March 29, 2007

訃報のため一時休止します

昨晩、大学時代からの親友が急逝したという訃報が突然私を襲いました。学生時代のコト、彼がNYに駐在していた時代のコト、東京で飲み歩いたコトなどいろいろな話が思い出されます。こういう状況ですので、新しいトピックスの掲載は一旦休止し、落ち着きを取り戻してからまた開始させてください。

March 26, 2007

Just a small accident


ニューヨークでの久々の週末をゆっくりしました。気温も少しずつ上がり春らしくなってきたので、散歩をしていたところ、ちょっとした事件に遭遇しました。写真がその現場ですが、赤いフェラーリの周りで警官と数人の野次馬が集まってました。散歩中で暇だった僕も興味津々で野次馬の一人となり、一通り状況を把握してみました。

赤いフェラーリが交差点の近くで軽く「おかまを掘った」ということがわかりました。写真でどうにか見える程度ですが、車の前方横全体に白く塗装がかぶっており、この部分が白いレガシーの車体後部にささったようです。この現場での関係者は3種。フェラーリのドライバー(写真後姿の白人)、レガシーの乗員(ドライバーを含めユダヤ系の女性3名)、白人警官2名です。近くで見ていた僕にレガシー乗員の1人が「It's just a small accident.」とささやきながら、忙しそうにレガシーと警官との間をいったり来たりしている一方、レガシーの他の乗員は警官に対し「修理代が余裕で100万円を超えそうな車ってことを懸念している」、「私達は普通に停車していただけなのに、後ろから。。。」といろいろと話してました。その横では、警官はフェラーリの運転手に「キーをはずしてよこせ!」と怒鳴ったりしており、確かにsmall accidentではありますが、コトがフェラーリだけにその後の展開がどうなるのか野次馬好奇心が一杯でした。

実はこの状況、自分に置き換えて考えて見ると、若干雲行きが変ります。もし自分がレガシーの運転手で、自分以外の当事者が警官含めて白人の場合、例えフェラーリの持ち主が100%悪くても僕の状況は不利になる可能性が高くなるでしょう。僕は過去の様々な経験から白人のNY市警は好きではなく、このような状況下では確実に自分に不利に作用することが経験上簡単に想像できるからです。この事件では、レガシー側は3名の聡明そうなユダヤ系女性であったため、白人市警もレガシーの立場になってフェラーリの運転手を怒鳴ったりしていたのですが、レガシー運転手が僕やマイノリティであった場合は対応が確実に異なるでしょう。彼女はジョークも兼ねて「small accident」と言ったのでしょうが、もし僕であれば確実に「big accident」となるわけです。などなどと考えながら、ホントに修理代は100万以上かかるかな?とも思ったりした週末でした。

March 20, 2007

カリフォルニア


カンファレンスの出席と打合せを兼ねて、カリフォルニア州のMontereyとMountain Viewに来ています。ニューヨークが寒波と積雪に見舞われている中、ラッキーにも暖かな陽気と青い空と海に囲まれた数日を過ごしています。

写真はMontereyでの一こま。この地はゴルフ好きではぺブルビーチゴルフリンクス。ジャズ好きにはジャズフェスティバルで知られています。今回はそのどちらも楽しめなかったのですが、ロケハンとしては成功です。そんな中、セミプロゴルファー→投資銀行家→ソフトウェア起業家という経歴にて、今はゴルフのティータイムの予約システム会社を経営している実業家Isaacとカンファレンスで仲良くなりました。ぺブルビーチのような誰もがプレーしたいゴルフコースではその予約にリバースオークションが裏では大活躍しているとのことです。さらに、週末では予約だけで150万円以上払ってでもプレーしたい富裕層はざくざくいる。と、彼は言ってました。「確かにいるだろうな」と思う反面、それじゃ僕のような一般ピープルがプレーできる機会はゼロに近いんだ。と思うとちょっと残念ですね。

その後Mountain View市に移動してきました。実はこの市は僕にとってとても懐かしい響きがあります。というのも、僕の生まれ育った磐田市はこのMoutain View市と姉妹都市関係にある(あった?)のです。30年も前に磐田中部小学校に通っていた時、鼓笛隊で笛を吹きながら、Mountain View市のスタッフを学校に迎えたことをはっきりと覚えています。というのも白人を近くで見て、握手したこともすべてがはじめてだったからかもしれません。それから30年、このMountain View市はシリコンバレーの都市として様々なハイテク企業を誘致し、今となってはあのGoogle社が本社を構える都市としてその存在感を示しています。日本の自治体の姉妹都市というものがどのような定義で、いかなる背景で結ばれるのかは知りませんが、姉の立派な成長を遠くで眺めるちょっと寂しい妹が僕のホームタウンなんですね。

March 16, 2007

誕生日の祝い方


レストランで食事をしていると、急に照明が落とされ暗くなり、奥の方から列を成した店員がろうそくつきのケーキを運び、着飾ったカップルの前で「Happy birthday to you~」と唄い出す。自分を含めた周りの客も、全く知らない人の誕生日をお祝いする。そんな風景によく出会います。僕は正直なところ、このセレモニーは嫌いです。いつ、どこからこの意味のないイベントが始まったのかは知りませんが、多分アメリカ発だろうと思ってます。

365日の中の1日という貴重な記念日である誕生日を祝うことは素晴らしいことです。でも、全く関係のないレストランの従業員、自分達以外の客を巻き込んで何が楽しいのか?僕には理解できません。僕にとって、家族、親族、友人、職場の人たち等々、自分にとって大切な人からの言葉や気持ちさえあれば十分Happyで、他人から何と言われようが安っぽい社交辞令に聞こえてしまうのはひねくれてるからでしょうか。

今日は仕事関係のカンファレンスに出席していました。参加者で近々誕生日を迎える人がいるようで、その人の前祝を皆の前で堂々としていて、いかにもアメリカらしいなと思いつつも、定番の銀色の風船が出てこなくて残念でした。風船と同じく、ニューヨークでは「花」を売っている場所が多いです。写真もその一例でして、どんなに寒さが厳しい日でも花の需要は絶えません。オレンジ色のチューリップや、ピンクのガーベラなど派手な花も取り揃え、誕生日や記念日をそれぞれお祝いするからなのでしょう。

カンファレンスで遭遇したように、例えば今日の3月16日。誕生日を迎える人は世界中にはたくさんいます。きっとそれぞれ特別な日として迎えているわけですね。どんな立場であれ、個々にとって特別な日として影ながら祝福したいと思ってます。

March 14, 2007

Melinda Doolittle


仕事でもプライベートでも、日々いろいろなコトが起こって、その都度喜んだり、悔しがったり、怒ったり。人って忙しいモノだと思います。ここニューヨークが10年以上住んでいる場所であっても、移民である以上、小さなことから大きなことまで、様々な事柄で揺り動かされることは仕方ないことなのでしょう。

そんな中、ここ数週間の間に僕の心を別の意味で大きく揺るがすシンガーがでてきました。写真のMelinda Doolittleです。以前のトピックスにてAmerican Idol(AI)を取り上げましたが、現在6回目のクールが進行中で、今日現在ではトップ12に絞り込まれており、Melndaはその中の一人です。ちょっと恥ずかしいのですが、彼女の歌を聴くと涙が出てくるぐらい気に入っています。

何故そこまで思い入れてしまったか。大きな理由は3つあります。一つは、彼女の職業が Background Vocal (バックコーラス)で仕事としてはいつも裏方であったこと。二つ目には、容姿が一般受けしないであろうこと。そして、最後はインタビューでの受け答えから垣間見る人柄と「歌唱力」というHuman Skill。この3点が見事に僕の全身に響いてしまいました。ようは「本質」なのです。どんなジャンルであっても、容姿やレトリックではなく「本質」だけが人々の心に強く訴えることができるモノであることを確信させてくれました。AIに関連するBlogをSkimしても、Melindaを中傷するようなコメントは皆無で、その「本質」を視聴者ほぼ全員が認めていると言っていいでしょう。

昨日のAIトップ12ライブ放送でのMelindaのパフォーマンスでは、審査員のPaulaが涙、Melindaも涙。そしてテレビの前の僕も涙。というはたから見ればとてもヘンな状況でした。辛口審査員のSimonは、あの大御所Gladys Knightに例えたり、とにかく僕はすっかりやられてます。以下のYouTubeでその内容を見れますので、時間があったら音量を上げて本人の言葉と審査員のコメント、そして歌を聴いてみてください。そして、AIが「米国版スター誕生」なのか、それとも全く別物なのか考えてみてはいかがでしょう。

地域オーディション
ハリウッド第一回
ハリウッド第二回
ハリウッド第三回

March 13, 2007

ニューヨーク・ヨガ


最近ヨガを始めてみました。笑えるぐらい体の固い僕にとって、始めるまでの第一歩がとても大きな決心だったことは言うまでもありません。つまり、先入観としてありえないへんてこなポーズができるまで、ぎしぎし絞られるのではないか。という恐怖があったからです。

ニューヨークにはヨガ教室がたくさんあります。昔から少し興味があり、ヨガのインストラクターが知り合いにいたりして、実は身近に感じてました。が、あのポーズが目に浮かぶたび「自分とは縁のない世界」と思うようにしてました。ところがどうした理由か、好奇心が恐怖心に勝ってしまい、思い足取りではありますが写真のヨガ教室の扉をノックしました。

もちろん初心者コースでしたが、「なんだ簡単ではないか。何を恐れていたのか」というのが第一印象です。細かなテクニカルな話はさておき、Hatha式の基本形をインストラクターに従って真似すればよいのです。インストラクターは時折「no competition, no winner」とソフトなタッチで呼びかけるのですが、このセリフがニューヨーカーにはとても心地いいのです。競技ではないので、できなくても誰にもとがめられないわけです。いつも忙しく、仕事や生活に追われるニューヨーク・ライフではこうした一時はとても重要ってことを改めて知りました。

お香をたいたり、インストラクターと一緒に唄を歌ったりと、雰囲気を盛り上げるためなのか怪しい演出もありますが、そこは深く考えず、ストレッチ+リラックスという目的で手ごろに楽しめ、続ける価値があるものだと思います。歴史をたどれば15世紀のインドから誕生したようですが、すっかりニューヨーク化された「ニューヨーク・ヨガ」としての存在感があると僕は思いました。

March 09, 2007

マーチ・マッドネス


1月にはスーパーボール、2月にはオスカー賞と、米国テレビ業界は年初の2ヶ月で番組あたりの総広告費第1位と2位の大物番組が連続しました。3月になるとその勢いは一段落し、スポーツ分野においても4月開幕のMLBを静かに待つ状態です。と思いきや、実は根強い人気のアマチュアスポーツがあります。

それは「マーチ・マッドネス」と呼ばれる、NCAA(全米大学)バスケットボール選手権大会です。地域リーグを好成績で勝ち抜いた全米64の大学が、トーナメント方式にて全米一を目指すこのイベントは、その地域の住民のみならずOBやOGをもアツくさせます。さらに、オフィスなどではトトカルチョも行われ、自分のひいきのチーム+賭けたチームの勝敗に一喜一憂したことを思い出しました。テレビ放映だけでなく、昨年からはオンラインでの放送も盛んに行われるようになってます。

大学バスケといってもこのトーナメントに出てくる選手のレベルはかなり高く、ここでの活躍がその後のNBAドラフトに直結するとあって、選手も母校のため、そして自分の将来のために一試合一試合が真剣勝負です。プロとは異なり、後のないトーナメント形式。その真剣さが根強い人気の源なのでしょう。ところで、写真は僕が卒業した学校のジムでの一コマです。ニューヨークのダウンタウンにあってスーパー・リベラルな学校であるため運動は苦手。バスケット部はNCAAのレベルには程遠く、ダンクシュートができる選手がいるのを見て少しホッとしました。僕の出身高校が甲子園に出られないのと同じように、この大学もトーナメントには全く縁がないと思うと、やっぱり残念です。

March 06, 2007

NY版 オンライン・グローサリー


ニューヨーカーにとって馴染みの深い宅配トラックには FedexやUPSなどの一般宅配サービスのほかに、写真のFreshdirectがあります。Freshdirectを一言で表現すると、「ニューヨークのオンライン・スーパーマーケット」です。インターネットの仕事が長い人にとっては、WebvanやPeapodの失敗に見られるように、このようなビジネスモデルは「失敗例」として簡単に片付けられてしまいます。しかし、僕にとってニューヨークでのFreshdirectに対しては若干異なった印象があります。

確かにFreshdirectの企業経営は2002年設立以降、赤字続きかもしれません。宅配対象エリアをニューヨーク近郊以内に制限し、登録顧客数25万、社員数300名、宅配ドライバー1000名以上にて、たとえ500万オーダーを処理してきたとしても、薄利多売のビジネスモデルでは赤字が続いても仕方ないでしょう。

でも何故か僕はこの会社が好きです。ニュースでは一時期「Freshdirectに対する駐車違反の罰金が大変な額になっている」と伝えていた程、ニューヨークの至るところで日々必死に食物を配達しているトラックを見ると、何故か応援したくなってきます。僕は一度も使ったことがないのですが、忙しいニューヨーカーのこと、重宝している友人達の話はよく耳にします。前に住んでいたブルックリンでも、「Freshdirectの配送対象エリアになった」というニュースにビルの住人が大喜びしたこともありました。

その土地のライフスタイルや消費パターンをしっかり研究し、真のユーザーにとって重宝がられているサービスを、日々黙々とこなしているこの会社。単に「企業経営の成功or失敗」だけでは片付けたくない別の軸にて今後も着目していきたいと思ってます。

March 02, 2007

ゲイ・チャンネル


「ついに来た!」という気持ちで、地下鉄のホームに掲載されていた屋外広告を見ました。here!というケーブル放送での「ゲイ」チャンネルです。僕の住んでいる場所がとてもリベラルなエリアですので、多くのゲイ・カップルを日々見てすごしてます。すでに日常の風景に同化してるので違和感はゼロ。専門チャンネルができて当然でしょう。

自宅では、Hi Definition、オンデマンド、楽曲配信含めて数百チャンネルに及ぶケーブルを月額8000円弱にて楽しんでいます。地上波ネットワーク局以外に、ニュース、スポーツ、料理、子供番組等々様々なカテゴリーに特化した多数のチャンネルがある中、ついにゲイチャンネルもそのラインアップに加わりました。今の僕の購読オプションではこのhere!チャンネルは含まれてなく、コンテンツを視聴することができないので、この先内容に関しては評価しかねます。

こちらでは、同性愛の結婚が合法か否か。子供のアダプションは是か非か。雇用や入学などの人権は。等々、真剣に多くの議論が日々なされています。隣のニュージャージー州では、現役州知事が「私はゲイ」と告白し自らその地位を退いたり、はたまた私の前職ではボスを含め、多くの男性同士、女性同士のカップル達に囲まれ仕事をするなど、まさに日常の一部となってます。そんな中、やっぱりケーブルでも専門局があったんだ。と改めて認識させられた朝の通勤途中の一瞬でした。