June 07, 2007

VODKA人気


どうやらウォッカが流行っているようです。ニューヨークのバーでも、Vodkaベースのカクテルに人気が集中していると、テレビや雑誌で最近取り上げていました。お酒好きの僕も、以前住んでいたブルックリンのWilliamsburg(ポーランド系移民が多く居住)では、酒屋に並ぶたくさんの種類のVodkaを楽しんだものでした。店員に勧められるまま数多くのウォッカを試してみたのですが、正直なところ違いがわからなかった思い出があります。

テレビ番組で最近のウォッカブームを取り上げていました。米国で一般の酒屋に流通しているウォッカを数種類選択し、バーやクラブ好きな若者に対して、ブラインドテストを試みたものです。試飲の前にテスターに対し「好きなVodkaブランドは?」と聞いたところ、その多くが「Grey Goose」と答えたことにまずは驚きました。「味が本当にわかるのか?」というのが僕の疑問でして、「好きな=おいしい」ではなく、きっと「好きな=好きなブランド」なんだろうと勝手に思い込み、ブラインドテストの結果を楽しみにしてました。結果は予想通り。Grey Gooseが好きと答えた人の多くが、ブラインドティスティング後「嫌いなVodka」と答えたことに静かに満足しました。

そんな状況を反映してか、屋外広告にもVodkaブランドを頻繁に見かけるようになりました。その中で久々に僕の目を引いたのが写真の広告です。Stolichnayaというロシア産ブランドです。広告表現に1920年代に盛んであった僕の好きな「Russian Avant-Garde/Constructivism」の要素が盛り込まれていたからです。その時代のソビエトに対して政治的な興味はないのですが、ポスターなどのアートに発展したこの分野はその当時の力強さや主張が出ていて好きでした。それ故、この広告が目に飛び込んで来たのでしょう。最近、米ロ関係が少々複雑になってきていますが、それを吹き消すかのようなこの配色やデザイン。早速このウォッカを買って飲んでみようと思ってます。

June 05, 2007

Stand-up Comedy (漫才)


ニューヨークは、ブロードウェイのミュージカル、リンカーンセンターのバレーやクラシック音楽などに代表されるように、劇場&芸術型のエンターテイメントがとても有名です。ところがその影で、ニューヨーカーやツーリスト達に地道に人気があるエンターテイメントが Stand-up Comedyと言えるでしょう。一言で説明すれば「漫才」です。一人話芸がメインですが、日本の漫才コンビのように2人もしくはそれ以上という場合もあります。

写真はダウンタウンにあるシアターです。数年前に設立されたこのシアターは、ライブ上映も可能とする設備が整えられ、この種の施設としては最上級の場所として人気があります。Stand-up Comedy会場は一般的にとても小さな間取りで、すぐそばで出演者が話すような一体感がありました。ここはそういった雰囲気はなく、新しい「漫才」会場として位置づけられます。

かつて友人に誘われ、何度か小さなコメディシアターに行ったことがあります。英語が第二外国語であり、大人になって米国に移ってきた僕にとって、理解できないジョークも多々あります。が、雰囲気は日本の漫才であり「話術」をもって、観客を引き込むその姿は、日米変わらないと思いました。人気テレビショーとなった Seinfeldなども、このコメディの出身です。ケーブルでは専門の放送局もあるこの分野。どの国にとっても笑いは必要なのでしょう。

May 30, 2007

食文化


大食いで早食いの僕は、食べることが大好きです。(食べることが嫌いな人はいないと思うのですが)アメリカの食事は大きくてまずいと一般的に言われてますが、ほぼ正解と言えるでしょう。「食は文化」とはよく言ったもので、欧州や日本などのアジア諸国に比べて、こちらの食事はかなり「あさい」と思います。以前読んだ本, The Culture Codeにて、フランス出身の学者が米国での食事を「Fuel」と言ってました。まさに言い得て妙です。

そんな米国ですが、ここニューヨークは若干状況が異なります。「人種のるつぼ=食事のるつぼ」でもあるわけで、日本食をはじめ世界各国の料理がその国のオリジナル性を維持したまま楽しめる環境にあります。さらに○△料理という選択肢だけでなく、レストランでも食材店でも、ベジタリアン、宗教による食材の制限、アレルギー体質などの個々の状況に応じてさまざまな選択肢やオプションが用意されているのが普通となっています。

日本の「食」と比べた場合、日本は確実においしいです。ただし、実は選択肢が限られていると思ったこともあります。たとえばベジタリアン用のメニューがない。とか、料理素材の情報がわからない等です。ニューヨークで食事をする際、メニューの中で使われている素材を一つ一つ確認することがあります。こうすることでアレルギー体質や宗教的制限を確認するわけですね。食べる側と作る側のインタラクションが、日本では若干欠けていると思います。

さて、写真はとあるサラダバーでのランチ時のものです。ニューヨーカーがランチで普段食べているものの一つの例と言えるでしょう。彼が食べているのはイチゴです。イチゴをスーパーで1パック買って、それをそのまま洗わずに食べています。依然勤めていた米系企業では、同僚がスライスされたスイカを食べながら会議室に入ってきて会議をしたことも思い出しました。フルーツだけのランチ、スープだけのランチ等々、それぞれの好みで忙しくFuelをRefillする感覚なんですね。

May 25, 2007

Made in Japanへの期待


先日、ニューヨークのJapan Societyにて開催された、石原東京都知事の講演を聞いてきました。「日米関係」を主題として、軍事、技術力、経済の3分野からの話は、マイノリティとして米国に住む僕にとっては心地の良いものでした。日米間の様々な事柄が「米国→日本」の一方通行になっている状態に懸念し嫌悪していた僕にとって、都知事の「日本だってすごい」話は爽快かつ深く心に響きました。

興味深かった話の一つに、日本の優れた技術力の話がありました。車やデジカメなど、目に見える部分での日本製の製品力は世界規模で評価されてます。都知事は、異なった視点にて、軍事にも利用可能なマイクロチップやLCDなどの要素技術や部品の優位性を強調してました。たとえばボーイング社の新機種787では、半分以上が日本製の部品や技術を利用しているようです。

気温が30度を超え夏の気配を感じた今日、都知事の講演を思い出しつつ、目に見える製品で日本製が優れていると思えるモノを改めて考えてみました。やはり家電は強く、薄型テレビ、DVDプレイヤーなどのAV製品などがその代表です。さらに米国では流通してない製品で確実に日本製が強いモノもあります。写真は部屋用のエアコンですが、こちらで売っているモノは重い、やかましい、電力消費が大きいの3重苦です。日本製はその逆でしょう。さらに、掃除機、洗濯機なども同じ分野になるはずです。ところが、いい話ばかりだけではなく、悪い話としては携帯電話機がその代表と言えるでしょう。米国の携帯は確実に発展しています。米国での携帯機器では、日本製はすっかり取り残されました。世界規模で考えた場合、日本の携帯電話業界はグローバルな流れからすっかり取り残された状況と思えるのが残念です。

May 22, 2007

グリーン (1) - スーパーの試み


ここ数ヶ月、米国のテレビ・新聞・雑誌などのメディアでよく話題になったり、広告にも扱われるテーマが「グリーン」です。原油の高騰からガソリン代を含め物価全体が上昇しているからなのか、それともこのテーマが選挙にとって都合がよいのか、自然や環境保護をテーマとした「グリーン」コンセプトが大人気です。このブログを開始した当初に取り上げた話題でもありますが、今後も不定期にグリーン特集を展開していこうと思いました。

大きな理由として、島国で育った私にとって「グリーン」は当然のテーマであり、今の米国の現状を見るとどうしても「本気なのか?」と首を傾げたくなるからです。むしろ「どうせポーズなんだろう」と思い込んでます。京都議定書に経済大国として唯一参画していない米国が、どうして今「グリーン」ブームとなっているか、僕自身も疑問でもあるため、街を歩きながら気になった事柄を取り上げて考えてみます。

写真は私の好きなスーパーの一つ Whole Foodsにあった「仕分けゴミ箱」です。ニューヨーク市では、実は5年以上前からゴミのリサイクルを市民に訴え続けてきました。青や緑などのゴミ箱の色にてゴミの分別を実施してましたが、内容がわかりにくくかつ徹底してないため、「本気なのか?」と当然思ってました。そんな中、このWhole Foodsのゴミ箱を見かけ、やはりこうでないと。と思った次第です。実際のサンプルを展示するだけで、すかっとわかりやすくなるのですね。ゴミの投入口の形を変えていることにあまり意味があるとは思いませんが、スペースを割いて実際のサンプルを提示させるだけで理解度が確実にアップします。

人種や生活水準の幅がかなり大きなニューヨークだからこそ、こうしたわかりやすいアイデアは貴重だと思います。僕の静岡の実家ではペットボトルは4種類くらいの分別ゴミに分けられます。これをアメリカで実施しようとしたら間違いなく失敗するでしょう。まずはこの写真のレベルから始めることが必要なんですね。電車で30分ほどのコネチカット州のとある都市では、スーパーのビニール袋利用を禁止したところもあり、スーパーを取り巻くレベルでは「グリーン」は徐々に実践されているかもしれません。

May 19, 2007

買収合戦


今週の米国インタラクティブ業界は、大きな企業買収劇が続きました。ニューヨーク拠点のインタラクティブ・エージェンシー 24/7 Real Media社が広告会社グループのWPPに700億円強にて、そしてシアトル拠点のインタラクティブ・コングロマリットのaQuantive社がマイクロソフト社に7000億円強にて買収されました。それ以前にも図(資料提供:wsj.com)に示されているように、DoubleClick社がGoogle社に、RightMedia社がYahoo!社にと業界の大手企業のM&Aがここ数ヶ月で起こってます。

これら渦中の企業にて以前働き、今でも深くこの業界に関係している僕にとっては、とても興味深い週とも言えたでしょう。買収額の妥当性といった話はウォール街の人たちに任せ、買収のメリットやその結末予想はディーるの詳細がわからないことには何とも言えません。かつてWeb1.0と呼ばれる時代に買収した側の企業で働いていた経験から、買収後のインテグレーションで重要となるポイントをちょっと考えてみました。

①事業(コアビジネス)のインテグレーション
事業内容でのシナジーは最も重要なIssueと思われます。その点で「MS-AQNT」は他に比べて弱いでしょう。以前、MSがゲーム内広告配信企業のMassive社を買収しました。コアビジネスが全く異なる2社でしたが、MSのコントロールが強まった結果、Massiveにいた友人達が少しずつ辞めていったことを思い出します。巨大ソフトウェア企業と広告関連技術会社、一見シナジーを見出せそうな関係ですが、実際は異なると思ってます。

②企業文化のインテグレーション
次に重要なのは企業文化などに見る人的な側面でしょう。事業統合に意味がある他3例では、「GOOG-DCLK」と「YHOO-RM」が良いのではないでしょうか。Google、Yahoo!両社とも企業文化の構築・維持に対する努力と投資を積極的に行っています。さらに、GOOG-DCLKはお互いのビジネスの補完関係が強くかつNYオフィスが同じビル内、YHOO-RMではすでに業務関係と資本関係が築かれていた等の要素があります。

以上、過去の経験から勝手な推測をしてみました。あと、こうした買収時に必ず話題となるのが雇用調整(レイオフ)です。私が思うに、今回はどの例においても派手なレイオフはないはずです。この業界は成長路線にありとにかく人材が不足してます。完全なマージではなく、独立ブランドとして共存させる形態をとる場合、余剰人的リソースを抱える買収側が買収先に流入させる逆のシナリオが発生するかもしれないでしょう。

May 15, 2007

Upfront でのキーワード


マディソン街はいつも忙しいのですが、特にメディア/広告業界関係者にとって5月のこの時期と11月のAdweek週は特別に活気が出てきます。まさに今週「Upfront」と呼ばれる、秋にかけてのの番組編成と方針に関して、米国のネットワーク放送局がマーケッターや広告代理店に対して発表するイベントがいたるところで開かれます。そこで発表される内容は、例えば「NBCはドラマの本数を減らし、リアリティショーやクイズを増やす」等々といったところです。

この週に関連してなのか、テレビスポット枠での自局ハウス広告やネットワーク放送局の屋外広告を数多く見かけます。写真もその例で、業界最大手の一つNBCのモノです。この広告、何の工夫もないPPTのプレゼンのように見えますが、このキーワードに僕はとても興味を持ちました。target, lead, innovate, engage, measure。今まではおよそ放送局とは縁遠かった単語でしょう。この業界にいた人はすでに気づかれたと思いますが、これらはダイレクトレスポンス型広告に頻繁に利用されていた言葉であって、いわゆるマス媒体に対して当てはめることはナンセンスだったはずです。

ここ1,2年間のメディアを取り巻くマルチチャネル化、マルチデバイス化は目を見張るものがあります。そして、米国放送業界もこの大きな流れに本腰を入れて投資や舵取りをはじめていることを様々な局面で認識してきました。そして今年のUpfront。ついに大手放送局も、ダイレクトレスポンス的な発想を「マス」と言われ続けてきた媒体に対して取り入れようとしているのでしょう。たとえそれがまだ先の話であっても、着手することに大きな意味があります。消費者のメディアに対する接し方が変化してきた昨今、ケーブル局含め全米総広告費の45%を占める放送媒体。この大きな母艦の行方を今後もしっかりと追っていきたいと思ってます。

May 10, 2007

MLBの中のアメリカ


僕は野球も好きだし、もちろんヤンキースのファンでもあります。MLBシーズンが始まると、ヤンキースの試合結果をトラックする日々となります。米国に来てMLBが身近になってはじめて、スタジアム観戦の楽しさを知ったのかも知れません。米国内の出張先でもMLBの試合があれば、知らないチームであっても足を運ぶようにしてます。

スポーツエンターテイメント自体とてもアメリカっぽいのですが、中でも毎試合必ず2回、アメリカを感じさせられる瞬間があります。最初は試合開始時の国歌斉唱。次が7回表終了後のGod Bless America斉唱です。試合開始時の国家斉唱は「野球を国技」的に扱う米国では当然のことで、他のプロフェッショナルスポーツ、それ以外の様々なスポーツイベントでも行わる儀式であり、米国に住む以上違和感はありません。困ることが、7回表終了後のGod Bless America斉唱です。

2001年9/11のテロ事件後数週間の間、MLBの試合は全米で中止されました。再開後ニューヨークでの最初の試合は、新庄選手が左翼を守るNY Metsでのホームゲームで、幸運にもチケットが入手できました。超満員のShea Stadiumはある種異様な雰囲気で、軍隊の入場行進から始まり、アメリカ国旗が乱れ咲く中、野球が行われたことを思い出します。そして、この時から7回表終了後にこの歌を流し始めたのです。歌が終わった後、「USA, USA, USA...」というコールが球場全体に響く中に身を置きながら、寒気と不快さを感じたことは今でも覚えてます。

歌詞も「神はアメリカを、そしてその大地を祝福し...」という内容で、一神教の環境で育っていない私にとっては、なかなか理解しがたいもの。さらに、「戦争に出かけた兵士のために...」などと前置きをされてしまうと、より???となってしまうのが本音です。いつまでこの儀式が続くのか、早く終わって欲しいのが本音です。まぁ、こんな難しいことを考えなくても、Wang投手や松井選手などのアジア出身選手が活躍してくれれば、それでHappyなんですが。

May 07, 2007

Rockefeller Center パブリック ゴルフ コース


5月の陽気がとても心地よいニューヨークのミッドタウン。あの有名なロッカフェラーセンター広場に突如出現したのがこのゴルフコース。今週末にフロリダで開催されるPGAツアーのTPC(THE PLAYERS Championship)のプロモーションイベントとして設営されました。写真の会場はTPCの名物17番ホールを再現し、一般の参加者が自由に挑戦できる仕掛けとなっています。

冠スポンサーは投資銀行のUBS。メディアパートナーであるNBCのお膝元ロッカフェラーセンターで、その他の協賛も含めた形でこのイベントは月曜の今日からツアー最終日の13日まで開かれます。昨年は開催地のフロリダで同様のイベントを実施したところ、約5万人の参加者があり、そのうちグリーンに1オンできた確率は15%程度とのことです。ニューヨーク初開催での結果が楽しみです。

早速僕もチャレンジしてみたのですが結果はショート、池ポチャでした。グリーンに乗せればスポンサー(Callaway)のボールセットが賞品です。はずしたとしても、実際のショットのビデオ(写真手前のスタッフがPCカメラにて撮影)を、後でレビューできるようなWebサイトを準備してます。僕の場合、プレーした30分後には登録したEメールアドレスにログイン情報が届けられ、自分のスイングのビデオと共にUBSのPre-Rollビデオ広告が流れます。

こうした仕掛けがあればEメールアドレスや住所などの情報を登録した価値があるでしょう。オフラインとオンラインを結ぶ「エンゲージメント」という点では手本となる仕掛けと言えます。つまり、半歩進んで「エンゲージメント」を考え、実施していかないと、マーケッターとして合格点とはならない時代になってきているようです。

April 30, 2007

ちょっとだけ見たいモノ


遠くでの戦争で多くの一般市民や、仕掛けた側の米軍も犠牲になっている一方、株価が連日上昇している米国市場に少し違和感を感じてしまいます。さらに、ニューヨークではここ数年、住居・オフィスビルともに建設ラッシュと言えるぐらい、街角での建設工事が目に付きます。これも好景気の象徴なのでしょうか?

当然、騒音問題や交通規制などの面倒なことが増えて、その都度住民は不便さや不快さを我慢することになります。そんな中、僕がこちらに引っ越した十数年前から変らない、ちょっとした「街のナイスな仕掛け」があります。それがこの写真です。わかりにくいと思いますが、これは工事現場(特にオフィスビルなどの大きな建築現場)の囲いの塀です。歩行者に瓦礫やほこりが届かないようにと、ぐるっと塀で囲うのは日本もニューヨークも同じでしょう。

ちょっと違うのが真ん中に空けられている小窓です。見事に人間の好奇心をくすぐるこの小窓。忙しいニューヨーカーも時折立ち止まって、中の工事の様子をちらっと見るシーンをよく見かけます。中を見たからといって、万華鏡のような特別な世界が展開されるわけでもなく、単に地面を掘り起こし、鉄筋を組み立てている通常の工事現場なのです。さらに、人間の目線の小窓とともに、犬の目線の小窓をあけているとても「ナイス」な現場も過去何回もみています。

商品やサービス。機能や利便性だけ追求しがちな最近の世の中だけに、このようにちょっと視点を変え、普通の人が普通に「ホッ」とする小さな仕掛けを見つけることは大切なのかもしれません。

April 26, 2007

ラップ車


10年以上も前のことです。ニューヨークに突如出現したラップバス(広告グラフィックで包まれたバス)を見てびっくりさせられました。その後このラップバスは世界中に普及し、日本でも長野オリンピックを皮切りに、今では公共のバスにも利用されているという話を聞いてます。

先日街を歩いていて遭遇したのが写真の「ラップ車」です。ベースとなる車がホンダのElementで、これは僕が乗っている車でもありその利便性に満足しているのですが、乗用車が「ラップ」されているのははじめて見ました。バス以外にここまでしっかりとラップしてある一般車を見て10年前とは異なった驚きと趣きがありました。

肝心のラップの内容が、ニューヨークの郊外に店を構える小さなクリーニング屋の広告であったことがその理由です。今までの概念では、このラップものはバスなどの公共交通機関を広告媒体とする大企業向け広告ベニューの一つとして考えられてました。したがって広告主も大手企業が中心です。ところが、乗用車やバンなどを上手にラップすることで、この写真のように商用車がそのまま広告ビークルとして活用できるわけです。

フィルムに特殊印刷を施し車を包むこの手法。技術が進んでかなり安価に実施できることになったのでしょう。そうなったことで、大企業だけが相手であったこのニッチな分野も中小、個人商店の範囲まで降りてきたように思えます。こんな所にも「ロングテール化」が垣間見える時代になっています。

April 23, 2007

ROIそれともブランディング?


肌寒かった西海岸から1週間ぶりにニューヨークに帰ってきました。昨夜空港から家に急いで帰ってレッドソックス戦を見たのですが、結果はあえなく3連敗。故障者続出のヤンキースには厳しい開幕ですが、弱いヤンキースは見たくないので早く復活して欲しいものです。

さて、ニューヨークの月曜。寒かった西海岸とは正反対に気温は30度に届きそうな勢いです。春を飛び越え夏に近づいた喜びからか、太陽を一杯あびながらユニオンスクエアの階段でランチを食べました。そこに、セグウェイに乗ったキャンペーン軍団が近づいてきました。全米屈指の商業銀行でニューヨークが拠点のChaseです。(正確には商業銀行だけでなく複合的な機能の銀行ですが難しいことは省きます)仕事柄興味が沸いたので、写真の運転者に質問してみました。

キャンペーンの目的は「新規口座開設」で、開設してくれた人にはもれなくTシャツプレゼントというオファー付きです。「Tシャツはいらないからセグウェイをください」との質問の答えはもちろん「だめ」。「じゃぁ今日は天気がいいから、運転だけさせて欲しいな」と聞くとこれももちろん「だめ」。そりゃそうですよね。でも、運転手とのジョークを中心としたやり取りはとても愉快なもので、ランチを食べながら暖かな陽気の下の暇つぶしにはとても楽しい出来事でした。

このキャンペーン。Chaseは何を期待しているのでしょうか?「新規口座数○○件獲得目標!」であれば少々的はずれだと思います。想像してみてください。晴天の公園にて銀行口座を開設する人が何人いるのでしょうか?しかも、たったTシャツ1枚というオファーでです。Chaseという銀行はニューヨーカーならほぼすべての人が知っている銀行なので、認知のためのゲリラマーケティングでもありません。ですので、セグウェイを利用した今回の目標は「リターン」でも「認知」なく、あくまでも「柔らかい銀行」というメッセージのブランディングに主眼を置いたゆるやかなものなのでしょう。

April 17, 2007

マイナーリーグ ベースボール


雨で大荒れのニューヨークから、またまた西海岸のシリコンバレーに来ています。仕事の合間を見つけて、今日は写真の球場で San Jose Giants対Modesto Nutsの試合を見ました。両方とも聞いたことがないチームなのは当然で、日本流に言えばプロの3軍あたりの組織に位置するチームなのです。

西海岸への出張が決まると同時にSJ Giantsの予定を調べ、今日の日を楽しみにしていました。3軍の試合がそんなに楽しみだった理由は、その球団で日本人の友人が働いているからです。仕事仲間のMさんを通じて知り合いになった、20代の若者S 君の球団職員としての働きぶりを一目見たいと思っていたのです。

球場に着き、Walkie Talkie(トランシーバー)を片手に現地のスタッフと一緒に試合前の球場を走り回って、立派に活躍しているS君の姿を見てとても嬉しく思いました。契約金含め総額百何十億円プラス ベビーシッター費用や通訳費用など生活上の経費まで球団が支払うという、日本人大リーガーが出現している一方、地方都市のマイナーリーグの球団職員として毎日泥まみれ・汗まみれになって働く日本人。共にアメリカの野球を舞台とした職業人のストーリーですが、庶民の僕にとっては後者のS君の活躍の方ががより眩しく美しく思います。

そして、写真の星条旗が半旗になっているのがわかりますか?バージニア州で悲しい事件があった翌日、現場から4000km以上も離れているマイナーリーグの試合開始時にも黙祷を全員が捧げることにしていました。ニューヨークに住みヤンキースを応援し続けている僕も、バージニア州の事件と共に、先日急逝した野球を愛し続けたスポーツ新聞デスクの宮川達也君への想いもそっと捧げました。

April 12, 2007

グラフィティ


ニューヨーク名物の一つでもあるグラフィティ。果たしてこれはアートなのでしょうか?歴史をさかのぼれば、古代ギリシャ時代の壁画もグラフィティの一つとして考えられ、それは、アートでもあり歴史を語る立派な証拠としても貴重な存在です。さらに、粋なグラフィティを廃墟などで見かけると、なるほどこれもアートなんだ。と思わせられることもあるのは事実です。さらに、「ニューヨークらしさ」を演出する大事な要素でもあることには同意です。

でも、やっぱりこれはいけないことでしょう。自分の家や車に対するグラフィティであれば思いきり派手に表現すればよいですが、他人のプロパティや公共のモノに対しては犯罪と考えられるのは当然です。近代グラフィティ発祥の地であるニューヨーク市でも、Anti-Graffiti Initiativesの名の下条例を整え、立派な犯罪として罰金の対象としてます。自分の住んでいるアパートの壁に落書きをされていたら、たとえそれが「アート」らしくても毎日見るたびに不機嫌になるでしょう。

ニューヨーク発のこの悪い行為が世界中に拡散しているようです。日本でも問題になっているという話を聞きました。パリ、バルセロナ、ベルリンなどの美しい欧州の都市でも、必ずやこのグラフィティを見かけてがっかりします。ニューヨークという200歳そこそこの青年都市の悪い行為が、その数倍の歴史を持つ日本や欧州の美しい都市を汚している事実に対して、時に腹が立つこともあります。

April 09, 2007

American Idol - その3


気温が上がらずダウンが離せないような珍しい4月を迎えているニューヨークです。お休みしていたBlogも元気に復活し、今回のテーマは人気番組 American Idol(AI)をまたまた取り上げてみます。

決勝ラウンドに進んだこの番組、先週まででベスト8まで絞り込まれております。このBlogでは、予選の面白さ、Melindaというシンガーの存在と2つのテーマを取り上げてきました。今回は、テレビ番組としてのAIを考えてみます。毎回15%以上という相変わらずの高視聴率を維持していますが、この影には「歌唱力コンペティション」と「大衆娯楽番組」との2つの異質な番組特性を巧みに編集/コントロールしている努力があると思います。

「歌唱力コンペティション」としては、現在のトップ3 女性シンガーのようにすぐにでもプロに転向できる実力を持った出演者を抱え、次なるパフォーマンスを期待させる仕組み。これはこれで素晴らしいのですが、この特性だけに着目していると番組が「固く」なるだけでプライムタイムで高視聴率を維持するのは厳しいのでしょう。そこでFoxは「大衆娯楽番組」の要素を決勝ラウンドから見事に取り込んでいます。「一般聴衆による投票」という地味な仕掛けが、娯楽番組性を引き出す「てこ」の役となっていることに気づきました。視聴者からの課金投票にて広告収入以外の収益を番組として確立したと思われがちなこの仕組み。実は、AIの高視聴率を維持するための影の立役者であり、新収益源以上の意味があるはずです。

歌唱力は最悪ですが、そのユニークなルックスと髪型で今でもベスト8に残っているSanjaya君。
最悪な人に投票しよう!というWebサイトでも取り上げられているように、今では10代を中心として、この17歳のインド系の少年Sanjaya君に投票することが一つのブームとなってます。ここまで来ると、優勝者はMelindaのような素晴らしい歌唱力を持ったシンガーではなく、組織票を獲得できた人となる可能性もでてきて、より娯楽性が高まるわけです。一般聴衆による投票制度が「一人の個人が複数回投票できてしまう仕組みなのでアンフェアだ」と、当初僕も思ってました。しかし、番組が真剣なコンペティションではなく娯楽番組として考えれば、複数票、組織票なんでもよいわけで予想とは全く異なる結果の可能性もあるといったスリル感も芽生えます。もし番組制作者が初めからこの2種の要素をミックスさせて狙っていたとしたら、それはかなり優秀な集団といえるのではないでしょうか?

March 29, 2007

訃報のため一時休止します

昨晩、大学時代からの親友が急逝したという訃報が突然私を襲いました。学生時代のコト、彼がNYに駐在していた時代のコト、東京で飲み歩いたコトなどいろいろな話が思い出されます。こういう状況ですので、新しいトピックスの掲載は一旦休止し、落ち着きを取り戻してからまた開始させてください。

March 26, 2007

Just a small accident


ニューヨークでの久々の週末をゆっくりしました。気温も少しずつ上がり春らしくなってきたので、散歩をしていたところ、ちょっとした事件に遭遇しました。写真がその現場ですが、赤いフェラーリの周りで警官と数人の野次馬が集まってました。散歩中で暇だった僕も興味津々で野次馬の一人となり、一通り状況を把握してみました。

赤いフェラーリが交差点の近くで軽く「おかまを掘った」ということがわかりました。写真でどうにか見える程度ですが、車の前方横全体に白く塗装がかぶっており、この部分が白いレガシーの車体後部にささったようです。この現場での関係者は3種。フェラーリのドライバー(写真後姿の白人)、レガシーの乗員(ドライバーを含めユダヤ系の女性3名)、白人警官2名です。近くで見ていた僕にレガシー乗員の1人が「It's just a small accident.」とささやきながら、忙しそうにレガシーと警官との間をいったり来たりしている一方、レガシーの他の乗員は警官に対し「修理代が余裕で100万円を超えそうな車ってことを懸念している」、「私達は普通に停車していただけなのに、後ろから。。。」といろいろと話してました。その横では、警官はフェラーリの運転手に「キーをはずしてよこせ!」と怒鳴ったりしており、確かにsmall accidentではありますが、コトがフェラーリだけにその後の展開がどうなるのか野次馬好奇心が一杯でした。

実はこの状況、自分に置き換えて考えて見ると、若干雲行きが変ります。もし自分がレガシーの運転手で、自分以外の当事者が警官含めて白人の場合、例えフェラーリの持ち主が100%悪くても僕の状況は不利になる可能性が高くなるでしょう。僕は過去の様々な経験から白人のNY市警は好きではなく、このような状況下では確実に自分に不利に作用することが経験上簡単に想像できるからです。この事件では、レガシー側は3名の聡明そうなユダヤ系女性であったため、白人市警もレガシーの立場になってフェラーリの運転手を怒鳴ったりしていたのですが、レガシー運転手が僕やマイノリティであった場合は対応が確実に異なるでしょう。彼女はジョークも兼ねて「small accident」と言ったのでしょうが、もし僕であれば確実に「big accident」となるわけです。などなどと考えながら、ホントに修理代は100万以上かかるかな?とも思ったりした週末でした。

March 20, 2007

カリフォルニア


カンファレンスの出席と打合せを兼ねて、カリフォルニア州のMontereyとMountain Viewに来ています。ニューヨークが寒波と積雪に見舞われている中、ラッキーにも暖かな陽気と青い空と海に囲まれた数日を過ごしています。

写真はMontereyでの一こま。この地はゴルフ好きではぺブルビーチゴルフリンクス。ジャズ好きにはジャズフェスティバルで知られています。今回はそのどちらも楽しめなかったのですが、ロケハンとしては成功です。そんな中、セミプロゴルファー→投資銀行家→ソフトウェア起業家という経歴にて、今はゴルフのティータイムの予約システム会社を経営している実業家Isaacとカンファレンスで仲良くなりました。ぺブルビーチのような誰もがプレーしたいゴルフコースではその予約にリバースオークションが裏では大活躍しているとのことです。さらに、週末では予約だけで150万円以上払ってでもプレーしたい富裕層はざくざくいる。と、彼は言ってました。「確かにいるだろうな」と思う反面、それじゃ僕のような一般ピープルがプレーできる機会はゼロに近いんだ。と思うとちょっと残念ですね。

その後Mountain View市に移動してきました。実はこの市は僕にとってとても懐かしい響きがあります。というのも、僕の生まれ育った磐田市はこのMoutain View市と姉妹都市関係にある(あった?)のです。30年も前に磐田中部小学校に通っていた時、鼓笛隊で笛を吹きながら、Mountain View市のスタッフを学校に迎えたことをはっきりと覚えています。というのも白人を近くで見て、握手したこともすべてがはじめてだったからかもしれません。それから30年、このMountain View市はシリコンバレーの都市として様々なハイテク企業を誘致し、今となってはあのGoogle社が本社を構える都市としてその存在感を示しています。日本の自治体の姉妹都市というものがどのような定義で、いかなる背景で結ばれるのかは知りませんが、姉の立派な成長を遠くで眺めるちょっと寂しい妹が僕のホームタウンなんですね。

March 16, 2007

誕生日の祝い方


レストランで食事をしていると、急に照明が落とされ暗くなり、奥の方から列を成した店員がろうそくつきのケーキを運び、着飾ったカップルの前で「Happy birthday to you~」と唄い出す。自分を含めた周りの客も、全く知らない人の誕生日をお祝いする。そんな風景によく出会います。僕は正直なところ、このセレモニーは嫌いです。いつ、どこからこの意味のないイベントが始まったのかは知りませんが、多分アメリカ発だろうと思ってます。

365日の中の1日という貴重な記念日である誕生日を祝うことは素晴らしいことです。でも、全く関係のないレストランの従業員、自分達以外の客を巻き込んで何が楽しいのか?僕には理解できません。僕にとって、家族、親族、友人、職場の人たち等々、自分にとって大切な人からの言葉や気持ちさえあれば十分Happyで、他人から何と言われようが安っぽい社交辞令に聞こえてしまうのはひねくれてるからでしょうか。

今日は仕事関係のカンファレンスに出席していました。参加者で近々誕生日を迎える人がいるようで、その人の前祝を皆の前で堂々としていて、いかにもアメリカらしいなと思いつつも、定番の銀色の風船が出てこなくて残念でした。風船と同じく、ニューヨークでは「花」を売っている場所が多いです。写真もその一例でして、どんなに寒さが厳しい日でも花の需要は絶えません。オレンジ色のチューリップや、ピンクのガーベラなど派手な花も取り揃え、誕生日や記念日をそれぞれお祝いするからなのでしょう。

カンファレンスで遭遇したように、例えば今日の3月16日。誕生日を迎える人は世界中にはたくさんいます。きっとそれぞれ特別な日として迎えているわけですね。どんな立場であれ、個々にとって特別な日として影ながら祝福したいと思ってます。

March 14, 2007

Melinda Doolittle


仕事でもプライベートでも、日々いろいろなコトが起こって、その都度喜んだり、悔しがったり、怒ったり。人って忙しいモノだと思います。ここニューヨークが10年以上住んでいる場所であっても、移民である以上、小さなことから大きなことまで、様々な事柄で揺り動かされることは仕方ないことなのでしょう。

そんな中、ここ数週間の間に僕の心を別の意味で大きく揺るがすシンガーがでてきました。写真のMelinda Doolittleです。以前のトピックスにてAmerican Idol(AI)を取り上げましたが、現在6回目のクールが進行中で、今日現在ではトップ12に絞り込まれており、Melndaはその中の一人です。ちょっと恥ずかしいのですが、彼女の歌を聴くと涙が出てくるぐらい気に入っています。

何故そこまで思い入れてしまったか。大きな理由は3つあります。一つは、彼女の職業が Background Vocal (バックコーラス)で仕事としてはいつも裏方であったこと。二つ目には、容姿が一般受けしないであろうこと。そして、最後はインタビューでの受け答えから垣間見る人柄と「歌唱力」というHuman Skill。この3点が見事に僕の全身に響いてしまいました。ようは「本質」なのです。どんなジャンルであっても、容姿やレトリックではなく「本質」だけが人々の心に強く訴えることができるモノであることを確信させてくれました。AIに関連するBlogをSkimしても、Melindaを中傷するようなコメントは皆無で、その「本質」を視聴者ほぼ全員が認めていると言っていいでしょう。

昨日のAIトップ12ライブ放送でのMelindaのパフォーマンスでは、審査員のPaulaが涙、Melindaも涙。そしてテレビの前の僕も涙。というはたから見ればとてもヘンな状況でした。辛口審査員のSimonは、あの大御所Gladys Knightに例えたり、とにかく僕はすっかりやられてます。以下のYouTubeでその内容を見れますので、時間があったら音量を上げて本人の言葉と審査員のコメント、そして歌を聴いてみてください。そして、AIが「米国版スター誕生」なのか、それとも全く別物なのか考えてみてはいかがでしょう。

地域オーディション
ハリウッド第一回
ハリウッド第二回
ハリウッド第三回

March 13, 2007

ニューヨーク・ヨガ


最近ヨガを始めてみました。笑えるぐらい体の固い僕にとって、始めるまでの第一歩がとても大きな決心だったことは言うまでもありません。つまり、先入観としてありえないへんてこなポーズができるまで、ぎしぎし絞られるのではないか。という恐怖があったからです。

ニューヨークにはヨガ教室がたくさんあります。昔から少し興味があり、ヨガのインストラクターが知り合いにいたりして、実は身近に感じてました。が、あのポーズが目に浮かぶたび「自分とは縁のない世界」と思うようにしてました。ところがどうした理由か、好奇心が恐怖心に勝ってしまい、思い足取りではありますが写真のヨガ教室の扉をノックしました。

もちろん初心者コースでしたが、「なんだ簡単ではないか。何を恐れていたのか」というのが第一印象です。細かなテクニカルな話はさておき、Hatha式の基本形をインストラクターに従って真似すればよいのです。インストラクターは時折「no competition, no winner」とソフトなタッチで呼びかけるのですが、このセリフがニューヨーカーにはとても心地いいのです。競技ではないので、できなくても誰にもとがめられないわけです。いつも忙しく、仕事や生活に追われるニューヨーク・ライフではこうした一時はとても重要ってことを改めて知りました。

お香をたいたり、インストラクターと一緒に唄を歌ったりと、雰囲気を盛り上げるためなのか怪しい演出もありますが、そこは深く考えず、ストレッチ+リラックスという目的で手ごろに楽しめ、続ける価値があるものだと思います。歴史をたどれば15世紀のインドから誕生したようですが、すっかりニューヨーク化された「ニューヨーク・ヨガ」としての存在感があると僕は思いました。

March 09, 2007

マーチ・マッドネス


1月にはスーパーボール、2月にはオスカー賞と、米国テレビ業界は年初の2ヶ月で番組あたりの総広告費第1位と2位の大物番組が連続しました。3月になるとその勢いは一段落し、スポーツ分野においても4月開幕のMLBを静かに待つ状態です。と思いきや、実は根強い人気のアマチュアスポーツがあります。

それは「マーチ・マッドネス」と呼ばれる、NCAA(全米大学)バスケットボール選手権大会です。地域リーグを好成績で勝ち抜いた全米64の大学が、トーナメント方式にて全米一を目指すこのイベントは、その地域の住民のみならずOBやOGをもアツくさせます。さらに、オフィスなどではトトカルチョも行われ、自分のひいきのチーム+賭けたチームの勝敗に一喜一憂したことを思い出しました。テレビ放映だけでなく、昨年からはオンラインでの放送も盛んに行われるようになってます。

大学バスケといってもこのトーナメントに出てくる選手のレベルはかなり高く、ここでの活躍がその後のNBAドラフトに直結するとあって、選手も母校のため、そして自分の将来のために一試合一試合が真剣勝負です。プロとは異なり、後のないトーナメント形式。その真剣さが根強い人気の源なのでしょう。ところで、写真は僕が卒業した学校のジムでの一コマです。ニューヨークのダウンタウンにあってスーパー・リベラルな学校であるため運動は苦手。バスケット部はNCAAのレベルには程遠く、ダンクシュートができる選手がいるのを見て少しホッとしました。僕の出身高校が甲子園に出られないのと同じように、この大学もトーナメントには全く縁がないと思うと、やっぱり残念です。

March 06, 2007

NY版 オンライン・グローサリー


ニューヨーカーにとって馴染みの深い宅配トラックには FedexやUPSなどの一般宅配サービスのほかに、写真のFreshdirectがあります。Freshdirectを一言で表現すると、「ニューヨークのオンライン・スーパーマーケット」です。インターネットの仕事が長い人にとっては、WebvanやPeapodの失敗に見られるように、このようなビジネスモデルは「失敗例」として簡単に片付けられてしまいます。しかし、僕にとってニューヨークでのFreshdirectに対しては若干異なった印象があります。

確かにFreshdirectの企業経営は2002年設立以降、赤字続きかもしれません。宅配対象エリアをニューヨーク近郊以内に制限し、登録顧客数25万、社員数300名、宅配ドライバー1000名以上にて、たとえ500万オーダーを処理してきたとしても、薄利多売のビジネスモデルでは赤字が続いても仕方ないでしょう。

でも何故か僕はこの会社が好きです。ニュースでは一時期「Freshdirectに対する駐車違反の罰金が大変な額になっている」と伝えていた程、ニューヨークの至るところで日々必死に食物を配達しているトラックを見ると、何故か応援したくなってきます。僕は一度も使ったことがないのですが、忙しいニューヨーカーのこと、重宝している友人達の話はよく耳にします。前に住んでいたブルックリンでも、「Freshdirectの配送対象エリアになった」というニュースにビルの住人が大喜びしたこともありました。

その土地のライフスタイルや消費パターンをしっかり研究し、真のユーザーにとって重宝がられているサービスを、日々黙々とこなしているこの会社。単に「企業経営の成功or失敗」だけでは片付けたくない別の軸にて今後も着目していきたいと思ってます。

March 02, 2007

ゲイ・チャンネル


「ついに来た!」という気持ちで、地下鉄のホームに掲載されていた屋外広告を見ました。here!というケーブル放送での「ゲイ」チャンネルです。僕の住んでいる場所がとてもリベラルなエリアですので、多くのゲイ・カップルを日々見てすごしてます。すでに日常の風景に同化してるので違和感はゼロ。専門チャンネルができて当然でしょう。

自宅では、Hi Definition、オンデマンド、楽曲配信含めて数百チャンネルに及ぶケーブルを月額8000円弱にて楽しんでいます。地上波ネットワーク局以外に、ニュース、スポーツ、料理、子供番組等々様々なカテゴリーに特化した多数のチャンネルがある中、ついにゲイチャンネルもそのラインアップに加わりました。今の僕の購読オプションではこのhere!チャンネルは含まれてなく、コンテンツを視聴することができないので、この先内容に関しては評価しかねます。

こちらでは、同性愛の結婚が合法か否か。子供のアダプションは是か非か。雇用や入学などの人権は。等々、真剣に多くの議論が日々なされています。隣のニュージャージー州では、現役州知事が「私はゲイ」と告白し自らその地位を退いたり、はたまた私の前職ではボスを含め、多くの男性同士、女性同士のカップル達に囲まれ仕事をするなど、まさに日常の一部となってます。そんな中、やっぱりケーブルでも専門局があったんだ。と改めて認識させられた朝の通勤途中の一瞬でした。

February 27, 2007

ストリート・ミュージシャン


冬の寒さが一段落し、少しずつ暖かになってきました。ランチの後、ぶらりと散歩していたところ、久々にナイスなストリート・ミュージシャンを見つけました。以前に書いたテーマ「不快な地下鉄」の中で軽く触れたストリート・ミュージシャン。通常は嫌いな部類に入ります。というのもパフォーマンス自体「凄い!」と思わせてくれないのにお金を要求するからです。

しかし、写真の今日のミュージシャンは違いました。まずセンスがよい。肌の色、服の色、ベースの色、帽子がすべてマッチしていてカカオマスチョコレートみたいで二重丸でした。次にベース。写真のような6弦ベースを弾いている人をはじめてみました。見ているとギターと同じような左手の使い方で、ベースの旋律を弾いていて、とても不思議。そして最後はテクニック。ファンク、Acid Jazzっぽいベースソロはなかなかのものでした。とにかく一目で気に入ったこのミュージシャンを応援すべく、白いバケツにおひねりを置いてきました。

正直、ニューヨークのストリート・ミュージシャンのパフォーマンスは過去ほとんど無視してきました。が、今日は久々に「当たり」と遭遇でき、暖かくなった気候も重なって少しハッピーになったアフターランチでした。

February 24, 2007

アリゾナ州フェニックス


ボストンでの仕事を終えた翌日、今度は飛行機で5時間の場所アリゾナ州フェニックスへの出張となりました。グランドキャニオンに程近いフェニックスは車で少し走ると、砂漠+岩肌+サボテン+台地+大地といった大自然を目の当たりにすることになります。日々数千人規模で増加していく人口を支えるために、公共交通機関、建物、スポーツ施設、住宅、モールなどの社会基盤の充実が急ピッチで行われている景観は、ニューヨークとは種の異なる勢いを感じ、リアルなSim Cityを体験した気がしました。ちなみに人口は150万人強でして、全米で第6位の都市のようです。

仕事では地元の放送局と情報共有を目的とした打ち合わせが中心でした。急成長中の都市を代表する独立系放送メディアとして、肩肘はらずに様々なチャレンジを実行している姿に学ぶべきものは多かったです。地域貢献に主題を置きつつ、メディア企業としての体質強化、マルチチャネル環境変化への積極的な対応等、シンプルなことをしっかりと積み重ねている姿は日本のメディアも学ぶべきことがあると思いました。

冬でも20度位の暖かさ、夏場には40度近くにもなるこの地で、プロスポーツのほぼすべての種類の球団が存在していることも興味深いです。野球では、ワールドシリーズで優勝経験のあるダイアモンドバックスがあり、真夏の試合では暑くて大変だろうと思っていたところ、巨大なドーム式のスタジアムは当然冷房完備でした。アメリカンフットボールでは、University of Phoenix Stadiumという命名権のついたドーム型スタジアムも驚くような大きさで平原の中に建てられてます。ちなみにこの大学はオンライン授業を真っ先に取り入れた業界ではとても有名な大学なのです。

東海岸、そしてサンフランシスコやLAなどのすでに大都市として成熟してしまった場所では見られない、急成長していく米国都市のダイナミズムを簡単に味わえる場所として、このフェニックスが少し気に入ってしまいました。

February 19, 2007

ボストン


今日19日はPresident Dayという祝日でした。相変わらず寒い3連休だったのですが、火曜日の午前中にボストン郊外にある会社との打合せのため、前泊すべく昼過ぎに車で出発し、今は郊外(Waltham)にあるホテルからです。写真は3時間半のドライブ途中に試しに撮影してみた写真です。(思ったより良く撮れていたので掲載してみました)

アメリカに来てから10年以上ニューヨークにいる僕にとって、ボストンは少々ややこしい場所です。古い街並みや路地、ハーバードやMITなどのアカデミア等々、ニューヨークにはない特色がある米国では稀な都市だと思ってはいます。ただし、心から「ボストンは素晴らしい!」と言えない理由を少なくとも2つ抱えています。

まず最初は野球。Joe Torre監督就任前にニューヨークに来てそのまま、ヤンキースファンになってしまった僕にとって、ボストン・レッドソックスというのはいつも気になる存在なのです。数年前のボストンは、ペデロ、マニー・ラミレス、ディビッド・オーティス、ジョニー・デーモンなどなかなか味のあるプレイヤーを抱えていて、ライバルながらあっぱれな球団でした。今はメンバーが変ってしまい、ライバルとしての面白みがかけたのは事実です。でも、ファンは相当なアツさでして、ボストンの会社と仕事で打合せがあると必ずや野球の話になり、レッドソックスの帽子を無理やり持ち帰らされたりします。

次は「白さ」です。ボストンを中心としたマサチューセッツ州は米国でもニュー・イングランドと呼ばれ、英国の影響を最も受けている地域として考えられています。それ故、英語のアクセントも少々イギリス風になっていたりするのが、この土地の人の自慢です。下手な英語でも構わないニューヨークとは異なり、アクセントの違いや英語のおかしさを過去何度か指摘された場所です。(英国人からすればおかしな「米語」なのに困ったものです)同時に、白さを感じさせる場所です。今日はこの郊外の商店街のバーで夕食を食べたのですが、私以外の客、店員も含めてみな白人でした。アジア人も黒人もいない店は、ニューヨークではいたって特別な場所なので、やはり居心地の悪さを感じてしまいました。

まぁ、こうした感情はニューヨーク在住者には当然なわけであって、今日のように郊外に来ても、実はあまり気にしないのもホンネです。というのも、ニューヨークに比べ人々が素朴であたりが柔らかと言った、いい面もたくさんあるわけですから。

February 14, 2007

バレンタイン デー


今日は2月14日。バレンタイン・デーです。小学校の頃、「下駄箱にチョコレートが入ってないかな?」「机の中に置かれてないかな」など、ありもしないことを想像しながら一日中わくわくしていたコトを思い出します。

このバレンタインデー、歴史をさかのぼると西暦500年ごろに法王がすでに命名しているそうで、米国には1850年頃に輸入されているようです。どこそこの代理店がクライアントとつるんで勝手に造った記念日だと思っていたのですが、実はしっかりとした歴史があったのですね。

こちらに住んでから、バレンタインデーの定義が日本と若干異なることを知りました。多分日本が少々ねじれているのかもしれません。こちらでは仲良し同士がロマンチックに過ごす日とみなされ、カップルであれば男女、男同士、女同士かまわず花やカード、プレゼントの交換をし、ディナーを楽しむ。そんな日となってます。特別メニューを用意しているレストランも多く見かけます。いたって分かりやすい記念日だと思います。

今年のバレンタインデー。ニューヨークでは雪に見舞われました。「きっとレストランのキャンセル多いんだろうな?」などと、余分なことを考えながら、滑りやすい雪嵐の5番街を歩いているとH&Mのウィンドウディスプレイ(写真)を発見しました。外の天気を全く無視したマネキン女性の下着姿、なんだかやる気がなさそうですね。

February 12, 2007

謎のスポーツバー


お酒が大好きな僕は、ニューヨークでゆっくりお酒を楽しめる場所を過去探してきました。探し方が甘いのか、僕の望んでいる店が本当にないのか、好みのバーがなかったのは残念なことでした。ところが最近、妙に気になるバーを見つけ、そこに通い続けています。

写真のNevada Smithsがそのバーなのです。ダンディな雑誌に出てくるような「奥深く、気心の高いバーテンがマンハッタン最高のカクテルを作るその至福の時云々」などとは180度異なる単なるスポーツバーなのです。アメリカのスポーツバーすべてに対してアレルギー的に嫌っていた自分にとって、何故これほどまで通うようになったのか?

すべてバルセロナ旅行が原因です。FCバルセロナの試合を間近で見て以来その熱病は続いていて、ニューヨークでもバルサの試合をライブで見られないか画策してました。そんな折このバーを発見したのです。ここはバルサ応援団のNY支部らしいのですが、中に入るとバルサ以外に、「アーセナル」と「チェルシー」の大きな旗が飾られており、それぞれのファンが集まる場所となっていました。週末は、熱心なファンが一杯5ドルのビールを片手にマイチームを応援する「欧州サッカー狂御用達スポーツバー」なのです。

時差の関係上、欧州現地にて夜の試合はNYでは昼間や午後のキックオフです。1階と地下にて合計10台以上のスクリーンを配置し、アーセナル、チェルシー、バルサなどの有名チームのファンがその試合の時間に合わせて集まり、楽しみ、そして帰っていきます。英国アクセントの本当の英語、カタラン訛りのスペイン語が飛び交うその空間に、これからもしばらく通うことになりそうです。

February 08, 2007

電話会社の名前


日本では携帯MNPの騒ぎが一段落した頃でしょうか。ここ米国は、携帯電話技術や機器の進化は日本に比べ完全に遅れています。ですが、MNP(こちらではLNP)はすでに3年以上前に実施されていたり、かつ携帯電話-固定電話間でのMNPも実施されていたりと、消費者が本当に望むサービスは実はかなり早くから行われていました。

この10年間、インターネットや携帯電話のおかげで世の中いろいろ変りました。同時に商品やサービスを提供している会社や企業も大きな変化を続けています。面白いのが電話(携帯電話)会社の変遷です。僕が利用している固定電話会社の場合、全く同じサービスなのに10年程の間に3回会社名が変ってます。当初は「New York Telephone」、その後「NYNEX」、そして現在は「Verizon」という名称となりました。

携帯電話に関しては、LNPにて携帯電話会社を変えて以来この4年間で「AT&T Wireless」、「Cingular」、そして「at&t」という具合です。写真はCingularの小売店ですが、ポスターやPOPなどでじわじわ新「at&t」へのブランド・トランジションを仕掛けています。この「Cingular - at&t」話は、M&Aが盛んな米国なので納得できますが、理解できないことが一つあります。それは、名前です。そもそもCingular社の方が会社の規模が大きく、ディールとしてはCingular社がat&tブランドを買収した形でした。が、存続ブランド名はat&tとなるのです。今まで、こうした事例は珍しいはずです。これは、アメリカ人のat&tというブランドへの憧憬なのでしょうか?企業名を変えることは、CIの観点、ブランディングの観点、さらにNaming Rightsとして球場名などに利用されていたりすると何かと大変なんですけども。

February 05, 2007

スーパーボール


この国でこの業界にいる以上、今日はスーパーボールを話題にしなければ。といった義務感があります。個人的な興味はさほどありませんが、10年以上も前、僕がまだNYに来て間もない頃、ニューヨーク生まれの友人から「スーパーボール・パーティーするから来れば?」と誘われたのが始まりでした。夕方からその友人の自宅に集合し、ビールを片手にピザを食べ、試合前のショーまでにすっかり酔いが回り、最後まで試合を見たかどうかすら覚えていない、謎のパーティーだったってことは覚えてます。

Anyway,今年はインディアナポリスが優勝し、黒人監督が率いるチームとしては史上初というめでたいストーリー付きでした。試合結果と同時に(もしくはそれ以上)話題となるのが、その時間帯に流されるコマーシャルです。今年も常連のバドワイザーをはじめとして、飲料、車などなど多くの広告主からのコマーシャルが放映されました。

翌日のニュースでは、コマーシャルについて「好ましかった広告」、「好ましくなかった広告」などの評価が話題となります。ちなみに今年は、バドワイザーの評価が全体的に高いようです。話題性という点では、フリトレー社のDoritosが試みた素人制作コマーシャルに注目が集まりました。昨年秋から始まったこのキャンペーンでは、素人が広告を制作し、一般投票による厳しい選考会を経て最終的な勝者の広告がスーパーボールにてオンエアされるというアイデアでした。その他、GMのシボレーなども同様の試みをしてました。

CGMやCGCなどと呼ばれ、日本では消費者参加型○△という言葉が頻繁に聞かれる今日この頃、その本場米国にてついにコマーシャル界の桧舞台「スーパーボール」にたどりついたのはとても興味深いです。何せ、30秒コマーシャルの広告枠コストが約3億円。つまり1秒当たり1千万円の投資に利用してしまうという潔さですから。とはいえ同時期に、MTVなどのメディア企業がYouTubeに対して、自社のコンテンツを無断使用しているビデオを10万本以上強制削除させたというニュースもあり、この先一般消費者を取り巻く動画環境は二転三転していくのでしょう。

February 02, 2007

American Idol の楽しみ方


素人が自慢の歌を披露し、厳しい審査を経てメジャーデビューするという人気番組「American Idol」は、すでに6回目を迎えています。初回から現在に至るまで、番組のスタイルや審査員に全く手を加えなくとも依然として平均20パーセント程度の高視聴率を維持しているのは大変驚くべきことだと思います。

この番組は、審査員のテーブルの目立つ位置にCokeのカップを置くといった、トラディショナルな「ブランデッド・エンターテイメント(プロダクトプレースメント)」や携帯電話会社のCingular(現在AT&Tにリブランディング中)と提携し、視聴者にSMSにて勝者を投票させ、視聴者投票の結果も最終審査結果にリアルタイムに反映させるといった試みで、マディソン街の話題となっていました。

僕はこの番組は好きな部類であり楽しんでます。ライブではなくTivoにためておいたモノを後でまとめてみるのに最適なコンテンツなのでしょう。特に気に入っているのが本選に入る前の予選オーディションです。全米の数都市にて予選会を開き、そこで勝ち残った人たちがハリウッドの本選に出るしくみとなってます。合格した人、落選した人、それぞれのパフォーマンスや審査員とのやりとりを早いテンポでまとめている編集はなかなかウマいです。そして予選参加者それぞれに、開催地ならではの特色が表れている点がとても興味深いのです。

ニューヨーク大会ではさすが競争社会。あたりが強い!つまり、自己主張が激しく、落選しても審査員に食って掛かる魂。なかなか見事でした。一方、アラバマ州での予選では、不合格と言われてもあっさい笑顔でThank you!といえる人たち。英語のアクセントもここNYとは異なってます。そして、どんな地域でも共通して言えることは、歌の上手下手にかかわらず、素人一人一人の中に「個」の輝きと強さが宿っているいることでしょう。同じことを日本で行うと、皆、口を揃えて「よろしくお願いしま~す。がんばりま~す!」のオンパレードとなるのは簡単に予想できてしまいます。

January 30, 2007

クイック・ランチ


以前にも触れましたが、ニューヨーカーは何故か忙しいです。寒さがいよいよ厳しくなってきた真冬でも忙しそうに早足で歩いています。そして、その忙しさはランチの取り方にも表れるでしょう。

写真にある、改造トラックを利用した移動式食べ物屋はニューヨークではいたる所に見られ、「フード・ベンダー」と呼ばれて親しまれてます。この写真はMudtruckと言いイーストビレッジではちょっと有名なコーヒーベンダーです。オレンジ色の車体に目を奪われ、寒さも手伝いついコーヒーを買ってしまいました。その他にも、ビザ屋、タコス屋、西アジアのカレー屋等々、様々な種類のフードベンダーがあり、行列が出来るほど有名になったり、年に一回のコンテストが開かれその味や手際わのよさを競ったりと、すっかり街の人気者となってます。

ニューヨーカーはこうしたベンダーやサラダバーなどでランチを購入し、自分の席に持ち帰って食べたり、暖かい日には公園やパブリックスペースで食べるのが主流といっていいでしょう。さらに忙しい人達(もしくは怠け者達)は電話やWebサイト経由で思い思いの品を注文し出前してもらうことも多々あります。知り合いや仕事関係の人と会うときは、しっかりとレストランを予約し逆にゆったりとランチを取ることで仕事の一部として考えています。急ぎの場合そしてその逆の場合も、ランチに対するこの考え方に僕はすっかり共感しています。今となっては、きまった時間に同僚達と一緒にランチに出かける日本のパターンには違和感だらけとなってしまいました。

January 25, 2007

足場に注意!


高いビルや古いビルがひしめき合うマンハッタンでは、Scaffoldingと呼ばれる「足場」がいたるところに見られます。煉瓦の外壁の修復やビル全体のメンテナンスなどの作業に必須となるからです。通りを歩けば、この足場の下をくぐる機会は必ずあります。

友人からは、「この下を通っていたら上の板が外れて落ちてきて危なかった」、「ペンキが降ってきて洋服を汚された」といったような迷惑ごと、時には訴訟問題にまで発展しそうな被害を受けた話をたまに聞く、マンハッタンに住み、働く人にとっては厄介者の感もあります。

しかしこの「悪者な足場」。若干目線を変えれば、立派なビルボードとしてマネタイズされるのが当然と解釈されているのが昨今のニューヨーク、もしくは米国OOH広告事情と言えます。ビルの建設やメンテが終了すれば、自動的に撤去されるため期限も決めやすく、視線に近い分アイボールを捉えやすい。媒体としては扱いやすい部類に入るのでしょう。

写真はダウンタウンのPuma Store(Sohoの次にオープンされた2件目)です。開店したものの、ビルのメンテナンスで足場が組まれたため、目立たせるよう店舗の存在をビビッドな赤色で表しています。こうした「広告足場」をマンハッタンではたくさん見ることができます。しかし最近、調子に乗りすぎた広告主(代理店)が、交通信号の部分まで張り出している足場に広告を展開し、その結果信号機が見難くなったということで交通法違反として罰金+撤去を命じられたケースも出てしまいました。何でもござれのニューヨークですが、調子に乗りすぎはご法度なのですね。

January 22, 2007

スーパーが面白い


ニューヨークのスーパーにはそれぞれの顔があって、なかなか面白いと常々楽しんでます。セグメント化することが趣味にもなってきている僕は、早速以下の3つのセグメントに分けてみました。

①「庶民派ローカル」スーパー
②「全米チェーン・クオリティ」スーパー
③「ニューヨーク・ハイエンド」スーパー

写真は③に属する Balducci'sでして、演奏会でも行われそうな建物の中に高級食材やお惣菜が所狭しと並べられている店です。

この3つのセグメント、それぞれにマーケティング戦略が異なります。
①の「庶民派ローカル」は、D'AGOSTINO、A&Pなどに代表されるマンハッタン内でも多くの店舗を見かけます。これらは特売品をクーポンと共にちらしにて積極的に展開します。この点では、日本のスーパーの戦略とほぼ同じでしょう。
②の「全米チェーン・クオリティ」は、Whole FoodsやTrader Joe'sのように、オーガニック系食材や、独自ブランドによる健康的な食材の流通を主とし、ストアブランド系の低価格商品から健康的な素材にて若干の高価なアイテムまで幅広く揃えるスーパーです。店舗デザイン、厳選された商品とその配置、従業員の教育を含めた一貫したブランディング戦略を徹底しています。そしてチラシは見たことがありません。
③の「ニューヨーク・ハイエンド」では、写真のBalducci's、Zaber'sなどの高級食材、お惣菜を中心とする店であり、チラシは利用せず、DMなどの1to1ツールにて高いデザイン・クオリティを維持したクリエイティブ勝負のオファーを提供してます。

消費者として、このように選択肢が多いことは好ましいと思ってます。チラシのクーポンを握りしめつつ安い水を買いにA&Pを訪れ、オーガニックのホールグレインパンを探しにWhole Foodsをうろうろし、時にキャビアの入ったサンドイッチをDMのクーポンを利用してBalducci'sで買ったりと、目的に応じて3種類のスーパーを使い分けることが可能だからです。

個人的には②のスーパーに出かける頻度が一番高いのです。同じ食材でも①に行けば安く入手可能なのですが、店の持つ全体的なブランド・イメージ、店員から伝わるエンゲージメント感、しっかり研究された品揃え等々、消費者の欲求や心理をしっかり把握し、価格以外の部分にて企業戦略として実施している店には、顧客に対して安心感を同時に植え付け、その結果ロイヤル層に育てていくのでしょう。私はそのターゲットにすっかりなってしまってます。

January 16, 2007

理解できないのに印象に残った不思議広告


地下鉄の駅構内で本日ひときわ目を引いたのが、写真のポスターでした。カメラの質が悪く残念ですが、明るい色使いと花模様のポスターに、不快な地下鉄のホームでホッと一息させられたのは事実です。

よく見ると、コピーはすべてスペイン語。何を言っているのか全くわかりません。ニューヨークに限らず米国では、スペイン語を話すヒスパニック層は消費者セグメントとしては無視できない存在であり、専門のメディア、コンテンツ、広告等と日々何のためらいもなく接しているのが普通です。スペイン語の広告の場合、そのコンテキスト、クリエイティブ、ロゴ等から広告主は誰で何を対象としているかはおおよそ判別可能なのが普通でした。しかし、このポスターだけはさっぱり予想もつかず、それ故僕の好奇心を十分くすぐってくれたのです。

結果からお話しすると、この広告では「HIVの検査をしましょう」というメッセージということが、Googleを駆使した結果わかりました。たとえ公共広告というカテゴリーとはいえ、商品やロゴもないクリエイティブにて、しかも母国語(この場合は英語)でない言語で堂々と掲載してしまう。この大胆さには驚きました。とはいえ、言葉を理解できない僕の興味を引き出したのもクリエイティブの力だということも、改めて認識させらました。デジタル一色の最近、とかくROIやメディアミックス等々の新しモノコトを追っかけていた自分にとって、久々に原点に立ち返った一瞬は実は貴重なのかもしれません。

January 11, 2007

「美しい国」を造るのは誰?


年末年始は日本に滞在しました。家族や親族達と会えたことは大変よかったのですが、テレビなどのメディアと接しながら次第に居心地が悪くなりつつニューヨークに帰ってきました。さて、何があったのか。

安倍首相が掲げる「美しい国」というテーマは単純に好きです。正月名物の富士山や歴史建造物などの美しさ、歴史と伝統を伝えていこうという心の美しさ等々、世界の中でも誇れる点は多くあると思ってます。ところが日本で耳にした様々な悲しい出来事は、「美しい国」とはかけ離れた現状をさらけだしていたと感じました。

夕張市を代表する自治体の破綻、教育現場の混沌、蔓延するいじめなど、哀しみ、怒り、時にあきらめを感じさせらる話をメディアを通じて知りました。特定テーマを取り上げ数名のコメンテーターによって評論する形式が日本では流行っているようですが、僕にとってこの形式そのものが「いじめ」を象徴しているように思えたのです。つまりテーマの当事者を非難・批評しているだけで、「なぜ」こうなるのかといった根本的な議論が欠けているからでしょう。

日本で騒がれているこれらの問題の根っこには、官僚が頂点にある「いじめ」構造にあると僕には思えてなりません。「日本を造り動かしているのは私達です。私達は日本で最も頭脳明晰で日本のことを一番考え、日々激務をこなしています。よって皆さんは私達の言うことに従うだけでいいのです」という官僚の姿勢。そして「ご指導を忠実にこなすよう励ませていただきます」という自治体や民間企業の逃げ場のない立場。この一方通行的なリレーションが日本社会の歯車を狂わせているのでは?と思い始めたら妙に居心地が悪くなってきたわけです。

生活者の視点において、米国ではこうした不快感はありません。まず、優秀といわれる学校の卒業生で官僚志望はほぼ皆無。日々の生活においても民間、自治体、生活者の影響力が強く、官僚によるパワーハラスメントを垣間見て嫌な気分になることも滅多にありません。国家レベルでは大統領主導の「イラク戦争」は大変頭の痛いことなのですが。。。そして日本。「美しい国」を造るのは一体誰なのか。それは一部の官僚ではなく、やはり国民一人一人ではないでしょうか。

December 26, 2006

米国年末商戦


クリスマスも終了し 2006年もあと数日を残すだけとなりました。小売業の年間売上高の約4割が年末の1ヶ月程度に集約される言われる米国年末商戦も最後のカウントダウンを行っています。今年はオンライン販売は伸びたようですが、店舗小売は予想を下回ったようだ。との見方が今日発表されてました。

そんな中、写真のMacy's。今年は今まで以上に大胆なDM戦略かつ小売戦略を行ったと思います。その結果はまだ不明ですが、とにかく大胆でした。DMに関しては11月後半からほぼ毎日のようにカタログ、フライヤー、カードが届き、15%オフ、1 Day Saleなどと激しく攻めてきます。一方小売に関しては、ニューヨーク界隈の店舗においては、クリスマス前は朝7時から24時開店、直前では24時間営業とやる気まんまん。こうなると、採算度外視という言葉を超えて、「どうだ。気合をみたか!」といった感じで天晴れでした。

ダイレクトメールに関しては、推定ではありますが1年間で10億通以上は確実に送付しているはずです。(下着のVictoria's Secretのカタログ送付数でさえ4億通ですから)もっぱら、自然保護に関して世界的なモラルと逆行している米国ですが、最近ではこの無駄なDMによる自然破壊を取り上げ、自粛し始めた企業もようやくでてきました。そんな中、Macy'sはそんなコトはおかまいなし。ひたすら印刷物を送り続けてきます。

この企業、僕の感覚では食料品売場のない「イトーヨーカドー」と「一般百貨店」の中間だと思ってます。全米の大都市やモールに店舗が展開されてます。ニューヨーカーにとっては、夏の花火、感謝祭のパレードなどの重要イベントの冠スポンサーとして、ブランドは浸透してます。一旦は倒産し会社更生法を適用して再生したこの企業、果たして今年の「本気の」年末商戦の結果はどう転ぶのでしょうか?

今年の掲載は今日で一休みとさせていただき、来年は1月中旬から再開する予定でおります。それでは皆様よいお年をお迎えください。ムラマツ

December 21, 2006

オートバイとブランド・ロイヤルティ


先日ささやかなパーティーに参加した際、隣にいたアメリカ人女性と盛り上がった話がありました。題材は「オートバイ」。ヤマハ発動機の本社がある磐田市出身の僕としては、頑として日本製のオートバイ。特にヤマハの良さを主張しました。(日本に住んでいた頃にはTX650というバーチカルツィンの旧車を大事に乗ってました)彼女は徹底的にハーレーの良さを主張してます。

これは面白いな?と思って、ハーレーのどこが好きかと聞くと、「音、力強さ、自由」などなど、マーケティングの授業での模範解答のようなブランド因子を答えてくれました。では、ヤマハ、ホンダのどこが嫌いかと聞くと、「音が悪い、軽そう」など僕には納得できない点をいくつか指摘してくれました。結局、彼女は競合などどうでもよくて、とにかく「ハーレーが好き」なのです。そういえば、マーケティング関係のセミナーに出た時、スピーカーの一人が最もブランドロイヤリティの高い米国ブランドの一つがハーレーである。と具体例を挙げて説明してました。この女性のコメントからも納得できますね。ちなみに、ハーレー社の株価はいたって好調のようです。

さて、写真は通りがけにたまたま見つけた Moto Guzziです。緑と黒のカラーリングがちょっと珍しく、しばし立ち止まって眺めてました。幸いなことにニューヨークでは欧州の旧車を見かける機会が時折あります。Triumph, BSA, BMW, Ducati, Moto Guzziなど、いい感じにメンテナンスされた旧車が街角に駐車してあると、うっとり見とれてしまいます。オーナーはどんな人だろうと考えるだけでもわくわくします。これがハーレーですと、「ひげづら、刺青、でぶ」のオーナー像しか想像できない私はやっぱり偏見があるのでしょう。

P.S) 12月4日にポストしたWorld AIDS Dayのイベントに出展したオートバイの絵ですが、残念ながら作家の私宛に戻ってきました。つまり買い手がなかったということです。自分では「行けるか?」と思ってたのですが、さすがに競争の激しいニューヨーク。一夜漬けのにわかアーチストはあっさり見破られるわけですね。これに懲りずにまた挑戦します。

December 19, 2006

とても忙しい時期


クリスマス直前の1週間はニューヨークで(すなわち世界で)最も忙しい時期だと思います。仕事も押せ押せ、パーティーは連夜、ギフトショッピングもまだ半分残っていて等々、ただでさえ早足のニューヨーカーの歩く速度が倍になります。同時に街には観光客も増え、ショーウィンドウに立ち止まったりして歩行妨害。忙しいニューヨーカーとハッピー観光客との冷たいバトルが、心の中にはきっとあるはずです。

写真は今日の昼休み、グランドセントラル駅とつながっているオフィスビルのスペースで開かれた地元の高校生のコーラスイベントです。音楽の専門家ではないのですが、なかなかメリハリのある「ハレルヤ」を合唱していてとても好感が持てました。こうして、地元の子供達がその練習の成果を披露できる機会が気軽にあるコトはとてもよいことだと思います。

コーラスやイベントの良さとは別にそこで感じたことは。あまりにも忙しい人々のことです。ランチタイムということもありますが、①おっ、これは何だ。と一目見る。②面白そうだなと立ち止まる。③最長でも20秒聞いたら「こんなものか」と立ち去る。といった行動パターンが殆どでした。たまたま曲の終わりにこのサイクルがはまってしまった人は、歩きながら拍手をして立ち去ります。椅子が50脚程準備されてましたが、座って聞いてる人は5分の1程度で、そのほとんどが観光客のようでした。師走って言葉が日本でもありますが、師だけでなく「市」そのものが走り続ける場所なのでしょう。

December 12, 2006

WAL*MARTと広告業界


米国広告業界では、先週かなり大きなニュースが吹き荒れました。その中心となったのが、写真のWAL*MARTです。内容を簡単にまとめると、「WAL*MART社の1年間の広告全般の委託先として一旦決められた広告代理店が白紙に戻された」わけです。

このよくありそうな話が何故そんなに大きく広く伝えれらたのかと言えば、やはりその規模にあると思います。一代理店に託す予算がなんと「650億円強」だからです。米ドルで5億8千万ドル、117円換算でも約680億円の予算額はさすがに魅力的で、大手代理店数社による競合コンペの結果、Inter Public GroupのDraftFCB社がそのコンペの勝者でした。

DraftFCB社に決定した時には「おや?」と不思議に思いつつも、トラディショナルな代理店ではなく、ダイレクトマーケティングに強いDraft社とトラディショナルなFCB社が合併した新しい組織がきっと魅力的だったのだろうと感じました。しかしこの決定の背景にはちょっとしたスキャンダルがあったのです。

WAL*MARTで代理店選択の決定権を持っていた Julie Roehm氏が更迭されたことで、DraftFCB社採用は白紙撤回されたわけです。では何故Roehm氏が更迭されたかと言うと、WAL*MART社の「ベンダー、サプライヤーからのいかなる接待やギフトに応じてはいけない」という会社規約に背いたようです。その接待とはニューヨークでも高級日本食レストランとして位置づけられる「Nobu」でのバーティーに参加したことのようです。他にも、DraftFCB社の社長が所有するAston Martinに同乗した、部下との不倫等々スキャンダラスな話がこの更迭劇のその他の理由のようです。コトの真意は全くの不明なのですが、はたして「代理店からの食事の誘いを一切受けてはいけない」という規約がいいのか悪いのか、僕には判断できないのがホンネです。

December 07, 2006

さよなら!タワーレコード


ブログを始めた頃、iPodに関して経済的に与える影響の大きさを取り上げてみました。音楽産業、家電業界、エンターテイメント業界などへ与え続けている経済効果の大きさはかなりのものです。ところが、その躍進の影にかくれ、ひっそりと衰退していくものもあります。

サンドイッチマンという日本語があります。ここニューヨークでも、5番街などの目抜き通りでは時折見かけ、宣伝というよりも、しっかりと通行人の邪魔をしてくれます。マクドナルド、洋服屋などの看板が多い中、つい最近TowerRecordのサンドイッチマンを見かけ、閉店することを知ってしまいました。

TowerRecordは会社更生法を適用した結果、米国の全店舗をクローズし、オンライン専業ストアとして再生していくという結論に至ったようです。ニューヨークでは、Broadwayと東4丁目というリベラルかつ賑やかな場所に店舗を展開し、楽曲、ビデオ、書籍など多彩な品揃えがあるため、近くの大学院に通っていた時代から何度も立ち聴き、立ち読みに立ち寄ったことが懐かしい場所です。黄色地で赤字の鮮明な看板、最新の楽曲で賑やかな店内に何度も吸い込まれ、勉強で固まった頭をほぐしてくれたのです。

オンライン商店や大規模小売店が発達してくれたことは消費者としては大変便利でありがたい。しかしながら、駄菓子屋、文房具屋、自転車屋、時計屋などのお店がすでに殆ど見かけられなくなっているのも寂しいものです。このカテゴリーについに大手レコード店が加わる時代になったのか。とiPodを聴きながらふと寂しく思った夕方でした。

December 04, 2006

World AIDS Day


World AIDS Dayの12月1日は、ここニューヨークでも様々なイベントが繰り広げられました。AIDSという病気、そしてその発症率が高いといわれる同性愛者に対して、政治も経済もアートも正面から向き合うニューヨークにとっては大切な一日だと思います。

そして今年、僕もこのイベントに初参加しました。Visual AIDSという団体が主催しているイベント「Postcards From the Edge」に写真の絵画を出展したのです。アートとは直接関係のない仕事をし、子供の時以来真剣に絵も描いたこともない僕の絵が、チェルシーの有名ギャラリーに約1500点の作品の一つとして展示されたことは単純に嬉しいことです。

このイベントはチャリティーを目的としていて、その仕組みが面白いです。参加は自由。参加者はポストカードサイズの作品(絵画、写真、オブジェ等々)を締切までに事務局に送ります。そしてWorld AIDS Dayの期間中ギャラリーにて一般公開され、来場者は気に入った作品を購入することができます。購入金額は一律75ドルです。購入時には作家の名前がわからないので、たまたま購入した作品が超大物アーチストのものである可能性もあるわけです。(購入後に購入者にその作家の名前と連絡先が伝えられ、作家には購入者の情報が伝えられます)

生まれてはじめて有名ギャラリーに自分の作品が展示された僕にとって、誰かに購入して欲しい気持ちもあれば、せっかく描いた絵なので誰にも購入されずに戻ってきて欲しいという思いもある。結果が出るまでわくわくするイベントでした。

November 30, 2006

enviga - 炭酸茶ドリンク


ここ最近、ビルボードや地下鉄などの屋外広告で気になっていた商品がありました。それが、この写真のドリンク「enviga」です。缶上の表記「Sparkling Green Tea」という文字が私の興味をそそっていたのです。またまたアメリカの人達が日本の名品「緑茶」を勝手に変えて、お茶でもないのにTeaなんて言って。。。といつでも文句を言う準備はできてました。

そして今日お店で見つけることができ、早速飲んでみました。これが悪くない。確かに「緑茶」とはかなりかけ離れたモノになってしまってますが、飲料としては、あっさりさわやかでかなり好きな部類です。で、缶に書かれている説明を読むと、ローカロリー、ノーシュガー、メタボリズム効果あり等々書いてあります。さらに、構成成分には「epigallocatechin」というなんとも難しい物質が。調べてみればなんだ「カテキン」ではないですか。

僕の興味はさらに深まり、この製品がNestleとCoca-Colaの合弁事業にて生産・販売されている事実も発見しました。Nestleの食品科学やお茶に関するの専門知識と Coca-Colaのマーケティング/販売流通パワーの融合を目的としているようです。通常は競合とみなされる両社が協力して一つの製品を開発・販売する姿勢はなかなか面白いです。envigaの詳しい情報はこちら。

November 27, 2006

バルセロナ


感謝祭の休日を利用してバルセロナに旅行してきました。ガウディ、ダリ、ミロなどの天才芸術家の作品を鑑賞したり、本当に遅くまで開いているレストランでカタルーニャ料理やワインを堪能したりと、かなり忙しくも充実した旅行でした。

その中で帰米後の今でもシビレ続けているのが、FCバルセロナの試合をホームスタジアムCamp Nouにて観戦できたことです。コーナーキックに程近い5列目の席が入手でき、目の前であのロナウジーニョ(写真)やデコがプレイをしたのです。試合は4対0でバルサの圧勝。しかも4点目はロナウジーニョのオーバーヘッドシュートという超特典付きでした。10万人の観衆のロナウジーニョ・コールは今でも耳に焼き付いています。今まで見たことのないハイレベルなサッカーに加え、ホームチームを本気で愛する10万人の大観衆の真剣な態度には脱帽です。僕の故郷の磐田が、いつかこのレベルにこれるようひそかに願ってます。

さて、この5日間の旅行で改めて認識したことは、旅行で目立つ人達のコトです。日本を含めた韓国、中国などのアジア系グループは同じような格好をして大勢で移動しており、確かに大変目立ちます。しかし、それ以上に私が感じたコトは、アメリカ人のグループです。美術館や博物館のように静かに鑑賞すべき場所、駅、電車、空港などの公共施設、そしてレストランの中。こうした場所で大きな話し声や笑い声が聞こえる場合は十中八九アメリカ人です。他人のことを考えず、ユニバースの中心にいつでも自分を置く人たち。パリやベルリンなど他の欧州都市でも同じ体験をした私としては、「粗雑なアメリカ人」をここバルセロナでもまたまた感じた旅行です。

November 21, 2006

地下鉄シリーズ (3)


地下鉄シリーズ第三弾は「臭い」です。そして今回で地下鉄シリーズをひとまず切り上げたく思ってます。「臭い」ことを写真で表現するのは難しいです。この写真は極めて一般的な地下鉄の駅なのですが、この写真を撮った時とても臭かったのです。原因は私の後方にいたホームレスなのですが、こうした経験は頻繁にあります。

臭さは、地下鉄と地上を結ぶ階段、地下の改札前、ホーム、車内と4種類のスポットで利用者を襲います。そして、そのほとんどがホームレスにかかわる排泄物系です。そしてそれ以外の匂いとしては、ホームや線路に捨てられたゴミ、体臭、車内で食事している人の食べ物などがあります。この話、あまり気持ちいいものではないので、この辺で切り上げます。

さて、その他の不快感としては温度があるでしょう。特に夏は大変です。車内はエアコンが効くのですが、その熱を全力で車外に出します。当然、その熱が地下鉄構内にたまりそれはそれは灼熱地獄。そこに、軋み音、やかましいアナウンス、臭さなどが重なり「不快交響曲」が奏でられます。複数の線が重なるユニオンスクェアなどのターミナル駅は大変なのです。

しかし、世界の大都市でこのようなひどい公共交通機関は見たことがありません。これもアメリカの粗雑さの一つの姿なのでしょう。確かに、東京の地下鉄のように完璧なまでに整然と清潔にする必要はないのですが、ここまでひどいのはおかしいと思います。それでも、1回2ドル。30日券で76ドル(約9000円)で使い続けなければいけない。まさに"Let them suffer"の国なのでしょう。

November 17, 2006

地下鉄シリーズ (2)


ニューヨークの地下鉄シリーズ第二弾は、不快三大理由の2番目「うるさい」に関してです。ホームで待っている場合に最もうるさいのが「レールの軋み音 」です。金切り声のような大きな不快音が電車の往来の度に発生するとても迷惑な駅が多々あります。14丁目のユニオンスクエアの駅(写真)もその一つ。

この不快音の原因を素人なりに考えてみたのですが、電車が真っ直ぐな形でプラットフォームに停車しない場合。すなわちカーブしている状態でブレーキをかけて停車し、乗降を済ませた後再び発車する時に起こるのではないか?と推測してます。つまり「カーブ」がいけないのでしょう。それ故、電車に乗っている最中であっても、カーブにさしかかると必ずこの「ギィッ、キィ~~~~」という音がして、乗客の顔を引きつらせるのです。

そして、軋み音以外の「うるさい」は、下手なパフォーマーと物乞い達でしょう。ホーム、乗換え通路そして車内など、いたるところにパフォーマーがいます。その存在を否定するわけではないのですが、下手だと困るわけで、単なる騒音、雑音、迷惑音になります。さらに、最近ではポータブルプレイヤーのヘッドフォーンから漏れる「しゃりしゃり」音も気になります。周りの音が大きいため、自分のiPodの音量も上げないといけないわけですよね。そして、その音が漏れて新たな音公害を発生させるメカニズム。こうして、レールの軋み音、パフォーマーの音や声などの様々な音害が重なり合って多分「世界で一番うるさい」地下鉄ができあがるのでしょう。

November 14, 2006

地下鉄シリーズ (1)


地下鉄シリーズと言っても、ヤンキース対メッツの試合ではなく、ニューヨークの地下鉄に関して感じたことを何回かに分けて書こうと思っています。ニューヨークの地下鉄はMTAと呼ばれるニューヨーク周辺の鉄道、バス等の交通機関を管理運営している私企業の一部門です。つまり、市や州が運営している公共事業ではないことをまず最初にお伝えします。

さて、何故地下鉄に関して取り上げるのかご説明します。日々利用している大切な公共機関ですが、あまりにも不快なのです。不快さにもいろいろありますが、敢えて言えば、「汚い」、「うるさい」、「臭い」が三大理由でしょう。

今日は「汚い」を取り上げます。写真は私のオフィスがある最寄駅の壁です。外に出れば有名なMOMAのある一等地なのですが、地下鉄ではこの通り壁のペンキははがれて、黒いカビのようなすすがいたるところについてます。さらに、他の駅に行けば同じく、壁は汚く天井も同様でほぼ全駅において水漏れが発生してます。(雨が強い日には地下鉄の駅のホームで傘をさすこともあります)。プラットホームにはガムや食べ物のカス、汚物等々とても汚いです。そして線路。水、汚物、食べ物のカスなどの世の中の汚いものが集まり、それを目指すゴキブリとねずみのカーニバルが24時間続いてます。

こんな汚い話ばかりでごめんなさい。でも、これが現実でして、いつか誰かに聞いてもらいたく地下鉄シリーズの第一弾として今日実現しました。

November 06, 2006

NYCマラソン(2)


NYCマラソンが晴天の中無事終わりました。今年の結果のサマリーとしては、男性チャンビオンが常連のケニア勢から初の南米ブラジルの選手になったこと。女性チャンピオンが2年連続で小国ラトビアの選手であったこと。そして、ツール・ド・フランスで7年連続優勝という偉業を成し遂げたアメリカ人のランスアームストロングが、サブスリー(2時間59分36秒)という立派な記録でゴールしたこと。この3点につきると思います。

こうした華やかな記録の陰にも、NYCマラソンにはとても立派なストーリーがたくさんあります。この写真は一体何だと思いますか?カメラの性能が悪くてよく映っていないのですが、これは「車椅子」です。今日たまたま仕事でヒルトンホテルに出かけていた時、ロビーの片隅にこの2台を発見しました。このレース用の車椅子には、しっかりとNYCマラソンのゼッケンが張られていました。きっとこのホテルに選手が宿泊しているのでしょう。

NYCマラソンでは車椅子でのレースも同時開催しており、一般ランナーと同じコースを車椅子フルマラソンとしてタイムを競います。車椅子と普通のランでは選手の目線の位置が違うため、通常のランナーが車椅子に気づかないことも多いのです。その場合には必ずと言っていいほど、周りのランナーが大きな声で「Wheelchair!」と叫び、道を空けるように配慮します。

健常者の華やかな記録や自己達成感はとても素晴らしいです。が、車椅子にて日々鍛え自己の記録にチャレンジしていく姿勢はさらに尊いモノだと、余分な機能をそぎ落としレース用にしっかりと使い込んだ車椅子を見て改めて感じました。

November 03, 2006

NYCマラソンから学ぶスポーツマーケティング


11月最初の週のニューヨークは、世界中から集まるランナーとそのサポーターで賑やかになります。この写真は、NYCマラソンを二日後に控えた今日のMetro紙(無料で配布されている日刊新聞)の広告です。これ以外にも、ニューヨークのいたるところで、NYCマラソンをテーマとした広告、イベント、ニュースなどが繰り広げられます。

僕も8年前の98年に参加して、このイベントの素晴らしさを体験しました。普段のニューヨーカーは、わがままで、騒々しく、自己主張が強くて。。。と悪い面ばかりが目立つのですが、この大会を機に「ニューヨーカーもいいとこあるじゃん」と思った次第です。さらに、心を捉えたのがスポーツイベントに対するマーケティングアプローチでした。確かに米国でのスポーツマーケティングに関しては学ぶところが多く、仕事仲間のMさんとは日々様々な議論をしています。

その中で今日はスポーツイベントと都市に関して考えてみました。野球、アメフト、テニス等メジャーなイベントに加え、多くのローカルスポーツイベントにて市長や州知事が観戦している姿が出てきます。テレビやラジオを通じて「楽しもう!」と訴えます。時には「一杯買い物をして税金払ってください!」などと面白いことも平気で言います。NYCマラソンでもスタートの大砲は市長が点火します。

そうなのです。消費税が地方に還元される率が高いのが米国です。日本では5%の消費税のうち地方に還元されるのはわずか1%。米国での消費税は地方税になります。例えばニューヨーク市では8.5%程度の消費税のうち4%が州の取り分で、残りの4.5%が市に入ります。スポーツイベントを目的に多くの人が訪れ、入場料を払い、買い物をすることで地方税収入が増加し、それが交通規制や警官配備にかかるコストを上回ればそのイベントは市の財政としては成功であり、市長が休日に参加して、市民にメディアを通じて唱えた甲斐があるわけです。

November 01, 2006

ビルボードの味


たまたまタイムズスクエアの辺りを歩いていたら、ビルボードの差替えの最中でした。広告主はBertolliというイタリア食材で、ニューヨークのスーパーではよく見かけるブランドです。

ここタイムズスクエアはこの数年でそのパワーがより一層グレードアップされました。有名なビルボード群も鮮明な大型スクリーンによるデジタル・ビルボードが所狭しと並べられ、夜になるとまさに近未来エリア。Toys"R"Usなどの大型店舗、テレビ局のスタジオ、ハードロックカフェ等々、その様相はテーマパークそのものになってます。(Kellogg出身ToysRUs勤務の友人は、この店舗を暗に否定してましたが)

そんなきらびやかな環境下、撤去中のビルボードは大きさこそ最大級なものの、電飾がないためか質素に感じてしまいます。そして、人手による設営・撤去作業が、より一層その風情を強調しているかもしれません。僕個人としては、巨大スクリーンの眩しいばかりのビルボード広告も派手で好ましいのですが、食品などのアイテムの場合、こうしたアナログ的なモノが好みです。暖かさや匂いが感じられるからでしょうか。ハイテクとアナログ、その良し悪しを理解した上で、上手に使い分けることが必要な世の中だと思います。