情があるわけでもなく、予定地に住んでいるわけでもない僕にとって、この話はすっかり第三者的な立場になっています。もし自分がその場所に住んでいて、あまりNBAに興味がなければ、ただでさえ騒々しいニューヨークの住環境です。通行量が増えることで、よりやかましくなると思うとやっぱり反対するのでしょう。それが一般的な住民感情なのかもしれません。

June 12, 2007

ビールを買って鞄をもらう?


すっかり暑くなってきたニューヨークで、不思議なキャンペーンを見つけました。オーストラリア発祥で、ファンキーな鞄を製造販売しているCRUMPLERのものです。写真にある「看板を自転車で引っ張ってニューヨーカーに認知させるアイデア」は昨今のグリーンブームにもマッチし、お金をかけないSMBのキャンペーン事例としては面白いな!と思いました。鞄好きなら、ロゴの認知度もそこそこあるわけなので、バーゲンの告知としては悪くないはずです。

ところが看板に書かれているタグライン"Beer for Bags"を読むと、「むむっ」これはいったいどういうことか?と自然と興味がわいてきました。WebサイトをチェックするとポップなWebサイトの中に、このキャンペーンのマイクロサイトを見つけその趣旨を理解しました。つまり、指定されたビールを店舗に持参すれば、その引き換えに指定された鞄がもらえるということです。クレイジーなアイデア好きな米国ではありますが、これもその一例でしょう。もちろんYouTubeなども巧みに利用し、「低予算で高インパクト」というSMBキャンペーンの王道を見せてくれてます。

さて、本当にワークするのか確認するため、アサヒビール2ケースとラーメン一袋を買って店にのこのこ出向きました。笑顔で迎えてくれた店員のお姉さんは、まったく普通に「この組み合わせだとこの鞄です」と対象の鞄を出してきました。うーむ。鞄の価格はビール+ラーメンの値段よりも高いので確かにお得です。すかさず僕は、店内に積み重ねられているビールケースの山を指差し、「このビールどうするの?どこかに売り飛ばすの?」と聞くと、「暑いからみんなで飲むよ!」と笑顔で応えるお姉さんを見て、「そうだよね」と何故か納得してしまいました。

June 07, 2007

VODKA人気


どうやらウォッカが流行っているようです。ニューヨークのバーでも、Vodkaベースのカクテルに人気が集中していると、テレビや雑誌で最近取り上げていました。お酒好きの僕も、以前住んでいたブルックリンのWilliamsburg(ポーランド系移民が多く居住)では、酒屋に並ぶたくさんの種類のVodkaを楽しんだものでした。店員に勧められるまま数多くのウォッカを試してみたのですが、正直なところ違いがわからなかった思い出があります。

テレビ番組で最近のウォッカブームを取り上げていました。米国で一般の酒屋に流通しているウォッカを数種類選択し、バーやクラブ好きな若者に対して、ブラインドテストを試みたものです。試飲の前にテスターに対し「好きなVodkaブランドは?」と聞いたところ、その多くが「Grey Goose」と答えたことにまずは驚きました。「味が本当にわかるのか?」というのが僕の疑問でして、「好きな=おいしい」ではなく、きっと「好きな=好きなブランド」なんだろうと勝手に思い込み、ブラインドテストの結果を楽しみにしてました。結果は予想通り。Grey Gooseが好きと答えた人の多くが、ブラインドティスティング後「嫌いなVodka」と答えたことに静かに満足しました。

そんな状況を反映してか、屋外広告にもVodkaブランドを頻繁に見かけるようになりました。その中で久々に僕の目を引いたのが写真の広告です。Stolichnayaというロシア産ブランドです。広告表現に1920年代に盛んであった僕の好きな「Russian Avant-Garde/Constructivism」の要素が盛り込まれていたからです。その時代のソビエトに対して政治的な興味はないのですが、ポスターなどのアートに発展したこの分野はその当時の力強さや主張が出ていて好きでした。それ故、この広告が目に飛び込んで来たのでしょう。最近、米ロ関係が少々複雑になってきていますが、それを吹き消すかのようなこの配色やデザイン。早速このウォッカを買って飲んでみようと思ってます。

June 05, 2007

Stand-up Comedy (漫才)


ニューヨークは、ブロードウェイのミュージカル、リンカーンセンターのバレーやクラシック音楽などに代表されるように、劇場&芸術型のエンターテイメントがとても有名です。ところがその影で、ニューヨーカーやツーリスト達に地道に人気があるエンターテイメントが Stand-up Comedyと言えるでしょう。一言で説明すれば「漫才」です。一人話芸がメインですが、日本の漫才コンビのように2人もしくはそれ以上という場合もあります。

写真はダウンタウンにあるシアターです。数年前に設立されたこのシアターは、ライブ上映も可能とする設備が整えられ、この種の施設としては最上級の場所として人気があります。Stand-up Comedy会場は一般的にとても小さな間取りで、すぐそばで出演者が話すような一体感がありました。ここはそういった雰囲気はなく、新しい「漫才」会場として位置づけられます。

かつて友人に誘われ、何度か小さなコメディシアターに行ったことがあります。英語が第二外国語であり、大人になって米国に移ってきた僕にとって、理解できないジョークも多々あります。が、雰囲気は日本の漫才であり「話術」をもって、観客を引き込むその姿は、日米変わらないと思いました。人気テレビショーとなった Seinfeldなども、このコメディの出身です。ケーブルでは専門の放送局もあるこの分野。どの国にとっても笑いは必要なのでしょう。