November 03, 2006

NYCマラソンから学ぶスポーツマーケティング


11月最初の週のニューヨークは、世界中から集まるランナーとそのサポーターで賑やかになります。この写真は、NYCマラソンを二日後に控えた今日のMetro紙(無料で配布されている日刊新聞)の広告です。これ以外にも、ニューヨークのいたるところで、NYCマラソンをテーマとした広告、イベント、ニュースなどが繰り広げられます。

僕も8年前の98年に参加して、このイベントの素晴らしさを体験しました。普段のニューヨーカーは、わがままで、騒々しく、自己主張が強くて。。。と悪い面ばかりが目立つのですが、この大会を機に「ニューヨーカーもいいとこあるじゃん」と思った次第です。さらに、心を捉えたのがスポーツイベントに対するマーケティングアプローチでした。確かに米国でのスポーツマーケティングに関しては学ぶところが多く、仕事仲間のMさんとは日々様々な議論をしています。

その中で今日はスポーツイベントと都市に関して考えてみました。野球、アメフト、テニス等メジャーなイベントに加え、多くのローカルスポーツイベントにて市長や州知事が観戦している姿が出てきます。テレビやラジオを通じて「楽しもう!」と訴えます。時には「一杯買い物をして税金払ってください!」などと面白いことも平気で言います。NYCマラソンでもスタートの大砲は市長が点火します。

そうなのです。消費税が地方に還元される率が高いのが米国です。日本では5%の消費税のうち地方に還元されるのはわずか1%。米国での消費税は地方税になります。例えばニューヨーク市では8.5%程度の消費税のうち4%が州の取り分で、残りの4.5%が市に入ります。スポーツイベントを目的に多くの人が訪れ、入場料を払い、買い物をすることで地方税収入が増加し、それが交通規制や警官配備にかかるコストを上回ればそのイベントは市の財政としては成功であり、市長が休日に参加して、市民にメディアを通じて唱えた甲斐があるわけです。

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