June 27, 2008

デザイン後進国


夏至も過ぎて、気候としては夏本番なのですが、これから日が短くなると思うと寂しくなるのはこの時期毎年のことです。最近のニューヨークは暑さは平年並みですが、湿気が多いです。日本の夏を過ごしたことのあるこちらの人間と話すと、「日本の夏に近いかも」と言ったりしてます。

さて、写真のオレンジの物体は、道路の工事時に利用される電光掲示板です。「この先工事。片側通行」などと書いてある一連の装置です。興味を誘ったのは、上についている太陽電池板でした。この国ではグリーン、グリーンとただお祭り騒ぎをしているだけと思いきや、こうした所にも努力をしているようで、少しは見直したのは事実です。

と、おだてたのも束の間、こうしてこの装置をじっくり見ると、なんと不格好な物体なのかと思います。色もさながら、全体のバランスを含め、街並みにそぐうどころか、醜いと言ってもいいでしょう。電光板裏側部分に心無く書かれたグラフィティは一歩譲ったとしても、全体がとにかく見苦しいの一言です。機能が満たされればそれでOKと、強く主張しているようにも思ってしまいます。

このような醜いデザインは、ここ米国で本当にいたるところでよく見かけます。電化製品、車、店舗等々、重機類のみならず、多くのプロダクトのデザインの質が低いのは何故でしょうか?欧州では、機能のよさに加え、機能美を追求した「なるほど」とうならせるデザインを多く感じます。日本のレベルも最近は高いと思います。食を「Fuel」と考え、合理的、機能的であればよしとするような国民性の中で、機能美を追求することはもしかしたら無理なのかもしれませんね。

June 16, 2008

ウォータータワー


15年という期間が長いのか短いのかはさておき、これだけの期間ニューヨークに暮らしていながらも、わからないことはまだたくさんあります。写真はソーホーの入り口、ブロードウェイとハウストンとの交差点です。DKNYの壁広告はかなり長い間この地域のシンボルでしょう。が、今日はその上に立っている「ウォータ・タワー」が主役です。

ニューヨークを上から眺めると、多くのビルの最上階に木製のウォーター・タワーがそびえ立っていることがわかります。僕は過去長い間この物体が気になり、かつとても不思議でした。水をためておく桶だということは容易に想像できたのですが、この文明が進んだ今、何故どこも決まって木製なのか?という疑問です。以前住んでいたブルックリンのアパートでは、このタワーの老朽化が原因で屋上から水が漏って大騒ぎになったこともあります。

で、その疑問を見事に解決してくれたのが、テレビでした。時に右よりなテーマになるため、あまり好きではないケーブルネットワーク局のDiscovery Channelにて放映しているシリーズモノ「Mike's Dirty Job」にてこのWater Towerを取り上げたからです。この番組、主人公のMikeが、米国で考えられている「汚い仕事」に挑戦し、その仕事内容とそこで働く人達を紹介するという半ドキュメンタリー番組です。なかなかよく出来ていて、思いもがけない仕事の紹介や、そこで働く人達のストーリー。Mikeが一緒に働くことで生まれる連帯感等々、テレビ側の人と一般参加者が対等にコミュニケーションをする、日本にはできない創りとなってます。

テレビ番組の日米の違い話はさておき、ウォータータワーが何故必ず「木製」なのかこの番組でしっかりと教えてくれました。軽くて作業がしやすいステンレスやその他強化プラスチックを以前試したことがあるようですが、木に比べると「もち」が悪いようです。これには驚きでした。木の方が長持ちし、かつ衛生上優れているようです。20年ほどの寿命を終えたタワーは、人手によって解体され、そして同じ場所に新しいタワーが造られます。冬の寒く風が強い日には、手先の感覚が麻痺することも多いそうですが、地道な作業は1年通じて行われるようです。まだまだわからないことは多いですね。

June 09, 2008

百度


デジタル業界に長い僕にとって、「百度」というとあの検索サービスが頭に浮かんでしまいます。が、しかし今日のニューヨークはまさに百度。華氏百度つまり摂氏38度なのです。つまり暑いです。

ニューヨークの夏は15回目になるのですが、100度を超える日というのは年に数日あるかないか。という感覚があります。これが6月の上旬に100度を記録したことは僕がここに住んでからは始めてだと思います。ということで、この数日はとにかく暑く今日がそのピークだそうです。

写真はニューヨーク近辺を網羅する家電チェーン店です。いかにもだるそうに立っている人達は、エアコンをあわてて購入した人達で、奥の倉庫から出てくるのを待っているわけです。前にも少し触れましたが、米国で流通している家電でかなり遅れているのは、よく言われる「白物家電」。洗濯機や掃除機は性能が悪く、大きい。エアコンもそうです。特に窓に直接取り付ける型が主流なので、こうして街角の電気やで簡単に売っているわけです。

さて、この暑さ、あと数日は続くようです。実は今日は 3G iPhoneが発売されるのではないかと心待ちにしていました。もし発売されればどんなに暑くても買いに行こうと思ってました。が、7月11日に発売開始ということでちょっと待たされたわけです。同じ待つのも、エアコンよりもいいか。と思った次第です。