November 21, 2007

ゴミ箱のメッセージ


米国では明日から感謝祭の連休が始まります。日本で働いていたころ、クライアントであった米系保険会社が「Thanks Givingだから仕事しないよ」と言い切っていたことを思い出します。そうなんです。この連休は日本で言うお盆のようなモノなので、実家で家族・親族と共にすごす重要な祝日なのです。ただ、僕のような家族のない移民は暇になり、人の少なくなったマンハッタンを楽しむこともできます。

さて、こうした年末行事を迎えたグランドセントラル駅も人の往来が激しくなってきた気がします。その中で、写真のゴミ箱を発見しました。黒・赤・白とシャープにデザインされたこのゴミ箱。メッセージは Glida's Clubという北米でのがん患者、経験者、そしてその家族を支える組織のものです。米国ではこのようなNPO的な組織が様々なレベルで存在し、共通のテーマを持った人たちのために情報共有や交換、さまざまなアプローチを紹介する場所を提供しています。

ゴミ箱とGilda's Club。全く何の関連性もないのですが、こうしてトラフィックの大きな場所に、公共性のある組織が公共性の高いオブジェクトに対してメッセージを添えておくというアイデアはすっきりしていて心地よいと思います。残念ながら、日本では公共のゴミ箱が少ないため、ゴミ箱は利用できないのですが、公共物を有効にメッセージング・ビークルとして利用するという発想は面白いと思います。ゴミ箱に関して言えば、「ゴミも自分の持ち物」という発想に変わりつつある日本の姿勢も、世界に誇れるモノだと思っています。

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